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ページID:111116更新日:2023年10月12日

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可決された意見書(令和5年9月定例会)

 議第17号

議第17号

私学助成の充実強化等に関する意見書

 

 本県の私立学校(高等学校、中学校、小学校及び幼稚園)は、建学の精神に基づき、時代や社会の要請に応じた特色ある質の高い教育を展開し、我が国の公教育の発展に大きな役割を果たしている。

 現在、我が国の少子高齢化は急速に進行しており、人口減少が社会経済に与える影響が深刻さを増す中で、日本社会は様々な課題解決に迫られている。こうした厳しい状況にあって、我が国が今後も世界の中で後れを取ることなく、国力を維持し発展していくためには、将来を担う子供たちの育成が何よりも重要である。「経済財政運営と改革の基本方針2023」においても「未来への投資」として「人への投資」を促進する政策が最優先され、質の高い公教育の再生に向けて、教育の質の向上に総合的に取り組むと明記されている。

 しかしながら、私立学校は学校運営の効率化、教員の資質向上・負担軽減、諸物価の高騰等様々な課題解決を迫られており、もはや自助努力の範囲を超えたものとなっている。

 国による私立高等学校生徒への授業料支援では、年収590万円を境に支援金額に大きな格差が生じており、私立中学校生徒への授業料支援制度の創設も必要である。また、現行の就学支援金制度等では負担が十分に軽減されない保護者を対象に教育費を税額控除する「教育費減税」制度の創設が必要である。

 この他、ICT環境の整備や学校施設の耐震化及び空調・換気設備等の整備、省エネ・脱炭素化対策なども急務であり、政府が推進する高等学校段階からの海外留学についても、国による支援策の充実が不可欠である。

 このように、公教育の一翼を担う私立学校が、国の進める教育改革に的確に対応し、特色ある質の高い教育を提供できるよう、国には財政基盤の安定のため、全面的な財政支援が求められる。

 よって、政府及び国会においては、私立学校教育の重要性に鑑み、教育基本法第8条の「私立学校教育の振興」を名実ともに確立するため、私学助成に係る国庫補助制度を堅持し一層の充実が図られるよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

令和5年10月12日

                      山梨県議会議長

提 出 先                                  

衆議院議長 参議院議長
内閣総理大臣 総務大臣
財務大臣 文部科学大臣

                      提 出 者  山梨県議会議員

                               河西 敏郎 久保田松幸 山田  一功
                               渡辺 淳也 流石 恭史 臼井 友基
                               桐原 正仁 古屋 雅夫

 議第18号

議第18号

地方財政の充実強化を求める意見書

 

 いま、地方公共団体には、急激な少子・高齢化に伴う医療・介護など社会保障制度の整備、子育て施策、人口減少下における地域活性化対策はもとより、デジタル化、脱炭素化、物価高騰対策など、極めて多岐にわたる役割が求められている。

 しかし、現実に地域公共サービスを担う人員は不足しており、疲弊する職場実態にある中、新型コロナウイルス、また多発する大規模災害への対策も迫られている。

 これらに対応する地方財政について、政府は「骨太方針2021」において、2021年度の地方一般財源水準を2024年度まで確保するとしているが、それをもって増大する行政需要に十分対応し得るのか、大きな不安が残されている。

 よって、2024年度の政府予算と地方財政の検討に当たっては、歳入・歳出を的確に見積もり、地方財政の確立を目指すよう、次の事項の実現を強く要望する。

 

1 社会保障の維持・確保、人への投資も含めた地域活性化、デジタル化、脱炭素化、防災・減災、物価高騰対策、地域公共交通の再構築など、増大する地方公共団体の財政需要を的確に把握するとともに、それを支える人件費を重視し、十分な地方一般財源総額の確保を図ること。

2 今後一層求められる子育て対策、また地域医療の確保、介護や生活困窮者の自立支援など、急増する社会保障ニーズが自治体の一般行政経費を圧迫することから、地方単独事業分も含め、十分な社会保障経費の拡充を図ること。特に、これらの分野を支える人材確保に向けた自治体の取り組みを十分に支える財政措置を講じること。

3 地方交付税の法定率を引き上げるなどし、臨時財政対策債に頼らない、より自律的な地方財政の確立に取り組むこと。また、地域間の財源偏在性の是正に向けては、所得税や偏在性がより小さい消費税を対象に国税から地方税への税源移譲を行うなど、より抜本的な改善を行うこと。

4 特別交付税の配分に当たり、諸手当等の支給水準が国の基準を超えている自治体に対して、その取り扱いを理由とした特別交付税の減額措置を行わないこと。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

 

令和5年10月12日

                      山梨県議会議長

提 出 先                                  

衆議院議長 参議院議長
内閣総理大臣 総務大臣
財務大臣 厚生労働大臣
農林水産大臣 国土交通大臣
内閣官房長官 内閣府特命担当大臣(こども政策)
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

                      提 出 者  山梨県議会議員

                               河西 敏郎 久保田松幸 山田  一功
                               渡辺 淳也 流石 恭史 臼井 友基
                               桐原 正仁 古屋 雅夫

 議第19号

議第19号

保育施設における職員配置基準等の改善を求める意見書

 

 近年、公立・私立にかかわらず保育施設などにおいて、子供の安全が脅かされる事態が多く発生している。

 これら施設での重大事故は、保育士等の人員不足が大きな原因であることは明らかであり、子供の命と安全を守るため、国が定める現行の保育士の配置基準とともに、保育士等の処遇を改善する必要がある。

 よって、国においては、次の事項について適切な措置を早急に講じられるよう強く要望する。

 

1 保育士の配置基準を英国、フランス、ドイツなどの欧米先進国並みの水準に改善すること。

2 保育施設・放課後児童クラブ等職員の給与が他の業種と比較して適切な水準となるよう、処遇改善を図るための予算措置を行うこと。また、正規職員としての就労を希望する非正規職員の正規雇用化を促すための支援策を講じること。
3 保育施設・放課後児童クラブ等職員の人員確保策を迅速に策定・実施すること。

 

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

 

令和5年10月12日

 

                      山梨県議会議長

提 出 先                                  

衆議院議長 参議院議長
内閣総理大臣 総務大臣
財務大臣 文部科学大臣
厚生労働大臣
内閣府特命担当大臣(こども政策)

                      提 出 者  山梨県議会議員

                               河西 敏郎 久保田松幸 山田  一功
                               渡辺 淳也 流石 恭史 臼井 友基
                               桐原 正仁 古屋 雅夫

 議第20号

議第20号

再審法改正を求める意見書

 

 自分に責任がないにもかかわらず服役させられ、あるいは命を奪われるなど、えん罪により処罰されることは国家による最大の人権侵害の一つである。そして、再審手続はえん罪被害者を救済する最後の手段である。

 しかしながら、現行の刑事訴訟法では、再審手続に関する規定はわずか19箇条しかなく、再審手続をどのように行うかは裁判所の広範な裁量に委ねられている。そのため、再審請求事件の審理の進め方は裁判所によって様々であり、いわゆる再審格差と呼ばれるような裁判所ごとの格差が目に見える形で現れている。したがって、再審における手続きの整備の必要性が強く求められている。

 通常の刑事事件の裁判では一定の要件の下で証拠開示が制度化されたが、再審における証拠開示について定めた明文の規定が存在していない。検察や警察といった捜査機関にはえん罪被害者に有利な証拠が存在している可能性があるにもかかわらず、検察官にはそのような証拠を開示する義務がなく、証拠が開示されるかは裁判官及び検察官の裁量にかかっているため、無罪証拠が隠されたまま再審請求を認めない判断が確定する可能性もある。証拠開示の制度化は再審開始決定に大きく影響する。例えば、いわゆる袴田事件においては、再審請求審において検察官がー貫して存在を否定していた「5点の衣類の写真」のネガフィルムを開示させたことが、本年3月の再審開始決定の確定に大きく影響した。

 再審開始決定がなされても、検察官がこれに不服申立てを行う事例が相次いでいる。袴田事件は2014年(平成26年)3月に再審開始が決定されたが、検察官が不服申立てをしたために、この決定が確定したのは2023年(令和5年)3月であり、約9年も経過した。検察官の不服申立てによりえん罪被害者の速やかな救済が妨げられていることは明らかである。

 よって、国においては、えん罪被害者を早期に救済するために、次のとおり再審法を改正することを強く要望する。

 

1 再審請求審において、全ての証拠を開示するルールを作ること。
2 再審開始決定に対する検察官の不服申立てを禁止すること。
3 再審手続を整備すること。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

令和5年10月12日

 

                      山梨県議会議長

提 出 先                                  

衆議院議長 参議院議長
内閣総理大臣 法務大臣

                      提 出 者  山梨県議会議員

                               河西 敏郎 久保田松幸 山田  一功
                               渡辺 淳也 流石 恭史 臼井 友基
                               桐原 正仁 古屋 雅夫

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