ページID:27913更新日:2023年1月20日

ここから本文です。

知事記者会見(平成21年11月4日水曜日)

 

本館2階特別会議室

11時30分から

発表事項

   配布資料「新型インフルエンザの富士・東部地域の警報発令」(PDF:35KB)

発表事項以外の質疑応答

 新型インフルエンザの富士・東部地域の警報発令について

知事

10月25日の日曜日から11月1日の日曜日までの1週間におきまして、速報値でありますけれども、山梨県全体の(定点)1箇所あたりの報告数が21.1(人/定点)となっております。このうち、富士・東部地域におきましては、定点報告で前回の20.2(人/定点)から、49.67(人/定点)となりまして、国が警報レベルとしております定点報告の30(人/定点)を超えましたので、この地域に対しまして、本日警報を発令いたします。
全国的にも、北海道、首都圏、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県などの大都市圏を中心にいたしまして流行は更に拡大し、本格的な流行となってきております。
県民の皆様方には、引き続き、手洗い、うがいなどの感染防止対策を励行していただきたいと思います。また、症状が出た場合にはマスクの着用、外出の自粛、人に咳やくしゃみをかけない咳エチケットの励行をお願いいたします。今回の新型インフルエンザにつきましては、基礎疾患を有する方、妊娠中の方、乳幼児が重症化するリスクが高いとされております。こうした方々については、早期受診、早期治療に心がけていただきたいと思います。
以上であります。

質疑応答

記者

この新型インフルエンザの件で、先週注意報が出ているのですけれども、重症患者が発生しているかどうかについて教えていただけますか。

健康増進課長

重症患者さんにつきましては、入院について、ある程度データは取らせていただいていますが、大体20例程度ということです。例えば人工呼吸器とかICUに入っているような方はいらっしゃらない。人数は増えておりますが山梨県内においては、最重症という方についての報告は今のところありません。

記者

先週小学校や中学校、高校の学年閉鎖や学級閉鎖が延べ50校くらいにあがって、このように警報発令が出ると、そのような学校もこれ以上に増えてくるかと思うのですけれども、そのような学校教育現場、子供達に対して、新たに県として対策を取られる予定は何かありますでしょうか。あったら教えてください。

健康増進課長

一昨日が50校閉鎖ということになりまして、これまでで一番多いくらいだと思います。教育委員会の方には、先週注意報発令をした段階で、保健所管内あるいは県の方から教育委員会の方に、学校現場における更なる感染防止対策の徹底をお願いしてございますが、今回警報ということで、特に富士・東部地域でございますので、保健所と地域の教育委員会と連携して、更に対策を取るように本日助言をする予定にしております。
以上です。

記者

対策とは具体的にはどのようなものですか。

健康増進課長

ひとつは学級閉鎖の基準というのは、各(市町村)教育委員会で決めていますが、学業との絡みもありまして、若干ばらつきがあるというところもあります。やはり、これだけ拡大しておりますので、怖いのはお子さんから家庭に持ち帰って、地域で更に拡がることで、若干、富士・東部地域はその可能性がありますが、そのようなことがないようにできるだけ早めの臨時休業及びある程度(臨時休業の)期間を取っていただくことが重要ではないかと思いますので、そのあたりについて、少し伸ばすように思っています。

記者

それは基準を新たに設けるとか、これまで例えば1日とか2~3日となっていたのを1週間や2週間程度にするとか、そのような明確な基準を設けるということでしょうか。

健康増進課長

具体的数値については考えておりませんが、これまでと比較して少し長めにとか、少し早めにというような形でのご助言をさせていただくと思っています。

記者

県として基準を設けるということで、よろしいでしょうか。

健康増進課長

基準は設けません。具体的な数値は設けないのですが、できるだけ早めに臨時休業を取っていただきたい。(臨時休業の期間は)ある程度、長めに取っていただきたいということをお願いすることです。

記者

前回知事から注意報が発令されたときに、医師会と連携して診療時間の延長など検討したいとお話があったと思うのですが、このようになってくると相当に医療機関の方もたくさんの患者さんがいらっしゃっているのではないかと思うのですが、いつ頃から、そのようなことが実施できそうなのかという見込みはいかがでしょうか。

知事

これは要請はしております。(健康増進課長に向かって)具体的に地域の医師会とか、そのようなところで掌握しておりますか。

健康増進課長

はい。特に今回は、富士・東部地域ということでございますので、こちらの地域の自治体の先生方、あるいは県医師会の公衆衛生の先生方と相談しながら、常日頃からある程度、現場でどのくらい、例えば、富士・東部小児初期救急医療センターがむこうにあります。むこうの混み具合、あるいは地域の診療所の先生方の診療の人数の具合とかをお伺いして、どの段階で移行するかは、現場の先生方のやはり状況次第になりますので、今日からとか来週からという話を県で決める話ではないのですが、その辺、ウォッチしながらご相談させていただく形になると思います。

記者

今のところは現場の状況を待っていらっしゃるような感じですが、既に要請はしているので、いつ実行されるかは現場の状況待ちという認識でよろしいでしょうか。

健康増進課長

そうです。やはり、自分達が大変になれば、そのような形で少し時間を開けていただくとかありますでしょうし、やはり今回小児が多いので、富士・東部小児初期救急医療センター、そちらの方で待ち時間が長くなってしまうと困りますので、そのあたりを勘案して、県と地元医師会が協力して行っていく形になると思います。

知事

状況をみながらできるだけ県民の皆さん、患者さんに支障が生じないように、県として常時ウォッチして、必要があれば対策を取っていきたいと思っております。

記者

関連なのですが、全国的には医療機関がなかなか受診できないような長蛇の列ができていたりするような混乱が見られる自治体もあるようなのですが、今のところ、そこまでの状況ではないのでしょうか。

健康増進課長

そのようなことを避けるために医師会さんと協力してやらしていただきたいということで、事前に手を打っている状況です。私が全部を把握しきれているわけではないのですが、富士・東部(地域)の方の状況を診療所の先生にお伺いしますと、「季節性の(インフルエンザの)ピーク時までは、到底行ってはいない」というようなお話です。それは、ひとつだけなので、それがサンプルとして適切かどうか分かりませんが、しかしながら、いろいろなところの先生に聞いてみて、特に(富士・東部)小児初期救急医療センターのところが鍵かなと思いますので、その辺は注意しております。

記者

参考までに他の地域での数値がどうなっているか、基礎疾患を持っている方と妊婦さんのワクチンの接種の始まりの期間に変わりはないかどうか教えていただけますか。

健康増進課長

細かい数値につきましては個別にお話ししますが、概略だけを述べます。
中北地域については18.00(人/定点)、峡東地域については11.14(人/定点)、峡北地域については9.25(人/定点)、峡南地域については4.00(人/定点)ということになり、富士・東部地域は49.67(人/定点)になります。
ワクチンの接種につきましては、11月2日の一昨日から、医療従事者の方の一部の残りの部分と、最優先に接種する方ということで、基礎疾患を有し、1歳から小学校3年生に相当する年齢の方、あるいは各疾患毎でも最優先になる方もいますので、その方に対してワクチンの接種を各医療機関の準備状況に応じて始めている状況でございます。

発表事項以外の質疑応答

 「森林保全等を目的とした新税の導入について」

記者

森林環境税についてなのですけれども、懇話会の方でおおよその方向性が固まったかと思います。導入に関しては県の判断であるという形になっているかと思うのですが、そのあたり知事としてどうお考えになっているか教えてください。

知事

まだ名称が決まっているわけではありませんけれども、森林環境関係の新税につきましては、今「環境と森づくりを考える税制懇話会」というところで検討していただいておりまして、11月9日月曜日に報告書のとりまとめをいただくことになっております。そこで結果の報告をいただけるものだと思いますので、その報告を踏まえて、どのようにこれを実施していくのか、判断していきたいと思っております。今の時点ではそれ以上のことは決めているわけではありません。

 「富士山世界文化遺産登録について」

記者

富士山の世界文化遺産登録について伺いたいと思うのですけれども、先日山梨・静岡両県の学術委員会で、自然遺産に適用されている自然美を評価基準として富士山にあてはめるかどうか議論されたかと思いますが、この必要性に関して知事のご意見を伺いたいということと、仮に自然美を適用することになった場合に、来年7月に予定されている推薦書原案の提出が遅れるなど、登録作業全体へのスケジュールに影響が生じるかについて、見通しを伺えればと思います。

知事

富士山世界文化遺産につきましては、従来作業といたしまして、文化遺産ですから、「宗教的な価値」それから「芸術的な価値」を証明していくという作業をしてきたわけであります。さる9月にイコモス(国際記念物遺跡会議)の専門家5名の方がおいでになって、種々いろいろなアドバイスがある中で、やはりそういった宗教的あるいは芸術的な価値の背景として、富士山には類い希なる自然美というものがある。従ってその自然美というものをもっと正面から取り上げたらどうだろうかという話しがあったわけです。ということは具体的な作業に落としていきますと、世界遺産の登録のための条件がいくつかありますけれども、その7番目の条件にこの自然美ということが書いてあるわけです。この7番目は、「世界自然遺産」の条件なのです。文化遺産の条件というのは6番目まででありまして、文化遺産の条件にはなっていないわけです。しかし今回初めてのことであるけれども、富士山の類い希なる自然美というものを、従来は自然遺産の評価基準なのだけれども入れたらどうかということです。
問題は7番目の評価基準を入れて検討していくということになりますと、これは世界自然保護連合、IUCNといいますが、イコモスとは別の自然保護関係の機関が審査するということになるわけです。そのIUCNというところが絡んでくるものですから、そのIUCNに文化庁を通じて、従来自然遺産の対象になってきたものを文化遺産にも入れることについて、「いいですかどうですか」ということを聞いてみようということになったわけです。その結果としてIUCNが「いいですよ」ということであれば、それはそういう努力をしていかなければならないわけですし、「それは自然遺産の評価項目であるから、文化遺産に入れるのはおかしい」ということであれば、外さざるを得ないということになるわけです。
そういう言ってみれば専門家機関の判断に係っている話しであります。私がそれは必要だとか必要でないという筋合いのものではなくてイコモスとIUCNの判断によって決まるということだと思います。その上で両県学術委員会等で検討して、新しい作業が必要ならば、またそれもやっていかなくてはならないということであります。
それから今後のスケジュールについてでありますが、ご指摘がありましたように来年の7月に山梨県と静岡県両県の推薦書原案というものを文化庁に提出する。あとは文化庁にお任せしていくというスケジュールでいるわけです。この自然美の問題以外にも指摘を受けておりますから、そういうことによって作業に延長が必要になるのか、あるいは当初予定どおりの来年の7月に原案を提出するということで大丈夫なのか、この辺については現在精査しているというところであります。
従いまして、今の段階でこれを延ばさなくていけないとか、延ばさなくてすむという判断は、まだ明確なことは申し上げられないということであります。

 「民主党政権における国への予算化要望について」

記者

先日、民主党が予算に関連する自治体からの要望について、党として一括して受け付けて、それを党経由で政府に伝えるのを原則としたいという方針を打ち出されましたが、当然山梨県としてはこれまで年末には知事が要望に行かれたり、今年も予定されているとは思うのですが、この民主党の方針についてどのような見解を持たれているかお願いします。

知事

党としてそういうふうにお決めになったことでありますから、我々としてはそれに従って要望を行うということになるわけであります。具体的には11月25日に本県選出の民主党の国会議員の先生方、それから民主党山梨県連の幹部の皆さんに、本県の要望事項をご説明してお願いするということになっております。

それがまさに県として民主党県連に要望するという手続きになると思っております。それから先は、新聞報道によりますと県連が幹事長室にお話しになって、幹事長室で精査して各省の政務三役に伝えるということでありますから、県としては25日に県選出の国会議員の先生方と県連幹部にこういうことをお願いしたいと言えば、あとは全部やっていただけるということになるのか、あるいはそれはそれとして、各省庁に別途やる必要があるのかどうなのか、この辺のところは少しわかりませんので、私は25日に「どうですか、これでご要望したと、あとはしかるべくお取り扱いいただくということでいいですか」、あるいは「我々は別に各省庁にもその辺の話しをした方がいいですか」と、その辺はざっくばらんに聞いてみようかと思っておりますが、いずれにしても党を通じてやるという手続きとして11月25日にそういう要望の会を開かせていただくことにしております。

 「富士山世界文化遺産登録について」

記者

先程の世界遺産の件でもう1点伺いたいのですが、学術委員会の議論の中でもありましたけれども、イコモスの9月の指摘で自然美を入れた方がいいということで、しかし結局はイコモスの範疇外のIUCNの方の範疇のことをイコモスが言って、イコモスとIUCNの方はその件に関してはなんら折衝していない。そこは何となく地元の県、今から登録を目指す側としては極めて無責任で場当たり的な発言、言動なのかなと個人的には思うのですが、今になってそういうことを言ってくるユネスコなりイコモスなりの機関に対して、知事としての率直な思いがあればいただければと思います。

知事

昨年は2名の専門家をお呼びしていろいろな意見を聞いたわけですが、その時はそんな意見は無かった。基本的に大体今やっている作業で良いのではないかというお話しであったわけです。今年5名お呼びして更にいろいろな意見を聞いたと。その中でそういうお話しも出てきたということでありますから、我々としては、やや唐突な感じがするわけでありますけれども、しかしそれを言ってみても仕方がないわけでありまして、いずれにしてもそういう指摘があった以上は、それに対してできる限りの対応をしていかなければならないということであります。

おっしゃるように、イコモスとIUCNが話し合ってくれれば一番いいのですが、どうもそれはするということではないようでありますから、文化庁を通じてIUCNに「イコモスがそう言っておりますけれどもいいですか」、ということを聞いてみる。IUCNがだめだということであれば、「だめだと言われております」と。これはどうしようもないわけです。基準の7というのはIUCNが判断することになっていますから、判断するところがそれは文化遺産ではだめだと言われてしまえばどうしようもないわけで、そのことをイコモスに伝えるということです。いいということであればその方向で作業していくということしか、我々としては行くべき道はないということであります。

 「『救う会』ブルーリボンバッジについて」

記者

今知事の胸元にブルーのピンバッジがあると思うのですけれども、確か私の記憶が正しければ、今日の記者会見から付けていらっしゃるかと思うのですけれども、山本美保さんの件について伺えればと思います。

知事

山本美保さんの件については、まだ本県の中でも事件として残っていて、政府にそういう運動をしている皆様がおられるわけでありますし、私としても疑わしい点があれば、それが晴れるように政府としても努力してもらいたいという思いがありますので、そういう意味でこれを付けているということです。

  

(以上)

このページに関するお問い合わせ先

山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

同じカテゴリから探す

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

このページを見た人はこんなページも見ています

県の取り組み

pagetop