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ページID:71347更新日:2016年3月9日
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KC0065 県指定 有形文化財(建造物) |
平成28年2月22日指定 所在地 甲府市善光寺町3135 所有者又は管理者 個人
富岡家住宅は、山梨県権参事(のち参事)として本県の勧業政策を推進した富岡敬明(けいめい)の本邸である。 富岡の本県赴任後の明治6年頃の建築である主屋は、意匠と技術の両面において優れた擬洋風建築である。また明治の初め(明治9年まで)に建築されて現存する擬洋風の住宅は全国で6件のみであり、国内最古級の遺構である。建設後に、住様式の変化にともなって、内向き空間や天井および建具などに改変された部分も見られるが、主要部分は当初の状態をよくとどめている。 西に接続する和風建築の書院は、晩年になって山梨に移住した明治24年頃の増築で、山梨漢詩会をリードした富岡敬明の詩作の拠点「雙松山房(そうしょうさんぼう)」(中林梧竹、渡辺青洲、井伏鱒二、川端康成らの文人が集ったという。)としての由緒を有し、寝室南側の広縁の増築を除いてほとんど改変の手が加えられておらず、意匠、材料、工法のすべての点において、本格的で上質の近代和風住宅といえる。 富岡家住宅は、主屋が最古級の優れた擬洋風住宅として、書院が上質の近代和風住宅として、いずれも貴重な建造物である。加えて、山梨県の近代化に貢献した富岡敬明の本邸として、および富岡敬明の詩作の拠点「雙松山房」としての由緒を有しており、歴史的価値も高いといえる。
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