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ページID:78911更新日:2020年4月30日

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補助事業による新規導入設備(平成18年度)

山梨県産業技術センターは、日本自転車振興会より、公設工業試験研究所の設備拡充補助事業により補助金の交付を受け、設備の拡充等の事業を実施しました。

補助事業の概要

山梨県では、先端の電子機器部品関連、液晶・半導体製造装置関連の立地が進んだ結果、これらの企業の下請けとして機械、金属、電気、精密などいわゆる基盤的技術産業の企業が集積し、山梨県の製造品出荷額の6割、事業所数で5割を占めるまでになってきました。これらの企業は、国際競争時代を迎え多岐に渡る技術課題を抱えていますが、中でも製品の精度や強度、性能を保証する信頼性技術の確立は大きな問題となってきており、そこでは信頼性技術を製品の設計段階から取り入れた短期開発能力が求められています。当センターにおいても、環境試験機器を活用し、環境因子が製品の寿命や性能に与える影響に関する分析・評価についての技術支援要請が増加してきています。

一方、EU加盟国で2006年7月より実施される有害物質の使用を制限するRoHS指令により、EU向けの輸出製品は鉛フリーはんだや三価クロム利用への移行を余儀なくされており、それらの信頼性に関する技術相談も増加している状況にあります。

しかし、中小企業が実施しなければならない信頼性試験は、大手メーカからメーカ独自の試験条件を設定されたり、JIS規格以外への対応を求められるなど、年々厳しい試験条件となってきており、産業技術センターが保有する設備では、企業の多様化した要求に十分な対応をすることが難しい状況となってきました。

このような背景の中、産業技術センターに寄せられる信頼性技術に関する技術相談、依頼試験、設備利用は増加傾向にあり、その内容についても多岐多様で高度なものとなってきています。このような信頼性技術への対応は、重要な課題と捉え積極的な対応図っていかなければならないこととして位置づけているところであります。県内企業の信頼性技術の向上を図るには、企業個々の技術の高度化を図ることはもとより、新たな環境試験機器を導入し技術の総合支援拠点である産業技術センターの信頼性評価機能の強化・拡充を行い、これまで対応が困難であった電子部品や機械部品の寿命や性能の分析・評価ができる体制を整備することが緊急の課題であります。

そのため、本事業では、山梨県産業技術センターに新たに環境試験機器を導入し、企業の技術力の高度化、競争力の維持・強化図るとともに、企業の新たな市場への参入を促し、もって基盤的技術産業の活性化と一層の強化を図ることを狙いとしています。

予想される事業実施効果

本事業で導入した環境試験機器(恒温恒湿槽、冷熱衝撃試験機)では、極低温や極低湿度、高温から低温への急激な変化など、従来より一層厳しい条件での評価試験が実施できることから、親企業からの要請や企業独自で設定している従来にない厳しい試験条件での電子・機械部品の評価や、鉛フリー化対応への評価試験(2006年7月以降、EU圏内で販売される製品に義務づけられた)に対応することができます。このように技術の総合支援拠点である産業技術センターの信頼性評価機能の強化・拡充を行い、これまで対応が困難であった電子部品や機械部品の寿命や性能の分析・評価ができる体制が整備されたことによって、複雑かつ高度化している企業側の技術支援要請にも迅速かつ的確に対応することが可能となり、中小企業の信頼性に関する技術力向上に寄与することができるものと考えています。

本事業により導入した設備

恒温恒湿槽

  • 設置場所

甲府技術支援センター実験棟1F環境試験室

  • 概要

本装置は、温度・湿度条件を制御する容器で、長時間一定の温度・湿度を保つことができる装置です。低温試験、高温試験、恒温恒湿試験、そして各試験の組み合わせによる温湿度サイクル試験など各種の信頼性試験を行うことができます。

  • 仕様

温度範囲-40~+100℃

湿度範囲5~98%

テストエリア寸法W600×H850×D800(mm)

(株式会社エスペックPDL-3KP)

 

恒温恒湿槽

冷熱衝撃試験機

  • 設置場所

甲府技術支援センター実験棟1F環境試験室

  • 概要

本装置は高温と低温を短時間で交互に繰り返し与えることができる装置です。

電子部品、機械部品及びそれらに関連する部品に対して、急激な温度変化を与えることにより、機器および部品・材料が受けるストレス(物理的な損傷や性能の低下)を調べる試験に使用できます。

  • 仕様

音素範囲高温側60~200℃

温度範囲低温側-70~0℃

テストエリア寸法W390×H460×D390(mm)

(日立アプライアンス株式会社ES-76LH)

冷熱衝撃試験機

複合サイクル試験機

  • 設置場所

甲府技術支援センター実験棟1F環境試験室

  • 概要

本装置は、塩水噴霧、乾燥、低温、湿潤、外気導入の各条件を自動サイクル運転することにより、各種工業材料及び製品の耐腐食性を評価する試験機です。主にめっきなどの表面処理を施した電子部品や機械部品について、各種の規格に準じた評価試験が可能です。

  • 仕様

塩水噴霧試験:室温+10℃~50℃

乾燥試験:室温~80℃

低温試験:室温~-30℃

湿潤試験:40℃~60℃、60%RH~95%RH

外気導入:外気温度

試験槽内寸法:幅1000mm×奥行600mm×高さ500mm

(板橋理化工業株式会社BQD-2)

複合サイクル試験機

事業内容についての問い合わせ

団体名

山梨県産業技術センター・甲府技術支援センター

住所

400-0055

山梨県甲府市大津町2094

担当部署

恒温恒湿槽:電子システム技術部システム開発科

冷熱衝撃試験機:電子システム技術部システム開発科

複合サイクル試験装置:材料・燃料電池技術部化学・燃料電池科

担当者

試験装置についてのお問い合わせは担当部署にお願いします。

電話番号

055-243-6111(代表)

ファックス番号

055-243-6110

E-Mail

yitc-cap@pref.yamanashi.lg.jp

URL

http://www.pref.yamanashi.jp/yitc/

この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。

YamanashiPrefecturalIndustrialTechnologyCenter.AllRightsReserved.

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