ページID:27610更新日:2023年1月20日

ここから本文です。

知事記者会見(平成21年10月14日水曜日)

 

本館2階特別会議室

11時30分から
    発表事項

なし

発表事項以外の質疑応答

 

 「リニア影響基礎調査(中間報告)の結果について」

記者

今朝ほど示されました、リニアの影響調査の関係でお伺いしたいのですが、影響調査ということで県内の生産額が146億円増え、県内経済を0.2パーセント押し上げるなどという数字が出たかと思うのですが、会議の中でも知事はご感想をおっしゃっていましたけれども、あらためてこの数字を見たご感想を聞かせていただけますでしょうか。

知事

今お話しがありましたように、リニアが完成することに伴って、県内の生産額が146億円増加する。これは県の生産額総額の0.2パーセント増に相当するという数字が推計として出ているわけであります。
この数字は沿線の都道府県、神奈川県とか長野県、岐阜県等ありますけれども、その中では一番大きな数字であって、リニアが開通することによって、沿線では本県が最も大きな効果を受けるということはあるわけです。
ただこれは、いわゆる波及効果だとか、誘発効果といわれるものが含まれておりません。端的に言いますと、(今調査は)リニアができて駅ができると、東京まで15分から20分で行けることになる。現在では1時間30分かかるわけです。そうすると当然時間短縮効果というものがあります。そういうものを積み上げていって出しているということです。しかしリニアの効果というのはそれだけではなくて、そうやって時間が短縮されると、東京からオフィスが引っ越してきてもいいではないかとか、あるいは研究所が近くなったから引っ越してくる。また企業が立地をしてくることなどは当然あるわけですし、山梨がそれだけ近くなれば、東京から山梨に住居を移す人も出てきたりする。そういう様々な波及効果が考えられるわけですけれども、他の整備新幹線などの効果予測でも、そういうものはなかなか難しいものですから、出していないようです。今回のリニアの推計においても、そういう誘発効果、波及効果というものは含まれていないということであります。
従って、この146億円というのは直接的な効果であって、これにプラスしてかなり大きな波及効果、誘発効果があるだろうと思っております。

記者

関連してですけれども、一部県内の関係者から、リニアの中間駅は山梨にはいらないんだという発言なども出ているのですけれども、知事としては反論されたいかと思うのですけれども、その点どういうご意見をお持ちかお聞かせください。

知事

いろいろなご意見がおありになると思いますけれども、私はもちろんそうですし、県民の皆さんの大方の方々は、リニアが通る以上は、山梨に駅を造るのは当然ではないかと、ただ通過するだけで、何もないということであれば、それは言ってみれば迷惑施設であって、そんなものはいらない。駅ができるということであるからこそ、山梨の地域経済そして県民生活にプラスの効果があるのであって、駅を造るというのは当然のことではないか。リニアを設置するについては県としてはいろいろ協力していくわけでありますが、それも駅ができるということを当然の前提として協力していくことになると思っております。

記者

リニアの関係で、昨日JR(東海)が新たなデータを示しました。あらためましてそのデータについての感想と、今後の計画は長野県の動向も影響を及ぼすものですから、それについてもご感想をお聞かせ下さい。

知事

昨日JR東海から、現在行っている4項目調査の一環として、東京大阪間にリニアの整備を将来的にしていくとして、建設費だとか維持管理費がどれくらいかかるかという推計が公表されたわけであります。
このことはJR東海として初めて東京大阪間ということを前提として、これをやるんだということを前提で推計をしているわけですから、東京大阪間を建設することがはっきりしたということが第1点あります。これは非常に意義あることだと思っております。
調査の結果を見ますと、ルートとしてAルート、Bルート、Cルートそれぞれについての建設費の額等が示されているわけでありますが、南アルプスを真っ直ぐに貫通するCルートがコスト的にも一番安上がりでできるという結果になっているわけです。
しかしながらルートの問題については、長野県が、Aルート、Bルート、特にBルートを希望しておりまして、まだ長野県とJR東海との間でその辺の話し合いが合意に達していないという状況でありますので、私どもとしては是非、長野県とJR東海との間で、早期に円満な解決が図られるように期待しているところです。

記者

山梨として話がうまくいくように対応したいだとか、そういったお考えはありますでしょうか。

知事

当面のところは、長野県とJR東海が非常に密に協議をしているところですから、私どもとしてはJR東海から、どのルートが良いですかと聞かれているわけでもないし、またいろいろなリニアの技術的な特性だとか、そういった情報について私たちは知っているわけではありませんので、当面私どもがこれについてどれが良いと申し上げるつもりはないわけでありますが、JR東海に対して、できるだけ早期に、よく長野県の関係者に説明して円満な解決が図られるようにお願いをしているところです。

 「来年度の主要施策事業について」

記者

今日から、来年度の主要事業施策についての事前協議が始まるのですけれども、それに向けての知事の姿勢あるいは意気込みをお聞かせ願いますか。

知事

ご指摘のように、今日から主要事業説明を受けることになっております。これは、来年度の22年度予算編成に向けて、どういう重点的な施策を推進していくかを検討する作業がスタートすることであります。22年度は私にとっては、任期の最後の年でありますので、財政が非常に厳しい中でありますけれどもメリハリをつけて、県民の皆さんが喜んでもらえるような施策を展開するように十分に検討していきたいと思っております。

記者

具体的にどのようなところに重点を置いて、どのような方針あるいは施策に重点を置きたいとかはありますでしょうか。

知事

これはまだ各部局の考え方を聞いておりませんので、今の段階であまり予断を持って、こういう施策というようなことは申し上げるべきではないと思いますけれども、やはりクリーンエネルギー対策あるいは医療、子育て、そのような福祉対策は、当然重点になるだろうと思っております。いずれにしても各部局の考え方を虚心坦懐に聞いたうえで、現在の県民生活にとって本当に何が必要かを考えて、適切な選択をするようにしたいと思っております。

 「リニア影響基礎調査(中間報告)の結果について」

記者

リニアの経済効果についてですけれども、波及効果を入れてないという数字ですが、地域経済を押し上げる0.2%という数字が、私の個人的印象ですと、あまり影響がないのかなと印象を持ってしまったのですけれども知事ご自身が、0.2%という数字に対して、どのようなご感想をお持ちか伺いたいと思います。

知事

確かに、見かけ上で見ると地域経済を0.2%押し上げるとのことですから、大したことはないのではないかと感じを受けることは確かだろうと思います。ただ見ていきますと、例えば交流人口の増加に伴う県内消費需要量の増加は54億円と書いてあります。これは、観光消費額の30%ぐらい(※観光消費額は4,219億円で1.27%、観光目的の交流人口の増加率が30%以上)になると思います。個々の産業的に見れば非常に大きな効果があると思われるわけです。
しかし、生産全体から見れば0.2%とあまり大きくないとのことなのですけれども、これは先ほど申しあげましたように、直接的な時間便益とか、そういうものでありまして、山梨が東京から近くなるから、いろいろな企業が立地したりとか、いろいろな人々が定住したりと、そのような波及効果は、必ずこのような交通ネットワークの場合は現れてくるわけですが、それが入っていないことでして、そのようなものが、もし推計できたとすれば相当大きな数字になる。そのことは新幹線ができた仙台とか長野県の北部とか、新幹線ができた後にどのように地域が変わっていったかをみれば明らかなことであります。ただ、そのような推計が難しいものですから、直接的な便益だけを今推計しています。
これは聞いてみると整備新幹線を造るときに同じような経済効果を推計していますが、同じようなやり方でして、コンピュータモデルを使って推計するので、直接便益しか推計ができないということだと思います。しかし、我々としては、今の段階ではこれで良いのですけれども、波及効果・誘発効果についても可能な限り推計して、県民の皆さんにお示しする努力をしていきたいと思っております。
         
          ※カッコ内は下線部の発言内容の訂正説明

 「国の補正予算見直しに伴う県への影響について」 

記者

前回の知事会見でもお話しされたのですけれども、国の補正予算の見直しについてですが、再見直しが今週中にも出るのかという情報があるのですけれども、県議会で意見書が出されたり、補正予算の見直しによる影響の懸念がまだ続いていると思うのですが、これまでのところ県庁では、どのくらい情報収集して、どのような影響を懸念されているのでしょうか。

知事

 おっしゃるように、現在、情報収集を盛んに行っている最中なのですけれども、政府としては、まず2兆5千億円までは執行停止するという数字が出てきたわけです。それを更に上乗せして3兆円まで執行停止の額を増やしたいということで、今鋭意作業をしている最中であります。それによる県への影響について、今関係各部が盛んに情報を取っているのですけれども、なかなかまだ中間段階ですので、確たる情報は入らないというのが正直なところであります。しかし、そのような中でも本県の国の1次補正予算14兆6千億円、そのうち交付金とか補助金とかありますけれども本県で1次補正予算や2次補正予算で予算化したものが、334億円ありますけれども、これは6月補正予算と9月補正予算で予算化したわけです。これについては、県予算に既に計上されたもので執行停止になるものは、今の段階ではないと思っております。しかし、いろいろな予算科目が各省庁ありますので、今の段階で更に情報収集しているところであります。
それから、まだ本県の予算に計上されていないもので、執行停止するとしているものの大きなものとして、地域医療再生基金というものがありまして、厚生労働省の予算ですが。これは総額3,100億円、第1次補正予算で3,100億円という予算が計上されていて、これを地域医療再生のために各都道府県に交付するという計画になっているわけです。この3,100億円の地域医療再生基金の交付が750億円執行停止されるということ。これはほぼ間違いないということになっております。その750億円のどういう部分が執行停止になるのか、今の段階でははっきり正式な連絡はないのですが、どうも3,100億円の地域医療再生基金のうち2種類ありまして、ひとつは100億円口が10件、25億円口が84件あります。要するに、100億円口と25億円口とふたつあるのです。この100億円口を削減して全部25億円口にしてしまう。そうすると75億円浮くわけです。それが10件ですから750億円と、それをしようとしているらしいです。
そうなると本県に影響が出てきまして、今、私どもとしては地域医療再生基金を使って計画しているのが、峡南地域医療圏であります。これは25億円の計画を作ろうとしています。もうひとつは、富士東部地域でありまして、これは100億円の計画を作って国に申請しようとしています。ただ、まだはっきりしませんが、100億円の口がなくなって25億円口になるというものですから、実は今日、山梨県の医療審議会があって、ふたつの地域の地域医療再生計画を提出することになっているわけです。はっきりしないものですから、富士東部地域の地域医療再生計画については、100億円口の場合と25億円口になった場合のふたつの計画を提出して、議論していただくことにしようとしているわけです。そのような状況でありますが、もし、富士東部地域で100億円口がなくなって、25億円口になったとしますと、今、富士東部地域では、特に東部地域の都留・大月・上野原・丹波・小菅この地域の拠点病院を造ろうと計画が含まれているわけです。拠点病院というのは非常にお金がかかりますから、100億円口ならばできるのですが、25億円口ではできなくなるわけであります。もし、そうなるならば極めて残念なことだと思っているところです。
あと県の予算に計上されていなくて、国から直接農家とか事業者に来るお金があります。そういうもので、かなり執行停止されるものがありまして、例えば農林水産省関係で「耕作放棄地再生利用緊急対策」とか、「農地集積加速化事業」とか、厚生労働省の関係では、「病院施設の地上デジタル放送対策」とか、経済産業省関係ですが、「中小企業再生支援協議会事業」とか、このような事業が執行停止になる方向であります。これは県に来るのではなくて、直接農家とか農協と一緒に作る事業者団体とか、やまなし産業支援機構とかに国から直接交付されるお金であります。これらについて、執行停止がかかってまいりますので影響は大きいということであります。

記者

予算に関連してですが、来年度の国家予算の概算要求が始まる前に、一部福祉の手当てなどで自治体負担が求められるのではないかと観測がでているのですが、仮にそのようなことが起きた場合、知事としてどのような姿勢をとっていくのでしょうか。

知事

確かに、今日の一部のマスコミにも、子ども手当てについて、都道府県、市町村の負担を求めるという報道がなされておりました。現在行われている児童手当について、一部都道府県、市町村の負担があります。その程度の負担であれば良いわけですけれども、巨額の負担を都道府県なり市町村に求めることになると、これは大変に問題でありますので、それは基本的には国において、地方公共団体に負担の増加が生じないように手当てしてもらいたいと、全国知事会などを通じて当然申し上げていくことになると思います。

記者

先ほどの国の補正予算の見直しに関連して、知事のご発言の中で、地域医療再生基金特例交付金のお話が出てきましたけれども、富士東部の方では、既に計画ベースでは病院の再編を視野に入れたものになっていると思うのですが、25億円口になった場合には、再編に関してはある程度断念せざるを得なくなってくるのでしょうか。それによって、新たに県として対応が必要になってくる問題があるのか教えてください。

知事

病院の再編という言い方をしているのですが、再編というのはいろいろなやり方がありまして、ひとつは、ひとつの立派な拠点病院を造る形もあると思いますし、現在の病院は病院としてそのままで、それぞれ病院が分担して、例えばこの病院は循環器系、この病院は消化器系だとか、そのように得意分野を持ってお互いに連携をしあう形も、再編のひとつの形態だと思います。今、私どもが富士東部地域の地域再生医療計画で考えていますのは、ひとつは東部地域について、先ほど言いました都留・大月・上野原等の東部地域について、しっかりとした拠点病院を造ることと、そして、南の富士北麓地域の富士吉田市立病院とか、山梨赤十字病院とかを含めて富士東部全体でいくつかの病院がお互いに得意分野を持って連携し合うイメージを持っているわけであります。もし、100億円口がなくなると拠点病院は数十億円のお金がかかって、25億円ではとてもできないことになりますから、再編もまた別の形を考えなければいけない。ですから現在の病院を前提として、たとえば都留市立病院とか大月市立病院とか、上野原市立病院とか現在の病院を前提として、お互いに連携・協力する、そんな形を描いていかざるを得なくなるということだろうと思います。それはまだ具体的な詳細なことはまだ私は福祉保健部から聞いておりませんが、概ねそんなことだと思っております。拠点病院ができなくなることは大変に残念なことだと思います。

 「羽田空港の国際ハブ空港化について」

記者

昨日、前原国土交通大臣が羽田空港のハブ化について言及されましたが、それを巡って千葉県と東京・神奈川などの自治体でその評価が分かれていると思います。それで山梨県の場合は県民の多くが成田空港や羽田空港を使うという現状がある中で、この発言について知事のご所見をお聞かせください。

知事

首都圏住民の利便とか国益ということを考えた時には、前原大臣が言っているように、羽田空港を国際ハブ空港化するというのは、現在の流れもそういう流れになっておりますし、正しい方向だと思います。何といっても成田空港に比べて羽田空港の方がずっと近いわけでありますから、首都圏住民にとっては利便でありますし、また、今のままで放っておくと、ますます韓国の仁川(インチョン)国際空港が日本のハブ空港になってくるということになってきまして、ハブ空港を外国に依存するというのは、日本の国益としていかがかということでありますから、しっかりしたハブ空港を日本で造りたいということになってきた時には、やはり羽田空港を国際ハブ空港としてきちんと整備するという方向は正しい方向ではないかと思っております。既に羽田空港はご承知のように、一部国際空港になっているわけですから、それをさらに長距離国際路線まで拡大していくということになるのだろうと思います。

ただ、羽田空港がハブ空港として機能を高めていくということになった時には、羽田空港を離発着する飛行機のかなりの部分が房総半島の上を通っていくわけで、騒音の被害は千葉県に及んでくるわけです。だから、千葉県民にはそれ相応の迷惑がかかるということがあります。それから成田空港、私も昭和47年に千葉県に出向し、成田空港の代執行を担当したこともありますけれども、あの当時以来40年にわたって長い紛争の歴史があって、大変に苦労してきたわけでありますし、やはり千葉県に対しては、県民の皆さんに懇切丁寧に説明して理解を求めていくという努力は必要だと思います。

 「輿石東参議院議員の国政報告会出席について」

記者

知事は12日の輿石東参議院議員会長の国政報告会に出席されたと思うのですが、知事は不偏不党ということを常に日頃からおっしゃっていると思いますが、一議員の国政報告会に出席した思い、意図がありましたらお聞かせ下さい。

知事

民主党は現在政権与党でありまして、国政を動かしているわけであります。同党の(民主党)参議院議員会長兼幹事長職務代行というナンバー2の要職にある輿石先生でありますから、その国政報告会、これが例えば選挙の総決起大会とかそういうものならともかくとして、国政報告会ですから、これに地元の知事として出るというのは、私はそれは当然のことではないかと思っております。
いずれにしても山梨県政を推進していくに当たって、政権与党、時の政府の協力を得なければ、県民のためになる政策は運営できないわけでありますから、政権与党の中枢にある方の国政報告会に出ていって挨拶するということは、決して不偏不党、そのこと自体は私も引き続き維持していきますが、そのことに反するということはないと思っております。

 

(以上)

このページに関するお問い合わせ先

山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

同じカテゴリから探す

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

このページを見た人はこんなページも見ています

県の取り組み

pagetop