2 唐獅子牡丹図絵甲斐絹   (大正3年製作)

 男物の羽裏(羽織の裏)で好まれる柄は、物語や歌舞伎を題材とした洒脱なもの、竹に雀や松に鶴、梅に鶯、柳に燕、などの花鳥や自然現象を組み合わせた風情のあるもの、十二支、鷹や虎といった勇猛な動物や想像上の生き物などが好まれ、これらがまた、さまざまに構成され、粋の文化を創り出してゆきました。ここで紹介する唐獅子牡丹図も古来から有名な紋様で、百獣の王の獅子と百花の王の牡丹が絢爛と競い合って、画面を豪華に彩っています。従前の作品の多くが獅子を主体に、牡丹を従に構成しているのに対してこの紋様は、織り幅いっぱいに大きく牡丹の花をあしらい、花の陰から獅子が覗くという趣向となっているため、風情の感じられる粋な作品となっています。


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