9 微塵格子に達磨模様絵甲斐絹 (明治43年製作) 濃い地色に薄い細線で細かい格子を織り上げたものの上に、起きあがりこぶしのような愛らしい達磨を配したもので洒落た感じの意匠に仕上がった羽織裏ですが、製作工程は非常に凝ったもので、バックの小格子は地の濃色も格子の薄色も絣技法を併用して、達磨の絵の入る部分だけ白場が四角く残るように計算されて作られています。それぞれ違う手法を組み合わせて新しい表現を生み出す、複合加工の技術が卓越しているのも甲斐絹の特長です。