トップ > 福祉と農業の連携について
ページID:54442更新日:2016年2月25日
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県では、障がい者が就職するための学習の場として、高等支援学校の開校を決定し、その産業技術科の中に、「農業生産」や「食品加工」を学べるコースを設置する予定と聞きました。
ですが、ここで学び、卒業しても、就職先はあるでしょうか。
仮に、農業生産法人で障がい者を受け入れるとしても、そのための知識をもつ人が必要となるので、多くの受け入れは難しいと思います。
ならば、県、JA、農業を営む保護者が力を合わせ、障がい者の働ける場を作っていけば良いと思います。
そういう場があることで、支援学校の実習の場としても活用でき、卒業後の就労もスムーズになるだけでなく、個人の能力に合わせた仕事も作り出せると思います。
農家の後継者不足、新規就農者の確保のためにも、福祉と農業が連携できる体制を作って下さい。
障がい者の就労の選択肢として、「農業」があっても良いと思います。
いただいた「福祉と農業の連携」の件について、福祉保健部障害福祉課、農政部担い手対策室及び教育庁新しい学校づくり推進室からお答えします。
まず、高等支援学校における就労支援についてです。
県では、軽度の知的障害のある高等部生徒に対する職業教育の充実を図るため、新たな高等支援学校を平成27年4月に開校する予定です。この高等支援学校には「産業技術科」という職業学科を設置し、「農業生産コース」、「食品加工コース」及び「環境メンテナンスコース」の3コースを設置することとしており、より専門的な知識・技能を習得させ、できるだけ就労に直結させたいと考えています。
特に「農業生産コース」については、県の基幹産業でもあることから、農業科や園芸科を有する高等学校とも連携し、卒業後の就労先を考慮しながら、新たな高等支援学校に必要な施設・設備や教育課程(カリキュラム)などについて、検討しています。
また、「障害者技能検定制度」の構築についても、検討を始めています。障害のある方々の雇用を希望する事業主が、就労者の職業能力を客観的に判断できるような制度とする予定であり、「農業生産コース」を始め、新たな高等支援学校に設置する3コースと「障害者技能検定制度」を関連付け、生徒の実態に即した就労が可能となるよう取り組んでいます。
次に、障害のある方々の農業への就労についてです。
県では、企業への就労を希望する障害のある方々に対する支援を、効果的かつ継続的に推進していくために、職場実習受入先を確保することを目的とした助成制度を設け、平成19年度から昨年度までに合計28企業に対し、バリアフリー工事などを行ってきました。お問い合わせのありました農業に関連するものとしては、本年3月に、甲州市の農業法人が作付けする畑(5か所)に休憩所やトイレの設置を行うと共に、山中湖村の企業が経営する養豚場に安全扉の設置などを行ったところです。
県内において、障害のある方々が農業に就労されている事例としては、北杜市の社会福祉法人が農業生産法人を設立し、就労の場として花苗や蘭の生産に取り組んでいる事例、東京の大手IT企業が社会貢献活動及び障害者の法定雇用率の確保のために北杜市でベビーリーフの生産に取り組んでいる事例、南アルプス市のNPO法人が障害者施設と協力して農業生産に取り組んでいる事例等の他、障害のある方々を雇用して農業生産を行っている農業法人などもありますが、まだまだ一握りに過ぎません。
●●様のご指摘のとおり、一般の農業生産の場においては、受け入れるための指導者もおらず、休憩所やトイレなどの就業環境も十分に整備されていないため、障害のある方を雇用する環境がまだまだ整っていないのが実態です。
しかし、例えば、出荷・調整作業などのように、慣れれば健常者よりも能力を発揮する作業もあるとのことですので、今後は、障害のある方々が能力を発揮しやすい場への就労について、検討していく必要があると考えています。
現在、企業の農業参入等で大規模な施設園芸型の農業生産施設の建設が何件か計画されており、一施設につき出荷調整作業に20~30人の雇用が必要とされています。今後は、こうした場への、障害のある方々の就労が確保されるよう、参入企業に対して働きかけを行っていきます。
今後とも、農業への就労を始め、特別支援学校高等部卒業生の社会自立に向けた取り組みを一層進めて参りますので、ご理解とご協力のほどよろしくお願い致します。
このたびは、貴重なご意見等をいただき、ありがとうございました。
受理日 | 2013年04月15日 |
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回答日 | 2013年04月22日 |