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更新日:2018年6月20日

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遺跡トピックスNo.0469金山(かなやま)金山遺跡-金採掘の跡地-

上野原市の遺跡

0003談合坂遺跡-埋甕-

0072南大浜遺跡-弥生時代再葬墓-

0098南大浜遺跡-陥し穴-

0132長峰砦跡-鉄砲玉-

0233関山遺跡-縄文時代中期の竪穴住居跡-

0243長峰砦跡-石鏃-

0256談合坂遺跡-縄文時代早期~前期の竪穴住居跡-

0267尾咲原遺跡他-復元された縄文時代の家-

 

所在地:上野原市秋山

主な時代:中世~近代

報告書:山梨県埋蔵文化財センター発掘調査報告書第198集

調査主体:山梨県教育委員会

 

1.金山金山遺跡

金山(かなやま)金山遺跡は上野原市秋山にあり、県道35号が南に面する高柄山(たかつかやま)の山腹に建てられた金山神社があります。脇には金山川が流れており、この源流に砂防堰堤(さぼうえんてい)(土石流などをくい止めるための施設)が造られましたが、実際に土石流が起きた際に埋没してしまう範囲にこの遺跡が含まれていたため、平成10年と平成13年に急きょ発掘調査が行われました。この遺跡は『南鶴神社誌』の星野家の伝承を記した「御由緒」の項を見ると、約600年前に星野正実が金山の開発しており、その守護神として金山神社が建てられました。その後も、金山開発が続けられ、聞き取り調査からごく最近の昭和の時代まで採掘がおこなわれていたことがわかっています。

神社本殿

神社本殿

No.469-k2 

金山神社

2.金山金山の露天掘り跡

金山神社から北西に歩いて30分ほどにある「つつみの平」と呼ばれる場所からは「露天(ろてん)掘り」のほりあとが8ヶ所確認されています。「露天掘り」は真下に向かって地面を掘り下げ鉱石などを採掘する方法で、写真1は、アリジゴクのように直径2.5mの正円状に窪み、掘跡右上に掘り上げた廃土を置いています。写真2は溝状に地面を掘り込んでいて、長さ約8m、深さは約1~2mほどの露天掘り跡です。このように掘跡の大きさはバラバラで、形も溝状のものや円形のもの、三角形状のものなど形も統一されていませんが、人々が地面を改変した様子が見て取れます。「露天掘り」は全国的に戦国時代から江戸時代初期に掘られており、金山金山の操業もこの時期に始まった可能性が高そうです。また、金山金山では採掘坑の周囲には金を精製するための作業場らしき地点は見受けられず、金を精製するための遺物はなかったことから、採掘現場と作業場は離れて分業していたものと想定されます。

No.469-k3

写真1

No.469-k4

写真2

県内の金山として代表的な黒川(くろかわ)金山(甲州市)や湯之奥(ゆのおく)金山(南巨摩郡身延町)では総合調査が行われ、これらの金山遺跡でも露天掘り跡がいくつも見つかっています。これらの露天掘り跡は金山金山のものと比べ、大きさや深さも数mほど大きく、また露天掘り跡の周囲約100mには工人の居住域と考えられるテラスが存在し、そこから鉱石を磨り潰すための磨り石や、鉱石を溶かすためカマドへ風を送る鞴(ふいご)の羽口などが見つかり、採掘した金をその場で精製していました。金山金山は黒川や湯之奥に比べ、鉱石の採掘規模が小さく、金の精製は各地から別の場所に集められて金の精製が行われていたのでしょう。

 

No.469-k5

甲斐国(山梨県)の金山(萩原2007を改変)

3.甲斐の金山採掘と武田氏

黒川金山や湯之奥金山は武田家の財源とされ、武田家が経営したという伝承が残っています。この金山金山もその一つであると言われています。しかし、武田家が金山の経営に直接携わった記録はなく、現在では独立して金山経営を行っていたという考えが一般的です。金山金山の金山開発は小規模であり、武田家が直接経営したとは言い難く、金山神社の境内を調査したところ、江戸時代の遺物が大半であったことからも、近世以降に細々と採掘が続けられたのでしょう。山梨県の金山研究は全国でも先行しており、金山金山遺跡の発掘調査は金山経営の様子の一端を明らかにし、今後の鉱山史研究の土台となったと言えます。

 

 

 

参考文献

 

黒川金山遺跡研究会・塩山市1997『甲斐黒川金山』

谷口一夫2007『武田軍団を支えた甲州金湯之奥金山』新泉社

萩原三雄2007「金山の開発」『山梨県史通史編2中世』山梨県

 

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