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ページID:490更新日:2023年2月26日
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当センターの令和4年度の試験研究目標および試験研究課題について、ご紹介します。
平成29年4月1日から旧畜産試験場と旧酪農試験場との組織再編により、新しく「畜産酪農技術センター」として本所(中央市)並びに長坂支所(北杜市)において、本県の畜産関係試験研究及び畜産生産振興業務に取り組んでいる。
本県の畜産生産は、県民の食生活の基礎となる畜産物の安定供給において重要な役割を担っている。また、果樹、野菜との複合経営による中山間地農業の活性化や、広大な牧草地や放牧風景による景観保全、さらには土づくりにおける堆肥の活用等を通して、循環型農業の推進にも大きく寄与している。
近年、国際的な穀物不足等により輸入飼料価格は高止まり傾向が続いており、購入飼料に依存した本県の畜産に大きな打撃を与えている。また、原油価格の高騰に伴う生産・流通コストの増大や、担い手の高齢化や後継者不足による農業労働力の減少等、畜産を取り巻く環境は厳しい状況にある。
県では、平成27年12月、本県農業の再生に向けた改革を着実に推進するため「新・やまなし農業大綱」を策定した。本大綱の実現に向け試験研究においては、平成29年3月に「山梨県農業の試験研究推進構想」の第8次改訂を行い、「本県農業の振興方向に沿った施策を実現する技術の開発」、「生産現場の課題解決を迅速に進める技術開発」「分野横断的研究・産学官連携の推進による効果的・効率的な技術の開発」が、本県の農業関係試験研究機関が目指すべき基本方向として示されている。
当センターでは、このような状況を踏まえ、令和4年度には次の6項目の主要研究テーマを柱として、質の高い畜産振興を図るため、県内の試験研究機関のほか、独立行政法人や他県の試験研究機関、大学、民間企業等と連携しながら、施設・圃場等の資源を最大限に活用して、家畜の改良増殖、生産技術の開発、飼養管理技術の開発などの試験研究を進めていく。
「甲州富士桜ポーク」「甲州地どり」「甲州頬落鶏」の維持や生産拡大を図るため、品種改良と増殖を行い、県内の生産者へ優良な種畜を供給する。
畜産物の品質及び生産性向上のために、飼養管理技術の改善、受精卵技術等を活用した乳肉用牛の改良増殖など生産性向上技術及び飼養管理技術を開発する。また、自給飼料向上のために飼料作物の栽培技術の確立、優良品種の選定を実施する。
酪農経営における乳用雌子牛の損耗防止を図るため、哺育時期の飼養管理の違いが発育等に及ぼす影響について検討する。また、生産性向上を目的に、乳用牛のストレス低減技術について検討する。
アニマルウェルフェアを推進するため、快適性に配慮した飼養管理方法について検討する。
飼料作物において、暑さなどの耐性が非常に高い暖地型牧草の活用を進めるため、県内に適した草種の選定や放牧、採草利用技術について検討する。また、採卵鶏における暑熱時の卵重改善技術やブロイラーにおける暑熱対策について検討する。養豚においては、低コストかつ効率的なビニールハウス豚舎における暑熱対策技術を検討する。
水質汚濁防止法において、硝酸性窒素の規制基準が強化される中、低コストでの対応が可能な硫黄及び植生による脱窒と浄化植物の有効な活用法を検討し、環境に優しい資源循環型養豚を確立する。