ページID:77619更新日:2017年3月3日

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国指定 重要文化財(建造物)

窪八幡神社末社比咩三神本殿

  • 窪八幡神社末社比咩三神本殿(くぼはちまんじんじゃまっしゃひめさんじんほんでん)

昭和24年2月18日指定

所在地 山梨市北654

所有者又は管理者 大井俣窪八幡神社

 

 比咩三神社は、祭神として田心姫命、湍津姫命、市杵島姫命の比咩三神を祀り、大井俣窪八幡神社の末社である。神社本紀によれば、本社創建とともに正殿に三神は合祀されていたが、康平6年(1063)に源義光が神殿を建立のうえ戦勝祈願のため遷し祀ったという。その後、現在地に遷座されるに際し、境内に築造された神池の島の上に社殿を配したものである。現在の本殿は寛永2年(1625)に徳川忠長によって再興されたものであると社記は伝えているが、組物や木鼻など細部の形式からみても江戸時代初期のものと考えられる。

 本殿は、一間社流造の小規模な社殿であり、身舎梁間の実際の長さは0.87メートルにすぎない。建物は切石積み二重基壇上に建ち、身舎柱と向拝柱は井桁に組まれた一連の土台上に建てられる。身舎柱は円柱で、組物は桁行方向に舟肘木をおくが、これは丸桁から舟肘木部分を造り出したものである。正面は幣軸構えとし、両開き板唐戸を吊り込み、他の柱間は板壁である。正面と両側面三方には榑縁をめぐらし、高欄と脇障子の設けはない。扉の前面には木階五級を設ける。軒は一軒繁垂木とし、妻は虹梁大瓶束で、破風には猪目懸魚を飾る。屋根は銅板葺である。もとは桧皮葺であった。

 向拝は面取り角柱で、柱上の組物は平三斗を組み、中備にも平三斗を配す。頭貫先端は繰形つき木鼻となり、身舎柱から繋虹梁を渡して繋いでいる。

 板扉は金箔押しで、入八双金具で装飾され、木部はすべて漆塗りが施される。

 この本殿は簡素で小規模な社殿ながら、全体に江戸初期の特色をよくあらわしており、当社の指定文化財社殿のなかで、もっとも年代の新しい建物であるが、中世以来の神社境内の社殿配置や形態を知るうえから注目すべき遺構である。

 昭和29年(1954)に解体修理が完成した。

 

 

 

 

 

 

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