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知事記者会見(平成20年12月26日)

詳細内容

平成20年12月26日知事記者会見の様子(JPG:24KB)知事記者会見
平成20年12月26日(金曜日)11時30分から
本館2階特別会議室

●発表事項

なし

●質疑応答
・「雇用対策について」
・「富士山の世界遺産登録について」
・「全国学力テストの公表について」
・「職員の綱紀粛正について」
・「今年を表す漢字一文字について」
・「今後の県財政の見通しについて」
・「来年の観光キャンペーンについて」
・「甲府城の整備と年末年始の過ごし方について」

<発表事項>

なし

●「この1年を振り返って」

(知事)今年も残りわずかとなったわけでありますけれども、皆様方には、今年1年大変お世話になりまして、ありがとうございました。
早いものでございまして、私が知事に就任いたしましてから、もう1年10箇月ということで、そろそろ折り返し点を迎えることになるわけであります。この間実現できたこともありますし、またやり残していることもあるわけでありますけれども、全力投球でやってきたことだけは自負できると思っております。県民の皆さんからも沢山の温かい激励をいただきまして、この場をお借りして、心から御礼を申し上げたいと思います。
さて今年は、経済が激動をした年でありました。年の初めには、原油や原材料価格が高騰し、そして年の途中からアメリカ発の金融危機が発生し、株価が急落し、世界同時不況というような状況となりました。そして今は、100年に1回というような、戦後最も急激な景気の急落、景気後退が起こっているということであります。県としては、御案内のように9月と12月と、2回県独自の景気対策を講じました。とりわけ、中小企業の皆さんに、この資金繰りを乗り切っていただくために、いわゆる県の制度融資の融資枠を大幅に拡大したところでありまして、今この時間も、聞くところによりますと、多くの融資の申し込みが殺到しており、そして融資が行われているという状況でありまして、中小企業の皆さんがこの苦境を乗り切っていくうえで、一定のお役に立てたものと思っているところであります。
それからそういった中で、山梨を元気にする施策についても、この1年間着実に実施してまいりました。観光について申しますと、昨年大河ドラマの「風林火山」で、本県の観光客が大幅に増加したわけでありますけれども、それを是非とも維持しようということで、今年の春は、デスティネーションキャンペーンというものを行い、富士山の登山客が過去最高になったということに象徴されるように、観光客も好調を維持した。11月くらいになりまして、この不景気の影響で大幅に落ち込んできておりますけれども、全体として好調を維持してきたと思っております。
また、企業立地の関係も、昨年と同様に20件を超える企業立地が見込まれているというところであります。
また、私はかねてよく申し上げておりますけれども、本県の場合には、農産物も地場産品も、大変に質の高い、ニーズの高い良い物ができるわけでありますが、その販売の努力が十分になされていないために、結局大都市の卸売業者とか小売業者さんに利益の多くを取られて、利益が上がらない、儲からない、結果的に跡継ぎがいない、そして衰退をしていくという状況をたどっていると思っておりまして、販売努力を強化することが大事だという意味から、トップセールスということを、今年も国の内外にわたって事業者の皆さんと一生懸命やりました。その結果として、例えば洞爺湖サミットで本県のワインが複数採用されたり、使用されるということがありましたり、一定の成果が上がっているのではないかと思っているところであります。
それから、県政の大きな課題は、福祉と医療の問題でありますけれども、今年特に話題になりましたのは、県立病院の経営形態の問題でございまして、議会の皆様、県民の皆さんから様々な議論が寄せられました。そういった議論を参考にさせていただいて、私としては、最終的に公務員型の地方独立行政法人ということが適当だと判断をさせていただいたところであります。この詳細については、既にこの場で報告をいたしましたから、省略をさせていただきますけれども、「マグネットホスピタル」という言葉がございまして、良い病院というのは、研修医さんとか良いお医者さんや看護師さんが集まってくる、そうすると患者さんも集まってくる、そうすると経営も良くなってくる。そういうようなマグネットホスピタルと言えるような病院に是非なってもらいたいと思っております。幸い、小俣政男先生という医療の世界的権威を理事長としてお迎えをすることができまして、従来以上に、県立病院は県民の医療を担う質の高い病院になっていくと確信をしているところであります。
さて来年は、さらに厳しい年になると思っております。県庁組織というのは、県民生活を守る砦だと私は思っておりまして、中小企業の皆さんが、この苦境を歯を食いしばって乗り切っていただけるようにする、また、この失業や雇用調整が広がっていく中で県民の生活を守る、そのために先頭に立って努力をしていかなければならない、それが県庁の使命だというように私は思うわけであります。県民と苦楽を共にするという意味で、過日御案内のように、管理職以外の一般の職員も含めて、給料のカットをさせていただいたわけでありますけれども、来年は、県庁が県民の皆さんと共に、また先頭に立ってこの苦境を乗り切っていく、そういう姿勢で努力をしていきたいと思っているわけであります。
そして、5年、10年、20年という長期を見通していきますと、本県の場合には明るい材料が沢山あるわけであります。ここに白籏史朗先生の写真がございます。これは私は非常に今の山梨を象徴していると思うものでございますから、ここに掲げているわけでございます。この、目先は非常に暗い、そして富士山の上には不安な雲が懸かっているわけであります。しかし遠くの方から明るい光が差し込んでいるという写真でありまして、この写真が山梨の今を象徴しているのではないかと思うわけであります。御案内のようにリニア中央新幹線は17年後の開通を目指して、大きな力強い一歩を踏み出してきておりますし、また中部横断自動車道も10年後の開通を目指して、確実に今進んでいるところであります。山梨大学の燃料電池研究プロジェクトも、いよいよ来年は研究所が立ち上がって、本格的な研究が始まることになります。さらに、過日地球温暖化対策条例を制定いたしましたけれども、本県の場合には、日照時間日本一ということで、太陽光発電にも適しておりますし、また周りが高い山に囲まれておりまして急流が多いですから、小水力発電にも適しておりますし、それから森林が8割でありますから、バイオマスエネルギーの活用の可能性もあるということで、そういったクリーンエネルギー先進県になっていくのではないか、またしていかなければならないと思っております。そういう明るい未来の展望、夢を持ちながら、苦しいこの時を県民と一緒に乗り切っていきたいと思っております。以上であります。

<質疑応答>

●「雇用対策について」

(記者)先ほど山梨労働局から発表があったのですが、11月の有効求人倍率が、過去最低の0.7倍で、非正規雇用の雇止めが702人ということで、県内の雇用情勢も厳しくなっているのですが、こうした情勢についての知事のご感想と、国の来年度予算で、雇用創出のための基金を各都道府県において設置して、それぞれ事業を実施するようにということが位置づけられたのですけれど、県としてそれらを活用して、どのような雇用対策をとっていきたいとお考えなのか、その2点をお願いします。

(知事)ご指摘がありましたとおり、有効求人倍率は、数ヶ月前は全国平均を上回っていたわけですけれども、急速に低下をいたしまして、11月は0.7と統計を取り始めてから一番低い記録が出ているわけでありまして、雇用が非常に深刻な事態だと受け止めております。その原因分析については、まだ(調査結果が)出たばかりですから、今担当にさせているところですけれども、要は求人が少なく、求職が増加をしているということは言うまでもありません。従って当面の対策として、雇用対策が重要であることはいうまでもないことであります。
お話しがありましたように、国の方は第2次補正予算において、「ふるさと雇用再生特別交付金」と「緊急雇用創出事業」という2つの事業、合計4千億円の事業を計上しております。これが1日も早く、国会を通過して動き出すことを願っております。これによって合計4千億円、本県の場合にはおそらく40億円くらいの金額が来るかと思いますが、これで基金をつくりまして、その基金を使って雇用創出のための施策を展開する。国の補正予算が成立をいたしましたら、2月の本県の補正で、それを予算として計上したいと思っております。
もうひとつ国の施策として、今のふるさと雇用再生特別交付金事業と緊急雇用創出事業が動き出す前の段階として、これは総務省の方からでありますが特別交付税措置が使えるというかたちになっております。従いまして、既に各部に指示をしておりますけれども、来春早々にはこの特別交付税を使って、雇用対策を2月補正に先立って打ち出していきたいと思っているところです。具体的な中身は今検討中ですので、申し上げられる段階ではありません。以上です。

●「富士山の世界遺産登録について」

(記者)富士山の世界遺産登録について伺います。2009年は世界遺産登録に向けてどういう段階に入ると知事はお考えか、また取り組みで重要になるのはどの点かということをお聞かせ下さい。

(知事)2008年、今年の11月に国際シンポジウムを、外国の世界遺産関係の学者お二人を招いて実施をいたしました。お二人とも世界文化遺産登録の権威といわれる方、とりわけカナダのキャメロン教授は、今年カナダでの平泉の審査をした世界文化遺産委員会の議長をされた方でありまして、リーダーシップを取っている方であります。この方もおいでになって、国際シンポジウムを行ったわけでありますけれど、富士山というものは、文化的な高い価値を持っているということについては評価をいただきまして、登録への手応えが得られたと思っているところであります。
2009年は、具体的にどういう事をするかということですけれども、具体的にはユネスコに出す推薦書の準備をすること、それからそのためには、保存準備計画という、コアゾーンというか資産の周辺をどうやって保存管理するかという計画を作っていかなくてはならないのですが、そういう作業を進めるわけであります。要は、国際シンポジウムでも指摘をされていましたけれども、富士山というものが、信仰や芸術とどういった関わりをもっているかということを確実に証明し、とりわけ国際的にも分かりやすく説明することが大変大事でありまして、そういうことに十分配慮をしながら、富士山の文化的な価値というものを海外の方々にも理解していただけるように、わかりやすく説明するという考え方で今のような作業をしていくわけであります

(記者)そうしますと、平成23年の登録目標ということには変更はないということでしょうか。

(知事)今の時点では変更はしておりません。(平成)23年の登録ということを目標として、これからいろいろな作業をしていくわけでありますが、もちろんいろいろな課題が多いわけでありますので、そういう課題を1つひとつ確実に解決をして、クリアしていきたいと思っております。

●「全国学力テストの公表について」

(記者)昨日、秋田県の寺田知事が、全国学力テストの結果について、独自の判断で市町村別の平均正答率というものを公表したわけですけれども、それに対する知事のご感想と、これまで県は、各市町村の教育委員会に公表についての判断を委ねたいという立場であったと思うのですけれども、そういう方針に変化はないか、現在もそういう方針であるかということについてお願いします。

(知事)秋田県知事は、ご本人の判断でそうおやりになったのですけれども、やはり国の実施要領というものがありまして、それにおいても市町村毎の公表というのは、各市町村の判断に委ねるということになっています。
それより何より、各市町村の小中学校というのは、各市町村の教育委員会が管理をしているのであり、従って地方自治という観点からしても、市町村を飛び越して県が公表をするというのは、やはり適当ではないのではないか、やはりまず、その小学校、中学校を管理している市町村の判断が優先されるべきであって、それを無視して県が出すというのは適当ではないと思っておりますから、従来から申し上げておりますように、市町村あるいは市町村教育委員会が判断をすることだと私は思っております。

●「職員の綱紀粛正について」

(記者)先ほど1年間を振り返っていただきましたけれども、2008年は事務処理ミス、それから職員によるひき逃げ事故など、不祥事もいくつか相次ぎましたけれども、そういう意味では知事ご自身、今年1年振り返ってどう感じられたのかということと、来年に向けてそういう意味での抱負を教えていただけますでしょうか。

(知事)おっしゃるように事務処理ミスがあり、またいくつか不祥事がありました。1万5千人の県庁職員のほとんどは、真面目に誠心誠意仕事をしている中で、ごく一部の不注意あるいは不心得によって、県庁職員全体に対する県民の信頼が失われるというのは、全く残念なことで、腑(はらわた)が煮えくりかえる思いが何度かしたものであります。
これについてはなかなか、これでピタリと治まるというものはありませんで、事務処理ミスについては、事務処理要領を作って、これを徹底していくということしかありません。それから不祥事については、やはりこれは1人ひとりの職員の自覚を促すしかないのでありまして、県民の生活が非常に厳しくなっている中で、公務員に対する目も非常に厳しくなっているわけですから、そういうことをいつも頭に置きながら、公務員としての自覚というものを常に持つように訴え続けるしかないと思っております。これからもいろいろな場で綱紀粛正の努力をしていきたいと思っているところです。

●「今年を表す漢字一文字について」

(記者)今も一年間を振り返っていただきましたけれど、今年を漢字一文字で表すとすれば何か、また、その理由をお願いします。

(知事)そういう話が出るかもしれないと思い考えてみたのですが、いろいろ考えてみると「落」ちるという字です。「らく」・「おちる」ということだろうと思います。
言うまでもなく、経済が急速に、戦後最大と言えるような落ち込みをしてきているということがありますし、それから政治の方も、与党・野党どちらが悪いということではなくて、こういう状況に対して適切な対応を取るのに時間がかかる。政治のガバナビリティということを言いますが、それが落ちていると感じますし、それから秋葉原の無差別殺人事件を見ても、国民のモラルというものも低下しているということもあるし、そういう意味からすると、落ちるという字が今年を表しているのではないかと、私はそう思っているわけです。


●「今後の県財政の見通しについて」

(記者)12月議会でもお話が出たかと思いますが、県の税収が、今後、大きく落ち込む見通しであるということが言えると思いますが、そういう景気対策等も求められる中、財政の今後の見通しを知事としてどうお考えになっているのかということをお聞かせください。

(知事)財政的にはお話がありましたように、法人税を中心として税収が大幅に落ち込む見込みでありますので、財政運営は従来にまして厳しいものがあると思っております。
そういう中で、いろいろな景気対策、とりわけ雇用対策を採っていかなければならないということですから、一段とメリハリの効いた予算編成を求められると思っております。
しかし、幸い国の方でかなりの手当をしてくれていまして、出口ベースでは4千億になるのですが、地方交付税も1兆円が前年に対して増加ということになりましたし、それから道路特定財源の一般財源化に絡んでも、従来、地方道路整備臨時交付金というものが7千億円でしたけれど、これが1兆円弱ということになりましたし、国において、地方の財政の苦境というものを認識して、いろいろな措置を採ってくれていると思っております。
それから、(県が)昨日発表した地域活性化・生活対策臨時交付金、これも第2次補正予算での生活対策の交付金でありまして、本県の場合には50億円(56億円)という、これは県の分だけですけれど、相当巨額のものが来て、かなり幅広く使えるようになったということもありますし、そういういろいろな国の手当がありましたので、その点はある程度楽になるなという感じはしておりますが、しかし、いずれにしても非常に厳しい財政事情であることは間違いありません。


●「来年の観光キャンペーンについて」

(記者)観光に関して、去年は風林火山があって、今年はDC(デスティネーションキャンペーン)があって、来年の県の観光ビジョンを知事はどのようにお持ちかということをお聞かせください。

(知事)観光は、やはり非常にきめ細かくキャンペーンをしていくということが基本ですので、それを切れ目無く打っていくということが大事だと思います。
今年はJR6社と一緒に「週末は山梨にいます。」というデスティネーションキャンペーンをやったわけです。全国1500の駅に山梨のポスターを貼ったり、その他もろもろのPRをやったわけですが、来年は4月から6月に「花と名水美し色の山梨キャンペーン」というキャンペーンを、これはデスティネーションキャンペーンとほとんど同じなのですが、JR東日本だけなんです。JR東日本だけと一緒に「花と名水美し色の山梨キャンペーン」というものをやることになっております。
それと併せて、来年は春にいろいろなイベントがありまして、例えば一つは、4月末から5月にかけて、7年に一回の善光寺の御開帳というものがありまして、来年は有史以来初めて3善光寺一緒にご開帳をやります。長野の善光寺、飯田にある元善光寺、それから甲府にある甲斐善光寺、この3つが一緒に御開帳をやるということは有史以来初めてということですが、そういうイベントがある。それから5月に、身延山久遠寺が130年ぶりに悲願として造った五重の塔の落慶法要があったりしますし、それ以外にもIVVオリンピアードという、競争しない、歩く、ウォーキングの国際大会が、やはり5月に富士北麓で開かれるということがありますし、信玄公祭りについても、再来年が40回で、再来年に向けて少し模様替えを大きくしようと考えて、今、検討中で、来年の第39回も今年とはかなり変わったものになっていくと思います。
そんなイベントがいくつかありまして、そういうものを組み合わせながら、来年の春の観光というものを盛り上げていきたいと思っております。
秋についても引き続きいろいろなキャンペーンを切れ目無く打ち続けていきたいと思っております。

●「甲府城の整備と年末年始の過ごし方について」

(記者)2点お伺いしたのですが、1点は舞鶴城公園といいますか武田城跡で高い建物が建っていたというような報告がなされたということについて、今後、県とすれば、いずれにしろ研究が中心になってくると思いますが、城の再建などをどのように考えておられるかということと、もう1点は、今年は曜日配列で冬休みが長いのですが、知事はどのようにお過ごしを考えておられるか、お伺いします。

(知事)甲府城については、これは言うまでもないことですが、武田の時代では無いんです。あれは徳川に入ってからの城です。武田が滅んだ後、(建てたのは)浅野です。豊臣時代に建てられ、徳川時代に入って大幅に拡張され、東日本では、江戸城に次ぐ大きさの規模を持った城と言われているわけです。
天守閣があったかどうかが話題になっていたわけですが、報告書によれば、天守閣と言えるかどうかは別として、かなり大規模な構築物があったということに結論づけられているわけです。
それでは、具体的にそういうものの復元をやるかどうかということでありますが、これからの検討になるわけですけれど、間違いなくあったと言われるのが、銅御門(あかがねごもん)・鉄御門(くろがねごもん)という門です。これは京都大学の資料からはっきりしましたし、形がだいたいわかるわけですから、そういうものは時間はかかるでしょうけれど、復元をしていきたいと思っております。
これは都市計画事業としてやっていくことになると思いますけれど、いつ、どういう手順でやるかは別として、そういうことは大いに検討対象になる。財政の厳しい折ですから、いつということは申し上げられないわけでありますが、それは十分に検討対象になると思っております。
それと休みです。ほとんど山梨にいるのですが、明日・明後日はちょっと山梨を離れますが、それ以外はずっと山梨にいて、特別な用事も無いです。29日だけ信用保証協会がまだ活動をしておりますから、ちょっと慰問をするということがありますけれど、あとはこれといった仕事はありません。

(以上)

リリース日:2008年12月26日

知事政策局広聴広報課

甲府市丸の内1-6-1本館2F
TEL:055(223)1336
FAX:055(223)1525

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