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知事記者会見(平成20年12月17日)

詳細内容

平成20年12月17日知事記者会見の様子(JPG:30KB)知事記者会見
平成20年12月17日(水曜日)11時30分から
本館2階特別会議室


●発表事項
・山梨県緊急経済・雇用対策本部の設置について
・平成20年12月定例県議会追加提出案件について
●質疑応答
・国直轄公共事業の地方負担金について
・携帯電話の有害情報から子供を守るための方策について
・国における緊急経済対策・税制改革大綱について
・森林保全等を目的とした新税について


<発表事項>

●「山梨県緊急経済・雇用対策本部の設置について」

(知事)まず、「山梨県緊急経済・雇用対策本部」の設置についてであります。お手元に資料が2種類あると思いますが、1つは設置についての資料、それから、本日第1回の会議を開きましたが、その会議の資料であります。
言うまでもなく、県内経済をめぐる情勢が、ここにきて非常に厳しいものになっておりますし、また雇用情勢につきましても、非正規社員を中心とした雇用調整が拡大をするなど、雇用環境もさらに厳しさを増しているという状況であります。今回の不況は、100年に1回と言われるような未曾有の不況でありまして、県としては、これを全庁的に対応していく必要があると、そのように判断をして、本日、「山梨県緊急経済・雇用対策本部」を設置し、開催をしたところであります。
本日は、主として3点がテーマになりました。まず1点目としては、不況業種対策融資が、大幅な需要の増加があるということから、中小企業の資金繰りの安定を図るために、既に12月議会に提案をしている29億円の融資枠の増枠の補正予算に加えまして、更に120億円を追加し、商工業振興資金の融資枠の総額を、320億円とするという補正予算を追加して提案をすることであります。これについては、また後で御説明をさせていただきます。
2点目といたしまして、この年末の資金需要期に入りますので、中小企業の皆さんに対する相談体制というものをしっかりとする必要があると考えます。そこで、既に山梨県商工会連合会においては、金融支援体制の強化のために相談体制を決めておりますけれども、それ以外の5つの機関に対しまして、年末の中小企業に対するの支援体制の強化を要請するということにいたしました。具体的には、それぞれ該当機関において、12月29日、30日の両日、相談体制をとってもらうということを該当機関にお願いをすることにいたしました。先ほど、各機関から了解を得たところであります。そこで、金融等の相談の窓口は合計7機関ということになりまして、1つは山梨県商工労働部、2つ目には既にそれを決めている山梨県商工会連合会、3つ目は、山梨県中小企業団体中央会、4つ目は甲府商工会議所、5つ目は富士吉田商工会議所、6つ目はやまなし産業支援機構、7つ目は山梨県信用保証協会、以上の7機関が12月29、30日の両日相談体制をとることになりました。具体的には、緊急保証をはじめとした融資制度等の案内とか、あるいはそれに関するアドバイスを行う相談体制であります。
加えて雇用、労働情勢も悪化をしておりますので、県におきましては、中小企業労働相談所において年末の相談体制を強化するとともに、山梨労働局に対しましても、相談体制の強化を要請いたしました。そこで、雇用、労働関係の相談は、県の中小企業労働相談所と山梨労働局の2機関で行われることになります。それが2点目であります。
3点目といたしましては、今後この対策本部として、全庁的な連携体制を一層強化するとともに、それぞれ各部においては、各部の所管の範囲内で実態の把握、講ずべき対策といったことについて検討し、企業や金融機関、関係諸団体と連携を密にしながら、機動的に対策を講じまして、県民の皆さん、中小零細企業の皆さんが、この不況を乗り切ってくれるように、県として最大限の支援をしていくということを申し合わせたということであります。以上が、この緊急経済・雇用対策本部の設置についてであります。

●「平成20年12月定例県議会追加提出案件について」

次に、平成20年12月定例県議会追加提出案件につきまして、発表いたします。
お手元に資料があるとおりでありますが、12月定例県議会に、次の案件を追加提出するということであります。提出案件は、予算案2件でありまして、商工業振興資金につきましては、御承知のように9月補正予算において融資枠を31億円拡大して171億円とし、更に12月定例県議会において、29億円拡大して、従って融資枠は200億円ということになりますが、そういう補正予算を12月定例県議会に提出しているところであります。
しかしながら、特に12月に入りましてから、融資の申し込みが急速に増加しておりまして、融資枠を大きく上回ることが見込まれるところから、更に融資枠を120億円拡大し、総融資枠を320億円といたしたいと考えております。
これによりまして、12月補正予算において、商工業振興資金のうち、経済変動対策融資の融資枠は、93億円から242億円に拡大することになります。
また、融資枠の確保に必要な財源として、一般会計から商工業振興資金特別会計に、57億円余を繰り出すことにしております。
なお、商工業振興資金は、信用保証協会に長期の貸し付けを行う仕組みとして、従来運用をしてきたところでありますけれども、全国的には、信用保証協会等に貸し付けを行っている都道府県の大半の団体が、短期貸し付け、1年以内の短期貸し付けで行っているということ等を踏まえまして、今回の大幅な融資枠の拡大に当たりましては、信用保証協会への長期貸付制度を見直しまして、短期貸し付けで行うことにしたいと考えております。
次に、12月補正予算の追加分の詳細でありますけれども、一般会計の追加予算の規模は、57億1,428万6千円でありまして、これに追加前の補正予算32億7,005万6千円を加えますと、89億8,434万2千円となります。
これと既定予算を合わせますと、4,472億506万7千円となります。特別会計は、商工業振興資金特別会計でありまして、114億2,857万2千円であります。
詳細につきましては、財政課長から説明をさせるようにいたします。以上であります。


<質疑応答>

(記者)3点ほどお伺いします。まず、12月補正を1度提出していながら、開会中にもう1度追加の補正予算を提出するというのは、異例中の異例のことだと思うのですが、それだけ緊急事態ということを表していると思うのですが、今回追加の補正を緊急で提出するのを決断するに至った理由をまずお伺いしたいのと、あと120億円の融資枠補充とのことですが、それに伴って県の自己負担額というのも出てくるかと思うのですけれども、その財源はどのように確保されたのか。3点目なのですが、今回12月現計予算を前年度と較べると100%を超えるような状況になることで、これまでの歳出抑制の路線からすると、かなり上回るような状況となっているのですが、これまでの財政再建路線と、今回の財政出動を決断したことで、財政再建路線との兼ね合いというのをどのようにお考えなのか。この3点お願いします。

(知事)今回の、緊急に追加して補正予算を提案した理由ということですけれども、先ほどご説明をしたように、12月に入って、かなりのスピードで、従来のテンポを大幅に上回って、資金繰り資金の融資の申込みが増加をしたということでありまして、9月の補正予算で追加をした融資枠、更にはこの12月の補正予算で提案している融資枠の増加、合計200億円ということになりますが、それでは足らないという状況になってきたということであります。従って来年の3月一杯までの、年末、年度末という資金需要期に入りますので、来年の3月までを見越して、所要の融資枠を確保する必要があるということであります。
なお、何でこの12月に入って急に資金の申込みが増加したかというのは、いくつか理由があると思うのですが、1つはここにきて急速に世界経済はもちろんそうでありますけれども、日本経済そして本県経済が急速に悪化のテンポを強めておりまして、企業の資金繰りも、それだけ急速に悪化をしているということがあると思います。加えて、国の方のいわゆる緊急保証という制度ができて不況業種が698業種に大幅に拡大したわけです。従来は不況業種といわれない業種につきましても、例えば、いわゆる半導体関係だとか、そういうものも不況業種ということになり、そういう業種もこの融資制度を使うことができるようになってきたということで、そういう業種からも資金需要が出ているのではないかと思います。それから3点目は、さる11月26日に私から本県の金融機関の幹部に集まっていただいて、こういった県の制度融資についてはできるだけ活用するように、そしてこの厳しい状況を県内の中小零細企業が乗り切っていただけるように、協力を要請したところでございまして、各金融機関もそういうことで、中小零細企業の資金需要に、積極的に対応してくれているということもあると思います。それが、今回追加して補正予算案を提出した理由であります。
2点目は財源の問題でありますけれども、財源につきましては、先ほど御説明しましたとおり、1年以内の短期貸し付けという制度を取ることにいたしました。所要資金を一般会計から、商工業振興資金特別会計に短期貸し付けをし、商工業振興資金特別会計から信用保証協会へ1年以内の短期貸し付けをするというかたちにいたしました。従いまして短期貸し付けでありますから、1年以内に出て行くものもありますが入ってくるわけです。返済もありますから、従って、とりあえず財源的な手当は必要ないということであります。
従来、本県の場合には、一般会計から商工業振興基金に貸し付け、あるいは信用保証協会に貸し付ける場合には、長期貸し付けをしておりました。しかしそれは平常時では良いのですが、こういう緊急時に短期間で資金需要が生じる時に、その長期貸し付けを行いますと、財源を手当てしなくてはならないと、財源の手当は年度途中ですから、結局基金を取り崩すしかないということになります。本県の基金は、現在時点で400億円余(平成19年度末残高)あるわけですけれども、基金というものは、例えば想像しがたい災害等が発生した時の準備として置いておくものでありますから、これが減るということについては、やはり問題があるということであります。そういう意味で、短期貸し付けによるということにいたしましたから、当面財源的な手当は必要ないということになるわけであります。なお、これは緊急事態でありますから、一時的に資金需要があり、県から資金が出ていくわけでありますけれども、数年経つと、当然経済は回復してきますから、そして回復して企業の資金繰りが良くなりますと、資金繰り資金だから返済されてきます。そうするとこの短期貸し付けは、企業の資金繰りが良くなるに従って減ってくるということであります。そういう緊急の資金需要に対応するためには、この短期貸し付けによらざるを得ないのではないかと判断したところであります。
なお、こういった資金繰りを取っている県は全国的には大変に多くありまして、この商工業振興資金というものの貸し付けの仕方として、47都道府県ありますが、本県のような長期貸付制度を取っている県は5県であります。今回、本県が取ろうとしている1年以内の短期貸付制度を取っているのは32県あります。その他利子補給というやり方をしているのが7県、その他諸々のやり方をしているのが3県ということでありまして、ほとんどの県が、この短期貸付という制度を取っているということですので、本県の場合にも、こういう緊急異例の措置として、短期貸し付けという制度で今回は手当をするということであります。
次に財政再建路線との兼ね合い、たしかに結果として歳出が増加をすることになりますので、財政再建路線と抵触をするのではないかという議論があると思います。けれども、本県の場合には特に財政再建として重視をしていますのは、いわゆる臨時財政対策債というものを除く、通常の県債について、これを削減していくというのを、行政改革大綱に基づいて、財政改革の最大の目標としております。これについては、今回の補正等があっても、通常の県債の削減というのは着実に進んでいるところでありまして、この行政改革大綱によれば、平成19年から23年の間に通常の県債を、合計380億円削減をすることにしておりますが、20年度末においても、減額のペースを上回る減額が可能になると思っております。従って本県の財政再建路線というものは、引き続き県債の削減という点で継続をされているということでありまして、矛盾するものではないと考えております。以上であります。

(記者)今のお話しですと、短期貸し付けを行って1年以内に返済されるので、財源の手当は必要ないということですけれども、そうすると貸し付けの期限というのは本年度末になるのかということと、仮にその時に貸し付けている額が全額返ってくるのか保証はないので、また短期貸し付けを繰り返していくということになるのかその点をお願いします。

(知事)おっしゃるようになると思います。短期貸し付けでありますから、年度内に返済を受けなければなりませんので、来年の3月31日に一旦は返していただく。そして、来年の4月に入ってから、今度は新年度において、新しい短期貸し付けが始まるということであります。その間、信用保証協会の資金繰りがショートする可能性がありますから、その時には信用保証協会において、金融機関等から短期的な資金的手当をしていただくということになります。

(記者)今回の対策なのですが、融資という面ではかなり思い切った対策とっていらっしゃると思いますが、もう一方の雇用対策も非常に緊急なものが求められていると思いますが、例えば県として、今、国でも検討されている内定取り消しの防止について、企業に働きかけをして予防する措置をとるとか、何か実効性がある雇用対策を現在お考えかどうか、また、今後どういうかたちでそれをお考えになるのか、その点についてお伺いします。

(知事)今のところ本県としては、具体的に新しい雇用対策というものをとっているということはございません
いずれにしても、国の労働局と協調しながら、そういった相談体制をしっかりするということであります。
しかし、国の方の補正予算、この間、総理が発表しておりましたけれど、合計26兆円の雇用安定等のための緊急対策というものを発表されました。これが国の方の第2次補正予算に計上されてくると思います。
その時には、例えば雇用対策等のための1兆円の地方交付税措置だとか、あるいは国が基金を設けて、そこから各都道府県に交付金を交付して、各都道府県において基金を設置して、その基金を使って様々な雇用対策を行うという施策も盛り込まれておりますから、ぜひ、国の第2次補正予算を早期に成立をしてもらって、来年の1月5日から通常国会が開会されて、直ちにその審議に入ると聞いておりますが、この第2次補正予算を早期に成立をさせてもらって、県としてもその補正予算に沿った施策を、最大限打っていきたいと思っております。

(記者)知事のお話の中で、年末・年度末を見越して融資枠を拡大したということですが、今後、中小企業からの需要が高まった時に、また2月議会等でさらにこの融資枠を拡大する可能性についてはどのようにお考えになるでしょうか。

(知事)今回、120億円の総融資枠を追加するにあたりまして、様々な推計を行い、また、金融機関等にも今後の資金需要についての見通しを聞いたりいたしました。そして、年末・年度末の資金需要が通常の年に比べ、どの程度増えるのかとか、いろいろな分析をした上で120億円の融資枠の拡大をすれば対応できると判断して計上したものであります。
したがって、もちろん年末・年度末、繁忙期になると思いますけれど、120億円の追加で対応できるものと私どもは思っておりますが、万が一、それを上回る資金需要があった時には、おっしゃったように、2月補正予算でさらに対応することもあり得ないことではないと思っております。

(記者)雇用の関係でお伺いしますが、県内においても派遣労働者の解雇が相次いでいるという指摘もあります。そういった点で、県として派遣労働者の解雇も含めて雇用情勢の調査を行う考えがあるかという点と、県から誘致にあたって財政支援を受けた企業において労働者の解雇が行われた場合、県民感情としては、県が雇用確保を目的として財政支援をして立地している以上、そういったところに対して県として何らかの指導というか、雇用継続を要請することができないかという声もありますが、その点について知事はどのようにお考えなのかお聞きます。

(知事)調査は、国の労働局も詳細な調査を既にやっておりますし、我々の方も調査をしております。
したがって、実態は常時把握できておりますので、今の時点で新しく何かやる必要があるかどうか、検討してみたいと思いますが、例えば新規学卒者の内定取り消しは今の段階では5人であるとか、非正規職員の雇い止めとか中途契約解除は124人であるとか、そういうふうに雇用関係の状況というのはかなりスピーディーに常時把握している状況にありますから、さらに追加して調査しなければらならないかどうかは、良く検討して行いたいと思います。
それから誘致企業につきましては、確かに県が奨励金を支払う条件として何名雇用とか雇用条件を課していることは確かですけれど、たしかそれは1年間ということであり、数年経って景況が悪化して、雇用が維持できなくなった時に奨励金を返済するとかまでは義務として課していないわけです。
経済は生き物であり、産業はとりわけ盛衰が激しいですから、奨励金を供与する時に一定の雇用基準を課しますけれど、それをあまり長い間課すことは、産業の実態に合わないのではないかということからそうしているわけであります。
したがって、そういった誘致企業に対して雇用を維持せよということを県として申し入れるかどうか、そこのところは慎重な検討を要するところだろうと思います。なお良く実態を調べてみたいと思います。

(記者)今まで長期で貸し付けを行っていたものを短期にするということで、他の県を見ても短期の方が多いので、1年以内という形で短期貸し付けをというご説明だったのですけれども、知事のお話を伺ったうえで、今の景気はいずれは回復するといった見通しでお話しをされていたように思うのですが、1年以内といっても年度内での貸し付けになるので、また4月以降でというようなことを伺う上で、借りる側からすると使いやすいのかという面を見ると、ちょっとそれは使いやすいとはいえない、柔軟な対応とはいえないのではないかなと感じるのですが、1年以内の短期貸し付けで、景気が回復するまで大丈夫であろうというのが、なんとなく見通しが甘いように感じるのですけれども、今回の対応について知事のお考えは、1年以内で景気が回復するということでいらっしゃるのかお願いします。

(知事)確かに借りる側にとって、借りる側とはこの場合には信用保証協会になるのですね、県の一般会計から商工業振興資金特別会計に貸し付けが行われ、商工業振興資金特別会計から信用保証協会に貸し付けが行われる。これを従来は長期貸し付けから短期貸し付けにするということですから、信用保証協会に対する貸し付けとなります。実際の企業に対する貸し付けまでそうなるわけではありませんから、これは5年とか10年という期間で貸し付けが行われるわけですね。しかし保証協会にとってみれば、長期貸し付けの方が面倒もないし、良いということはそうだろうと思いますが、短期貸し付けであっても、例えば3月31日に1回返済をさせて、4月の初めにまた県の方から貸し付けると、その間については一時の資金繰りの問題として、民間金融機関から融資を受けて資金繰りをしおくと、信用保証協会がその資金繰りのために金融機関から借りる時には、これは公的機関でありますから県も保証はつける(支援する)ということでありますから、多少手間はかかるということはありますけれども、資金繰りの問題でありまして、別にそう困るということはないと思います。要するに1回は資金繰りとして金融機関からお金を借りなければならないということは確かにありますが、少なくとも信用保証協会が、今回のこういった不況業種対策融資というものを実行していく上で、支障を生じることはないと、従って企業の皆さんにご迷惑をおかけするようなことはないということであります。

(記者)不況の回復の見通しは誰もわからないのですけれども、知事のお考えとしてはいかがでしょうか。

(知事)経済というのは必ず循環しますから、今大きく落ちていますけれども、落ち続けるということはないのであって、ある時点では必ず回復してくるということになるわけですね。それが半年になるか、1年になるか、2年になるかはわかりませんけれども、回復をしてくるということは、過去の経済法則からして明らかなことでありますから、そうなれば企業にとっては資金繰りは好転してくるわけですから、資金繰りが好転すれば、一時借りていた資金繰り融資を返してくるわけですから、そうすると今回の短期貸し付けというのは段々必要なくなって減ってくるわけですね。
なお、この際ですので申し上げておきますけれども、この不況業種対策融資とか、あるいは緊急保証とか、こういう制度というのは、県のネットの負担というのは少ないんです。例えば、当然の事ながら保証事故ということは起こりますね、貸した企業が倒産してしまったと、そうすると信用保証協会は代位弁済をしなければならないわけでありますが、その代位弁済の額の内の8割は、日本政策金融公庫というところの保険がありまして、その保険で補填されるわけですね。残りの2割の内の16%は全国信用保証協会連合会のまた保険(補助)がありまして、そこで補填がされる。だからネットで県の信用保証協会の負担になるのは4%なんですね。従って例えば100億円貸し付けたとして、大体代位弁済というのは5%といわれておりますから、5億円くらい代位弁済をしなければならなくなる。そのうち信用保証協会がネットで負担しなければならないのはその4%ですから、2千万円の負担は出てくると、そして信用保証協会の負担があるということは、イコール最終的には(出資者としての責任に基づく)県の負担になるわけでありますが、全体としてそういう保険制度というのが徹底しておりますので、信用保証協会なり県の、ネットの最終負担というのはそれほど大きなものではないということはご承知をいただきたいと、それがまさに信用保証制度というものなのですね。

<発表事項以外の質疑応答>

●「国直轄公共事業の地方負担金について」

(記者)国の公共事業について都道府県が一定額を負担するいわゆる国直轄負担金について伺いたいのですが、先日、大阪の橋下知事が財政難を理由に2009年度予算から2割減額を求める方針を表明されて、各知事に賛同するよう呼びかけるといった動きがありますが、そのことに関して知事の率直な感想と、そういった動きを受けて2009年度に山梨県がどういう対応をしていくか、変化があるかお伺いします。

(知事)直轄負担金については、これは私自身、また、全国知事会の姿勢というのははっきりしておりまして、こういうものはやめるべきだ、ということです。やめるべきものだと思います。
やはり、国がやる事業は国が全額負担すべきであり、一方で地方がやるべき事業はできるだけ税源を移譲して、国の補助制度、補助金というものはできるだけ圧縮していくべきものだと思っておりますから、直轄負担金というものは好ましいものではない、廃止すべきだと思います。
ただ、現実の問題として、国の方の考え方からしてみれば、やはり一種の地域の受益者負担というものはあってしかるべきだという議論だと思います。
国のお金で整備をする、そうすると、当然、全国的な観点から整備をするのですが、やはりその地域の人は他の県に比べれば特別な利益をその事業で受けるのだから、特別な利益に相当する負担ぐらいはもらっても良いではないかというのが直轄負担金なんです。それも一つの理屈としてわからないではないけれど、そこのところが長い論争が続いているわけです。我々としては、それは廃止すべきものだろうと思っております。
しかし、制度としてまだ存続するわけですから、来年度の国の直轄事業の負担金は、県としてはこれは払うという方針でいきたいと思っています。

●「携帯電話の有害情報から子供を守るための方策について」

(記者)子供と携帯電話に関してですが、過日、政府の教育再生懇談会が、子供の携帯に関して公立の小中学校について原則禁止ということを報告書に盛り込むことを決めまして、また、大阪府の教育委員会も、各市町村教育委員会に小中学校原則禁止を要請したという情報もあるのですが、子供と携帯電話というのは教育現場だけでなくて国全体、山梨県全体で考えるべき問題だと思うのですが、このことに対する知事のご見解をお伺いします。

(知事)これはなかなか難しい問題でして、携帯電話が教育上必要かといえば、教育上必要だとは考えられない。したがって、学校にこういうものを持ってくる必要があるかといえば、学校の教育上は必要ないということだと思います。
そう意味からすれば禁止した方が良いのではないかという議論になるのですが、しかし、登下校時の防犯・安全ということがあったりとか、あるいは、いわゆる鍵っ子といわれるようなこども達が、母親にいろいろな連絡・相談をしなければならないとか、そういうことがあるということも確かです。
したがって、やはり登下校時等の親との連絡だとか、それに子供も子供で遊びに行ったりとかそういうこともあるでしょうから、そういう際の親御さんの立場からすれば、携帯電話を持っていて、常時、自分の子供がどういう状況か把握したいというニーズもあり、それも安全・安心という観点からは無視できないことだと思います。
したがって、ここのところはなかなか難しくて、本県としてはどちらにすべきであるという方向を出しているわけではなく、基本的には、学校長とか小中学校については、市町村の教育委員会、その辺の判断に任せている。
県教委としては、右にすべきか左にすべきかということについてははっきり言っているわけではないという状況です。なかなか難しいところだと思っています。

●「国における緊急経済対策・税制改革大綱について」

(記者)先週、政府与党が緊急経済対策と税制改革大綱案を発表されましたが、それに対する知事のご評価と、来年度予算に関連して、社会保障費2,200億円の削減について600億円分については道路特定財源の一般財源化にともなう交付金から充当するという方針を固めたようですけれど、そのことについてお考えをお願いします。

(知事)緊急経済対策と税制改正については、現下の経済情勢を判断して、かなり思い切った対策を取っていると評価をしたいと思います。
とりわけ、地方交付税について、雇用対策等のために一兆円を追加するということを決めたことについては、かねてから交付税の復元、額の復元ということを主張していた立場として、評価をしたいと思います。
要は、政治情勢が混乱しているわけですけれど、与野党協議をしていただいた上で、国民生活優先という立場に立って、一日も早く国の補正予算の成立を図ってもらいたいと要請したいと思います。
それから、社会保障の自然増経費を毎年2,200億を削減してきた。それの財源としての600億円(を含む)地域活力基盤創造交付金1兆円をガソリン税財源から手当するということですが、これは具体的にどういうものに使うのか、総理がそのようにいっているようですけれど、どういうものに使うのか、600億円は何に使うのか、そこのところが今ひとつわからないところがありまして、ちょっとコメントできないです。
地域活力基盤創造交付金というのは、道路に8割、それ以外の公共事業に2割使うと言っている。基本的には公共事業関係ということです。
これはなぜかといえば、背景にあるのは、結局、ガソリン税の暫定税率を維持するためなんです。ガソリン税の暫定税率というのは、要するに通常の税率よりも高い税率を課しているのは、道路利用者に道路を造るからという理由で暫定税率を課しているわけです。それを計上する以上は、きちっと道路を整備してもらわなくては困るという道路利用者、道路ユーザーの議論がある。それは一つの筋論だと思います。
そこで、地域活力創造交付金として、道路8割、しかしそれ以外の2割くらいは公共事業関係ならば良かろうということにしたわけです。その2割の内の600億円を社会保障に使うとなると、暫定税率の理屈が通らなくなってきます。そこが難しいです。私自身も、理屈が通ればそれで良いと思いますけれど、そこが理屈が通るかどうかだと思います。

●「森林保全等を目的とした新税について」

(記者)12月の定例県議会の所信表明でも述べられたことだと思いますが、森林環境税の導入について検討を始めるということを言われたのですが、県としてどのようにやっていきたいかということお話しいただきたいと思います。

(知事)まだ、ピタリとしたスケジュールを決めているわけではありませんけれど、当面、検討チームを県庁内に作って検討を始めております。そして、検討して、来年度に入ってからと思いますけれど、適当な時期に学識経験者を含む検討組織を作って検討していくということになると思います。
その上で、条例、それから議会での議論があって、それから施行となるわけですが、今の時点では経済情勢も非常に変動している時でもありますので、いつ頃からスタートするということまでは決めていないということであります。

(以上)

リリース日:2008年12月18日

添付ファイル

知事政策局広聴広報課

甲府市丸の内1-6-1本館2F
TEL:055(223)1336
FAX:055(223)1525

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