更新日:2020年7月29日

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FSC®森林管理認証の審査と結果

FSC森林管理認証を維持するため、県有林では平成15年の認証取得以降、年1回の年次監査および5年に一度の更新審査を受審しています。審査結果は、公開レポートとして公表されます。過去の審査結果は以下のとおりです。(FSC®C012256)

 年次監査(2019年度)

審査実施日:

2019年8月6日~9日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

小川 直也

岩岡 正博

白石 則彦

ヒュー・デンマン

 

【概要】

8月6日(AM/PM):書類審査(本庁)、現地審査(峡東林務環境事務所管内)

8月7日(AM/PM):現地審査(峡南林務環境事務所管内)

8月8日(AM/PM):現地審査(中北林務環境事務所管内)

8月9日(AM/PM):書類審査及び審査結果の講評(本庁)

ウッドマーク森林認証公開レポート(第2回年次監査概要)(PDF:1,968KB)

 年次監査(2018年度)

審査実施日:

2018年8月7日~9日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

永松 大

小川 直也

 

【概要】

8月7日(AM/PM):書類審査(本庁)、現地審査(富士・東部林務環境事務所管内)

8月8日(AM/PM):現地審査(峡東林務環境事務所管内)

8月9日(AM/PM):現地審査(中北林務環境事務所管内)、書類審査及び審査結果の講評(本庁)

ウッドマーク森林認証公開レポート(第1回年次監査概要)(PDF:1,440KB)

 更新審査(2017年度)

審査実施日:

2017年7月25日~27日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

白石 則彦

望月 亜希子

 

【概要】

7月25日(AM/PM):書類審査(本庁)、現地審査(峡南、富士・東部林務環境事務所管内)

7月26日(AM/PM):現地審査(峡東林務環境事務所管内)

7月27日(AM/PM):書類審査及び審査結果の講評(本庁)

ウッドマーク森林認証公開レポート(更新審査)(PDF:1,051KB)

 年次監査(2016年度)

審査実施日:

2016年7月25日~27日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

ヒュー・デンマン

小川 直也

 

【概要】

7月25日(AM/PM):書類審査(本庁)、現地審査(中北林務環境事務所管内)

7月26日(AM/PM):現地審査(富士・東部林務環境事務所管内)

7月27日(AM/PM):現地審査(峡南林務環境事務所管内)、書類審査及び審査結果の講評(本庁)

ウッドマーク森林認証公開レポート(第4回年次監査概要)(PDF:1,828KB)

 年次監査(2015年度)

審査実施日:

2015年9月7日~9日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

白石則彦

小川直也

 

【概要】

9月 7日(AM/PM):書類審査(本庁)、現地審査(中北林務環境事務所管内)

9月 8日(AM/PM):現地審査(峡南林務環境事務所管内)

9月 9日(AM/PM):現地審査(峡東林務環境事務所管内)、書類審査及び審査結果の講評

ウッドマーク森林認証公開レポート(第3回年次監査概要)(PDF:1,714KB)

 年次監査(2014年度)

 

審査実施日:

2014年10月20日~22日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

白石則彦

小川直也

 

【概要】

10月 20日(AM/PM):書類審査(本庁)、現地審査(峡東林務環境事務所管内)

10月 21日(AM/PM):現地審査(中北林務環境事務所管内)

10月 22日(AM/PM):現地審査(富士・東部林務環境事務所管内)、書類審査及び審査結果の講評

ウッドマーク森林認証公開レポート(第2回年次監査概要)(PDF:1,394KB)

年次監査(2013年度)

審査実施日:

2013年10月9日~11日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

岩岡正博

小川直也

 

 【概要】

10月 9日(AM/PM):現地審査(富士・東部林務環境事務所管内)、書類審査(本庁)

10月 10日(AM/PM):現地審査(峡南林務環境事務所管内)

10月11日(AM/PM):現地審査(峡東林務環境事務所管内)、書類審査及び審査結果の講評

ウッドマーク森林認証公開レポート(第1回年次監査概要)(PDF:1,534KB)

更新審査(2012年度)

審査実施日:

2012年10月15日~17日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

汐見崇史

岩岡正博

小嶋睦雄

 

【概要】

10月15日(AM/PM):書類審査(本庁)、現地審査(峡南林務環境事務所管内)

10月16日(AM/PM):現地審査(中北林務環境事務所管内)

10月17日(AM/PM):書類審査及び審査結果の講評

ウッドマーク森林認証公開レポート(更新審査概要)(PDF:1,664KB)

年次監査(2011年度)

審査実施日:

2011年11月15日~17日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

富村周平

汐見崇史

 

【概要】

11月15日(AM/PM):書類審査(本庁)、現地審査(峡南林務環境事務所管内)

11月16日(AM/PM):現地審査(富士・東部林務環境事務所管内)

11月17日(AM/PM):現地審査(峡東林務環境事務所管内)、書類審査及び審査結果の講評

ウッドマーク森林認証公開レポート(第4回年次監査概要)(PDF:1,126KB)

年次監査(2010年度)

審査実施日:

2010年9月8日~10日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

岩岡正博

小川直也

 

【概要】

9月 8日(AM/PM):現地審査(富士・東部林務環境事務所管内)、書類審査(本庁)

9月 9日(AM/PM):現地審査(中北林務環境事務所管内)

9月10日(AM/PM):現地審査(峡東林務環境事務所管内)、書類審査及び審査結果の講評

ウッドマーク森林認証公開レポート(第3回年次監査概要)(PDF:1,222KB) 

年次監査(2009年度)

審査実施日:

2009年9月7日~9日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

白石則彦 

小川直也

 

【概要】

9月 7日(AM/PM):書類審査(本庁)現地審査、(峡東林務環境事務所管内)

9月 8日(AM/PM):現地審査(峡南林務環境事務所管内)

9月 9日(AM/PM):現地審査(中北林務環境事務所管内)、書類審査及び審査結果の講評

ウッドマーク森林認証公開レポート(第2回年次監査概要)(PDF:3,554KB)

年次監査(2008年度)

審査実施日:

2008年9月2日~4日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

富村周平

小川直也

 

【概要】

9月 2日(AM/PM):現地審査(中北林務環境事務所管内)、書類審査(本庁)

9月 3日(AM/PM):現地審査(富士・東部林務環境事務所管内)

9月 4日(AM/PM):現地審査(峡南林務環境事務所管内)、書類審査及び審査結果の講評

ウッドマーク森林認証公開レポート(第1回年次監査概要)(PDF:3,347KB)

更新審査(2007年度)

審査実施日:

2007年10月22日~26日

認証機関:

ソイルアソシエーション ウッドマーク

審査員:

富村周平(株式会社富村環境事務所代表取締役)

白石則彦(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)

小川直也(アミタ株式会社)

 

【概要】

10月22日(AM/PM):書類審査(指摘事項に対する改善の説明)、公聴会

10月23日(AM/PM):現地審査(中北林務環境事務所管内)

10月24日(AM/PM):現地審査(峡東林務環境事務所管内)

10月25日(AM/PM):現地審査(富士・東部林務環境事務所管内)

10月26日(AM/PM):書類審査及び審査結果の講評

ウッドマーク森林認証公開レポート(概要)(PDF:708KB)

年次監査(2006年度)

監査実施日:

2006年7月3日~7月6日

監査員:

ロイ・ジョーンズ[スマートウッド]森林管理

野村恭子[みすずサステナビリティ研究所]環境審査/景観管理

 

【概要】

7月3日

(PM):書類審査(認証条件への対応等)

7月4日

(AM/PM):現地審査(中北林務環境事務所管内)

7月5日

(AM):現地審査(峡東林務環境事務所管内)

(PM):〃(富士東部林務環境事務所管内)

7月6日

(AM):書類審査及び監査結果の講評

監査報告書(PDF:96KB)

年次監査(2004年度)

監査実施日:

2005年2月7日~2月10日

監査員:

大田伊久雄[愛媛大学助教授]:森林経済/社会学

杉本龍志[(株)建設技術研究所]:森林管理/環境評価

 

【概要】

2月 7日

(PM):書類審査(認証条件への対応等を資料により説明)

2月 8日

(AM):現地審査(峡中林務環境部管内)

(PM):〃(峡南林務環境部管内)

2月 9日

(AM):現地審査(峡北林務環境部管内)

(PM):〃(大月林務環境部管内)

2月10日

(AM):書類審査及び監査結果の講評

監査報告書(PDF:376KB)

年次監査(2003年度)

監査実施日:

2003年11月18日~11月20日

監査員:

ジェフリー・ヘイワード( スマートウッドアジアパシフィク地域マネージャー)

有光一登(森林立地学会会長、元高知大学教授)

 

【概要】

11月18日

(AM):書類審査(認証条件への対応等を資料により説明)

(PM):現地審査(峡中林務環境部管内)

11月19日

(AM/PM):現地審査(峡南林務環境部管内)

11月20日

(AM):現地審査(峡東林務環境部管内)

(PM):書類審査及び監査結果の講評

監査報告書(PDF:321KB)

取得審査(本審査)(2002年度)

審査実施日:

2002年11月25日~12月2日

審査員:

Walter Smith[スマートウッド上級技術専門家]:審査リーダー

有光一登[元高知大学農学部教授・森林立地学会会長]:森林生態学

坂本格[高知大学名誉教授・(株)くろしお地域研究所顧問]:森林管理学

大田伊久雄[京都大学農学研究科助手]:森林経済・社会学

田中敦子[(株)くろしお地域研究所主任研究員]:社会調査

 

 

書類審査

【概要】

2002年11月25日から12月2日までの8日間審査が行われました。

11月25日(AM/PM):書類審査、利害関係者公聴会等【公聴会参加団体:13団体】

11月26日(AM/PM):「吉田事業区」現地審査

11月27日(AM/PM):「吉田事業区」「大月事業区」現地審査

11月28日(AM/PM):「塩山事業区」「韮崎事業区」現地審査

11月29日(AM/PM):「鰍沢事業区」現地審査

11月30日(AM/PM):「甲府事業区」現地審査、審査員チームミーティング

12月1日(AM/PM):審査員チームミーティング、書類審査

12月2日(AM/PM):審査員チームミーティング、書類審査、審査感想の講評

  • 現地調査地:37箇所
  • (伐採地9箇所,施業地11箇所,公益林等7箇所,新設林道3箇所,眺望箇所等7箇所)
    内、作業員等へのヒアリング実施箇所
    [伐採2,間伐2,枝打ち1,地拵え1,林道2計8箇所]
  • 利害関係者ヒアリング件数:24団体
    (恩組15,市町村2,森林組合1,環境省事務所2,その他4)

現地検査1現地検査2現地検査3

審査結果(審査感想の講評:審査チームリーダーウオルター氏)

はじめに

  • 審査結果は、報告書に取りまとめる段階で詳細について詰めを行い報告することになる。また、認証に関する最終決定はスマートウッドの本部で行われる。したがって今回の講評は非公式のものであり、審査チームとしての発言である。
  • 審査チームとして、今言えることは、山梨県は認証を取得されると思うということ。但し、若干の条件は付くと思う。
  • 認証に条件が付くのはあたりまえの事で、スマートウッドでは過去、条件なしに認証したことはない。
  • 認証は、今回おこなった審査の最終的な目的ではない。今後の森林管理の一つのプロセスであり、これによって経営がより高度化されることを期待している。このために、今後もスマートウッドと良い関係を保っていただければと思う。
  • FSCの認証は、森林管理の一つのプロセスに過ぎないことを認識していただき、今後とも継続的に努力していっていただきたい。

原則毎のコメント

(1)原則1「法律とFSCの原則の遵守」関係

  • 山梨県は、全ての法制度や義務を遵守しており、恩賜林保護組合との権利と責任の関係も明確になっている点が評価できる。
  • また、県民に対して、FSCへの取り組みの意思表示を明確にしている点も評価できる。
  • 長期的な森林経営に取り組む姿勢を明確にしていることも評価できる。

原則1に関しては模範的である。

 

(大田先生の補足)

  • 県有林は面積も大きいためしかたないが、盆栽用のカラマツなどの不法盗掘や、山菜などを保護組合の人たちの前に地元以外の人が先に採取してしまうなどの事例があり、原則1がパーフェクトとは言えない面もある。

 

(2)原則2「保有権、使用権及び責務」関係

  • 部分林の設定など恩賜林保護組合との関係が良く保たれており、入会慣行もよく定義されている。地元の権利も保障されており優れている。
  • 資源の利用に係る紛争も確認されなかった。

原則2に関しては模範的である。

 

(大田先生の補足)

  • 県有林に地元の人たちが愛着をもって接しており、こうした事例は国内でも他に例をみない。県有林と地元の人たちとの素晴らしい関係を勉強させていただいた。

(3)原則3「先住民の権利」関係

  • 応除外とする。

(4)原則4「地域社会との関係と労働者の権利」関係

  • 山梨県は、地元雇用の創出に多大な努力をしている。また、研修の機会を与えており、福利厚生の観点からも優れている。
  • 請負業者の給与も、働く人々が満足しているように感じた。
  • 事故発生率が低く、安全への意識が高い点も評価できる。
  • ILO条約の遵守については、管理森林の従事者(県職員)にスト権が与えられていない点を除けば満たされている。
  • 県有林の経営計画を樹立する際に地域社会の人々が意見を述べる機会が設けられている点が評価できる。
  • 地域社会との紛争はほとんど無かったが、もしあった場合でも処理の体制が整っている点が評価できる。

原則4に対して山梨県は高い評価を得た。

 

(大田先生の補足)

  • 伐採や造林などの多くの業者にヒアリングした結果、研修体制も整っており、仕様書をもとに高い技術レベルで業務が行われていることを確認した。
  • 原則4に対する取り組みは非常に優秀だが、改善の余地があるとすれば、都市部の住民が林道整備や伐採についてどのように考えているかを調査しフィードバックする仕組みづくりであろう。

(5)原則5「森林のもたらす便益」関係

  • 山梨県は倒産することは無いと思われる。演習場や貸地収入など、多様な収入形態があることも評価できる。
  • しかし、林産物の生産という視点から見ると、管理費用と利益とが若干アンバランスになっている。この点が、林業関係産業の衰退に繋がっており、保護団体や、林業事業者にも影響を与えている。今のところ、これへの対応を認証の条件としていないが、将来的な林業を見つめたとき、考えていかなければならない課題である。
  • 製品開発や市場調査などを通じて、さまざまな可能性を検討し、林産物の利用を最適化しようとしている点が優れている。また、FSC認証の取得を目指すなど、経済性な面で多様化の努力をしている点も評価できる。
  • 審査において天然資源の無駄使いや損壊は見られなかった。また、伐採量が成長量を上回っていない。

原則5に関して認証の可否に関わるような問題はない。

 

(坂本先生の補足)

  • 県は倒産することは無いが、林業経営として経済的に自立することが、持続可能な森林経営を可能にし、地域社会への貢献に繋がる。
  • 県では、造林作業等を請負に出しているので、この面でのコストダウンや市場開拓を直接行うことは出来ないが、継続して木材が売れるようにしていくことが、流通や林業に関わる人の仕事確保の基本となる。
  • こうした意味から、市場戦略を練り、競争力を高めるようなシステムづくりを推進していくことが大切。拠点整備など現在の取り組みは評価するが、さらに努力して欲しい。

(6)原則6「環境への影響」関係

  • 林道計画前のアセスメント調査の内容は優れているが、森林施業においても事前のアセスメント調査が必要。こうした面で条件がつくと思う。
  • 希少種のリスト、県独自のレッドデータブックへの取り組み、調査報告などを見たが、その内容は優れている。これらの情報が直接森林施業にフィードバックしているかについて課題が残っている。こうした面で条件がつくと思う。
  • 上記2点の条件は、継続的なアセスメント調査、伐採前のアセスメント調査、調査成果の施業への活用という視点からのものとなる。
  • 自然のサイクルを視野に入れた考え方として、針広混交林づくりを進めていることは素晴らしい。
  • 人工林に使用されている樹種の遺伝的多様性についての調査や記録が充実している点が評価できる。
  • ランドスケープの観点から生態系を県全体で考えることや、動植物の生息エリア区分に関して若干の弱点があった。また、森林管理のさまざまな側面が統合されるという点にも弱点があるように感じた。こうした面から、ランドスケープレベルでの計画づくりについて条件がつくと思われる。
  • インタビューを通じて、森林保護に関係する、環境省や大学、各研究機関の連携が不足しているように感じた。それぞれの持っている情報を有効に共有するような取り組みを率先して県有林が行い、森林管理に活用していくことが必要。
  • 県有林では伐採などが制限される保護地域に分類されている面積が大きい。
  • 伐採現場や林道工事現場がよく監督されており、計画面でも優れている。
  • 化学薬品の使用は限られており、使用対象が明確なことが評価できる。また、薬品の取り扱いや廃棄、安全に関する情報も優れている。
  • しかし、通常FSCでは、化学薬品を使用している組織に対しては、使用を減少させるよう努力するという条件が自動的につく。
  • 人工林で使用されている樹種は在来種であり、長い間管理されてきている。さらに、その使用が適切であることが評価できる。
  • 天然林から人工林への転換は少なく、多くの天然林が保全され、多様性が促進されていることは素晴らしい。

原則6に関して認証の可否に関わるような問題はないが、改善の余地のある課題が若干ある。

 

(有光先生の補足)

  • FSC森林管理認証の大きなテーマが環境への配慮である。したがって、環境影響への評価項目は多岐に渡っており、満点でクリアすることは困難。どうしても条件がついてしまう。
  • 条件を満たしていく努力を段階的に、継続して行うことが大切。
  • 野生動植物のためのコリドーや、希少種の保護とともに、広がりをもった視点から森林を見て、森林施業に景観レベルでの配慮をしていくことが重要。
  • 事前のアセスメントとして林道の調査は優れているが、伐採の場合も、もっとしっかりしたアセスメントが必要

(7)原則7「管理計画」関係

  • 管理計画はとても適切なもので、特に資源状況や伐採計画が優れている。
  • しかし、ランドスケープレベルでの生態系保全、希少種などを伐採管理に組み入れることが必要。次期計画の策定にあわせて条件をつけることになると思う。
  • 計画は定期的に見直されており、5年間に収集した情報を計画に反映していることは素晴らしい。
  • 林業従事者、県の職員に対する計画内容のトレーニングがよくなされており、計画が適切に実行され、監督されている点が優れている。
  • 県民が計画にアクセスする手段が講じられている点も評価できる。

原則7に関して認証の可否に関わるような問題はない。

 

(坂本先生の補足)

  • 認証に大切なのは、計画の実効性。県有林では、末端まで指示が行き渡る仕組みになっており、実効性を高めている。
  • 計画にランドスケープや、生態系保全、希少種の保護などの要素が不足している。これらを加えて、より総合的な管理計画することが必要。

(8)原則8「モニタリングと調査」関係

  • 木材資源のモニタリング(成長量や収穫量)が適切に行われていることは評価できる。森林生態系モニタリング調査へ取り組んでいることも評価できる。
  • 森林内の構成や構造的な変化、野生動植物やランドスケープ、植生の変化についてのモニタリングに弱点がある。
  • 現在モニタリングが行われている情報が、管理計画に反映されている点が評価できる。また、こうした情報を公開する姿勢も優れている。
  • COCに関してコメントすれば、山からログヤードまでの追尾システム、輸送に関するドキュメント(書類)が必要となる。

原則8に関して認証の可否に関わるような問題はない。

 

(坂本先生の補足)

  • 社会、経済(市場調査)、環境などのモニタリング成果をPlan・Do・Seeの視点で、林業経営活動に反映するようなシステムづくりが重要。

(9)原則9「保護価値の高い森林の保存」関係

  • 1万9千haの厳正保存地域の設定や、「林地保全地帯」「風致保存地帯」「保健休養地帯」という地帯区分を設け、保護価値の高い森林を保護している点が評価できる。
  • 管理計画にも保護価値の高い森林が明記してあり、そのマネージメントの方針がある点も優れている。
  • 管理計画策定にあたって恩賜林保護団体などと協議している点は素晴らしいが、保護価値の高い森林を決定するときに、利害関係者が何を保護価値の高い森林と考えるかを把握する明確な手順が必要。FSCでは、利害関係者の視点から保護価値の高い森林を特定していくことを重視している。

山梨県では、保護価値の高い森林を良く維持しており、原則9に関して認証の可否に関わるような問題はない。

 

(10)原則10「植林」関係

  • 人工林の経営管理手法は、他の国のお手本となるほど優れている。
  • 単一樹種のみの植栽でない事、広葉樹造林など何種類かの樹種を植栽し多様性を高めていること、遺伝情報の記録がよくとられていることなどが評価できる。
  • 弱点があるとすれば、野生動植物のコリドー、河畔域に関することであろう。

原則10に関して山梨県は高得点を得ており、認証の可否に関わるような問題はない。

おわりに

県有林の職員は自らに誇りを持ってよいと思う。それは、素晴らしい計画のもと、模範的な林業経営を行っているからである。

県の職員の皆様には、まさにプロフェッショナルに審査の準備をしていただいた。

現場サイトの選定、スケジュール管理、書類の準備など、審査に対する支援に感謝している。

また、日林協のコーディネートにも感謝している。

さらに審査チームの先生方、くろしお地域研究所の皆様にも御礼を申し上げる。

有り難うございました。

取得審査(予備審査)(2002年度)

審査実施日:

2002年7月22日~7月24日

審査員:

Walter Smith(スマートウッド上級技術専門家)

大田伊久雄(京都大学農学研究科助手・生物資源経済学専攻)

 

【概要】

2002年7月22日から7月24日までの3日間審査が行われました。

7月22日(AM/PM):書類審査(FSC10原則56規準への適合を資料により説明)

7月23日(AM/PM):現地審査(峡北林務環境部管内(須玉町)、峡南林務環境部管内(増穂町))

7月24日(AM/PM):本審査受審体制の打ち合わせ、予備審査結果の講評

予備審査(書類)予備審査(現地)

審査結果

(1)原則1「法律とFSCの原則の遵守」関係

  • 山梨県は、法律を遵守しており、FSCに積極的に取り組んでいる。特に、知事が議会でFSC取得を表明している点が評価できる。
  • 管理計画において長期的な経営の方針が示されているとともに、FSCにも言及されており優れている。

原則1に関しては問題はない。

(2)原則2「保有権、使用権及び責務」関係

  • 山梨県が皇室から御料林を御下賜された事実ははっきりしており、その後の管理形態からも長期的な権利が保障されていることが確認できた。
  • 隣接所有者との境界線も明確に定義されており、標柱を定期的に確認していることは評価できる。
  • 恩賜林保護組合の権利を保障しているなど入会慣行への配慮が成されていることは評価できる。
  • 予備審査では「水利権」について確認しなかったので、本審査で確認する。(沢水を飲料水として使用する場合のシステムなど)
  • 予備審査では「紛争解決のメカニズム」を確認しなかったので、本審査で確認する。 (隣接所有者との境界争議や、恩賜林保護団体がより高いレベルの権利を求めてきた場合などの話し合いの方法が確立されているかなど)

原則2に関して認証の可否に関わるような問題はない。

 

(3)原則3「先住民の権利」関係

  • 適応除外とする。

(4)原則4「地域社会との関係と労働者の権利」関係

  • 山梨県では、地域の人々に雇用や研修の機会を与えており、安全面でも事故発生率が少なく評価できる。
  • 県有林は地域経済に貢献しており、レクリエーションとしての利用の場を地域内はもとより県外の人々にも提供していることは評価できる。
  • 県有林の活動は地域経済に大きな影響を与えるため、観光や林業に対しての悪い影響(もしあれば)など、社会経済へ与える影響について中長期的なものも含めて調査を行っていくことが望ましい。 (製材工場の県有林材需要量調査などもその一つである)

原則4に関して認証の可否に関わるような問題はない。むしろこの原則に対して全体的にバランスの良い取り組みをしていて長所が多い。

 

(5)原則5「森林のもたらす便益」関係

  • 県有林の特性として倒産する心配がないため、収支は問題ない。演習場や貸地収入など、多様な収入形態があることも評価できる。
  • 製品の有効利用という観点から、カラマツなど市場が限られている割には利用が図られていることは評価できる。
  • 高速道路の建設などで得た土地売却益を原資とした基金を持ち、民地を購入して、森林面積の減少を防いでいることは評価できる。
  • 年間の伐採量に対して、成長量がはるかに大きいことは評価できる。
  • 県有林だけではどうにもならない問題だが、木材価格や需要量が下がっていることは問題である。 しかし、輸入材に対する競争力の強化やコストダウンなどの点で努力する余地はある。
  • 特定の製品に関しては、市場(マーケット)が無いのが弱点となっている。 (例えば、間伐材の市場が無いので、切り捨て間伐となっていることなど) クラフト製品やバイオマス発電への利用とともに、特用林産物の市場開拓などを研究していることは可能だと思われる。

原則5に関して認証の可否に関わるような問題はない

 

(6)原則6「環境への影響」関係

  • 伐採箇所を事前に調査していることや、伐区を適切に移動していることは評価できる。
  • 県有林の齢級構成や樹種が多様なことは評価できる。
  • 良く整備された路網、適切な伐採手法は評価できる。
  • 保護区や保安地域など公益林として管理している面積が大きい点は評価できる。
  • 商業的な伐採を行うエリアにおいても環境アセスを行うことが望ましい。(伐採後の草地の動植物の情報も必要)
  • 野生動植物や水性生物の生息域の把握調査が充分ではない。(特に経済林エリア) (例えば、枯死木が野鳥の営巣の場になる可能性がある。希少種の生息域の調査や、伐採前に希少動植物の有無を確認することは重要。)
  • 予備審査では「渓畔林や河川近くでの伐採を行う際の取り組み」を充分確認できなかったので、本審査でそうした場所の現地を確認する。(大田:水辺周辺の樹木をただそのまま保全するだけでなく、生物学的、生態学的な専門家の意見も参考にしてくことも考えていくことが望ましい。例えば、倒木や葉が水性生物の役に立つという知見もあり、林業の視点のみではこうした発想が生じない)
  • 大田:アメリカでは枯損木を意識的に残すという取り組みがなされており、これにより生態が豊かになると報告されている。こうしたことも研究していくべき。

原則6に関して認証の可否に関わるような問題はない。しかし、条件がつく可能性がある。

 

(7)原則7「管理計画」関係

  • 管理計画はきめ細かいものでよく出来ている。また、FSCの原則と規準に沿ったものである。
  • 管理計画を5年毎に見直していることは評価できる。
  • 研修などを通して、作業者や職員が管理計画の内容についての理解を進めている点も評価できる。
  • 管理計画が公式な書類(ドキュメント)として整理されており、一般からの意見を聞く機会もあり優れている。
  • 原則4や6でも述べたが、環境影響調査、野生動植物の調査、社会経済的調査が充分ではない。また、こうした調査を管理計画に反映していく手法を確立していくことも重要。

原則7に関して認証の可否に関わるような問題はない。しかし、条件がつく可能性がある。

 

(8)原則8「モニタリングと調査」関係

  • 木材資源のモニタリング(成長量や収穫量)が適切に行われていることは評価できる。
  • 事業図などの図面類がよく整備されており、林班や小班などが明確に示されていることは評価できる。
  • 管理計画が定期的に改訂されるため、新しい情報に対応した森林管理を行うことができる点は評価できる。
  • 試験林を設定して継続的な研究が行われていることは評価できる。
  • 森林生態系モニタリング調査の内容は優れているが、一地域に限られているので、将来的には広げていく必要がある。 (同じ内容の調査を広げるのには多くのお金が必要なので、重要な指標を抽出して行うことが現実的である)
  • 森林生態系モニタリング調査の結果が管理計画に反映されるシステムの有無、調査の目的などについて本審査で確認したい。
  • 予備審査では「立木販売によって供給した木材がどのような経路で市場に出ているか」を充分確認できなかったので、本審査で確認したい。 また、今後の課題ではあるが、COC認証について、伐採業者への理解を促進する必要がある。グループ認証など具体的な手法を今後提案していきたい。 (大田:認証後の話しになるが、FSCはラベリングした木材を流通させることが目的。森林管理認証だけで満足してもらっては困る。現行の立木販売システムを変える必要は無いが、民間事業者のCOC認証取得推進に協力して欲しい。なお、この問題で条件がつくことは無いと思う。)
  • 前にも述べたが、野生動植物や水性生物、社会経済的なモニタリングが弱い。

原則8に関して認証の可否に関わるような問題はない。長所も多いが、条件がつく可能性が高い。

 

(9)原則9「保護価値の高い森林の保存」関係

  • 自然の状態で残されている森林や保護、保全されている森林が多い。また、「林地保全地帯」「風致保存地帯」「保健休養地帯」という地帯区分を設け保護している点も評価できる。
  • 厳正保存地域以外の場所でも景観(ランドスケープ)に配慮して伐採を行っていることは評価できる。

原則9に関して短所は無かった。当然、認証の可否に関わるような問題はない。

 

(10)原則10「植林」関係

  • 齢級構成や樹種が多様なことは評価できる。また、広葉樹の天然林を残していることも評価できる。
  • 針広混交林となるような植林を行っていることは評価できる。
  • 化学薬品の使用を必要最小限に止めていることは評価できる。
  • 予備審査では「造林木の遺伝的情報」について充分確認できなかったので、本審査で確認したい。 (遺伝的多様性についての県有林の方針、どの程度の母樹から種子を持ってきているか、採種園の配置、実生と挿し木の量など)
  • 前にも述べたが、野生動植物に関連する問題、生物資源の調査、社会経済的影響調査などが充分ではない。

原則10に関して認証の可否に関わるような問題はない。しかし、条件がつく可能性がある。

全体講評

  • 予備審査では、認証の障害となる事項は無かった。但し、本審査でも同様であることを保証するものではない。
  • 予備審査では2人の審査員で、限られた部分しか見ていない。
  • 利害関係者や現場労働者への聞き取り調査を実施していない。
  • 予備審査で指摘した事項は、長期的な課題も多く、本審査までに全て対応することは出来ないと認識している。
  • 社会経済調査などは、手始めに実験的な取り組みを行い、専門家などのアドバイスを受けながら段階的にシステムを作っていくことになると思う。また、環境や野生動植物のモニタリングシステムも開発に時間がかかるものと思われる。
  • 但し、紛争解決システムや、遺伝的多様性、森林生態系モニタリング調査結果の管理計画への反映システムなどの情報は本審査で得たい。
  • FSCのシステムは、持続可能な森林経営に向けて継続的な改善や向上を図るものである。審査の結果、条件が示されるが、これはFSCの原則・規準に照らして弱かった事項を改善するために与えられるもので、改善するための時間も与えられる。過去にスマートウッドが認証した森林についてほとんどの場合条件が付いている。しかし、認証を得るためには、一定以上の評価が必要である。

最後に、予備審査における諸準備、受け入れ体制を整えていただき、審査において正直に説明していただいた皆様にお礼申し上げる。

 

【大田先生の補足】

  • 予備審査でいくつかの指摘をしたが、ほとんどは長期的な視点であるべき 姿を提案したもの。
  • 予備審査での印象として認証の取得は大丈夫だと思う。但し、他の認証森林と同様に、いくつかの条件は付くものと思われる。
  • 日本で認証を受けている4例に比べ、県有林は格段に規模が大きい。山梨県の県有林が認証を取得することは、日本全体にとっても大きな意味がある。FSC取得は生産者にとっては製品の差別化であるが、我が国においては、国産材と外材という大きな問題があり、FSCが普及し、森林管理レベルの向上など、外材に対抗する基盤をつくるという視点も重要。こうした意味を含め、多面的な視点からFSCに取り組んで欲しい。FSCの知名度の向上や、消費者への普及などにも山梨県が先駆的な立場で全国に発信していくことを期待している。

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山梨県森林環境部県有林課 担当:県有林計画担当
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1623   ファクス番号:055(223)1679

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