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富士の国 やまなしの魅力
県有林の基となったのが、明治44年に御下賜された御料林(ごりょうりん)です。明治末期に相次いで発生した大水害は、県民の生活を大変苦しいものにしていました。明治天皇はこの窮地を知り、県の復興に役立てるように県下の御料地(ごりょうち)のほとんどを山梨県に御下賜されました。現在でも県有林は「恩賜林(おんしりん)」の名で呼ばれています。
山梨県有林は、県土面積の約35%にあたる15万8千haを占め、富士山をはじめ、南アルプス、八ヶ岳など日本有数の山岳地帯を有しており、標高200mから3400mにわたる複雑な地形や地質は、様々な動植物が生息・生育する生物多様性に富んだ森林を形成しています。
ミネラルウォーターの出荷量が日本一でもある山梨県。富士川、桂川・相模川等の上流に位置する県有林は、水源の森として、水資源の貯留、水質の浄化など、豊かな水を育み、県内はもとより県外の大都市へも良質な水を供給しています。
山梨県有林は、平成15年4月に公有林としては全国に先駆けて、国際的な森林認証制度であるFSC®森林管理認証を取得しました。FSC森林管理認証の原則と基準に基づき、環境や地域社会に配慮しながら、持続可能な森づくりをすすめています。
県有林から生産された木材は、FSC認証材として活用されており、FSC認証制度の大きな目的の一つでもある違法伐採の抑止にも貢献しています。
2013年に世界文化遺産として登録された「富士山」の構成資産面積の約半分は山梨県の県有林です。中でも、溶岩の上に広がる富士山原始林と青木ヶ原樹海は国の天然記念物にも指定されている美しい天然林です。
また、2014年にユネスコエコパークに登録された南アルプス地域では、県有林も中核地域や緩衝地域として重要な森林に位置付けられ、人と自然の共生を目指した適切な森林管理を行っています。
県内3箇所の森林公園「武田の杜(甲府市)」「金川の森(笛吹市)」「県民の森(南アルプス市)」や県内12か所にある森林文化の森は、人が森にふれあえるレクリエーションの場となっています。
また、平成28年度よりスタートした「やまなしの森林プロデュース事業」では、都市と山村地域との多様な交流を目指して、県有林内の魅力的な森林スポットを100箇所選定し、情報発信するとともに、記念植樹などを行うことができるエリア”クライン・ヴァルト″での森林体験とあわせ、健康づくりや、レクリエーションのためのプログラムを提供していきます。