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ページID:27965更新日:2015年12月14日

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遺跡トピックスNo.0215大月遺跡から出土した、縄文人の食生活を知る遺物

大月市の遺跡

0013塩瀬下原遺跡-敷石住居-

0083塩瀬下原遺跡-土器・石器-

0227塩瀬下原遺跡-石皿-

0063大月遺跡-敷石住居-

0215大月遺跡-クリの炭化種子-

0314大月遺跡-石器-

0138原平遺跡-縄文時代早期末の住居-

0279御所遺跡-奈良・平安時代の竪穴住居跡-

H21_0124大月遺跡出土クリ破片

〈写真1〉大月遺跡から出土した炭化したクリの種子の破片

縄文時代から現代まで食されているクリ

H21_0124現存くりの美

〈写真2クリの実〉

平成6年に行われた大月遺跡第6次の調査では、縄文時代中期の終わり頃(今から約4.000年前)に位置づけられる第2号住居跡や、縄文時代後期の中頃(今から約3.500年前)に位置づけられる炭化したドングリ類(主にブナ科のコナラ属、クヌギ、ミズナラなどの種子)の破片が集中して出土した箇所では、上の写真のような炭化したクリの種子の破片が出土しました。

クリは、山野に普通にみられる落葉樹です。特に、東北日本では落葉樹林帯の代表的な樹木で、材は利用価値が高いです。縄文時代の集落遺跡として著名な、青森県の三内丸山遺跡の柱穴に残っていた直径が1m近くもある巨大な木材もクリでした。その種子は甘く、9~10月に熟します。皆さんもご存じのとおり加熱しておいしいので、現在でもよく食べられていますね。大月遺跡から出土したクリの種子は、今から約4.000~3.500年前の縄文人も現代人と同様にクリを食べていたことを証明する貴重な資料です。

また、種子が炭化していたということは、クリの種子が火を受けていたことを示しています。火であぶることにより、種子は甘くなり、固い殻も割りやすくなったと思われます。アク抜きの必要が無く栄養価の高いクリの種子は、縄文人にとって欠くことのできない大切な食糧となっていたのでしょう。

また、ドングリ類が集中して出土した箇所からは、ドングリ類やクリの他に、炭化したオニグルミの種子の破片も出土しており、縄文人が様々な木の実を食していたことがわかります。これに対し、第2号住居跡からは、クリの種子しか検出されてません。

H21_0214柄鑑形住居

炭化したクリの種子の破片が出土した第2号住居跡

ちなみに、第2号住居跡は、住居の出入り口が細長く伸び、床面に石が敷き詰められている箇所がみられることから、柄鏡形敷石住居〔えかがみがたしきいしじゅうきょ〕と呼ばれており、円形や方形の形が多い縄文時代の住居跡としては、珍しい形態といえます。

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