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ページID:64735更新日:2017年5月31日

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遺跡トピックスNo.0410甲府城下町遺跡(KJ43地点)-江戸時代の箱庭とミニチュア

 

甲府城下町の遺跡

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遺跡の概要

所在地甲府市丸の内一丁目

時代中世~近世

報告書『甲府城下町遺跡-甲府駅周辺土地区画整理事業地内43街区埋蔵文化財発掘調査報告書-』山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第215集2004.3

調査機関山梨県教育委員会・山梨県埋蔵文化財センター

調査区前景写真1甲府城下町遺跡(KJ43地点)調査区前景(上空から)

調査風景写真2調査区鳥瞰写真(北西から)

出土した箱庭道具

箱庭は、その名のとおり箱などの中に木や石などを置いて小さな庭を造って風景を楽しむものです。その庭の中には土製や陶磁製のミニチュアの橋や塔、城郭などの小物が置かれます。こうしたミニチュアの建物などを箱庭道具といいます。甲府城下町遺跡(KJ43地点)では、2点の箱庭道具が出土しました。一つは塔形の屋根の部分で、六角形をしています(写真3左)。これは18世紀後葉~19世紀中葉頃に作られたものです。もう一つは、橋形の箱庭道具です。こちらは19世紀頃に作られたものです(写真3右)。

箱庭道具写真3甲府城下町遺跡から出土した箱庭道具

箱庭は、平安時代にはその由来となる「州浜(すはま)」や賀茂祭の「風流傘(ふうりゅうがさ)」といった風習が行われていたとされています。また、17世紀後半には「鉢山(はちやま)」という名で庶民の間に普及し、お盆の時期に箱庭のような飾りをしていました(江戸遺跡研究会編2001)。

甲府城下町遺跡(KJ43地点)では、2つの箱庭道具以外にも土製のカメやサル、ヒトなどの数多くの雛道具が出土しています。こうしたミニチュアの製品は、おままごとなどの遊び道具として使われたものもありますが、それ以外にも、節句やお盆などの年中行事の飾りとして作られたものもあります。特に甲府城下町遺跡で出土しているカメやサルなどの雛道具は、長寿や民間信仰(庚申(こうしん)信仰)に関わるものです。こうしたミニチュアの道具からは、当時の人々の生活の中で願ってきた思いを想像することができます。

出土遺物(ミニチュア)写真4甲府城下町遺跡から出土したミニチュア製品

【参考文献】

江戸遺跡研究会[編]2001「5遊び」『図説江戸考古学研究辞典』柏書房

 

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