ここから本文です。

 

山梨県の現在の警報発令伝染性紅斑(富士・東部、甲府市) 

 

100kouhan
 

この時期注意が必要です!

kaigaimadani  corona

 

YCDC医師からのメッセージ

 定点情報(2025年第31週:7月28日~8月3日)/ その他情報(公表までに把握した情報)

                             (8月7日 山梨大学医学部附属病院 鈴木哲也 医師)

【要約】
・新型コロナウイルス感染症:新規感染者の報告数は過去の流行時と比較すると控えめですが、確実に増加しています。毎年お盆休みの前後に夏のピークを迎えていたことを考えると、来週以降に感染者数はさらに増加する可能性があります。
・百日咳:流行が続いています。生後2か月から接種できるワクチンを確実に接種しましょう。
・伝染性紅斑:引き続き一部の地域で警報が続いています。手洗いなどの基本的な感染対策を続けることが大切です。
・蚊媒介感染症:流行地域へ行く方は、素肌の露出を避ける・虫除け剤を使用するなどの対策をとりましょう。帰国後、特に1-2週間くらいしてから発熱などの症状を認めた場合、海外に行っていたことを医療機関に必ず伝えるようにしましょう。


〇リスクアセスメント
【新型コロナウイルス感染症】
この週の報告数は定点医療機関あたり5.49 (報告総数192人)、基幹定点医療機関の入院患者数の合計は15人でした。前週(第30週)の数値は定点医療機関あたり4.94 (報告総数 173人)、入院患者数11人でした。前週と比べると今週の数値はいずれもわずかに増加しています。年代別に見ると10歳未満と50代の新規感染者が増加傾向です。
県全体での新規感染者の報告数は過去の流行時と比較するとまだ控えめですが、報告数が少なかった5月から6月の数値(定点医療機関あたり1.0前後)と比べると確実に増加しています。毎年、8月中旬のお盆休みの前後に新規感染者数が夏のピークを迎えていたことを考えると、来週以降に感染者数はさらに増加する可能性があります。ただし、来週・再来週はお盆の時期に伴って医療機関の休診が見込まれるため、発表される報告者数には反映されないかもしれません。

【伝染性紅斑】
依然として富士・東部保健所管内と甲府市では多くの新規感染者数が報告されており、警報が維持されています。

【百日咳】
山梨県内の今週分の新規届出件数は21件でした。年間で合計252件に達しています。

【チクングニア熱】※直近では報告されていませんが、海外での流行情報として掲載いたします。
チクングニアウイルスによる感染症で、中国南部の広東省での流行が報じられています。もともと熱帯・亜熱帯地域で流行している感染症で、蚊を介して感染が広がります。感染後、1週間程度の期間(潜伏期間)をあけて発熱や皮膚の発疹、関節痛や筋肉痛などの症状が出現しますが、特に関節痛や筋肉痛の症状が強いことが知られています。チクングニア熱に直接的に効果のある抗ウイルス薬はありませんが、発熱などの症状は通常1週間程度で自然に改善します。ただし、関節痛は長期間続く場合があります。


〇対応
新型コロナウイルス感染症はこれから感染者が増える可能性があります。これからのお盆休みの期間には帰省や旅行といった予定を組んでいる人も多いかもしれません。ご自身の体調管理には十分に気を配っていただき、体調が悪いときや発熱・咳などの症状がある場合は予定を変更したり、咳エチケットをいつも以上に心がけたりしてください。また、かかりつけの医療機関の休診に備えて、相談ダイヤルなどの連絡先を確認しておくようにお願いします。周囲の流行状況に気を配り、手洗いなどの基本的な感染対策を続けるようにしましょう。

伝染性紅斑も引き続き一部の地域で警報が続いています。手洗いなどの基本的な感染対策を続けることが大切です。また、百日咳も流行が続いています。生後2か月から接種できるワクチンを確実に接種しましょう(定期接種)。さらに、産まれてくる子を百日咳から守るために、百日咳を含むワクチンを妊婦が接種するという方法もあります(任意接種)

海外に目を移すと、中国南部の広東省ではチクングニア熱が流行しているとのことです。広東省に限らず、熱帯、亜熱帯地域では蚊によって感染する病気が数多くあります。これからそのような地域に海外旅行を予定している方は、防蚊対策として素肌の露出を避けるような服装を心がけ、さらに虫除け剤も活用してください。虫除け剤は有効成分としてディート(DEET)またはイカリジンを含む製品を選びましょう。有効成分の濃度が高いほど効果の持続時間が長くなります。ディートなら30%、イカリジンなら15%の製品で虫除け効果が約6時間持続するといわれています。そして、このような地域から帰国後、特に1-2週間くらいしてから発熱などの症状を認めた場合、海外に行っていたことを医療機関に必ず伝えるようにお願いいたします。

 

*関連ページ
百日咳 ⇒ 山梨県感染症ポータルサイト / 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構
伝染性紅斑 ⇒ 山梨県感染症ポータルサイト / 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構
チクングニア熱 ⇒ 厚生労働省 / 国立健康危機管理研究機構

医療機関を探す:医療情報ネット
急な病気やけがに関して相談する場合:救急安心センターやまなし(#7119)について
小児に関して相談する場合:小児電話相談(#8000)について

 

感染症発生状況

 

今週の感染症発生状況はこちら をご覧ください ! 

 *保健所毎疾患毎(インフルエンザ・コロナ・RSウイルス・感染性胃腸炎など)に今週の状況がご覧になれます。

      2025年8月7日作成

インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症について県内35箇所(2025年14週までは41箇所)の定点医療機関から
報告された患者数及び1医療機関あたりの患者数を集計しました【赤色警報 黄色注意報】。

対象期間:2025年第31週〔2025年7月28日(月曜日)~2025年8月3日(日曜日)〕

      トップページインフルエンザ流行マップ警報・注意報なし                              新型コロナウイルス感染症流行マップ(白)                           

  ◆下記数値は、「初回公表時点での数値」を掲載しています。また、医療機関から報告がなかった場合は定点当たり数値の算出対象から除いています。

インフルエンザ   
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
31週 報告数 12 5 5 - - 2
定当 0.34 0.42 0.83 - - 0.29
30週 報告数 - - - - - -
定当 - - - - - -
29週 報告数 - - - - - -
定当 - - - - - -
28週 報告数 3 - 1 - - 2
定当 0.09 - 0.17 - - 0.29
27週 報告数 3 - 3 - - -
定当 0.09 - 0.50 - - -
新型コロナウイルス感染症*
山梨県 中北 峡東 峡南 富士・東部 甲府市
31週 報告数 192 83 49 19 14 27
定当 5.49 6.92 8.17 6.33 2.00 3.86
30週 報告数 173 89 23 9 24 28
定当 4.94 7.42 3.83 3.00 3.43 4.00
29週 報告数 130 78 14 6 11 21
定当 3.71 6.50 2.33 2.00 1.57 3.00
28週 報告数 112 52 23 4 10 23
定当 3.20 4.33 3.83 1.33 1.43 3.29
27週 報告数 114 36 27 8 28 15
定当 3.26 3.00 4.50 2.67 4.00 2.14

※15週報告から、定点医療機関数が変更(減少)しています。推移を確認する場合は「定当」(定点あたり患者数)をご参考ください。
*本県独自基準 以下の数値を目安にYCDC医師と協議の上決定(注意報目安:定点あたり10以上、警報目安:定点あたり15以上)

発生動向に関する各種資料 (定点把握対象疾患・全数把握対象疾患の発生状況病原体検出状況などがご覧になれます)

集団感染事例及び学級閉鎖等措置状況(PDF:32KB) ※過去の分はこちら
 
施設から報告のあった事例保健所及び施設種類ごとにご覧になれます。県保健所管内のみの情報です)

  *2024年第36週以降の状況
    新型コロナ措置状況(PDF:64KB)
    インフルエンザ措置状況(PDF:62KB)
    感染性胃腸炎措置状況(PDF:63KB)
  *甲府市の状況は こちら

 

新型コロナウイルス感染症について

 新型コロナウイルス感染症とは、新型コロナウイルスによって起きる感染症です。主に鼻やのど、気管、肺などの臓器(呼吸器)に感染し、インフルエンザや風邪に似た症状を引き起こします。
   *新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけは、令和5年5月8日から「5類感染症」に移行しました。

新型コロナウイルス感染症に関する詳細情報は以下のページをご覧ください。

 

下水サーベイランス

 下水中のウイルスを検査・監視する下水サーベイランス(下水疫学調査)は、受診行動や検査数等の影響を受けることなく、無症状感染者を含めた感染状況を反映する客観的指標としての活用が期待されています。
 本県では感染状況のトレンドを把握し、感染対策に活用するため、令和5年7月から下水サーベイランス事業を実施しています。

 詳しい情報は こちら

最新・話題のレポート


 〇厚生労働省や国立感染症研究所などが公表する最新・話題のレポート

 〇YCDCレポート

 〇感染症対策グループHP

山梨県で発生している感染症情報

警報

伝染性紅斑(富士・東部保健所、甲府市保健所管内)

注意報

なし