ページID:28167更新日:2023年1月20日

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知事臨時記者会見(平成21年11月26日木曜日)

本館2階特別会議室

17時00分から
                   

発表事項

  • 山梨県・山梨学院大学・山梨学院短期大学の「健康・栄養・食育」に関する連携協定締結について

※山梨学院大学・山梨学院短期大学との共同会見

 配付資料「山梨県・山梨学院大学・山梨学院短期大学の「健康・栄養・食育」に関する連携協定締結について」(PDF:93KB)

山梨県・山梨学院大学・山梨学院短期大学の「健康・栄養・食育」に関する連携協定締結について

知事

本日、山梨学院大学及び山梨学院短期大学と「健康・栄養・食育」に関する連携協定を締結することができましたことを大変にうれしく思っております。この締結に向けて、ご尽力をいただきました古屋(山梨学院大学)学長さん、三神(山梨学院短期大学)学長さんを始め、関係の皆様に心から感謝申し上げる次第であります。
 ご案内のように、山梨県は健康寿命日本一の県でございまして、これは誇るべきことであり、これからも維持していかなければならないものでございます。そのような意味において、このたび本県の有数の教育機関である学校法人山梨学院において栄養教育について、一層の充実を図られるということでありまして、山梨学院大学において健康栄養学部を新設することが決まりましたことは、本県にとっても、誠に慶賀に堪えないところでございます。
 本県といたしましては、この山梨学院と連携協力をしっかりと行うことによりまして、県民の健康増進に一層の充実を図っていきたいと思っているところであります。
 山梨学院大学、そして(山梨学院)短期大学から健康・栄養に関する様々な科学的知見というものを提供いただいて、それで本県の健康行政を充実させていく、逆に本県の方からは行政実務で得られたいろいろな情報を大学に提供することによって、大学においては、一層教育研究の内容を充実していただくことで、お互い連携協力を取りまして、Win-Win(ウィンウィン)の関係を築いていきたいと思っているところであります。
 最後に、山梨学院様が、今後、健康栄養学を始めとする教育事業におきまして、ますます大きな花を咲かせていただき、地域を活性化していく上で、大きな力になっていただきますことをご期待申し上げまして、私の挨拶といたします。
 本日は、ありがとうございました。

山梨学院大学学長

それでは、ご関係の皆さまに御礼の気持ちを込めまして一言だけご挨拶を申し上げます。半世紀を超える歴史を持つ山梨学院でありますけれども、実は本年は記念すべき特別な年であります。幼稚園から専門職大学院までの学校体系一貫が完成した、学園の歴史にとって非常に重い、お祝いの年でもありますが、こんな年に新しい学部の新設をすることができましたことを本当にうれしく思っております。四学部体制、このことは実は東京や政令指定都市に立地しております伝統名門大学と言われる大学群を除きますと、地方都市にあっては、四学部を持つことは極めて少ない例でございまして、学園にとって新しい時代がこれからスタートするんだという気持ちでございます。
 加えて、この新設する学部の内容、中味が健康に関する問題ということもあって、短期大学で創立以来ずっと続けてきたテーマでもありますけれども、それを大学の学部の中に新たに取り込んで再スタートするわけであります。ひとつの特徴として、国家資格を目指すということは、現在存在しております我が学園の、既存の三学部にはございません。従ってそのことだけでも大変な重みを持つわけでありますが、人数こそ少ないものの、またひとまわり山梨学院が成長するんだということを実感しております。そしてもうひとつの特徴は、今、横内知事様がおっしゃっていたとおり、県との提携協定であります。この協定をどう捉えるかでありますけれども、時代がこういう時代でありますので、大学コンソーシアムというような大きな集団と、都道府県単位の自治体が提携する例は、近年多くなって参りました。私立の単独の大学と、都道府県行政当局が手を携えるという例は、実はあまり多くはございません。仮にあったとしても、それの多くはある種の地域向けの、アナウンスメント効果みたいなものを狙ったもので、中身が必ずしも十分に備わったものではない例が多いのです。
 しかし、今度の国家資格を目指す健康栄養学部は、厚生労働省からの指定を受けますと、卒業する学生諸君が4年後に国家資格でどの程度の実績、合格者数、あるいは合格率かを問われますので、そういう点でも、このことは大変重要な意味を持ちますので、県の権威を傷つけないようにしなくてはいけませんし、私どもも、他県に先行して設置されております大学と、良い意味でも悪い意味でもランク付けをされますので、競争しなくてはなりません。そんな時にも、自分たちのためにも、またふるさとのためにも実績を、好成績を残さなくてはいけないということで、いささか気負いもございますけれども、必ず後続集団の中から、先頭集団の中に入っていくんだという気持ちで、この学部をまずはスタートさせたいと思っております。
 まだまだ多くの課題は残されておりますけれども、ふるさとから愛される、そして誇りに思われるような学部、大学。愛される大学になるように、努力をしたいと思っておりますので、皆様に感謝をもう一度申し上げて、県の皆様、それから関係した皆様の、全員に御礼を申し上げまして私の挨拶といたします。
 ありがとうございました。

山梨学院短期大学長

ご挨拶を申し上げさせていただきます。本当に大勢の皆様のご尽力で山梨県と連携協定を実現できますことを大変嬉しく思っております。
 私どもの短期大学は創立以来63年を食生活と健康を担当して参りましたけれども、新しい時代の要請に応えて、真の地域貢献を目指して再編成を試みました。
 この連携協定の根拠となりました、山梨県民の健康増進とふるさとの活性化という山梨県の行政と共通の目的に向けて、この度私どもが着手いたしましたふたつのことについてご紹介申し上げながらご挨拶にさせていただきたいと思います。
 まずひとつは、食生活と健康について、ただいま古屋(山梨学院大学)学長からも申し上げましたけれども、最も重要な専門職である管理栄養士の養成を、健康栄養学部として大学の中に新設したこと、このことは、この度の連携を通しまして地域の実態に即した確かな健康増進を担う優れた人材養成が可能になるのではないかと期待をいたしているところでございます。
 ふたつ目は主に短期大学の担当でございますが、従来の短期大学の栄養士養成に加えてフードクリエイトコースを増設したことでございます。地域の食材だとか、それから食品加工を通じまして、フルーツ王国山梨、観光山梨の活性化につながる人材養成に着手したということでございます。
 このコースは、国家資格である製菓衛生士とレストランサービス技能士を養成いたします。山梨県で唯一であるだけでなく、実はこれは本当に全国にも稀でございまして、この度本当に伝統的に山梨の製パンや製菓に係わっていらっしゃる方、あるいはワインサービスに係わっていらっしゃる方の多大なご協力をいただきまして実現をいたしました。多分山梨県がこの分野において、特色ある存在になるに違いないとそのように思っております。
 少子高齢化、飽食の時代という時に、いかにして食生活を健康やふるさとの 活性化につなげていかなければならない、つなげるかということは、今まさに私どもに求められている課題でありますので、そのことは十分承知いたしております。短期大学は、実際の生活の分野を担当するところでございますので、その担当する分野の高等教育機関がそれを通して 地域に本当に根付くということは、最も理想とするところでございます。この機会を新たな出発点として 県民の全ての皆様と手を携えて健康増進と地域活性化に向かって邁進して参りたいと思います。どうぞよろしくご理解を賜りましてこの協定が実効性のあるものになるように、また、新しい社会のモデルになるようにご協力をお願いを申し上げます。
 十分努力をさせていただきますことをお誓い申し上げまして ご挨拶にさせていただきます。
 どうもいろいろとありがとうございました。

質疑応答

記者

古屋(山梨学院大学)学長に一言お伺いできればと思うのですが、今回、新学部設置で県とこういう形で提携することになられたと思うのですけれども、提携することによっての地域への貢献をどのように考えていらっしゃいますか。

山梨学院大学学長

まさしく大学が国の所管であって、文部科学省という役所が、今度の場合には厚生労働省も関わりますけれども、国の所管で、地方公共団体と言いましょうか、都道府県とか市町村などとは、交渉があまりない機関として、長く伝統を積み上げているのです。ですから意外に国立大学や私立大学は、都道府県庁と交渉が過去なかったのです。近年はそれほどでもないのですが、そういう時代で、大学が様々な規制緩和などの中で開放されました。そして、その大学に固有の文化みたいなものが社会の常識に吸い寄せられていく時代がやって参りまして、経営の問題を二の次に考えていた大学の世界が、今や経営を本気で考えないと良質な教育や優れたアカデミックな水準を維持できなくなってきたということで、自分たちが全国から学生が来るのを待っているのではなくて、地域と提携した同一の目標を持つ。例えば、経済学部という社会科学系の学部を考えてみると、北海道の経済と関東の経済と九州の経済は、日本の経済で同じですけれども、実は微妙に故郷の経済の温度差があります。
 そういう問題を大学は今まで無視していたのです。全く無視していたとは言いませんけれども、それを学問に国境はないからという、なんとなく分かったような理由で大学が地域と交渉しなかった、この反省が、今どこの大学でも始まっています。国立大学でさえ、そういう傾向が出てきましたので、そういう意味で、山梨学院大学は、もう40周年の年から高らかにそういう宣言をしたのですが、今から20数年前ですが「地域とともに歩む大学」というスローガン、極めて抽象的な表現ですけれども、そのために私たちは非常に多くのことを実際に行動してきました。スポーツ振興もそうですし、コンピュータの整備、留学生の問題もそうです。いろいろな問題を地域をターゲットにしたやり方でやって参りました。
 今度の健康栄養学部は、まさしくそのことを具体的に証明できる、なんとも分かりやすいテーマだと思うのです。国家試験ですので、数で直ぐに評価を受けますから、お隣の長野県、静岡県に先行している健康栄養学部を持つ大学がありますので、その大学に負けないような成果を上げたいと思ってますし、そのために具体的に地域とどういう提携した内容を持っているか、違いをはっきりと見せたいと思ってます。それは、後日詳細に具体的にこういう点で違いを見せたいということをお話しさせていただきたいと思いますが、今日は新設学部が認可になっただけで、来年の4月1日に入学してくる新入生がどの程度の数と質でスタートできるかが、まだ未知数の段階で、あまり大きなことも言えませんから、この程度にしてきますけれども、必ず県から山梨学院大学と提携して良かったと言ってもらえるようにしたいと思ってます。

記者

地域としての食育なり、地域をどうするかということについても今後考えていくのですか。

山梨学院大学学長

もちろんです。特にその点に関しては、先ほど(山梨学院)短大学長から60何年の歴史の話しがありました。これは、(山梨学院)短大学長、地域との連携はどういう具体的方策を考えているか、少しご説明ください。

山梨学院短期大学長

多分これは山梨県から皆様のお手元に、それなりのご連絡があるかと思いますけれども、私どもは、山梨県が健康増進のためにいろいろなさいますことについて、その専門の分野を学習しております学生がまず参加をするとか、それから今日もちょうど学生の研究発表があったのですけれども、早寝、早起き、朝ご飯ということを進めて、3歳児検診や、乳幼児検診の結果を、それに基づいて分析することをいたしまして、食習慣の改善のために、どのような教材や、具体的な情報を地域の方にお届けしたらいいかということのアイデアを出していくということで、大学は地域と結び付いていくということになると思います。
 特に、食育ボランティアと申しましても、何年か前から食育GPで文部科学省からいただきましたのは、各市町村の公民館や、保育所やいろいろなところに参りまして、具体的な食育活動の、子どもたちと、あるいは地域の方々としていたり、山梨県の中でも比較的負の遺産を背負っている子どもたちが、次の時代により良く生きていくためには、自分でご飯を作り、自分で生活をしていかなくてはならないので、ご飯の炊き方や、おかずの作り方や、おみそ汁の作り方というものを、学生が子どもたちと一緒にするということなど、具体的にはそのようなことを盛んにやっております。
 それから山梨の食材を使ったお寿司屋さんと提携して、お寿司について、若い人たちのアイデアが出されるとか、またいろいろな例の中では、「こんなことが若い人はできるんだ」と思う具体的な事例が、食生活と健康という分野ではありますので、それを引き続きやっていく。それをもっと科学し、もっと統計的に皆さんに分かるようなものにする。その情報や、元になる数が山梨県の調査と、私どものものとが整合しながら、共有できるような形にしていく。そんなことが具体的に考えられております。
  特に山梨県の農産物、フルーツ王国山梨としては、美しい桃の花が私たちの生活を支えている。それをどう継続的に世界に発信できるような新しい商品に作り換えていくかということも検討をいたしております。また外国からお客様がおいでになったりいたしました時に、気持ちの良い観光山梨の接待を、食品添加物から始まって、全ての勉強をしながら接待ができるような専門職としての養成もここで一緒に考えておりますので、具体的な中身いうものはそのようなことでございます。
 それから今実際に現場にあって、地域の農業や、地域の観光を支えている人たちが、レベルアップするための、下支えとするところとしての学問的な地盤を固めたい。そういうことが具体的な中身でございります。
 そしてそれは入学生の問題とは違って、既に60数年の歴史の中で始まっておりますので、一番最初に本学が始めましたのは、昭和20年代の農繁期の共同炊事を、働いているお母さんたちのために、学生たちが行って食事を始めたところから始めたのですけれども、そういう形で実際の食生活と健康の分野における大学としての本当に安心できる、安定した高度な、改革改善が定期的になされているものを山梨県と一緒にやっていきたい。その目的は単なる大学の目的だけではなく、県の基本的な目的と全く一致しているはずだと考えて、今回のお話しを続けさせていただきました。

記者

知事にお伺いしたいのですが、特に短大のフードクリエートコースですか、これは先ほど学長さんのお話にもあったように県産の食材とかを県外に発信していく上では、県の産業に対する貢献度が非常に大きいのではないかと思うのですけれども、そこの人材育成という意味で県として産業振興にどのように寄与して欲しいかという期待についてお伺いしたいのですが。

知事

これは非常に興味深いコースだと思いながら、先ほど聞いていたのですが、本県のいろいろな食材、大変多様なものがあるわけですから、そのようなものを活用した食事のメニューを開発したりとか、あるいはこのような農産物を使った新しい食品を開発する。
 今、農商工連携といって、それぞれの地域で農業と商工業とが一緒になって、新しい農産品を開発する動きが非常に活発に行われているわけなのですけれども、そのような活動の中に、このようなコースを受講した方々が入ってきて、大いにその能力を発揮していただくということもありましょうし、そういう意味で本県の観光振興という観点からも、あるいは物産振興という観点からも非常に意義のあることだと期待をしているところです。

 

以上

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

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