ページID:112500更新日:2024年2月8日

ここから本文です。

原始古代の技に学ぶ第11回「青銅器作り~銅剣形ペーパーナイフ~」

県立考古博物館では月に1回程度、16歳以上の対象としたものづくり教室「原始古代の技に学ぶ」を開催しております。

今年度第11回のものづくり教室は青銅器作りと題して、銅剣形ペーパーナイフ作りを開催いたします。

画像:銅剣形ペーパーナイフの製作例
銅剣形ペーパーナイフの製作例(全長:約19cm)
画像を拡大(JPG:2,103KB)

青銅器とその製造技術は弥生時代の初期に大陸より日本へ伝来したとされ、その後の技術の発達とともに様々な青銅器が盛んに製造されました。弥生時代の代表的な青銅器・銅剣もそのひとつです。銅剣は当初、武器として用いられていたようですが、間もなく伝来した鉄製の武器が主流になると、次第に儀式や祭祀のための祭器として用いられるようになり、大型化していったと考えられています。

画像:中細形銅剣(複製)
中細形銅剣(複製・原品は明治大学博物館所蔵)・弥生時代中期
高知県いの町岩瀧出土

今回のものづくり教室では、青銅や青銅器の歴史について学習するとともに、銅剣形ペーパーナイフ作りを体験していただきます。(体験は鋳込み後の研磨の工程が中心となります。鋳型作り・鋳込みの体験は職員によるデモンストレーションとなります。あらかじめご了承ください)また、希望者は竹材や紐を用いて銅剣の柄を作成することもできます。

この機会にぜひ、当館ならではの青銅器作りを体験してみませんか?皆様のご参加をお待ちしております。

青銅器作りの工程について

鋳型作り

画像:砂を詰めた型枠
型枠に砂を詰めて型を取る

画像:型枠から外した砂型
硬化させて型枠から外した砂型

画像:砂型の組み立て
砂型を組み立てて鋳型にする

当館の青銅器作りでは、炭酸ガスで固まる砂(ガス硬化砂)を使って鋳型を作ります。型枠に青銅器の基となる原型を入れ、砂を隙間なく押し詰めます。砂を詰めた型に炭酸ガスを注入すると、原型の形を写し取った砂型が出来上がります。砂型は半面ずつ作り、それぞれを組み合わせて鋳型とします。

鋳込み

画像:炉
炉の中で銅と錫を溶かす

画像:鋳込みの様子
溶けた青銅を鋳型に流し込む

高温をおこした炉の中で、坩堝(るつぼ)に入れた銅と錫(すず)を熱して溶かし合わせて、銅と錫の合金・青銅を作ります。続いて溶けた青銅を鋳型に流し込みますが、ここでは1,000度近くまで熱されて溶解した金属を取り扱うため、作業に大変な危険を伴います。しかし、炉から出した青銅は急速に冷え固まるため、素早く正確な作業が求められます。

成形

画像:鋳型の除去
鋳型から青銅器を取り出す

画像:鋳型から取り出した直後の青銅器
取り出した直後の青銅器

画像:機械研磨の様子
機械を使った成形・初期研磨

鋳型が十分に冷め、安全に触れるようになったら鋳型から青銅器を取り出します。表面に付着した砂や煤とバリ(出っ張った余分な部分)を取り除いて形を整えていきます。(本来はヤスリなどで地道に形を整えていきますが、ここではベルトサンダーなどの機械を利用して成形します)

研磨

画像:初期研磨を済ませた青銅器
成形・初期研磨を済ませた青銅器

画像:研磨作業の様子
研磨作業の様子

画像:銅剣形ペーパーナイフの完成品
研磨を終えた青銅器

初期研磨を済ませた青銅器をヤスリ(耐水ペーパー)や研磨剤を用いて仕上げの研磨を施していきます。

青銅器の色は青緑色を連想しがちですが、青緑色は銅に付着する緑青(ろくしょう)と呼ばれる酸化物の色であり、本来は光沢のある白銀色や黄金色です。(錫の配合量によって色味が変化します)

今回のものづくり教室では、研磨の工程に重点を置いて体験して、青銅器本来の美しい輝きを再現していただきます。

参加者(来館者)の皆様へ

新型コロナウイルス・インフルエンザ等の感染症対策のため、体験時はマスクの着用等感染防止対策へのご協力をお願いしております。ご来館前に必ず次のページをご確認いただくとともに、感染予防にご理解・ご協力くださいますようお願いいたします。

ものづくり教室のご案内

画像:原始古代の技に学ぶ第11回のご案内

開催日時

令和6年3月9日(土曜日)

午前9時30分~午後4時

会場

風土記の丘研修センター(甲府市下向山町1271)

会場は考古博物館ではありません。会場への経路は地図(GoogleMap)を参考にご来場ください。なお、考古博物館と風土記の丘研修センターを結ぶ曽根丘陵公園内の道路は管理道につき、一般の車両は通行できません。(徒歩での通行は可能です)

対象

16歳以上の方

定員

8名

参加費

3,300円
教材費およびイベント保険料です。参加時にお支払いください。

持ち物・服装

筆記用具、昼食(必要に応じて)

作業のできる服装(エプロン等着用)でご参加ください。また、新型コロナウイルス・インフルエンザ等の感染症対策のため、体験時はマスク着用のご協力をお願いします。

お申込み方法

参加には事前にお申込みが必要です。

風土記の丘研修センターへお電話またはご来館の上、お申込みください。

令和6年2月9日(金曜日)~23日(金曜日)間、お申込みを承ります。

お申し込みが定員を超えた場合、抽選にて参加者を決定させていただきます。抽選結果の通知は当選者への連絡を持って替えさせていただきます。あらかじめご了承ください。(お申し込みが定員に満たなかった場合、先着順にて追加募集いたします)

お申込み・お問合せ

風土記の丘研修センター(考古博物館付属施設)

電話:055-266-5286
FAX:055-266-5287

受付時間:午前8時30分~午後5時
休館日:毎週月曜日(2月12日は開館)、2月13日(火曜日)

このページに関するお問い合わせ先

山梨県観光文化・スポーツ部考古博物館 
住所:〒400-1508 甲府市下曽根町923
電話番号:055(266)3881   ファクス番号:055(266)3882

ものづくり教室の詳細は、考古博物館付属施設・風土記の丘研修センター(電話:055-266-5286)までお問い合わせください。

このページを見た人はこんなページも見ています

県の取り組み

pagetop