ページID:25486更新日:2023年1月20日

ここから本文です。

知事記者会見(平成21年6月17日水曜日)

 

本館2階特別会議室

11時30分から

発表事項

 

発表事項以外の質疑応答

 

防災新館模型

 

 「山梨県防災新館整備等事業実施方針の策定及び公表について」

知事

防災新館の整備につきましては、皆様にかねてから何回もご説明しているところであります。繰り返しになりますけれども、本県の場合ですと、東海地震の地震防災強化地域の中にあり、地震の発生の危険性が高い地域であります。
しかし、一方で、県庁の建物はいくつかのものが耐震性が非常に低いという状況にあるわけであります。具体的に言いますと、耐震性を表す指標といたしましてIs値(耐震基準)がございまして、このIs値が0.6以上であれば震度6強の阪神・淡路大震災級の地震に耐えられるわけでありますが、Is値が0.6未満になりますと建物の倒壊の危険があるわけであります。本県の県庁建物をみますと、県警本部と教育委員会が入っている古い建物である別館のIs値が0.3であり、また、県警本部が入っている東別館は0.25ということでありまして、震度6強の地震が発生したときには、倒壊の危険が非常にある建物であります。もし、地震によって、これらの建物が倒壊したときには、県警本部、教育委員会の本部機能が麻痺する恐れがあるということであります。

いうまでもなく、地震が発生したときに警察組織というのは、地震発生後の治安の確保とか、あるいは災害復旧に先頭に立ってがんばっていただかなければならない組織でありますし、また教育委員会も、子供の安全に責任を持ってもらわなければならない組織であります。そういった組織の司令塔になる本部組織が機能麻痺を起こしてしまうことは、あってはならないことでありまして、できるだけ早くこういう状態を解消していかなければなりません。
そういう観点から、防災新館を建設して、ここに県警本部、教育委員会、それに加えて県の災害対策本部機能を入居させ、防災新館が災害が発生したときの司令塔的な役割を果たさせるために、防災新館の建設に着手することにしたわけであります。

基本計画につきましては、既に今年の3月に県民の皆様にご説明をいたしました。今日は、山梨県防災新館整備等事業の実施方針について発表します。
整備後の姿がここに模型で示されておりますので、後でご覧いただきたいと思います。この防災新館の整備は、現在の情報プラザがある建物に設置するものでありますけれども、民間資金を活用するPFI(民間資金等活用)事業で行うこととしております。そこで、PFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)という法律がありまして、これに基づく手続きの一番最初の段階として、この実施方針を決めることになっております。具体的には、事業の概要とか、民間事業者の募集・選定の方法などを定めるものであります。そうやって実施方針を公表いたします。そうしますと民間事業者として、この入札に参加したいという事業者がいるわけでありますから、そういう人達に入札に向けた準備をしてもらうということと、同時にこのプロジェクトについての意見があれば、あらかじめ出してもらって、更に改善して、募集内容に反映させていくことを目的として、この実施方針を定めるものであります。

概要版をご覧いただきたいと思いますが、概ね3月に公表した基本計画と同様であります。
防災新館の内容として、名称は「山梨県庁舎の防災新館」といたします。
規模等については、県民情報プラザの跡地を活用することとし、地上11階、地下2階、延床面積28,500平方メートルを想定いたします。災害対策本部と県警本部、教育委員会を集中的に配置いたします。
防災新館の1階部分は、地場産品や観光資源等の「やまなしブランド」を広く情報発信していく「やまなし情報広場(仮称)」として整備していくことにいたします。

PFIの範囲は、「設計・建設業務」、「維持管理業務」それから「運営業務」であります。

「事業期間」と「支払い方法」の2点が、基本計画よりも詳しくなっております。

「事業期間」は、平成22年10月から平成40年3月までの17年6ヶ月としております。うち、設計・建設は3年間で、維持管理・運営が14年6ヶ月間となっております。これは、財政負担が一番少ない期間をシミュレーションいたしました結果、維持管理・運営が15年程度であるのが一番財政負担も軽いし、また、いろいろな庁舎等についてのPFIの例を見ましても、そのくらいが多いこともあります。そのようなことから判断して、14年6ヶ月としたものであります。

「支払い方法」につきましては、県は、施設整備費のうち一部分、施設整備費から国庫補助額を除いた額の50%程度と国庫補助額、これを所有権移転のときに、つまり建物が完成したときに事業者に一括して支払い、残額を事業期間中に分割払いをすることにしたいと考えております。

事業実施のスケジュールは、平成22年10月に事業に着手し、平成40年3月に事業を終了するということであります。
民間事業者の募集・選定方法についてでありますが、透明性・公平性を確保するために選定方法は、総合評価一般競争入札を採用いたします。
応募者の参加資格でありますが、考えられる応募企業としては、設計企業、建設する企業、工事を監理する企業等が考えられるわけであります。そういった考えられる応募者ごとに参加資格を定めております。

このうち特に建設を担当する企業がメインになってくると思いますけれども、これは建築一式で総合評定値が1,200点以上、これはグループで代表になる企業が1,200点であります。もちろんその一社だけが応募してくることもありうると思います。その主たる企業と一緒に参加する場合に、従たる企業は850点以上でよいということにしてあります。

ここで、皆様方にご説明しておかなければならないのは、この事業はWTO政府調達協定の対象案件となります。WTO政府調達協定という国際協定がありまして、26億3千万円以上の工事については、地域要件を課してはならないことになっております。つまり、26億3千万円以上の工事で、事業主体が都道府県及び政令指定市である場合には、例えば、山梨県であれば山梨県内に本社を置く企業でなければならないとか、そういう地域要件は課せられない法律の規定になっているわけです。従って、後で述べますけれども、こういった条件は課せられないわけであります。

ちなみにこれは都道府県と政令指定都市については規制がありますが、一般の市町村は規制はありませんので、例えば、甲府市の場合には、たぶん甲府市の市庁舎は、この26億3千万円を超えると思いますが、これについては規制はありませんから、地元要件を課しても法律上は良いのです。しかし、山梨県の場合には、地元要件を課すことはできないという違いがあることを頭に入れておいていただきたいと思います。

そして、WTO対象案件については、過去の例をみますと、建築については、概ね1,200点以上という、これは大手のゼネコンはもちろんですけれども、中堅のゼネコンといわれる業者が大体入ると、山梨県でも2社程度入るということであります。そういう比較的、規模の大きい技術力のある建設会社が中心になるということであります。
そして、提案の審査方法でありますが、選定基準は、山梨県PFI事業審査委員会で定め、入札説明書と併せて公表することにしております。審査項目としては、最終的には、かなり詳細に審査項目を決めますが、6項目について審査項目を定めることになります。

1番目の事業実施体制・安定性に関する事項、2番目の整備業務に関する事項、3番目の維持管理業務に関する事項、4番目の防災新館の運営業務に関する事項、これにつきましては、先ほど申しました「やまなし情報広場(仮称)」、県産品のPR・販売施設とかオープンカフェが入ってくる可能性がありますので、これこそまさにPFIの民間事業者が大いに知恵を発揮していただき、そして中心市街地の活性化に資するような機能を持たせてもらいたいと期待しております。そして、5番目が地元経済への配慮に関する事項でございます。これは先ほど言いましたように、このプロジェクトについては、地元事業者という限定ができないわけでありますけれども、しかし地元経済への配慮はしてもらいたいということでありまして、例えば、地元企業をどれだけ参画させるのか、地元への発注額をどれくらいにするのか、あるいは地元の雇用をどのくらい確保するのか、事業者がこれを実施するにあたって、地元への貢献を具体的に記述してもらって、それの多寡によってひとつの判断基準としていくことであります。最後の6番目の提案価格に関する事項は、当然のことであります。

今後のスケジュールとしては、今日、実施方針を公表いたしました。そして、10月に事業者の募集を開始いたしまして、来年の3月に事業提案書を民間事業者から締切りいたします。そして、7月まで選定いたしまして、7月に落札者を決定し、10月に本契約を締結していく手順になっているわけであります。

以上のとおりであります。

質疑応答

記者

2点お伺いいたしたいのですけれども、まず、1点は予定価格はいくらでしょうか。第2点は、県産品のPR施設ですが、甲府市(の県産品PR施設)と競合したらどうするのか、この辺は、どうように競合しないようにするのか、お伺いしてもよろしいでしょうか。

知事

予定価格については、正式の予定価格は公表しないのですけれども、今のところ積算しておりますのは、いくつかの大手の建設事業者に、この計画を投げかけまして、どのくらいになりますかと事前に見積もりをもらっていまして、そういうものの概ね平均値ということで、115億円を当面の建設額として想定しております。

しかしこれは、実際、入札にかかっていくわけでありますから、最後は、これよりももっと低い額になっていくと思うわけであります。今までの、庁舎に対するPFI(民間資金等活用事業)を実施した例を総務省で調べておりますけれども、大きいところでは30%近く、当初考えていた額よりもカットされた例もありますし、そうでないものをありますけれども、いずれにしても入札によってこれよりもさらに低い額になっていくと思っております。

それからご案内のように2階以上が事務所になり、1階部分に商業施設的なものを入れることになるわけでありますが、ここについて今のところは、「やまなしブランド」の観光・物産をPRする施設とか、ジュエリーミュージアムなどを考えているわけであります。

これについては、甲府市も市庁舎をお造りになるときに、そういった商業施設的なものを入れるとすれば、一定の調整・刷り合わせが必要になってくると思います。その辺は甲府市と定期的に協議をする場もありますし、既に我々の考え方は、基本計画を作った段階で甲府市には説明もしておりますし、調整・摺り合わせをする機会はありますので、まったく同じような、ものができるということは、ないものと思っておりますけれども、十分に話し合いはしていきたいと思っております。

記者

今知事がおっしゃいました、115億円というのは建設費の他に運営費も含めてということでしょうか。

知事

いえ、建設費のみです。

記者

すると今回のPFIの募集は、当然運営費も含めて事業者は出してくるということですか。

知事

そうです。建設費はいくら、14年6ヵ月の運営費はいくらということで出して来ると思います。その両方について金額の多寡が競争のひとつの要件になると思います。

記者

1階の部分で、県産品などをPRしていくコーナーで、ジュエリーミュージアムということをおっしゃいましたけれども、確か紅梅ビルの中の宝石美術専門学校の中にも、それと似たようなものをという話しが、以前あったかと思うのですが、それとの整合性はどうですか。

知事

おっしゃるように宝石美術専門学校も、宝石の原石だとか貴重なものを持っておりまして、普段授業に使うものはともかくとして、使わないものについては、展示コーナー的なものを設けて展示したらどうかという話しがあります。ただ、それはかなり専門的なものでありますので、あまりこちらのどちらかというと観光客を相手にしたジュエリーミュージアムとは、展示するものがかなり違うという気がしていますけれども、ただ私も素人ですから、最後の調整の段階では、だぶらないように十分調整はしたいと思います。

記者

財源の問題ですが、資料によれば、施設整備費から国庫補助金を除いた県負担額の50%に国庫補助金を加えた額とありますが、基本的に国庫補助額は幾らくらいになるのですか。

知事

115億円としたときに国庫補助額は20億円程度ということになるわけです。従って、ここで言っていることは115億円から20億円を引いた95億円の2分の1プラス20億円を建設が終わった段階で払って、残りのものを15年間で分割払いをするということをいっているわけです。115億円が変わるともちろん補助金は率で来ていますから変わってきますけれども、今のところはそういうことです。

記者

旧県立図書館であった第一南別館については、春の基本計画でも説明があったのですが、あれは取り壊すという形になるのでしょうか。

知事

結論としてそうせざるを得ません。記録はしっかりと取って記録保存という形にせざるを得ないと判断しているところです。できれば保存できないかと思いまして、いろいろな、例えば、移築だとか一部保存だとか、あるいは曳屋だとか、いろんな方法を技術的に検討したのですけれども、たとえば移築ということになりますと、木造の古い建物ですと解体してもう1回建てることはできるわけですが、コンクリートですから移築ではコンクリートを全部剥がしてしまうものですから、しかも鉄筋もかなり古くなっておりますから、結局全く新しいものを造ることになりまして、言ってみればレプリカを造ることになりまして、文化財として保存したことにならない。それから曳屋もなかなか重いもので大変なのですが、場所が確保できないということもあります。この庭の方にもってくると県庁の前庭が無くなってくるものですから、これは支障が生じますし、今度はすこし東の方にもってくるとなると、あそこの下にはちょうどお堀の石垣が埋まっておりまして、それを傷つけるものですから、文化財保全の点でそれはだめだということになってしまうということがあります。それから、前面だけを保存したらという話しもありますが、これも保存することになると、耐震改修ということになってきまして、免震構造にしなければならないということで、相当なお金もかかってくるというわけであります。そういうようなこともあって、これは記録保存という形できちっと保存し、後世に残していくことしか仕方がないのではないかと思っております。だいたい同じ時期、昭和初年にできた建物としては、ご案内のように別館と議会棟があるわけですが、これは耐震性を確保した上でしっかりと現状保存していきたいと思っているところです。

 「平成21年6月定例県議会提出予定案件について」

知事

お手元に資料がございますけれども、資料の中に「平成21年6月定例県議会提出予定案件について」というの資料があると思います。これについてご説明させていただきます。

6月定例県議会は、6月24日に招集することといたしまして、本日招集告示を行ったところでございます。
提出案件は条例案9件、予算案3件、その他の議決案件4件、承認案件2件、報告事項17件、提出事項1件の予定であります。

提出案件のうち、条例案について9件ありますが、例えばそのひとつとして、これは国の補正予算で認められた制度でありますが、介護職員の処遇の改善等を図っていくため、各地方公共団体に基金を設置させる、その資金を国が交付するという制度がありますが、それを受けまして、山梨県介護職員処遇改善等臨時特例基金を設置するための、「山梨県介護職員処遇改善等臨時特例基金条例制定の件」などを提出することにしております。

次に平成21年度6月補正予算について、ご説明させていただきますが、補正予算の規模は一般会計で279億5,433万6千円であります。これを既定の平成21年度当初予算と合わせますと4,746億8,869万9千円となります。参考にありますように、対比可能な20年度6月現計予算は4,356億1,090万1千円でありましたので、現計予算ベースでの比較は、20年度に対して21年度は9%増ということになります。

また特別会計は、恩賜県有財産特別会計で6億3,874万円であり、企業会計は、病院事業会計で7,900万円となっております。

今回の補正予算についてでありますけれども、いうまでもなく国で約15兆円の追加経済対策が補正予算として成立したわけでありまして、今回の補正予算の中には、かなり地方財政措置に配慮して、地方財政が厳しい状況を考慮して、地方財政に対する様々な支援措置が盛り込まれております。そういうものを最大限活用して景気対策を行うものであります。

具体的な施策の内容としては3種類ありまして、ひとつは緊急の措置であります「現下の経済・雇用を下支えするための緊急的な対策」。2点目として、景気対策ではありますけれども、「本県の将来の発展を見据えた、未来への投資」という性格の施策。3点目として「県民の安全・安心の確保」のための施策という観点から必要な予算を積極的に計上しております。
補正予算の内容としてまず、緊急的な対策として、「公共事業の前倒し実施を促進するための調査・測量・設計」の10億円がございます。これは公共事業を前倒しに実施していくとすると、あらかじめ調査・測量・設計を済ましておかないと、いざ予算が付いてもすぐに仕事ができません。予算が付いたらすぐ用地買収して工事にかかれる状態にしておかなければならない。そういう(事業執行に)ゆとりをもたせておくということです。10億円についてですけれども、そういう調査・測量・設計をするものであります。それからふたつめが「道路橋りょう等生活に密着した社会基盤施設の維持修繕工事」の10億円であります。これは、維持修繕的な比較的規模の小さい工事であります。小さい側溝の整備だとか、あるいは河川堤防のちょっとした改修だとか、そういうものも重要なものがたくさんあります。同時にそれは零細建設事業者に対する対策としても大事なものであります。3点目として「国の補正予算に呼応した公共事業」105億円であります。これはすでに測量・設計が終わり、用地買収も終わってすぐに工事ができるものを選んでおりまして、合計105億円であります。4点目は「緊急雇用創出事業」ということで、おおむね1年以内くらいの緊急に臨時的な雇用を創出するものであります。これはすでに当初予算でかなりの額が計上されていますけれども、国の交付金が更に追加されることになりましたので、その事業の追加を行うことにしております。5点目として、「求職者等を対象に実施している職業訓練等の拡大」であります。

次に未来への投資といたしまして、「県有施設(学校や県庁建物)への太陽光発電設備の整備」。2つ目には「農村地域における太陽光・小水力発電施設の導入促進」。3点目として「県立高校等のICT(情報通信技術)教育の充実を図るための機器整備」。4点目として「県民文化ホールや県立科学館の改修」を図るということ。いずれもかなり古くなってきておりますので、必要な改修をするということであります。5点目として「工業技術センター等の試験・研究機器の整備」です。試験・研究機器は日進月歩でありまして、民間の中小企業の皆さんからも、こういう新しい機器を是非入れてもらいたいという要請がかなり寄せられておりますので、この際中小企業の皆さんがご希望になっている、新しい機器を入れたいと思います。それから「中京・関西方面における観光キャンペーンの実施」でありまして、いわゆるETC(自動料金収受システム)の料金が千円になったことに伴い、長距離の観光客が増えておりますので、中京・関西圏のお客さんがこの連休にもかなり参りましたので、そちらの方での観光キャンペーンを実施するものであります。

また県民の安全安心の確保といたしまして、「県立中央病院総合周産期母子医療センターの拡充」、それから「大規模災害や林野火災などへの対応に係る消防防災設備の充実」、「交通安全施設の整備」などが、主要な提出予定案件であります。

以上が計上しているものでありまして、主要な提出案件についてのご説明であります。詳細については後ほど財政課長から説明をさせます。

以上であります。

質疑応答

記者

一昨日県立射撃場の移転計画について、地元の住民の方が、知事宛の陳情書を出されたのですけれども、その内容についてどのように受けとめられたかということと、今回、設計・造成等の予算を盛り込まれて、本格的に着手という方向になるかと思うのですけれども、今後住民の方の意見を聞いた上で整備を行っていくのでしょうか。

知事

内容について、私も拝見させていただきましたけれども、地元としてそういうご心配があるのはよく分かるわけであります。しかしながら既に11回説明会を開催して、その中でかなり詳細に説明しているところでありますけれども、この地域の中には、一部反対される方もおられますけれども、関連する地域が、全体を神金地区というわけでありますが、7つの区があります。その中の一番近い区が上小田原区になりますけれども、神金地区の上小田原区を含めて7つの区全てから賛同いただいているということであります。

ご心配の内容は、防災対策それから鉛の問題、騒音の問題といった環境の問題でありますけれども、県としては、そういった問題がご心配なことはよく分かりますから、安全を期していきたいと考えておりまして、是非ともご理解をいただきたいと思っております。これからも地元の方々には、ねばり強くご説明していきたいと思っております。

尚、いうまでもないことですけれども、反対される皆さん方のご意見の中に、一部の人だけのあまり必要のない施設だということをお書きになっているわけですが、これは必要性の高い施設でありまして、クレー射撃という種目はスポーツの一種であり、国体の競技の対象にもなっております。山梨県の場合には過去5位とか、7位とか比較的良い成績を修めているということもあります。このクレー射撃の練習場がなくなると、そういうスポーツに影響するということはいうまでもないわけであります。

同時に昨今、有害鳥獣による被害が年々深刻化しておりまして、我々も非常に頭を痛めているところであります。農作物への被害はもちろんでありますけれども、特に高山植物への被害も極めて深刻化しておりまして、何とかしていかなければならないと考えているところであります。そのためにはいろいろな施策が必要でありますけれども、やはり個体数が増えているわけでありますから、一定の基準に則って猟友会の協力を得て個体数調整をやっていくことが施策のメインにならざるを得ません。ご承知のように(平成)21年度予算においては、山の高いところでの鹿等については、各市町村に任せるのは無理だということで、県が直接猟友会にお願いして個体数調整をすることにいたしましたけれども、そういう有害鳥獣を除去していくためにはやはり、猟友会の皆さんに狩猟技術を磨いていただかなければいけませんし、また猟友会の皆さんも高齢化しておりますから、新しい方々が狩猟者として猟友会に入ってきていただかなければならないのでして、そういう狩猟者の育成という観点からもこの施設は必要であります。

一方で銃刀法に基づいて規制が強化されてきて、3年毎の更新の時には実技をしないと免許を更新できない状況になっていますから、利用者は確かに何万、何十万人ということではないのですが、本県の施策を進めていく上において、是非とも必要な施設であるということは、ご理解をいただきたいものだと思います。

記者

大型補正予算の実現になるかと思うのですが、県債の発行など財源の手当も一部必要になると思います。県が謳われた行革大綱(山梨県行政改革大綱)において、県債については減らしていく大方針がありますが、今回政府の方針に従った面が多分にあると思うのですけれども、財政再建と今回の補正予算をどう関連づけるのかを伺います。

知事

先ほどご説明しましたように、今回の補正は一般会計で279億円余という、過去2番目に大きい補正予算での追加でありますが、一方で国の補正予算で財政上有利なものをどんどん取り込んでおりますので、279億円の事業がありますけれども、そのうち県民の負担になるものは6億円でありまして、つまり言ってみれば279億円から6億円を引いた273億円が国のお金ということでありまして、県財政の負担は極めて少ないということであります。従いましておっしゃるように、確かに5億円余の県債は発行しますけれども、これによって県債残高の削減の目標は、ほとんど影響はないということでして、推計してみますと、この6月補正段階で当初の県債残高削減計画で予定している(平成)21年度(末)の(目標)県債残高よりも、82億円少ないペースで残高の削減が進んでいるということでありまして、当初の削減計画を82億円上回るスピードで県債残高の削減が進むということであります。

記者

太陽光発電の設備導入について、実施設計3施設で、導入可能性調査34施設ということになっているのですけれども、これは今後どのような計画、見通しで進めていこうと考えておられるのでしょうか。

知事

太陽光発電について、学校とか県有施設について、できるだけ導入していきたいという考え方でして、そうはいっても建物の強度というものがありまして、太陽光のパネルも結構重いものでありますから、屋根に載せるということになると、建物の強度が保たないという建物もありますから、太陽光パネルを設置できるかどうかを調査するというのが34施設です。3施設については、強度が大丈夫ですから、これについては設計するということです。設計が終わったら9月補正とか12月補正で実際に設置することになると思います。

発表事項以外の質疑応答

 「富士の国やまなし観光物産フェアin香港について」

記者

7月終わりから8月にかけて、香港に県産果実のPRと同時に、フジザクラポーク、ブランド肉をPRすると伺っているですが、今回、なぜはじめてブランド肉をPRしようと考えられたのか、併せて香港でのPRにどのような効果を期待しているのか、お伺いしたいのですが。

知事

おっしゃるように、初めて海外で山梨の物産・観光のPR(販売)をすることになりまして、今年は「日本香港観光交流年」ということも考慮に入れて、7月末から香港で「富士の国やまなし観光物産フェア」を開催することにいたしました。

その理由でありますけれども、もちろん私は知事に就任して以来、山梨県では農産物にしても大変に農家の努力によって質の高いものが生産されているのですが、その生産の方はいいのですが、それを販売するという努力の方が今まで欠けている点があったのではないか、結果的にその質に見合った値段が付けられなくて農家の所得が増えない、いってみれば農家が儲からない。従って跡取りが生まれないという状況が続いているわけであって、もっともっと山梨の質の高い農産物、それにすばらしい観光スポットを国の内外にPRすべきだという考え方できたわけです。従って国内でも当然やるわけですけれども、ただ日本という国は人口が減少している社会ですから、いってみれば市場は縮んでいる市場であり、縮んでいる市場でもPRは大事ですけれども、シェアを大きく拡げてみても、増やせる範囲は限られている。一方において、中国はじめ東アジア各国というのは経済が急成長し、人口も増え富裕層が急速に拡大している社会でありますから、しかも日本製品に対してある種のあこがれ、安全なものであるという信頼感を持っているわけでありますから、そういうところをターゲットにして積極的に売り出していくべきだと考えて、輸出の促進ということもやってきたわけであります。特に台湾もそうですけれども香港につきましては、マーケットがフリーな市場であり、例えば桃についてはまったく植物検疫はありませんし、ワインについては関税がないということでありますから、出しやすいということがあります。しかも香港で評価されれば、それがある段階で上海に、あるいは天津にと、中国全土にその評価が広がっていく、そういうマーケットでありますし、将来の中国本土、あるいは台湾、あるいは東南アジアということも踏まえて、東南アジアの経済の中心である香港で山梨を大いに売りだそうと考えたものです。

フジザクラポークについても、山梨自慢の畜産物でありまして、これは必ず向こうに行けば高く評価されるに違いないと思っております。ただ、生産量が少ないですから、出せる量に限りはあるのですけれども、しかし、秋になりますと、フジザクラポークもやや需給が緩んで価格が下がったりしますから、そういう時期には海外に輸出できるのではないかと思っておりまして、そういう輸出ルートを開くためにも、これも取り上げてPRする。そして向こうのバイヤーなどに大いに売り出していきたいと思っているわけです。

 「地方制度調査会の答申について」

記者

昨日、政府の地方制度調査会が平成の大合併を来年の3月末で打ち切ることなどを含めた答申を麻生総理に提出したと思うのですが、その答申について何か意見があれば教えてください。

知事

平成の大合併は、結局3,232市町村から1,760市町村に合併によって減らしたという効果があったわけでありますが、1,000という目標は達成できなかったということになるわけです。これ以上合併を法律によって進めても、直ちに具体の効果は上がってこないという判断があると思います。ここ5年ばかりの間、ずいぶん全国の市町村で合併論議があって、様々な議論を経て合併できるところは合併がだいたい進んできた。あとは、いろいろな事情で難しくて、近い将来において合併が進まないと状況になっているわけです。本県の場合でもそういう状況であります。

従って地方制度調査会が答申として一旦は平成の大合併はここで幕を閉じると判断するのは、それはやむを得ないことだと思っております。ただ、当然これから自主的に合併しようというところがあるわけですから、そういうところについては、国も県も大いに応援していく。自主的に住民が判断して、合併したいというところについては、我々も支援したいし、国の制度としてもそういうものについては支援をする仕組みというものは引き続き残してもらいたいと思っております。そして合併については平成合併を終えていろいろなプラスもありますが、マイナスの評価もありまして、ここは一回、合併によるプラス、マイナスはどういうものかということをじっくり考えてみる必要があるのではないか、そういう時期ではないかと思いますので、地方政度調査会のそういう答申は、私は結構だと思っております。

(以上)

このページに関するお問い合わせ先

山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

同じカテゴリから探す

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

このページを見た人はこんなページも見ています

県の取り組み

pagetop