ページID:123410更新日:2025年11月11日
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第17回(令和7年度)やまなし産業大賞の応募の中から優れた製品、技術、サービスを有する7社の受賞が決定いたしました。選考にあたっては、金沢工業大学の影山和郎教授を審査委員長として、県内外の有識者等で構成する「やまなし産業大賞審査委員会」において公平かつ厳正な審査を実施し各賞を決定いたしました。
「半導体ウェハー非接触搬送ソリューション(新型KUMADE ECシリーズ)」

半導体業界において欠かせない存在となりつつある非接触搬送技術の最先端製品。ウェハの主要面に触れることなく、空気の力で浮上させて搬送するため、ウェハ表面からでもアクセスすることが可能。
半導体の性能に関係するウェハの大口径化・薄型化・新素材化が進み、ウェハの表面・裏面の両方に加工が施されるため、そのどちらにも触れずに搬送する技術が求められる。
この課題に対し、保有している技術を改善・改良することで、従来困難であった極薄・大口径ウェハの非接触搬送が可能としたことを高く評価した。
「プログラマブルGTカット水晶発振器『GTXO-04』」

極限の高温環境下で長期的に高精度な周波数基準を供給する画期的な水晶発振器。
−40~200℃の温度範囲で周波数偏差±50ppm、さらに200℃で1000時間の連続発振を達成し、従来の常識を覆す世界最高水準の性能と信頼性を実現した。
資源開発、地熱発電、宇宙など、過酷な環境に晒される次世代産業の技術革新に大きく貢献する。
産業技術の進歩とともに高温環境における高精度な周波数基準のニーズがあるものの、超高温の過酷な環境に耐え得る発振器は存在しなかった。
高精度微細加工、耐熱材料選定、GTカット水晶振動子の緻密な設計など長年の知見と独自技術により製品を開発したことを高く評価した。
「滴下検知補助装置 DSP-001」

医療現場において点滴筒に装着。赤外線センサーで輸液製剤の滴下を監視し、滴下異常や終了の際にアラームで通知する小型のデバイス。従来目視で行われることの多い手術室での輸液管理に使用することで、インシデントやヒューマンエラーの発生リスクの払拭に寄与。
スピードや頻回の投与調整が求められる手術現場において、手間を要さず、安全で空間的にも邪魔にならない点滴検知装置が求められるが、存在しなかった。
細かい現場ニーズに応える性能を持つ点滴センサーを開発したこと、また事業の将来性を高く評価した。
「ブドウの花を使用したクラフトジンの製法」

効果的にブドウの花の香を醸し出すことを目的とし、ブドウの花のうち、アルコールに溶ける部分と水に溶ける部分を組み合わせることにより、強いブドウの花の香がするクラフトジンの製造方法を確立。
出荷基準に満たない果物の大量破棄の問題に着目、素材として採用。クラフトジンとして新たな価値を見い出したこと、また新しいお酒の文化が生まれる可能性が感じられることを評価したい。
「介護支援アプリ ささやきケア」
介護現場における注意事項をリアルタイムで教えてくれる生成AI搭載の介護用アシスタントアプリ。大量の注意事項の共有や確認、情報の引き継ぎといった現場の混乱につながる事案を防ぐことが可能。
実際に介護現場で働き、本当に現場が必要としている商品を考え、開発。
AIによる外国語自動翻訳機能付きなど、外国人スタッフが混在している現場も考慮されており、介護現場の負担軽減に貢献することを評価したい。
「ブルーベリー・ハード・サイダー(果実酒)」

北杜市産のリンゴ及びブルーベリーを用いたアメリカンスタイルのシードル=ハード・サイダー。果実酒であるにも関わらず、別の種類の果実を混ぜる点に特徴あり。
日本におけるハード・サイダー市場は勃興期であり、明確な市場が存在しない中、ハード・サイダーに着目し開発することで、自ら市場を開拓していることを評価したい。
「糸落水」


伝統的な和紙の美しい風合いと透け感を活かしながら、紙の内部にメッシュ素材を漉き込むことで、従来の和紙にない高い強靭性を実現した新しい和紙素材。
現代の生活様式に合った新しい障子紙を目指して研究するなど、和紙産業における伝統技術の継承に向け、新たな挑戦をしていることを評価したい。