知事定例記者会見(令和5年9月12日火曜日)

ページID:110756更新日:2023年9月13日

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知事記者会見(令和5年9月12日火曜日)

防災新館401,402会議室

16時30分から

発表事項

発表事項以外の質問事項

230912知事記者会見

令和5年度9月補正予算案について

知事

本日は、9月定例県議会の提出予定案件及び編成作業中の補正予算の概要について申し述べます。

まず、定例県議会ですが、9月26日に招集を予定しております。

提出案件は、条例案3件、予算案4件などであります。

計上予定の主な事業について説明をいたします。

初めに「人口減少対策」についてですが、ご案内のとおり、我が国では世界に類を見ない急速なペースで人口減少・少子高齢化が進行しております。また、大都市圏と地方における人口移動の不均衡は、地方の過疎化や地域産業の衰退などをもたらす大きな要因となっていると認識をしてます。

本県の最近の人口動態ですが、社会増減では2年連続の転入超過となっておりますが、一方、合計特殊出生率の低下などから、総人口は43年ぶりに80万人を下回るなど、大変危機的な状況にあると認識しております。

人口問題は、個人の選択と密接に関係するものではありますが、令和4年の本県の合計特殊出生率1.40は、希望出生率1.87から大きく乖離をしております。

すなわち、「産みたくても産めない」県民の皆様に対しまして、希望に満ちた選択肢を提示する、これは私ども行政の役割であると考えているとこであり、コロナ禍を脱しまして日常生活を取り戻しつつありますが、今こそが、この下降トレンドを上昇トレンドに転換させられるか否かの瀬戸際であると考えています。

このため、去る6月には、この危機的な状況を克服する決意を県民の皆様と共有をするべく、全国初となります「人口減少危機突破宣言」を行ったところです。

7月に本県で開催されました全国知事会議におきましては、少子化対策がテーマの一つに掲げられました。政府の「こども未来戦略方針」に対する提言の取りまとめですとか、国と地方が方向性をひとつにし、総力をあげて取り組む旨の「山梨宣言」を採択いたしました。

県内におきましても、オールやまなしでこの問題に立ち向かうべく、市町村、企業、団体の皆様と「人口減少危機突破共同宣言」を行い、県をあげてこれに向き合う環境を整備したところであります。

本県の取り組みといたしましては、先月、県民の皆様それぞれのライフステージにおいて、切れ目のない支援を実現していくため、本県における人口減少危機対策の核となります「人口減少危機対策パッケージ」の暫定プランを公表したところであります。

9月補正予算におきましては、この暫定プランの一部を実施するための経費を計上して参ります。

人口減少対策ですが、長期的に、困難かつ複雑な社会的課題に対応するものでありまして、今後、効果的な施策を立案していくためには、まずは、出生率上昇を阻害する要因などを十分に把握し、その上で持続可能な取り組みを実施していく必要があります。

このため、9月補正予算におきましては、今後の迅速な施策の本格展開のため、最初の種を蒔く取り組みに必要な経費を計上いたします。

すなわち、子育て世代の経済的負担の実態や、労働環境、住環境、或いは若者のキャリアビジョンなど、人口減少と密接な関連が推測されます各分野において、出生率上昇を阻害する要因を把握するための調査を行って参ります。

この調査結果を踏まえまして、可及的速やかに、より効果的で持続可能な施策を立案して参ります。

一方、調査以外にも、すぐにでも始められる取り組みに要する経費につきましては積極的に計上しております。まずはモデルケースを創出し、効率的に県内全域への波及、そして民間での自立展開を図って参りたいと考えています。

例えばですが、結婚や子育てに対する漠然とした将来の不安を払拭するべく、ライフステージ別の支出目安や支援策をモデル的に示す「やまなし版ライフコース」の啓発ツールを作成いたします。

その上で、包括連携協定締結企業など、民間企業を巻き込み、お力添えをいただき、保険会社、或いは銀行などと連携した相談体制の充実や、人材派遣型の企業版ふるさと納税を活用した専門人材によりまして、市町村、企業、団体等への指導助言などを行って参ります。

また、国際保育推進の取り組みにつきましては、保育所等の多言語・多文化対応のため、通訳派遣などの支援を行いつつ、外国人の園児と意思疎通が図れるツールを保育所、保育士などとともに開発し、全県に共有して参りたいと考えており、人口減少という大変重大かつ喫緊の課題ですが、これは行政だけの努力で解決できるものではありません。全ての関係者の皆様と叡智を結集し、プランを完成形に近づけて参りたいと考えています。

このため、こうした取り組みを着実に進めていくため、山梨県部等設置条例を改正し、組織体制についても充実を図って参ります。

具体的には、人口減少危機対策を全庁で、迅速かつ強力に推進し、かつ、今後長期にわたって取り組みを継続していくため、新たに知事直轄の組織として「人口減少危機対策本部事務局」を設置いたします。

この本部事務局の事務局長は、部局長級に位置付けまして、庁内の施策調整及び進捗管理などを行うとともに、市町村や民間企業との連携窓口としての役割も担ってもらおうと思っております。

繰り返しになりますが、この挑戦は、大変息の長い取り組みとならざるをえませんが、決して先送りすることなく、今を生きる世代の責任として、成すべきことを全て実行し尽くしていく決意であります。

次にDXの推進についてです。

DXの推進は、ご自身の身近な生活や仕事におきまして、デジタル技術を活用できるユーザー側の素養を社会全体で培っていくとともに、多様なニーズに応え、新たなシステムを構築するエンジニア側を育成すること、この二つがともに不可欠であると考えております。

6月議会で計上した予算によりまして、社会全体のユーザーに向け、中小企業をはじめ、学校、自治会、商工会などを通じたデジタル・リテラシーを養う講座や、中高生向けのプログラミング学習、或いはデジタル技術を活用した地域課題解決型の学びの機会を提供しているところであります。

一方、エンジニア側につきましては、各業界それぞれが高度人材の育成を図っているという状況でありまして、限られた人材を県内で効果的かつ有機的に活用する必要があると考えます。

このため、DX人材の安定的な育成・供給に向けまして、中学校、高等学校でデジタルスキルを学んだ生徒が、大学で更に磨きをかけ、社会人となって活躍することに加えまして、この大学生が中高校生などを指導するという自発的な循環サイクル「DX人材育成エコシステム」の形成を進めて参りたいと考えております。

さらに、これら大学生がその知識を生かして、商工会などを通じ、相談員として中小企業等を支援していくといった、社会還元の仕組みの構築についても検討して参ります。

今般、このエコシステム形成に向けまして、推進体制を強化するため、「地域ブランド・DX統括官」は廃止をいたしまして、「DX・情報政策推進統括官」を専任で配置するとともに、現在のDX推進グループに加えまして、総務部の情報政策課を移管し所管させることといたしました。

この統括官のもと、9月議会に、まずは庁内の業務効率化のための生成AIをしっかりと活用していくべく、AIに本県固有の情報を学習させることにより、生成AIの高度利用を図るための環境を整備していきたいと思います。

これまでも若手職員を中心といたしましてワーキンググループを設置して、生成AI利活用について研究を進めており、試験的に施策のアイデア出しや挨拶文の作成などに活用して参りました。また先般、私自身もこの若手職員の皆さんと一緒に勉強会に参加し、生成AIはすぐにでも活用していこうということで取り組みを進めて参りたいと思います。

なお、ブランド・プロモーションにつきましては、関連する広聴広報事業と効率的な運用を図るべく「地域ブランド・広聴広報統括官」を専任で配置することとします。

次に、富士登山の安全対策と富士山登山鉄道構想の推進について申し述べます。

今シーズンの富士山ですが、世界遺産登録10周年や新型コロナの5類移行などによりまして、登山者数が回復している一方、夜通しで一気に山頂を目指す「弾丸登山」の増加による重大事故発生の恐れがあったところであります。

このため、県では、弾丸登山の抑止策といたしまして、富士スバルラインの営業時間の短縮、巡回指導員の増員や7合目救護所における体制の拡充、さらには混雑が予想される場合の登山者の進行の一時的な管理など、現行法制度下において、可能な限りの手立てを講じてきたところであります。

しかしながら、こうした対策は、いわば対症療法的なものでありまして、登山者の安全確保、オーバーツーリズムの解消のため、来年の開山に向けまして富士登山の適正化を見据えた対策について、条例化を含めた検討を開始したところであります。

また、今後、富士山を世界文化遺産として存続させ続けるためには、観光客も含めた来訪者コントロールが必須でありまして、5合目へのアクセスを抜本的に変革していく必要があろうかと思います。

道路法・道路交通法などの現行法制下におきましては、道路を通行止めにする場合は、道路の破損などやむを得ない場合に限定されており、これは電気バスも含めまして、スバルラインに自動車を通している限り、来訪者コントロールというのは極めて困難であると考えております。

これに対しまして、鉄道ですが、緊急車両を除く一般車両の進入を規制した上で、定時運行、予約制の導入、ロードプライシング的な運賃設定などによりまして、来訪者コントロールを行うことが可能となると考える次第であります。

オーバーツーリズムが問題視されている中で、富士山の普遍的価値を保全し、確実に未来へ引き継いでいくための切り札とも言えるものであると考えています。

現在、各種事業を鋭意進めておりますが、構想の具体化をさらに加速させる必要があります。

このため、シミュレーターによる実証や車両メーカー、LRT事業者等に対するヒアリングを通じまして、実際の走行システムや採算上の具体的な課題を調査・検討し、課題解決に向けたロードマップの作成などを追加して実施したいと思います。

これらの結果も活用しつつ、地元説明会などを通じ、丁寧なコンセンサスの形成、事業化に向けた機運醸成を図り、しっかりとした根拠に基づき構想を推進して参ります。

次に犯罪被害者等の支援についてです。

昨年12月に制定いたしました犯罪被害者等支援条例に基づきまして、支援に係る施策を総合的かつ計画的に推進していくことを目的として、先月末ですが、犯罪被害者等支援計画を策定いたしました。

犯罪被害者等の支援につきましては、現在、国においても抜本的な見直しが検討されているところですが、実行までには、なお時間を要することが予想されますので、当面、県による支援が必要になると判断したところであります。

このため、見舞金の支給や弁護士費用の支援など、犯罪被害者等の経済的負担の軽減を図るほか、市町村担当者などの対応力向上のための研修会を実施して参ります。

最後に、山中湖畔県有地の賃貸借契約についてです。

ご案内のとおり、先月、東京高裁で下されました控訴審判決につきましては、司法の判断としてこれを尊重し、最終的に受け入れることといたしました。

この判決におきましては、結果として、平成9年及び平成29年に締結した賃貸借契約は有効との判断が示されましたが、その判決内容は第1審に比べ、県の主張を大幅に取り入れるものとなっております。

なかんずく、「別荘地としての開発によって得られる価値の増加」は賃借人たる富士急行に帰属する一方、「造成による不動産自体の価値の増加」は最終的に所有者たる県に帰属すべきと判示された点につきましては、極めて常識的かつ合理的なものであり、今後の適正な賃料改定の基盤を形成する見解として高く評価できるものだと考えています。

この見解に照らしますと、県といたしましては、現在、富士急行が負担している賃料は、山中湖畔県有地の経済的価値に比べて相当なものではないと改めて認識せざるをえないところであります。

このため、控訴審判決で示された考え方、及び現在の賃貸借契約書に規定されている賃料改定に関する条項を踏まえまして、早急に対応するべく、既定経費のもとで新たに不動産鑑定を実施した上、これに基づき賃料改定に向けた交渉を粛々と進めて参りたいと思います。

なお、この交渉につきましては、不動産鑑定に造詣の深い弁護士に依頼する必要があると考えております。これまで複数の弁護士と面談の上、不動産鑑定士の資格をあわせ持つ弁護士を新たに代理人として選任することといたしました。

他方で、県におきましては、これまで県有地に関する一連の訴訟において、現行の賃貸借契約は違法無効であるとの立場をとっていたことから、令和3年4月以降の賃料改定は行っておりません。

この状態を放置することは、賃借人との間で賃料を従前のままとする合意が成立したとの誤解を生みかねないものでありまして、今後の交渉に悪影響を及ぼす可能性が否定できないものであります。

これらのことから、将来に向けて賃料を見直すとの趣旨を明らかにするため、条例に基づきまして、令和3年4月から賃料を改定するまでの間における賃料を据え置くことをご了承いただくべく議案を提出したいと考えております。

記者

今回の予算規模は総額どれぐらいを想定されていて、人口減少対策が占めるウェイトはどれぐらいになるのでしょうか。

課長

総額は概ね35億円程度になりますけれども、人口減少につきましては額としては全体として0.5億程度になろうかと思います。

記者

補正予算案に込められたものとしては、やはり人口減少対策に一番重きを置いているのでしょうか。

知事

一番重きを置いています。額的には小さいですが、額が重要だとは今回は思っておらず、まずはしっかりとしたスタートを切るために、エビデンス、事実をしっかり踏まえた、かなり腰を入れた対策を作っていこうと。

これは調査なしにはできないだろうということで、そのためにしっかり腰を据えた調査をまずやっていきたいと思っています。

今回の議会では、この人口減少対策はやはり大きな論戦のテーマになろうかと思いますが、ここは本当に様々な立場の議員の皆さんと、しっかりと議論をして、これも先ほどから申し上げている集合知ではありませんけども、いろいろな社会のいろいろな視野、視覚から見て必要なものをしっかり作り上げていこうと考えています。そのための重要な議会であると位置付けています。

先ほども申し上げましたが、この調査をもとに、ものによって少し時間がかかるとは思いますが、可及的速やかに、当初事務方からは「来年度頑張ります」という話はいただいたんですが、「来年度じゃ駄目だ」と、もっと早くできるだけ早くやるぞということで、しっかりとした根拠のある施策を速やかに実行に移していきたいと思います。ですので、本格的な額が出てくるのは次の議会以降だと考えています。

記者

ざっと見た感じでは物価高騰対策の予算がないようですけども、この点はどのように判断されたのでしょうか。

課長

物価高騰対策はこれまでも行って参りましたけれども、これまで行ってきた内容は、国から物価高騰対策について新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が交付されたことに対応するものでした。

そういったものについては基本的にこの6月までで概ねもう対応しているところでございます。

LED化等については、ある意味、物価高騰対策等にも関わるのかもしれませんけれども、基本的にこれまでで対応しているものでありますので、現在、国からは、ガソリン等についての対応は出ていますけれども、今後、これ以外にも対応が必要な場合については、我々もこれを注視しながら対応するということになろうかと思います。

知事

6月で手当済みだと思っていますが、今後の状況を見ながら対応を考えていきたいと思っています。今回の9月議会の時点においては大きくやる必要はなかろうという判断です。

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ベトナム・クアンビン省との姉妹友好県省締結について

知事

この度、ベトナムのクアンビン省との間で姉妹友好県省を締結する運びとなりました。

来たる9月19日にヴ・ダイ・タン書記をはじめとする総勢27名のクアンビン省友好訪問団をお迎えし、「山梨県・クアンビン省姉妹友好県省締結式」を行います。

訪問団の皆様は19日と20日の二日間、山梨県内に滞在していただきまして、米倉山のP2Gシステム、或いは富士山世界遺産センターなどをご視察いただき、また、旬のブドウも味わっていただきたいと考えております。

クアンビン省とは、昨年9月にベトナム政府訪問団を本県にお招きし、農業施設などをご視察いただいた際に、富士山をはじめとする豊かな自然環境に感動した訪問団から交流の提案をいただき、以来、この交流協議を続けてきたところであります。

本年5月には、私もクアンビン省を訪問いたしまして、その際、タン書記と会談し、姉妹友好県省の締結に向けて、農業、教育、産業、観光、人材、再生エネルギー、林業、環境などの大変幅広い分野において、相互に実効性のある取り組みを進めていこうと合意をしたところであります。

これを受けまして、去る7月ですが、関係部局の高い専門性を持った職員で構成する視察団を同省に派遣いたしまして、連携の具体策について事務レベルでの協議を行っているところであります。

折しも訪問団の皆様が来日中の9月21日ですが、これは日越外交関係樹立50周年の記念日となっております。まことに素晴らしいタイミングで姉妹友好県省の契りを結べるということは大変意義深いといいますか、同省との深いご縁を感じるところであります。

なお、クアンビン省ですが、先ほど申し上げました再生エネルギーに大変注力をしていらっしゃるところでありますし、また、世界遺産を有し、観光業が盛んであります。自然環境を維持しながら、世界遺産としての価値を維持しながら観光と両立させるノウハウ、こういうものにも大変深い経験をお持ちのところであります。

私ども相互に学び合ってそれぞれの豊かさを育んでいけるパートナーとしてまたとない存在ではないかなと考えています。

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山梨県パートナーシップ宣誓制度の導入について

知事

「パートナーシップ宣誓制度」を導入することといたしましたので、ご報告いたします。

私は常々、全ての人に対して開かれた「開の国」の実現に向けまして、一人一人の多様性を前提とした選択肢を増やしていくことが重要であると考え、その考えを訴えてきているところでございます。

そこで、昨年6月の県議会における議論を踏まえまして、パートナーシップ宣誓制度の導入に向けた検討をスタートし、今年1月には検討会を設けて、導入に当たっての課題の整理などを行ってきたところであります。

また、制度導入に当たりましては、これまで当事者や支援団体からご意見を伺うとともに、市町村との意見交換、パブリックコメントを実施し、詳細を詰めてきたところであります。

これらを踏まえまして、本年11月から「パートナーシップ宣誓制度」を導入することといたしました。

この制度は、性的マイノリティの方2人が、県に対して共同生活を営むパートナーであると宣誓し、県が宣誓をした事実を証明するものであります。

この宣誓制度の導入を皮切りに、今後一層、性の多様性や性的マイノリティの方々に対する理解を促進していくとともに、公営住宅への入居を可能とするなど、性的マイノリティの方々へのサービスの拡大、ひいては、安心した生活基盤の構築をしっかりと図って参りたいと思います。

記者

札幌地方裁判所は昨日、北海道などが同性パートナーを配偶者として認めず、扶養手当を支給しなかったのは違憲とした訴訟の判決で、地裁は請求を棄却しました。

山梨県では11月以降、パートナーシップ宣誓書を交付された県職員から申請があった場合、扶養手当を支給するお考えはありますでしょうか。

知事

あります。

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発表事項以外の質問事項

富士山登山鉄道構想について

記者

富士山登山鉄道構想について、先週先々週、二週にわたって、海外メディアに向けて情報発信をされたと思うのですが、その感想と、一方で富士吉田市長が県の進め方について批判的な発言をされていますけれども、その受け止めを教えてください。

知事

まず、前者について、海外メディアから大変注目を集めておりますが、その受け止めといたしまして、富士山というものは、地元ですとか、或いは山梨県、静岡県といったレベルだけのものではなくて、もはや世界的な関心事項として捉えられるべきものになったと考えています。

こうした中で、富士山の現状が果たして世界遺産としてのグローバルな基準、標準を満たすものといえるのか、今世界からは大変大きく注目をされていると、このように認識をしております。

このことが、今回の海外メディアの報道で明らかになったところであって、昨日9月11日現在で言いますと、ガーディアンですとか、AFP、ロイター、CNNなど、欧米の90近い主要メディアに取り上げられています。

今後、富士山が世界の宝と世界の人々から思われるにふさわしいものであり続けるためには、我々がやらなければならないことが多々あると考えています。

しかもそれはすぐやらなければならないと認識しています。

と申しますのも、7月末にはベネチアにイコモスからヘリテージアラートが発せられましたし、つい先日は神宮外苑がやはり同様にヘリテージアラートが発せられたところであります。

私どもといたしましては、富士山がそうした事態に陥らないように課題解決に着手しなければならないということが海外報道によって改めて認識されたのではないかと考えています。

従って、まず一義的な管理責任を持ちます山梨県、そして行政だけの問題ではなくて、オールやまなしとしてその自負を持ってこの問題に真剣に取り組まなければならないのではないかと考えます。

富士山が世界遺産であり続けるためには、山梨県は全ての県民の皆様と共同して最大限の努力を行っていきたいと、このように受け止めている次第であります。

なお、富士吉田の市長さんからご意見の表明をいただいたことに関しまして、極めて大歓迎をいたします。

これは今申し上げましたように、今や世界の目が見ているわけですので、ここはしっかりといろんな観点から議論を重ねて、本当に目指すところは一緒なわけですから、様々な知恵を絞って集合知を形成し、より良い結論を出していきたいと思います。

これからさらに富士吉田市とも議論を深めていきたいと考えておりまして、そういう意味で、市長さんの意見表明に関しましては歓迎をしたいと思います。

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富士山登山道の規制について

記者

昨日、夏山シーズンは終わりましたが、今回、登山道が混雑した場合の規制というものを県として初めてやる方針を打ち出したのですが、まず、今回この規制が行われずに終わったということについての受け止めと、今後条例化というのも検討されていくと思うのですが、今回規制が行われなかったことによって、逆にデータですとかどういったことが課題だというのがやらなかったことで見えづらいかなという点も、若干気になるのですが、来年度以降、登山道の規制についてはどのようにお考えなのかを伺えればと思います。

知事

まず根本的な問題としてですが、我々は規制権限を持っておりません。

なのでそもそも規制権限を持っていないものをやらなかったと言われても、それはお答えのしようがないわけですが、ただ、今回あえて申し上げますと、県警としっかり連携をとりながら、情報を共有して混雑解消に向けた現行法制下の中で、できる限りのことをやってきたところであります。

県警との間で、日々登山者数の状況等の情報は共有して参りました。県警からは今シーズンにおいては、一部に混雑は見られたものの、県の安全誘導員等による適切な誘導により、登山者は滞留することなく、整然と進行し、雑踏事故が起きるような混雑は回避されたと聞いているところであります。

従って、雑踏管理の専門家、プロであります県警との連携のもとに、巡回指導員、或いは山小屋の皆さんをはじめ関係者の様々な皆さんのお力添えのもとに大きな事故がなく、登山シーズンが終わったということは、私としては安堵しているところであります。

ただ、今後、今お話になったように、まずは今後の条例による規制というか、適正な登山の確保策に関しましては、まずしっかりとした権限を、例えば巡回指導員ですとか、そういう関係者に付与をしたいと考えています。

権限なしに山に登ろうとする人に、「ああしてください」「こうしてください」と言っても「何のために、何でそんなこと言っているんだ」と言われると対応ができないわけですから、まずはしっかりとした法的根拠に基づいて、登山の適正化を図るために、登山者になにがしか物を申す権限を付与することが必要であると考えています。

その上で、さらには県警との議論の中でも、もう少し山小屋さんも含めた関係者の連携する器、こういうものも考えていく必要があるんではないだろうか、これも考えています。

例えば、御来光を見るために、全ての山小屋から同じタイミングで登山者が上に登りだす、そこは混雑するわけですが、そこで例えば、なにがしか整然と行くような取り組みというものを、基本的に山小屋さんとの話し合いの中で行っていく、そのための話し合いの場の規定なども議論に値するのかなと思っています。

また、他方で登山者に何がしかの義務を負わせるようなことが果たしてできるかどうか。現状の道路において何がしかの関所に類似のものを設けるということは、かなり難しいのではないかという見解を当局からはいただいているわけですが、そういう状況も踏まえながら、何がどうできるか、知恵を絞っていきたいと思います。

今現在、担当部局に対しましては考えられる限りのものを、まずは並べてみて、そのうち、どれが実現可能性があるのか、どれが適切なのか、どれが受け入れられるのか、関係者とのコミュニケーションのもとに見極めていって、来年に間に合うように頑張っていこうという話をしているところであります。

記者

富士山についてです。県と富士吉田市の間でかなり意見の齟齬があるような状況で、富士吉田市は登山鉄道については、かなり明確に反対という立場ですけれども、今年の登山者の過密の状況について、対策はもう待ったなしで、来年までに条例にするなり何なりで対応する必要があると思います。まず、こちらの対応をどういうふうに考えていらっしゃるのかお伺いします。

知事

それは今申し上げたとおりで、条例案の検討は粛々と進めていきたいと思います。やるべき話は、先ほど申し上げたとおりですが、一つは適正登山のための巡回指導員に対する権限の付与といったものが必要になってこようかと思いますし、また、何がしか関係者での議論をする器も、しっかりとした根拠を持つものを用意する必要もあろうかと思っています。

また、それ以上に登山をされる方に対して、何がしかの義務を負わせることについては、現行法制下での障壁が高いわけですが、何がしか知恵を出せないだろうかいうことで、これから考えていきたいと考えています。

記者

具体的に地元との調整というか、地元の関係者の意見を聞くような会合だとか、そういう場所っていうのはもう設定しているのでしょうか。

知事

それは今、内々で議論をしているところです。それぞれの意見をきちんと聞いて、地元地元と言ってもいろんな地元があるわけですから、しっかりと適切な方にお話を聞いて議論をしていきたいと思います。

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富士山のオーバーツーリズム対策に関する政府への要望について

記者

富士山に関連して質問ですけれども、政府は全国的なオーバーツーリズムに対応するために、関係府省庁対策会議で、具体策を検討して、秋に取りまとめる方針です。

富士山のオーバーツーリズム対策は喫緊の課題ですけれども、政府に対して何か要望や働きかけなどを行う考えはありますでしょうか。

知事

まだ国の議論の方向性が見えないものですから、何をどこまで議論するのかもわからない状態、まだこれからだと思いますので、適宜情報をいただきながら、必要なことは物申していきたいと思っています。

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自民党県連会長が内閣官房副長官に内定されたことについて

記者

明日、自民党の内閣改造と自民党役員人事が正式に決まると思いますが、先ほど一部報道で、自民党県連会長の森屋会長が官房副長官に内定したという報道が出ております。気が早いかもしれないのですが、知事の方の受け止めだったり、森屋さんへのエールだったり、もしお言葉があるようでしたら頂戴してよろしいでしょうか。

知事

一部報道によりますと、本県選出の森屋宏参議院議員が官房副長官になられるということで官房副長官は内閣の要でもありまして、山梨県としては、これに対して大歓迎をし、また副長官という大変な重責を務められます森屋参議院議員には、大変な重責ではありますけれども、ぜひ、お役目を果たして日本国のために頑張っていただきたいと思っております。

山梨県的には、特に官邸が近くなるということは本当にいろんな意味でありがたいと思っておりまして、様々なご相談と個別省庁も然りですけれども、官邸とはそうは言っても遠いところでありますが、ただ、今いろいろ横串の施策で官邸の重みも増しているところでありますので、そういった場所の要の役職に、私どもがコミュニケーションをしっかり取って、また山梨県のためにも活躍していただけることが十分期待できる方がなられることは、本当にありがたい人事であると思います。

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設置認可があった県立大学の児童虐待に関する大学院の意義について

記者

先日、文部科学省から正式に認可が下りた県立大学の児童虐待の大学院のことでお伺いします。

この前、統計で児童虐待の22年の相談件数の数字が出て、毎年のように30年以上過去最多を更新しているところで、全国的な問題ということもあるのですが、山梨にそういった専門人材を育成する研究機関を設置するということの意味というか、意義というものをどうお考えになっているかお願いします。

知事

まず、本県においてこの児童虐待という悲劇というか解消すべき課題は、それに対して苦しんでいる子どもたちを一刻も早く救うことで、これに向き合う関係部局の皆さんのスキルを上げていくというのは、緊急の課題だと思っております。そういう意味でこの大学院に期待するところは極めて大きいものがあります。

ただ、今お話がありましたように、私としては、これは山梨県だけの存在に留まっているべきものではなく、今は県の財政規模の関係もあって、基本的には県内を念頭に学生を受け入れることになろうかと思いますが、もう少し内外からのサポートをいただければ、受け入れ人数も増やして、この大学院の機能というものを全国に貢献させていきたいと考える次第です。

こういう思いを私どもは、こども家庭庁はじめ、国に対しても「ぜひ山梨県で開設するこの大学院を国全体の公共財としても位置付けてください」という話もして参りましたが、残念ながら国の感度はそんなに鋭くないというか、感度が鈍くて、今この状況ではありますけれども、今後この大学院がしっかり成果を上げて、他県の関係者の皆さんからも「ぜひ入れてくれよ」という話になれば、またいろいろ状況も変わってくるのかなと、そういうことを期待をしている次第です。

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このページに関するお問い合わせ先

山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

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