ページID:33785更新日:2020年10月7日
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「農村の四季」を基本テーマとして、四季折々の農村の表情、農作業や生活の様子など幅広く農村の風景をとらえた写真を募集したところ、総計583点の作品をご応募いただくことができました。厚くお礼申し上げます。
厳正な審査の結果、入賞作品17点を決定したので発表します。
なお敬称は略させていただきます。
| 賞 | 受賞者名 | 住所 | 作品名 | 
|---|---|---|---|
| 山梨県知事賞 | 大柴力 | 韮崎市 | ひととき | 
| 審査委員長賞 | 早川和枝 | 山梨市 | 農業のにないて | 
| 農政部長賞 | 渡邊希美子 | 富士吉田市 | そばの花の咲く頃 | 
| 季節賞(春) | 滝井千恵子 | 静岡県静岡市 | 水ぬるむ頃 | 
| 季節賞(夏) | 岩谷秀雄 | 甲府市 | 棚田 | 
| 季節賞(秋) | 内藤均 | 南アルプス市 | 柚子実る里山 | 
| 季節賞(冬) | 保坂正裕 | 南アルプス市 | 雪どけを待つ | 
| 入選 | 志村茂雄 | 笛吹市 | 田植のあと | 
| 入選 | 萩原文雄 | 笛吹市 | 桃花冠雪 | 
| 入選 | 井沢雄治 | 埼玉県大里郡 | 田植え | 
| 入選 | 眞田幸彦 | 甲府市 | 秋の刈り入れ | 
| 入選 | 渡辺吉基 | 韮崎市 | 銀世界の朝 | 
| 入選 | 小髙武夫 | 甲府市 | 初夏の詩 | 
| 入選 | 鎮目汎子 | 笛吹市 | キャー | 
| 入選 | 日原岳人 | 甲州市 | 山里の棚田 | 
| 入選 | 青木国雄 | 甲府市 | 棚田の朝 | 
| 学生部門賞 | 八巻ありさ | 北杜市 | 今年も豊作だ! | 
| 学生部門賞 | 中澤友里 | 北杜市 | 春耕 | 
白簱史朗審査委員長による応募作品全体についての講評(PDF:90KB)はこちらです。ぜひご覧ください。(下線部をクリックすると講評ページにジャンプします)

[評]山梨県の古来からの名産名物である枯露柿をモチーフにしたもので、着眼点および画面構成によって非常な効果をあげている。銀塩特有の柔らかく豊かな階調が、戸外と屋内の調子をともによく再現している。殊に障子に映った影、畳に投影された柿の影が実に効果的である。これはまた、両側を切って縦位置にすると、さらにすばらしいものとなった。

[評]デジタル写真であっても、銀塩写真に劣らぬ自然な発色である。ブドウを摘むおばあさんの表情、しぐさが実に自然であり、ムードがよく表現されている。この作品も両側を上部のブドウの大房の外側で切って縦位置にすると、道に奥行きが出て、ムードが高まる。こうした、自然な表情やしぐさは、こうした写真でもっとも重要なものである。

[評]一面に広がるソバ畑、折しもその花盛りの季節である。好天の朝まだき、そのソバの花をかすめるように一筋の光が射し込んできた。うっすらと霧が晴れ行く朝空には夏富士が端麗な山容を浮かび上がらせている。
まるでおあつらえのような山梨の風景、ソバの花に映える光、虚空に浮かぶ富士山、いかにも女性らしい叙情あふれる風景、それをみごとに捉えたセンスとシャッターチャンスの良さ、賞に値する好作である。

[評]田植えの情景写真であり、こうした題材であると、デジタルの方が向いていると思う。通常こうした情景では人物がカメラの方に顔を向けていることが多く、それで大方が失敗するのであるが、この作品は4人が4人、みな仕事に熱中している。ポーズもマチマチではあるが、それがまた自然な動きで嫌味がない。右上の道路を何とかして画面から外してあるとさらによくある。

[評]田園のアゼの線が実に美しく、手前の緑とよくマッチしている。上空が曇天だったことが幸いして水面が白くなったのもメリハリが利いて、画面コントラストが向上した。農村写真としての完成度は右中央下の影のあたりに仕事にたずさわるにふさわしい服装の人物、それも小さく入れるとよい。左上部の白い筋(橋か?)は無い方がよい。

[評]柚子の里として知られる峡南の山間の村々、そこからはまた、富士山の眺望で名高い。その二つの魅力を一枚の写真中に収めるには両者の対応するそれぞれの位置が重要だ。だが、全体の感じはほぼ満点といってよい。しかし、ここはもっと柚子を大きく入れ、カメラポジションを下げて、富士山との空間を少し狭めた方が、より効果的であった。いずれにしても手慣れた手法であるが、もう一段踏み込んでほしい。

[評]デジタル写真であること、カメラを水平に構えたことが、平板でおとなしさの表現となってしまった。色彩的には冷たさがあり、冬の写真にふさわしいが、これが銀塩であったらもっと強さが出たと思う。カメラを下に向けて、雲のすぐ上で空を切ると畑のトウモロコシの株の線がグンとのびて、広さが強調されただろう。










