トップ > 県政情報・統計 > 知事 > 開の国やまなし こんにちは。知事の長崎です。 > 知事記者会見 > 知事臨時記者会見(平成21年11月6日金曜日)
ページID:27938更新日:2023年1月20日
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本館2階特別会議室 10時00分から 発表事項
※東京電力株式会社との共同会見 |
知事
今年の1月27日に、県と東京電力株式会社は、甲府市米倉山におきまして出力1万キロワットの太陽光発電所を建設する、「メガソーラー計画」を共同で進めていくことについて合意いたしまして、その後両者で計画の詳細について協議を行って参りました。この度両者の協議が整ったことから、本日共同事業の基本的事項を定めた「米倉山太陽光発電所の建設等に関する基本協定」を締結したところであります。
この事業は、県と東京電力株式会社が共同いたしまして、大規模太陽光発電所の建設を進めていくものでありまして、協定に基づいて、県と東京電力株式会社がそれぞれ分担して事業を進めていき、平成23年度中に約5,000キロワットで運転開始し、平成25年度末までには1万キロワットの完成を予定しております。
東京電力株式会社は、本県全域を営業エリアとする電力会社として、地元との信頼関係があり、様々な分野で県政に協力いただいているところでありまして、共同事業者として、この度事業を進めていくことについて、感謝する次第でございます。
本年6月に策定した「やまなしグリーンニューディール計画」では、4つの柱のひとつとして太陽光発電の普及促進を掲げておりまして、「ソーラー王国やまなし」を目指すことにしております。この事業は、まさにその中核をなすものであります。米倉山のメガソーラー施設が整備されることにより、地球温暖化対策への貢献はもとより、太陽光発電への県民の理解が深まり、県内への太陽光発電の導入が一層加速化するものと期待しております。
以上であります。
東京電力山梨支店長
東京電力株式会社山梨支店の小野でございます。本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
先ほど横内県知事よりご紹介いただきましたとおり、本日、米倉山地点における、メガソーラー計画の具体的な建設に関する、基本協定書を締結させていただきました。
まずは、このたびの計画推進にあたり、協定の締結もあわせ、知事をはじめ、山梨県さま、また関係される皆さまの多大なご理解とご協力をいただきましたことにつきまして、この場を借りてお礼申し上げたいと思います。
お手元の資料をご覧いただきたいと思うのですが、資料の2ページの事業概要でございますけれども、山梨県内最大となるこのたびのメガソーラー計画は、山梨県さまに米倉山地区の土地をご提供いただきまして、当社が発電所の建設・運転・保守を行うものであります。
知事から案内のあったとおり、平成23年度には出力5,000キロワット程度での運転を開始いたしまして、その後平成25年度末までに総出力1万キロワットの発電所を建設する予定であります。
なお、このメガソーラー発電所の運転により、一般のご家庭約3,400軒分の電力である約1,200万キロワットアワーの電力をを賄えることとなります。そのCO2の削減効果は年間5,100トン、一般家庭約1,000軒分の量を見込んでいるところでございます。
また、山梨県さまは、敷地内にPR施設を設置・運営され、県民の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまへ太陽光発電などのクリーンエネルギーの普及・啓発活動を推進される計画です。我々といたしましても太陽光発電の理解促進のために積極的にお手伝いをさせていただきたいと考えております。
後ろにパネルがございますけれども、大変景色のよい、豊富な太陽エネルギーを期待できるすばらしい立地点でございます。
最後に当社といたしましては、今後、計画を推進するにあたり、安全第一に進めて参ります。山梨県さまをはじめ地域の皆さまのご支援・ご理解を賜りたく、引き続きよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。
記者
まず太陽光発電所なのですけれども、この規模というのは全国的にどのくらいのものなのかということと、PR施設なのですが、具体的にどういったことをされるのか教えていただけますか。
東京電力山梨支店長
規模については私からお答えしたいと思います。1万キロワットというのは、昨年東京電力でも川崎臨海部でマスコミの皆さまにも発表させていただきましたけれども、今後メガソーラー計画ということで、トップクラスの1万キロワット級の開発を進めるということで、ほぼナンバーワンの出力であるとご理解いただきたいと思います。
知事
PR施設は、この米倉山の太陽光発電設備の稼働状況を示すパネルの展示ですとか、あるいは地球温暖化対策に関する様々な情報、そして小水力発電とかあるいはバイオマスとか、さらには燃料電池といったクリーンエネルギーの情報について展示を行うことにしております。
具体的な展示の内容については、現在検討中でありますけれども、ここに設置される太陽光発電設備の仕組みとか稼働状況とかにとどまらず、クリーンエネルギー全体について、あるいは地球温暖化対策全体について、わかりやすく説明した資料を展示して、環境学習の場にすることと同時に、次世代エネルギーの情報発信の拠点にしていきたいと考えております。
記者
東京電力さんにお伺いします。今回のこの山梨のメガソーラー施設なのですが、御社にとって経営戦略上どのような位置づけになるかということと、今回の総工費はいくらで、そのうち県と東京電力さんの負担割合はいくらずつかというところを教えていただきたいのですが。
東京電力山梨支店長
私どもはこれまでも、太陽光を中心とした新エネルギーの普及に努めて参りました。例えば今ご家庭に付いている太陽光発電設備で余裕のできた電気を購入させていただくとか、あるいは事業所の屋根などに太陽光パネルを設置させていただくとか、あとグリーン電力基金という仕組みを通じて支援させていただくなど幅広い努力をして参りました。先ほども申し上げましたように、昨年からメガソーラー発電についても、独自に設置しようということにいたしまして、それを通じて一層の太陽光パネルの価格低減を期待しているところでありますけれども、そうした中で、今回山梨県さまから米倉山地点へのご提案をいただきまして、メリットその他を勘案した結果、私どもの設備として設置させていただくということで決定した次第であります。費用につきましては、私どもこれから発注の準備をして参りますので、今の段階では明確にはお答えは控えさせていただきたいと思います。
記者
大体とかでも
東京電力山梨支店長
幅が大きく、もちろんコストダウンを今後見込んで参りますので、誤解を受けては好ましくないかと思いますので、この場では控えさせていただきたいと思います。
記者
折半割合は決まっているのでしょうか。
知事
県の負担のひとつはこの土地。太陽光発電施設を設置する敷地を無償で貸与するということがあります。それと費用として敷地の中の道路あるいは敷地の整備に要する費用、約1億5,000万円程度だと思っておりますが、それにプラスして最寄りの送電線に、ここでできた電力を送っていかなくてはなりません。その最寄りの送電線まで送っていく送電施設を設置する費用の約2分の1程度を負担します。それからもうひとつは先ほど申し上げたPR施設。大体8,000万円くらいだろうと思うのですけれども、それを整備するという費用でありまして、合計5億円くらいと思っております。
記者
先ほど調印された基本協定書の中の5番目の項目に、環境価値の帰属を甲乙折半すると書かれているかと思うのですけれども、その環境価値が年間大体どれくらい見込まれているのかということと、具体的な集め方を伺いたいということと、県に環境価値でどのくらい入ってくるかということとあわせて、法人事業税含めて、どれくらいの収入を見込んでいらっしゃるかということを伺いたいと思います。
東京電力山梨支店長
おっしゃるところの環境価値は、発電で生産された電力を販売して得るメリット以外のメリットについて、どのようにメリットを享受するかとのご質問だと思いますけれども、基本的には折半ということで合意させていただいております。ただ、環境価値がどのくらいになるかは、今の段階では明確には申し上げられませんので、ご理解いただきたいと思います。
知事
環境価値というのはいうまでもなく、ここで作られる電力というものがCO2を排出しないクリーンな電力であることから、電力としての価値にプラスアルファする価値、これはいわゆるグリーン電力証書というかたちで、そのこと自体を販売することができる。それによる収入というものが環境価値として具現化してくるということになります。それを2分の1で分け合おうということであります。
県としてはそういうものにプラスして、当然この事業に伴う法人事業税。それからこれは甲府市に入るわけですけれども、固定資産税というものが入ってくるということであります。
税収入がどのくらいかということは、県は基本的に個別の企業の税負担は発表しておりませんし、それからどれくらいになるかということは、課税当局が東京電力とすり合わせ(内容の確認)をしながら決まっていくものでありますから、今の段階で正確にどのくらいということは、なかなか申し上げにくいわけですけれども、相当の額のものが税収入としても県及び市にあるということだと思います。
記者
確認なのですが、先ほど知事がおっしゃいましたグリーン電力証書というシステムは、実際施設の稼働後、仕組みとして作っていかれるのでしょうか。
東京電力山梨支店長
この米倉山の太陽光発電所は東京電力の設備として、運転・管理させていただきます。その内容は、今後どのように活用するのかということは、まだ明確に決まっておりませんので、具体的には申し上げられませんけれども、いろいろな活用方法を今後検討して利用していくということでは間違いございません。
記者
協定の中では、少なくともいつまで発電所を運転するということは盛り込まれているのでしょうか。それとリニアが開通した場合に、別の用途に変換するという可能性はないのでしょうか。
知事
協定書の中に17年(間)という数字が入っています。1万キロワットの発電を開始した年度から17年間ということになっております。したがって1万キロワットの発電を開始するのが平成25年でありますので、平成25年から17年間ということで、平成42年までということであります。17年というのは太陽光パネルの平均的な耐用年数でありますので、法定耐用年数をもって事業期間としたということであります。
平成42年といいますと2030年でありまして、リニア中央新幹線が完成しますのが2025年でありますから、リニアが開通してから5年後ということになるわけであります。しかし、これは協定書の中に書いてあるのですけれども、一応17年の事業期間がありますが、「双方協議の上これを変更することができる」という規定を設けておりまして、そのこころは、この17年の間にリニア中央新幹線の開通をはじめとして、新しい情勢の変化が生じてくるわけです。
例えばリニア中央新幹線ができたことによって、この地域に非常に公共性の高い、また県としても必要性の高い何かを設置しなくてはならないという時には、協議の上、期間を短縮するということもあるかも知れませんし、また逆にその時の事情で17年をさらに延長するということもあるかも知れません。
いずれにしてもいろいろな情勢変化がここに生じてきますので、そういった情勢変化に応じて、事業期間というものは弾力的に双方協議の上変えていくものとしております。
記者
今回、県有地を無償で貸し出すということで、東京電力さんに伺いたいのですが、全国でも最大規模のソーラー発電されるという理由は、そういった無償で貸し出しというメリットがあったということが契機になったのかということと、県側の方にとっては無償で貸し出しても、どのようなメリットが期待できるのかということを伺いたいのですが。
東京電力山梨支店長
東京電力といたしましては、山梨県さまに今回米倉山地区のご提案をいただいたときに、この地域が太陽光パネルを敷き詰めて発電いたしますのに十分な面積があることが条件となります。それから、やはり効率よく発電するということで日射量の問題です。山梨県は高知県に次ぐ2番目の太陽光発電の発電電力量、資源エネルギー庁の資料によると、そういうデータが得られております。それから、米倉山は、私どもの事業所から近いということで発電設備の運用・管理なども非常にメリットがあるということも勘案し、かつやはり無償でご提供いただけるというメリットも勘案したうえで検討した結果、建設を決めさせていただいたということでございます。
知事
県が土地を無償提供したその根拠でありますが、これは県と東京電力株式会社の共同事業であるということであります。東京電力の事業に県が貸し出すということではなくて、共同事業である。そしてそれは経済産業省の補助を得ることを前提にしているわけでありますけれども、経済産業省の補助の条件としても地方公共団体と電力事業者の共同事業であるということが条件になっているいうことであります。県としては、これは自分の事業として地球温暖化対策実行計画などにも記載しているものであります。そういう共同事業ですので、無償で土地を提供するということがひとつあります。
加えて太陽光発電というのは、まだ採算が取れるという段階のものではなくて、発電コストが高くて東電として営利目的で行うものではないということもあります。
さらに、この太陽光発電に絡んで、これだけ最大規模の発電施設でありますから、様々な研究開発がこれに関連して行われたりいたしますし、それから次世代エネルギーの普及啓発、あるいは環境教育の場になる、あるいは観光の場として地域活性化に資するということがあります。そういう意味での公益性が高いということです。
加えて少しお話しがありましたけれども、このメリットとして法人事業税、あるいはこれは市にですけれども固定資産税というものが入る。さらには、いわゆる環境価値相当分の還元がある。そういう金銭的なメリットもあるということであります。そういうことを総合的に勘案して公益性が高くかつ県民の利益にもかなうということから、無償としているということであります。
以上