ページID:97542更新日:2025年4月30日

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教育長の部屋

荻野教育長

第1回 山梨県高等学校・特別支援学校校長会(令和7年4月10日)

山梨県内の高等学校・特別支援学校の校長が集まる「校長会」に荻野教育長が出席し、次のとおり挨拶を述べました。

 

1.生徒主体の学びの実現

不登校児童生徒の増加が全国的な課題となっているが、本県も例外ではない。

ICTが普及していつでもどこでも学習動画が視聴できる時代、不登校を減らして行くためには、「何故学校に行く必要があるのか」という子供たちの問いに対して、彼らが納得できる理由を、教員を含めた大人が自分の言葉で語れるようにしなければならない。

そのためには、教員自身が学び続け、時代の変化を敏感に感じながら変わり続け、学校自体も変わっていかなければならないと思う。従って、教員の研修の在り方も変えていく必要がある。

私はサッカー部の指導を長年やってきたが、2001年1月にサッカー指導者を集めて行われた、フットボールカンファレンスにおいて、ジダンやアンリ、トレゼゲなどを擁しワールドカップで優勝した、当時世界最強と言われたフランス代表の監督ロジェ・ルメールの講演の中で、とても印象に残った言葉がある。

それは、「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない」、「指導者になるということは、永遠に見つからない答えを見つけに行く旅に出たことを意味する」

この言葉は、今でも多くのサッカー指導者に影響を与えている言葉であろう。

教育振興基本計画では、生徒主体の授業への教育観の転換を謳っているが、教員がこれまでのやり方に固執せず、積極的に自身を変えていけるよう、総合教育センターを中心に、教員の研修観の転換にも取り組んでいくつもりである。

先生方には、是非ともたくさんの本を読んでもらいたいと思っている。自分の専門性を高めるための読書も大切だが、ジャンルを問わず様々な本を読んで、見識を広めてほしい。それが生徒に語る言葉に力を与えるはずである。

2.学校の先生方を元気にしたい

昨年度の校長研修会での上智大学、奈良先生の講話の中で、「不登校の子供の切実な声として、学校には、やらなきゃいけないこととやっちゃいけないことしかない。つまり、子供たちの『やりたいこと』がない。そして、昨今の教員の成り手不足も、根っこは同じである。」とのお話に感銘を受けた。

教科の授業を子供たちの「やりたいこと」にするためには、学習指導要領に明示してある各教科の目的を踏まえ、教員が主体的に授業をデザインすることが大切だと思う。教科書はそのための活動を例示しているにすぎない。教科書を教えることが目的ではないはず。また、ICTの活用は奨励しているが、使うことそのものが目的ではない。

不登校の児童生徒を減らすためにも、教員のなり手不足解消のためにも、まずは教員が生き生きと働き、子供たちが通いたいと思い、教員に憧れてくれるような学校現場にしていくことが大切である。

教員が自ら学ぶためには、余白の時間が必要であり、そのための働き方改革だという趣旨を保護者や地域の方々に理解してもらい、力を合わせて先生方を学校外からも支えていただけるような気運を高めていきたい。

R8年度を目処に全県立学校で導入を予定しているコミュニティスクールは一つのきっかけになると思う。

よい教育のための必要条件は、教員が日々笑顔で元気よく、子供たちに相対することだと思っている。その意味でも、校長先生方にはまずはご自身の健康に留意されて、その上で、先生方の心身の健康に目を配ってほしい。

先生方一人一人が学校にとっては貴重な戦力である。気になる先生や課題を持っている先生に対しては、校長自ら積極的に声をかけ、話をすることをおすすめする。

会話の中で、その先生の長所を見つけて積極的に認めることで自己有用感を高め、彼らが自分の長所を発揮して少しでも学校に貢献できるよう、助けてあげてほしいと思う。

教員出身の教育長に何か利点があるとすれば、施策に現場の目線を活かすことができる点にあると思う。教諭や教頭・校長として先生方や子供たちと関わってきた経験を教育行政に反映させていきたい。

一方で、自分の経験は一部の高校現場に限られている。それを自覚して、まずは視野が狭くならないよう、できるだけ現場を見せていただきながら、私自身が学び続ける姿勢を持つことが大切だと思っている。

「子供たちの人格の完成を目指す」という教育の本質を見失わないように気をつけながら、山梨の教育が少しでもよくなるよう、邁進していきたい。

 

新教育長の就任記者会見(令和7年4月2日)

令和7年4月2日、新たに山梨県教育委員会教育長に就任した荻野智夫が就任記者会見を行い、次のとおり抱負を述べました。

 

昨年度1年間、教育監として降籏前教育長の下で学んだことを活かし、その成果を継承しながらさらに深化させていきたい。具体的な目標として3点を挙げたい。

1.少人数教育の推進

制度としての25人学級は、R7年度に5年生に、R8年度には6年生に導入することが決まっており、小学校全学年で少人数学級が実現する。昨年度の検討委員会で、少人数教育の効果は確認されているが、今後は少人数の利点を活かした、更なる教育の質の向上を図っていく。

課題となるのが、教員不足であることは承知している。選考検査の工夫や教員の魅力発信を根気よく進めていきたい。

教員の魅力向上のためには、教員の働き方改革を進めていく必要がある。昨年度末に、今後5年間の新しい働き方改革取組方針を定めたところであるが、今年度からの新しい取組として、全ての学校に指導主事を派遣してワークショップを実施し、教員が自らの働き方を見つめ直し、自分事として改革に取り組めるよう指導して参りたい。

また、教育委員会では、昨年度末に教員の魅力や教員への感謝の気持ちを伝える動画を作成し、公開した。今後も、豊かな自然や少人数教育など山梨県で教員として働くメリットを、県内外に広く伝える努力を継続したい。

教員は大変なこともあるが、とてもやりがいのある仕事である。私自身、毎年卒業式を迎える度に涙してきたが、毎年感動で泣ける仕事は、そんなにないのではないか。そんな教員の魅力を、個人的にもできるだけ伝えていきたい。

2.生徒主体の学びの実現

不登校児童生徒の増加が全国的な課題となっているが、本県も例外ではない。学校に通いにくくなってしまった児童生徒に学びの場を提供する「学びの多様化学校」や、十分な教育を受けられずに中学校を卒業した方々を対象とした「夜間中学」の設置に向けた検討を進めていく予定である。

ICTが普及していつでもどこでも学習動画が視聴できる時代、「何故学校に行く必要があるのか」という子供たちの問いに対して、彼らが納得できる理由を、教員を含めた大人が自分の言葉で語れるようにしなければならない。

そのためには、教員自身が学び続け、時代の変化を敏感に感じながら変わり続け、学校自体も変わっていかなければならないと思う。従って、教員の研修の在り方も変えていく必要がある。

教育振興基本計画では、生徒主体の授業への教育観の転換を謳っているが、教員がこれまでのやり方に固執せず、積極的に自身を変えていけるよう、総合教育センターを中心に、教員の研修観の転換にも取り組んでいくつもりである。

個人的には、先生方には、是非ともたくさんの本を読んでもらいたいと思っている。自分の専門性を高めるための読書も大切だが、ジャンルを問わず様々な本を読んで、見識を広めてほしい。それが生徒に語る言葉に力を与えるはず。

3.学校の先生方を元気にしたい

不登校の児童生徒を減らすためにも、教員のなり手不足解消のためにも、まずは教員が生き生きと働き、子供たちが通いたいと思い、教員に憧れてくれるような学校現場にしていくことが大切である。

働き方改革の趣旨を保護者や地域の方々に理解してもらい、力を合わせて先生方を学校外からも支えていただけるような気運を高めていきたい。R8年度を目処に全県立学校で導入を予定しているコミュニティスクールは一つのきっかけになると思う。

特に若い先生方を見守り育てる視点を、保護者や地域の皆様にも持っていただけるようにできたらと思っている。

教員が子どもと向き合う時間を生み出すための働き方改革だが、教員が精神的な健康を保つ意味でも、各自の時間の使い方に工夫が必要。

よい教育のための必要条件は、教員が日々笑顔で元気よく、子供たちに相対することだと思っている。その意味でも、仕事とプライベートを区別して、仕事以外に打ち込めるものや楽しみを持ち、私生活の部分でも豊かな人生にしてほしい。

教員出身の教育長に何か利点があるとすれば、施策に現場の目線を活かすことができる点にあると思う。教諭や教頭・校長として子供たちと関わってきた経験を教育行政に反映させていきたい。

一方で、私の経験は高校現場に限られ、義務教育や特別支援教育については決して明るくない。学校を取り巻く状況は日々変化しているし、教育行政についても前教育長ほどの経験値はない。

そのことを自覚して、まずは視野が狭くならないよう、できるだけ現場を見ながら、私自身が学び続ける姿勢を持つことが大切だと思っている。

「子供たちの人格の完成を目指す」という教育の本質を見失わないように気をつけながら、山梨の教育が少しでもよくなるよう、邁進していきたい。

20250402就任会見<荻野智夫・略歴>

○南アルプス市出身

○学歴: S58.3巨摩高校卒。S62.3筑波大卒、専攻は数学。H15.3兵庫教育大学大学院修士課程修了

○教諭:韮崎工業高校、富士河口湖高校、甲府南高校

○行政職:現在の総務課教育企画室で高校入試や高校改革を担当。甲府一高探究科、青洲高校の立ち上げ等

○管理職:日川高校教頭、甲府昭和高校・都留高校校長、昨年度は教育委員会事務局教育監

 

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