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ページID:45490更新日:2017年5月17日

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遺跡トピックスNo.0344寺前遺跡(てらまえいせき)の紹介[南部町]

南部町の遺跡

0292原間遺跡-土坑とカマド-
0344寺前遺跡-南部町での発掘調査-
0347天神堂遺跡-礫群-

 

今回は、南部町で発掘調査された「寺前遺跡」を紹介いたします。

0344寺前遺跡01

(写真中央より下に寺前遺跡が見えます)

寺前遺跡について

所在地

山梨県南巨摩郡南部町中野字寺前地内で標高は157m、富士川の右岸に位置しています。
甲府からは南へ約60km、平均気温は15度と温暖で降水量が多く、お茶の産地としても有名です。
発見された原因

中部横断自動車道南部インター建設事業に伴い試掘調査が実施されたことによります。そして、この遺跡は新たに見つかり遺跡台帳に登録されました。
発掘調査

平成20年10月14日から12月9日の期間で行われました。
遺跡の概要

調査面積は約1200平方メートルで、掘り窪めた穴(土坑)12基や溝2条、焼土遺構1基、土器の破片34点、石器6点などが発見されました。
土器片は、小破片で完全な形になるものはありませんでした。
土坑ですが、12基の内、2基は風によって倒された木の痕です。そして、長方形を呈する土坑からは、中世の陶器片が見つかりました。
遺跡の時代

少ない遺物を頼りに見てみますと、土器片の胎土や焼成などから縄文時代中期末から後期初頭と思われます。

0344寺前遺跡03

(1号土坑の掘りあがり写真)

0344寺前遺跡04

(10号土坑の掘りあがり写真)

調査結果と周辺について

0344寺前遺跡02

(寺前遺跡の全体写真:写真の左方向(東)に富士川が南流しています。北から南へ撮影)

調査の結果
遺構のすべては谷の北側で見つかっています。この谷は、北東から南西に方向に入り込んで、谷の一番低い箇所と調査区の西端との比高差はなんと4mほどありました。
遺構の数は少なかったものの、見つかった縄文時代の土器片や石器などから本遺跡の周辺には、小規模ですが集落の存在が想定される遺跡でした。

遺跡の周辺
寺前遺跡のすぐ近くには慈眼寺があり、東へ緩やかに傾斜して本遺跡があります。そのためでしょうか、「寺前」という字名が付けられたのでしょう。
そして、谷を挟んだ南の台地には「清水原遺跡」があり、その西には有名な「原間遺跡」があります。
遺跡が分布している場所は、富士川沿岸とその支流に面する地域で河岸段丘上に存在しています。
また、富士川舟運の港町として、駿州往還の宿場町として山梨県と静岡県の各地との交流が行われてきた街でもあります。南部町と言えば、奥州に勢力を誇った南部氏発祥の地として歴史のある街でもあります。

報告書山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第264集(2009.12)「寺前遺跡」

 

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