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山梨県の現在の警報発令伝染性紅斑(峡東、富士・東部、甲府市) 

 

YCDC医師からのメッセージ

 定点情報(2025年第23週:6月2日~6月8日)/ その他情報(公表までに把握した情報)

                             (6月12日 山梨県立中央病院 三河貴裕 医師)

【要約】
・伝染性紅斑:徐々に患者が増加しています。基本的な感染対策(手洗い)の励行が最も有効な予防法です。
・百日咳:報告数が多い状態で推移しています。新生児や乳児の感染を予防するために妊婦のワクチン接種という方法がありますのでご検討ください。

 

〇リスクアセスメント
【新型コロナウイルス感染症】
新型コロナウイルス感染症は感染者の報告が少なく「底」の状態です。
定点あたりの新規感染者数は0.77(27人)です。

【伝染性紅斑】
伝染性紅斑はヒトパルボウイルスB19による感染症です。
徐々に患者数が増加しています。定点あたりの新規患者数は2.81(59人)でした。とくに甲府市で定点あたり6.75、富士・東部で4.25と多く、今回は峡東地域でも定点あたり2.00と増加しました。
子どもによくみられる発疹を伴う感染症で、感染後約1週間で発熱を中心とするインフルエンザのような症状を起こすことがあり、このときにウイルスが全身に回っています。感染から10−20日経った頃の発疹は両頬や腕や足に出る皮疹が特徴ですが、この頃には免疫が作られており、人に移すことはありません。大人が感染すると発疹は少なく、手足の関節痛や筋肉痛、指先や足先のむくみがみられます。

【百日咳】
引き続き週あたりの報告数は多い状態で推移しています。


〇対応
新型コロナウイルス感染症は国内では落ち着いていますが、タイ、シンガポール、中国本土(特に南部)、台湾では現在流行が拡大中です。重症度に変わりはなく、多くは軽症の様ですが、やはり高齢で既往歴のある方では死亡例が出ているようです。
沖縄県では徐々に定点あたりの感染者数が増加しています。本県でも今後の水位を見守る必要がありそうです。

伝染性紅斑は妊婦さんが感染すると胎児への感染は40%、重い合併症である胎児水腫の合併は2-10%とされています。基本的な感染対策(手洗い)の励行が最も有効な予防法です。ワクチンはありません。

百日咳は引き続き多い報告数で推移しています。妊娠27−36週の妊婦さんは、RSウイルスワクチンのように三種混合ワクチン(百日咳を含んでいる)を接種することで新生児や乳児の感染を防ぐ方法がありますので、接種についてご検討ください。
 

※妊婦のRSウイルスワクチン、三種混合ワクチン接種は任意接種です。


*関連ページ
百日咳 ⇒ 山梨県感染症ポータルサイト / 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構
伝染性紅斑 ⇒ 山梨県感染症ポータルサイト / 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構

 

感染症発生状況

 

今週の感染症発生状況はこちら をご覧ください ! 

 *保健所毎疾患毎(インフルエンザ・コロナ・RSウイルス・感染性胃腸炎など)に今週の状況がご覧になれます。

      2025年6月12日作成

インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症について県内35箇所(2025年14週までは41箇所)の定点医療機関から
報告された患者数及び1医療機関あたりの患者数を集計しました【赤色警報 黄色注意報】。

対象期間:2025年第23週〔2025年6月2日(月曜日)~2025年6月8日(日曜日)〕

      トップページインフルエンザ流行マップ警報・注意報なし                              新型コロナウイルス感染症流行マップ(白)                           

  ◆下記数値は、「初回公表時点での数値」を掲載しています。また、医療機関から報告がなかった場合は定点当たり数値の算出対象から除いています。

インフルエンザ   
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
23週 報告数 31 22 1 2 - 6
定当 0.89 1.83 0.17 0.67 - 0.86
22週 報告数 19 13 1 - - 5
定当 0.54 1.08 0.17 - - 0.71
21週 報告数 29 16 3 - 1 9
定当 0.83 1.33 0.50 - 0.14 1.29
20週 報告数 31 22 3 1 3 2
定当 0.89 1.83 0.50 0.33 0.43 0.29
19週 報告数 47 15 3 1 7 21
定当 1.34 1.25 0.50 0.33 1.00 3.00
新型コロナウイルス感染症*
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
23週 報告数 27 10 6 1 3 7
定当 0.77 0.83 1.00 0.33 0.43 1.00
22週 報告数 39 14 10 5 4 6
定当 1.11 1.17 1.67 1.67 0.57 0.86
21週 報告数 32 12 4 5 6 5
定当 0.91 1.00 0.67 1.67 0.86 0.71
20週 報告数 35 13 8 3 10 1
定当 1.00 1.08 1.33 1.00 1.43 0.14
19週 報告数 55 24 11 4 8 8
定当 1.57 2.00 1.83 1.33 1.14 1.14

※15週報告から、定点医療機関数が変更(減少)しています。推移を確認する場合は「定当」(定点あたり患者数)をご参考ください。
*本県独自基準 以下の数値を目安にYCDC医師と協議の上決定(注意報目安:定点あたり10以上、警報目安:定点あたり15以上)

発生動向に関する各種資料 (定点把握対象疾患・全数把握対象疾患の発生状況病原体検出状況などがご覧になれます)

集団感染事例及び学級閉鎖等措置状況(PDF:31KB) ※過去の分はこちら
 
施設から報告のあった事例保健所及び施設種類ごとにご覧になれます。県保健所管内のみの情報です)

  *2024年第36週以降の状況
    新型コロナ措置状況(PDF:61KB)
    インフルエンザ措置状況(PDF:60KB)
    感染性胃腸炎措置状況(PDF:60KB)
  *甲府市の状況は こちら

 

新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症とは、新型コロナウイルスによって起きる感染症です。主に鼻やのど、気管、肺などの臓器(呼吸器)に感染し、インフルエンザや風邪に似た症状を引き起こします。
   *新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけは、令和5年5月8日から「5類感染症」に移行しました。

新型コロナウイルス感染症に関する詳細情報は以下のページをご覧ください。

 

下水サーベイランス

 下水中のウイルスを検査・監視する下水サーベイランス(下水疫学調査)は、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標としての活用が期待されています。
 本県では感染状況のトレンドを把握し、感染対策に活用するため、令和5年7月から下水サーベイランス事業を実施しています。

 詳しい情報は こちら

最新・話題のレポート

 ★海外における感染症予防について
  海外には日本で発生していない感染症がたくさんあります。
  海外に渡航される方は、渡航先の状況や滞在中の計画に応じた適切な感染予防を心がけてください。


 〇厚生労働省や国立感染症研究所などが公表する最新・話題のレポート

 〇YCDCレポート

 〇感染症対策グループHP

山梨県で発生している感染症情報

警報

伝染性紅斑(峡東保健所、富士・東部保健所、甲府市保健所管内)

注意報

なし