ページID:40995更新日:2023年1月20日

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知事臨時記者会見(平成24年1月30日月曜日) 

本館2階特別会議室

10時00分から

発表事項

  • シミックホールディングス株式会社との八ヶ岳薬用植物園ネーミングライツ調印式について

※シミックホールディングス(株) 

シミックホールディングス株式会社との八ヶ岳薬用植物園ネーミングライツ調印式について

知事

本日、シミックホールディングス株式会社と「山梨県森林総合研究所八ヶ岳薬用植物園の施設命名権に関する契約書」を締結することができましたことを大変うれしく思っているところでございます。

スポンサーになっていただきましたシミックホールディングス株式会社は、前身のシミック株式会社から今月4日付けで商号を変更して、シミックグループの持株会社として発足したとのことでございますけれども、医薬品の開発・製造等を行う事業を展開しておりまして、業界トップの企業でございます。

今日お出でになっております中村代表取締役会長兼社長は、山梨県甲府市のご出身で、ふるさと山梨に対して大変に熱い思いを持っていただいて、我々山梨県の県政にもご支援、ご協力を賜っているわけであります。

また、皆さんご存じだと思いますけれども、八ヶ岳南麓に「中村キース・ヘリング美術館」を含めまして、地域一帯を「八ヶ岳アートビレッジ」と称しているわけですけれども、そのようなすばらしい施設をおつくりになったり、それから北杜市の須玉町江草に県が造成した16ヘクタールの農地に「ハーベジファーム」という農業法人をおつくりになって、そこで農業を展開していただいております。ヤマトイモを生産し、中国をターゲットにして輸出・販売するというようなこともお考えいただいているわけです。そうやって本県の発展のためにご貢献いただいている方でございます。

また、シミックグループの関連会社として株式会社シミックバイオリサーチセンターという会社が北杜市小淵沢町に本社を構えておりまして、シミックグループとして、キノコをはじめとする特用林産物から有効成分を検索して、これを例えば特定保健用食品とか健康食品として商品化することもお考えいただいていると聞いております。

一方、森林総合研究所の八ヶ岳薬用植物園におきましは、今までキノコをはじめとする特用林産物の成分分析とか栽培技術の確立などの研究を行ってきたところでありまして、お互い目指すところが一緒でございますので、ネーミングライツを機に両者がコラボレートして一緒に開発事業に取り組んで行くこともできるのではないかと期待しているところであります。

この「シミック八ヶ岳薬用植物園」という愛称が広く県民の皆さまに親しまれ、定着するように県としては努めていくと同時に、こうした取り組みが進み、特用林産物の栽培技術の普及による地域経済の活性化に結びつくことができればと考えております。

本日はありがとうございました。

シミックホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長

ただいまご紹介を受けました中村でございます。

まず本日は、知事様をはじめ、県の皆さま方、私どもが名前を付けさせていただけることになりましたことを、心から御礼申し上げます。ありがとうございました。

さて、私の背景をご説明しますと、私自身は山梨県甲府市の出身です。まぎれもなく、18才までここにいましたから、山梨県産でございます。メイドイン山梨でございます。大学は京都の方へ参りまして、それから、現在の第一三共株式会社、当時の三共株式会社の方で医薬品開発を23年間位携わって参りました。少し遅咲きではございましたけれども、45才のとき、今から20年前に、マンションの一室から事業を始めまして、現在4,300人位のグループ会社になっております。

私も長年にわたり医薬品開発を取り組んで参りましたので、日本からすばらしい医薬品を開発して、世界に貢献したいと願っているわけでございます。そういう中で、私は事業をして参りまして、世界を見歩いていますと、ますます、山梨のすばらしさが分かっています。逆に言えば、大変失礼な言い方をすれば、山梨のすばらしさが分かっていないのは山梨県人だけだと思っているくらいの思いがあります。どのようにすばらしいかと言うと、まず海に近いということ。海がない県ではなく海に近い。それから、3,000m級の山に囲まれながら、しかも非常に天然資源が豊かであるというところ。私は、世界の中でも少ないのではないかと思っていました。

そういうところで、実はいつの日か、自分の事業の中でできることをやってみたいという思いはずっと持っておりました。しかしながら、私ども今、拠点の中では、北海道から沖縄まで各県に支社がございますし、それから韓国、中国、台湾、シンガポール、アメリカ・ニュージャージーで拠点をつくり、工場も静岡、富山と韓国、アメリカに持っております。

残念ながら工場はこちら(山梨県)に保有しておりませんが、小淵沢の地にバイオリサーチという、動物の試験、お薬が有効か、安全性はどうか、健康食品・機能性食品の素材を見つけるというような研究所を持っており、そこに今回のお話がございました。

と同時に、私は、今韓国で人参四物湯という朝鮮人参と甘草エキスのものをつくって日本に出しているのですが、甘草エキスでも朝鮮人参でも値段が中国からくるものが非常に高くなっており本当に難しい。また、国をあげて天然資源を権利化しようという動きがありまして、海外に頼っているとなかなかうまくいかないということで、それもずっと頭の痛い問題でございました。

そういう中で、森林総研と一緒になって山梨にあるきのこ、甘草、または朝鮮人参が栽培できないかということで話を進めている中で、今回のネーミングライツの話がございましたので、応募させていただき、今日に至っております。

ですから、目的は2つございます。1つは、もちろん、名前を広く知らしめたいということでございますけども、もう一方では、そういう植物成分をなんとか新しい機能性の素材にする。また、そのものが、地域の農家を含めて栽培できるようなシステムができたらいいなということで、長いことかかるかもしれませんけれども、その1つのステップにしたいと思っております。

(山梨を)こよなく愛しております。今、この山梨、この地域が元気にならないと絶対に日本は元気にならないです。私どもは事業を国際的に展開しておりますけれども、大変辛い思いをしています。どこへ行っても、「東京は地震大丈夫か?」と質問されます。外国人の中には、日本から撤退し上海やソウル、シンガポールに行ってしまい、(今までは)東京だけで話ができたのが、向こうに行かなくてはならない。今日も私のパートナーがまた中国に飛んでいますが。そういう中でやはり山梨というか、こういうところがしっかりしてくると、また外国の目も違ってくるのではないかと信じておりますし、そのような行動をしたいと思っていますので、今後ともご支援とご協力、また、いろいろな意味でのアドバイスをお願いしたいと思います。

本日はどうもありがとうございました。

質疑応答

記者

本社は品川になるのでしょうか。

シミックホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長

はい。

記者

北杜市にある企業は支店ではなく、グループ企業でしょうか。

シミックホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長

はい。私どもグループは17社の会社で構成されております。北杜市にあるリサーチセンター、北海道の研究所、静岡、富山の工場などがそれぞれ会社になっております。

そして、私どもの研究の中のバイオリサーチ、すなわち生物学的な研究の拠点は山梨に置いております。仕事が入りますと、そこを中心にして、例えば韓国の会社に依頼したりとか、他の国(の会社)に依頼したりということなので、バイオリサーチセンターと名を付けています。

私ども(シミックホールディングス、シミックバイオリサーチセンター)は、山梨の森林総合研究所とご一緒させていただきながら、新しい素材開発とか、地域の農家などと一緒になって、それが栽培できるような仕組みをつくっていきたいと考えております。

記者

知事に伺いたいのですが、今回、ネーミングライツで提携されて、中村代表取締役会長兼社長もおっしゃるように、今後、新たな製品の開発とか一緒にやっていきたいということであったのですけれども、その意向を受けて知事としてのお考えをお伺いできればと思います。

知事

先ほど中村代表取締役会長兼社長と話をしていたのですけれども、これからヘルスケア産業が大変に有望であり、山梨県においては特に有望な産業として発展する可能性があるものだと思っております。我々もヘルスケア産業、健康関連産業、医療関連産業のようなものを大いにこれから振興したいと思っているわけです。

そういう意味で今回、このシミックホールディングス株式会社と提携して、先ほどお話しのあったような特用林産物の中から健康上の有効成分を抽出し、それを今度は森林総合研究所がその栽培方法の研究とか、それをまたその地域の農家に栽培させる技術というのは、県の農政部とか森林環境部が持っているわけでありますから、お互いに得意な部分を補い合いながら新しい健康食品を開発し、産業として育てていくということができればすばらしいことだと思っておりまして、そういう方向に県としても努力したいと思っております。

記者

少し気が早いかもしれませんが、今、代表取締役会長兼社長や知事がおっしゃったようにコラボレートしていくお話しは、長期的なスパンで考えるような話だと思いますし、ネーミングライツが直接それに必要かというと別かも知れないのですけれども、今回5年間ということで、その後はネーミングライツについてはどのように考えているのでしょうか。少し気が早いのですが、その後はできるだけ長くとか、そのような思いがあるのかお聞かせいただけますか。

シミックホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長

今回の募集が最長5年とのことでしたから、最長の5年で申請させていただきました。

なぜ私どもの名前を入れて「シミック八ヶ岳薬用植物園」にするのかということですけれども、シミックバイオリサーチは、昨年研究所を譲り受けまして、まだまだ知られておりませんので、知名度を上げたいと思っております。

ここにありますのは、富士フイルム株式会社のメタバリアと言いまして、皆さんも飲んでいるかもしれませんけれども、年間数百億円売れているサプリメントでございます。ご存じのように、富士フイルム株式会社とコダック株式会社は世界で戦いまして、コダック株式会社は沈んでしまいましたが、富士フイルム株式会社は生き残りました。どうして生き残ったかといいますと、フィルムだけではなくて大きい流れの中でヘルスケアへの参入を行ってきました。その中で私どもも富士フイルム株式会社とジョイントベンチャーの会社をつくったりして、メタバリアを開発してきているのです。

この中の成分の1つはサラシアと言いまして、スリランカから持ってきています。もう1つは、赤ワインのポリフェノール、赤ワインのかすです。これはフランスから持ってきています。それからタマネギは北海道から持ってきています。このようなものを入れて、これを食事の前に飲みますと油分の吸収を抑えられるとのことで、糖尿病に良いことを証明し、サプリメントとしてかなり普及しているわけです。

そして、原料調達については、かなり議論をしています。海外から調達している場合では、その国から自分たちにも権利があるので、ロイヤリティを求められるケースがあるとお聞きしています。

私どもの製品でも甘草とか朝鮮人参を中国、韓国から入れていますけれども、今後は検討しなければいけない可能性がございます。

特に日本は健康に対して大変皆さん気を遣っていますし、高年齢の方も多くなっておりますので、原料の調達がものすごく大事なのです。朝鮮人参も日本で栽培して、いったん韓国に持っていって、韓国から輸入するという状況です。甘草も今、日本の中で商業生産ができないのか、どうやって生産するかを行っています。鹿島建設株式会社も取り組んでいたり、北海道も大事にしていたり、隣の長野県は既に事業化しているわけです。この甘草も従来の甘草でなくて、もう少し薬が効くような効果の高い甘草をどうしたら開発できるかがポイントです。

ですから農業にしてもキノコにしても、そのままではなくて改良しながら、いかに効率よく有効成分と、それからできれば副作用を落とすような品種改良が必要なわけです。従来、山梨には甘草御殿というものがあって、日本の中でも甘草の生産量が多くて、甘草をつくったところが御殿を建てたというぐらいの歴史も持っていたわけです。

ですから、私どもは甘草でもどのようなキノコでも、本当に有効成分が高くあるのか、含量が多いのか少ないのか、または毒性としてはどうなのかをきちんと仕分けして、この品種だったら良いとか、これだと新しいものに使えそうだというものが見つかれば、それこそ全体のシステムとして経済も潤うわけですから、そのようなことができたらと思いまして、行っています。

それが方向ですから、長い時間がかかることをご理解いただきたいと思います。3年、5年の単位ではなくて、10年、20年の単位になるかもしれませんけれども、その中で物づくりまたは生産のシステム、評価していく(見つけ出す)システムをつくりあげたいと思っております。

記者

もう1点だけ、バイオリサーチを傘下に収められたのはいつでしょうか。

シミックホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長

昨年の6月でございます。小淵沢に昭和40年代からあった施設です。そこを昨年グループ化しております。

 

以上

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

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