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こうしゅうすいしょうきせきざいく

甲州水晶貴石細工

原石に生命を吹き込む

甲州水晶貴石細工は、自然が生んだ水晶をはじめとする様々な宝石に彫刻を施し、入念に研磨することで芸術作品に昇華させる伝統技法です。香炉や四天王などの工芸品、龍や鷹などの彫刻品、ネックレスやリングなどの装飾品など、さまざまな作品が作られています。

  • 主な産地

    甲府市及びその周辺

  • 指定年月日

    平成6年10月(山梨県郷土伝統工芸品)、昭和51年6月(国指定の伝統的工芸品)

  • 主な原料

    水晶、ひすい、ジャスパー、黒曜石、めのう、その他貴石・半貴石

歴史

甲府での水晶細工の起源は、御岳昇仙峡の奥地金峰山で水晶が発見された約1,100年前に遡ります。江戸時代の天保年間には、京都より玉造りの職人を迎え、鉄板の上に金剛砂をまいて水晶を磨く方法を考案。安政年間(1850年頃)には水晶や翡翠を使った数珠や帯留め、根付けなどの注文を受けていたことが、土屋家(現土屋華章製作所)の蔓注文帳に記録として残っています。
水晶工芸作品は第1回パリ万国博覧会にも出展され、水晶彫刻研磨の技術は世界の目に触れることとなり、高い評価を得ることとなります。大正初期には南米やアフリカ諸国から水晶や瑪瑙、虎目石などが輸入され、設備電化の影響を受け、より精密で高度な技術が確立。美術工芸品や装身具を生産するようになりました。
戦後は、輸出が急増し製品の80%は海外向けでしたが、昭和50年代のドルショックを境に高度な技術を駆使した国内向けの美術品を生産、工芸品から芸術作品へとその質を高めています。

特徴

  • 素材が天然石であるために、大きさや形が限定されます。

  • 粘り強い石、もろい石など、石の種類によりその組成が異なるため、加工には石の特性を読む力、細心の注意、根気強さなどが要求されます。最終仕上げに進むまでは決して気が抜けません。

技術・技法

水晶の硬度はガラスの倍以上。硬い石を削り、作品に仕上げるための作業は非常に時間を要します。

石取り

原石の形、縞目、傷などを確認し、何を作るかを決める

原石切断

石取りした宝石を切断する

原石絵付け

切断した宝石に、形となる元絵を書く

切り込み

元絵から外れている部分を切り落とす

カキ込み

元絵にそって成形する

荒摺加工

直径0.5mmの研磨剤(炭化硅素)を使い加工していく

中摺加工

直径0.05mmの研磨剤(炭化硅素)を使い加工していく

仕上摺り加工

直径0.005mmの研磨剤(炭化硅素)を使い加工していく

磨き加工

研磨剤(酸化クローム)を使い仕上げを行う

生産者紹介

山梨県水晶美術彫刻協同組合