ページID:88925更新日:2019年2月26日

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平成31年2月定例県議会知事説明要旨

平成31年2月定例県議会の開会に当たり、提出致しました案件のうち、主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。

この度私は、多くの県民の皆様の御支持をいただき、第62代山梨県知事として、県政の舵取り役を担うこととなりました。82万県民、お一人お一人の夢と希望を私に託していただいた、その責任の重さに、改めて身の引き締まる思いがすると同時に、強い使命感を感じております。

「停滞から前進へ。」

選挙戦において私が掲げたスローガンであります。停滞感、閉塞感が漂う現状を大胆に改革し、もっと豊かさを実感できる山梨県にする。そして、昨日より今日が良くなったという「実感」、今日より明日が良くなるという「確信」が持てる、そうした希望と元気と活気のある山梨県を創っていく。これが、選挙戦を通じて県民の皆様に対してお約束した内容であると同時に、多くの県民の皆様に共有された思いであります。私に託していただいたこの強い思いに真摯に向き合い、何としても県政を前進させていく、その強い覚悟で県政運営に取り組んで参ります。

さて、私が政治の道を志したのは、幼少期に感じた社会に対する違和感、つまり、この国にあふれる様々な格差により、個々人の努力や頑張りが必ずしも正しく報われない状況を「何とかしたい」という思いがきっかけであります。

山梨にお住まいの方、お一人お一人は、生活の向上、そして地域の発展のため、日々、大いに奮闘されておられます。しかしながら、そうした努力や頑張りが十分に報われ、豊かさを享受できる、山梨がそのような地域になっているかと言えば、残念ながら然りとは言えません。この山梨県で生まれ育ち、そして社会に出て、様々な人生の重要な場面において多くのチャレンジを行い、また、これから行おうとする県民の皆様に、「山梨だと可能性がない」と思わせてしまって良いはずがありません。この山梨の地こそ、最も自分が輝ける場所であり、幸せになれる場所であり、そして、夢を実現するにふさわしい場所である。このように県民の皆様に確信を持ってもらえる地域にしたい、そして、それは十分に可能であるはずです。

本来、山梨は大きなチャンスや可能性に満ちた地です。

私の使命は、山梨再生に向けてこのチャンスや可能性を引き出し、そして磨きをかけるべく、あらゆる方策を考え抜き、その全てを行動に移し、県民生活の向上という形で、県民の皆様の豊かさ、そして幸せの実感につなげていくことだと考えております。政治、そして、行政は、県民の皆様の夢を叶えるパートナーでなければなりません。そこで、私は、その具体的な方針を、「山梨を幸せにする五つの約束」として、今回の選挙において県民の皆様にお示し致しました。

第一は、県民を豊かにする政策の実行であります。

山梨の未来を切り拓き、県民が真に望む政策に、実行力をもって取り組むためには、その裏付けとなる財源が必要でありますが、財政規模が小さく、財源が豊かでない本県においては、県単独での取り組みではおのずから限界があります。このような状況を打破するため、私がこれまで培ってきた経験を生かし、国とのネットワークを最大限活用する中で、私自身が国との交渉の最前線に立ち、リーダーシップを持って国からの資金を獲得するとともに、本県の実情に合った制度変更等を促していく考えであります。具体的には、中部横断自動車道の県費負担の削減や、徹底した補助金・交付金の確保に努めるとともに、国直轄事業の導入拡大を図り、少ない負担で大きな事業効果が得られるよう、国の行財政を十二分に活用して参ります。また、時代の変化や、本県の強みを考慮し、山梨ならではの独自財源の開拓に向け、前例にとらわれず、研究・検討して参ります。こうしたことにより、生み出された財源を活用し、災害に強い県土づくりなど、県民生活の充実に活用しながら、山梨県経済の「体温」を高めて参ります。

第二は、県外・海外からの外貨の獲得による県内経済の活性化であります。

これからの経済は、飛躍的な技術革新により、コミュニケーションコストが大幅に下がり、これまで以上にボーダレスに県外、そして海外とつながることが可能になります。また、世界有数の大経済圏である東京圏から近く、リニア中央新幹線の開業が控えていることに加え、高品質な農産物や世界遺産富士山など、世界の厳しい評価に応え得る極めて優れた地域資源を数多く有する本県は、県外・海外からの外貨獲得に大きな可能性があります。そこで先ず、「医療・介護立県やまなし」をキーワードに、本県の強みである機械電子産業の医療機器分野への進出や、県民に対する医療・介護環境の充実を図った上で、今後加速度的に増加する東京圏の医療・介護需要の取り込みなどに注力して参ります。また、県内農産物の輸出促進に向け、農業関係団体や民間企業とも連携しながら、「やまなし食品輸出商社(仮称)」を創設し、官民一体で、継続的かつ組織的な販売体制を構築して参ります。そして、今後の成長が確実に見込まれる観光分野においては、「富士山登山鉄道」構想についての検討に着手するとともに、南アルプス観光のグレードアップや、観光産業の収益力向上などに取り組んで参ります。更に、リニア開業を見据え、待ちの姿勢ではなく、「山梨に来ていただく理由づくり」に力を入れて参ります。具体的には、リニア駅周辺に大規模な展示場・会議場、AI・IoT・自動運転などの第四次産業革命関連の大学や研究機関、更には、首都のバックアップ機能や国の出先機関等、こうした様々な施設を誘致する取り組みに果敢に挑戦して参ります。

第三は、次代を担う若者への大胆な投資であります。

子どもたちの教育環境を充実させ、個性を生かしながら地域で活躍できる人材に育てること、これこそ山梨発展のための百年の大計であります。家庭の経済環境などによる教育格差を生じさせることなく、山梨の子どもは誰でも、一人ひとりに向き合ったきめ細かで質の高い教育が受けられる環境を実現して参ります。先ず、本県の豊かな自然環境を、教育・子育て分野にも積極的に取り込み、幼児教育段階における自然保育の導入により、足腰の強い子どもを育成して参ります。また、教員の多忙化が社会問題となる中、一人ひとりの子どもたちにじっくり向き合う時間を確保するため、教員の負担軽減に取り組むとともに、いじめや不登校など、子どもの悩みを受け止めるスクールカウンセラーの充実などに取り組んで参ります。更に、個々の児童生徒に応じたきめ細かな教育環境を提供するため、公立小中学校に1クラス25人を基本とする少人数教育を計画的・段階的に導入し、学力の向上や子ども本来の可能性を最大限引き出す体制を構築して参ります。

第四は、医療・介護・福祉の充実であります。

健康寿命が世界一の我が国の中でも、本県の健康寿命は日本一の水準であり、人生100年時代を見据え、若者から高齢者まで、全ての方が生涯を通じて活躍でき、安心して暮らすことの出来る社会の構築は、まさに急務と言えます。そこで先ず、医師や看護師の確保を図るとともに、市町村と連携した地域包括ケアシステムの確立などを進め、健康寿命日本一を支える医療・介護・福祉の水準をこれまで以上に充実させて参ります。また、男女問わず、子育てや介護と仕事との両立を支援し、様々な働き方をバックアップする体制を構築して参ります。具体的には、「子育てしやすさ日本一」の実現を掲げ、保育所等の受け入れ体制の充実や、学童保育の充実を図り、安心して子どもを預けて働くことができる環境を整備するとともに、「介護離職ゼロ」を目指し、特別養護老人ホームの計画的な整備の促進や介護人材の育成・確保に積極的に取り組んで参ります。更に、本県への二地域居住や移住などを促進するため、移住者の地域での生活をサポートできるよう、新たに「ふるさと山梨定住機構(仮称)」の創設や、市町村と連携した移住コンシェルジュによる支援など、地域を挙げて移住者を温かく迎える体制づくりに尽力して参ります。

第五は、「日本一快適で素敵な県」への挑戦であります。

日々の県民生活や、経済・産業の基盤となる各種インフラの整備は、本県の発展に不可欠であることは言うまでもなく、また、大規模災害から県民の生命・財産を守ることも、行政の最も基本的な使命であり、ハード・ソフト両面から戦略的に進めていく必要があります。先ず、リニア開業の経済効果の県全域への波及や、防災対策の強化の観点から、新々御坂トンネルの3車線での整備促進を図るとともに、中部横断自動車道や新山梨環状道路の整備や、中央自動車道の渋滞対策など、広域交通ネットワークの整備を加速し、更に、中部横断自動車道・長坂以北や新山梨環状道路・北部区間の一部などの未着工区間についても、早期事業化を目指して参ります。また、富士山噴火など大規模災害からの避難を円滑に行えるよう、「3放射・3環状避難路」構想を推進し、広域的な避難路や輸送路の確保を進めるとともに、多発する豪雨災害に備え、河川・砂防施設の整備を着実に進めて参ります。更に、市町村と連携し、土砂災害や浸水災害に係る防災カルテを作成し、各世帯に提供するなど、避難対策の充実・強化を図って参ります。

以上、施策の概要につきまして申し上げました。これらの施策については、いずれも県民生活の向上のため、迅速な対応が必要でありますので、具体的な内容と進め方について、今後十分に検討を行い、6月議会に政策予算としてお示ししていきたいと考えております。また、政策をより良いものとして磨いていくためには、県民の皆様の県政に対する積極的な参画が欠かせず、県民の皆様のお力を総動員する必要があると考えております。そのためには、施策、そして県政が前進している実感を県民の皆様に持っていただくこと、そして生活の改善を実感していただくこと、これにより県民の皆様の県政への関心を高めることが重要だと考えております。今後、県民の皆様の幅広い声を県政に丁寧に反映させ、各界各層の御意見もいただく中で、足らざる部分については県民の皆様のお知恵やお力を頂戴し、常に県民の皆様とともに歩んでいくことを肝に銘じ、県政運営に当たって参ります。

誠心誠意、努力して参る所存でありますので、県議会議員各位をはじめ、県民の皆様におかれましては、なにとぞ、力強い御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

次に、本日提案致しました平成31年度当初予算につきまして申し上げます。

今回の予算につきまして、知事選挙が行われたことから骨格予算として編成致しており、具体的には、

  1. 人件費、扶助費並びに県債償還のための公債費
  2. 継続的な公共事業費並びに災害復旧費
  3. 平常規模による一般行政費

以上の3項目により編成致しております。

その結果、一般会計予算の総額は、4348億円余となっております。特別会計は、恩賜県有財産ほか11会計を合わせまして、3988億円余、企業会計は、電気事業ほか2会計で80億円余となっております。

なお、そのほか当面必要な条例案並びに平成30年度補正予算案を提出致しております。

その他の案件につきましては、いずれも、その末尾に提案理由を付記しておりますので、それによりまして御了承をお願い致します。

なにとぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。

最後に、後藤前知事におかれましては、4年間にわたり県政発展のため、ひとかたならぬ御努力を重ねてこられました。ここに、その御労苦に対しまして深甚なる敬意と感謝の意を表し、今後の御活躍をお祈りする次第であります。

また、議員各位におかれましては、今議会が任期最終の議会となります。これまで4年間にわたり、県政発展のため、格別の御努力を傾注されましたことに対しまして、改めて心より敬意を表する次第であります。今後、ますます御健勝にて、御活躍、御発展されますことを衷心より御祈念申し上げ、私の所信表明と提案理由の説明と致します。

 

平成31年2月26日

山梨県知事太郎

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