やまなしの救急業務高度化推進
救急業務の新たなる高度化
平成3年4月に救急救命士制度が導入され、プレホスピタル・ケアの一環として「救急救命処置」を業として行うことが認められ、救急救命士が医師の指示のもとに高度な救急業務を行うことが可能となりました。
本県においては、傷病者の救急現場、搬送途上における救命効果の一層の向上を目指し、救急救命士を含む救急隊員の行う応急処置の質を向上させ、救急救命士の処置範囲の拡大等救急業務の高度化を図るため、メディカルコントロール体制の充実を推進しています。
これまでの対応
- 平成13年10月30日:山梨県救急業務高度化推進協議会の設置
- 平成14年11月29日:山梨県メディカルコントロール協議会の設置
- 平成15年3月7日:山梨県メディカルコントロール協議会専門部会設置
- 平成29年4月1日:山梨県メディカルコントロール協議会救急活動事後検証委員会設置
平成21年5月の消防法の一部改正に伴い、同年10月、山梨県メディカルコントロール協議会は県の附属機関に
位置付けられた。
救急救命士の処置範囲の拡大
消防庁では、平成14年4月「救急救命士の業務のあり方等に関する検討会」を設置し、救急救命士の業務のあり方や業務範囲拡大に必要とされる諸条件について検討を重ねるとともに、各都道府県のメディカルコントロール体制確立の進捗状況を踏まえ、救急救命士の処置範囲拡大を図ってきました。
- 平成15年4月1日:包括的指示下(指示なし)での除細動の実施
- 平成16年7月1日:気管挿管
- 平成18年4月1日:薬剤(アドレナリン)の投与
- 平成21年3月4日:薬剤(自己注射が可能なアドレナリン)の投与
- 平成23年8月1日:ビデオ硬性挿管用喉頭鏡による気管挿管
- 平成26年4月1日:心肺機能停止前の重度傷病者に対する静脈路の確保及び輸液の実施、血糖測定並びに低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与
本県の処置拡大対応状況
包括的指示下(指示なし)での除細動の実施
気管挿管
- 62単位の講習を平成16年2月(9日間)に、山梨大学医学部付属病院で実施
- 気管挿管病院実習(30症例)を、平成16年6月28日から開始
- 平成30年4月1日現在、気管挿管のできる認定救急救命士は163人
現在の病院実習機関は、山梨大学医学部附属病院、県立中央病院、市立甲府病院、上野原市立病院
薬剤(アドレナリン)の投与
- 県内では平成17年11月から救急振興財団救急救命九州研修所で実施された薬剤投与追加講習で2名の救急救命士が研修を受講し、薬剤投与実施の資格を取得した。
- 平成21年5月、山梨県メディカルコントロール協議会の講習を実施
- 平成24年1月から3月まで、山梨県メディカルコントロール協議会主催の薬剤投与追加講習を実施
- 平成30年4月1日現在、薬剤投与ができる認定救急救命士は281人
ビデオ硬性挿管用喉頭鏡による気管挿管
- 平成25年7月及び11月、平成26年1月にビデオ硬性挿管用喉頭鏡による気管挿管の講習会を開催、県内消防本部116名が講習を受講し、ビデオ硬性挿管用喉頭鏡による気管挿管病院実習(5症例)を平成25年12月から開始
- 平成30年4月1日現在、ビデオ硬性挿管用喉頭鏡による気管挿管が可能な認定救急救命士は113人
心肺機能停止前の重度傷病者に対する静脈路の確保及び輸液の実施、血糖測定並びに低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与
- 本県は平成24年度「救急救命士の処置範囲に係る研究」の実証研究に参加し、本来定められた24時限(1時限50分)の講習を修了しているため、追加の3時限の講習を実施することで、心肺機能停止前の重度傷病者に対する静脈路確保及び輸液、血糖測定並びに低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与が可能であったため、平成26年3月に3回の追加講習会を実施
- 平成30年4月1日現在、272人の救急救命士を認定救急救命士として登録済み
本県の高度化推進に向けた取り組み
- 平成30年9月、PA連携出場時にポンプ車等に乗車している救急救命士の基準を策定
- 平成31年2月、より緊急度の高い傷病者への対応を優先するため転院搬送要請ガイドラインを策定