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知事記者会見(平成20年11月11日)

詳細内容

平成20年11月11日知事記者会見の様子(JPG:22KB)知事記者会見
平成20年11月11日(火曜日)11時30分から
本館2階特別会議室

●発表事項

・「平成20度県政功績者表彰について」
・「小水力発電開発支援室の設置について」

●その他質問事項
・「県税収入の見込みについて」
・「森林環境税の導入について」
・「『山梨勝沼』の中国での商標登録について」
・「県職員によるひき逃げ事案について」
・「国の追加経済対策(高速道路料金割引)について」
・「県立中央病院の経営形態の見直しについて」
・「国の追加経済対策(定額給付金)について」

<発表事項>

●「平成20度県政功績者表彰について」

(知事)お手元に資料がありますけれども、県政功績者といいますのは、県政の各分野において、功績のあった個人、団体を毎年表彰するものでありますが、今年度の受賞者が決定をいたしました。
資料の下の方にありますように、特別功績者1名、特別感謝状1名、県政功績者個人が52名、団体が3団体ということであります。その次のページに一覧表が載っております。表彰式は一番下にありますように、平成20年11月20日木曜日、場所はアピオ甲府で行うことにしております。
以上であります。

<質疑応答>

なし

<発表事項>

●「小水力発電開発支援室の設置について」

(知事)本県は、クリーンエネルギーの資源保存量が非常に多い県でありまして、ご案内のように日照時間が全国でも一番長い県でありますから、最近はやりの太陽光発電にも適しておりますし、また周りの山が高山で囲まれていますから、河川は急流河川が多いわけでありまして、水力発電の適地も多いということであります。また森林が県土の80%を占めておりますから、バイオマスエネルギーも将来の可能性としてはあると思います。風力については、山の高いところに行きますとかなり適地があるわけですが、北海道等にくらべると難しいと言われております。いずれにいたしましても、そういったクリーンエネルギーの資源の保存量が多いわけでありまして、そういったものを積極的に活用していく必要があると思っております。
そういう中で、とりわけ本県の企業局は、電気を所管する部局として、水力発電のかなりの情報を蓄えてきております。そこで企業局が長年にわたって蓄積をしてきた水力発電に関する技術を活かしながら、小水力発電推進のための支援体制を、この度整えることにいたしまして、企業局内に小水力発電開発支援室というものを設置することにいたしました。
小水力発電というものは、出力千キロワット以下の発電であります。数百キロワットの小水力発電から、数キロワットくらいですと、マイクロ発電という言い方をするようですけれども、そういう発電を、市町村だとかNPO法人、あるいは個人が行おうとする場合に、その調査計画段階から様々な形で、手厚い支援をしていくという任務を負う、この小水力発電開発支援室というものを企業局電気課の中に設置をしたいと思っております。
具体的には支援室では、小水力発電に関する相談、企業局が調査した開発可能地点の情報提供を行うとともに、開発を行おうとする市町村やNPOなどに、技術的な支援だとか、調査機器の貸し出しだとか、あるいは国のNEDO(ネド:新エネルギー・産業技術総合開発機構)の支援措置がありますけれども、そういった支援措置に対する紹介といったことをやることにしております。
この会見が終了したあと、県民会館5階の電気課の中で、看板の設置式を行うことにしております。
以上であります。


<質疑応答>

(記者)他県でこのような事例があるかという点と、小水力発電が成功した場合、なにかしら県に売電のいくらかを入れてもらうような形になるのでしょうか。

(知事)売電をいくらか入れてもらうということはありません。
他県の例は、こういう小水力発電の開発について支援をしているかどうか、支援はしているかも知れませんけれども、こういう室まで作って支援をしている例はないだろうと思います。

(記者)2つありまして、1つは補助金のような経済的な支援は含まれているのかどうか、もし現状含まれていなければ、今後そういうものを補助していく可能性があるのかどうかという点が1点。もう1点は、こういう自然エネルギーとか、それから太陽電池を含めたクリーンエネルギーなんですけれども、知事もおっしゃったとおり、日本の中でもかなり強くクリーンエネルギー県であることを訴えていけるような素地を持っていると思うのですが、例えば今後クリーンエネルギー大綱ですとか、施策とか組織という面でクリーンエネルギーを前面に打ち出したようなものをお考えになる可能性があるかどうか、その2点をお願いしたいと思います。

(知事)まず、補助制度でありますけれども、すでにNEDOの小水力発電、クリーンエネルギー全体でありますけれども、補助制度はありまして、小水力につきましては、条件によりまして3分の1ないし2分の1の補助が出るという制度があります。従って当面はそういう制度を紹介し、その制度を受けるとして、補助を受ける受け方ですとか、そういったものの相談に応じ、斡旋をするということを含めまして、そういうことをやっていきたいと思います。
融資制度については、市町村がやる場合には、市町村振興資金という、市町村課が持っている、県から市町村に対する低利の貸付制度がありますが、その中にこういったクリーンエネルギーの開発のための貸付制度というものがあります。それから工業振興課の関係(省エネ診断関係:工業振興課、融資関係:商業振興金融課)ですけれども、新しい設備投資資金というものの一環として、こういったエネルギー開発の支援制度もありますので、そういうものを斡旋をしたり、紹介をしたりということは、やっていきたいと思っております。今後さらにそういった助成制度というものを、県として独自に考えていくかどうかについては、今の段階では来年度予算の中でいろいろな検討をしている最中でありまして、具体的にこういうものをやりたいということまで申し上げられない段階です。
それからおっしゃるように、クリーンエネルギーの開発の振興をしていきたいと思っておりますけれども、具体的にはこの12月の県議会に、地球温暖化対策条例を出すことにいたしまして、それに基づいて、地球温暖化対策実行計画というものを策定をしていくことになります。その中でクリーンエネルギー開発計画も盛り込んでいきたいと思っております。具体的な組織的なものをどうするかということは、今の段階ではまだ考えてはおりませんが、全体的なことは森林環境部の環境創造課、そして小水力発電等につきましては、企業局が電気に関する蓄積を持っていますから、いろいろな支援措置は企業局でやってもらうのが適当だと思いまして、今回こういう室を作ることにしたものです。

(記者)知事がお考えになっている範囲で、山梨県としてのメリットはどのあたりなのでしょうか。

(知事)基本的に地球温暖化対策の一環として、いわゆる化石燃料をなるべく使わないで、クリーンエネルギーを活用していくということは、大きな国の政策の方向である訳でありますし、山梨県の場合には、先程来申し上げているように、クリーンエネルギー資源の保存量が多いわけですから、クリーンエネルギー先進県として、他の県の模範になるようなクリーンエネルギーの開発を進めていきたいと考えています。
具体的なメリットというと、県有の施設あるいは市町村の施設で、こういったクリーンエネルギーを開発して、それに必要な電力を使っていけば、東京電力から買わなくてすむわけですから、その分だけは維持コストが安くなるというようなことは当然あると思います。それ以上に地球環境保全という大きな施策の一環として、これを進めていくということであります。

<発表事項以外の質疑応答>

●「県税収入の見込みについて」

(記者)全国的に、景気の急速な冷え込みによって税収不足が懸念されているのですが、かねて知事もこの会見の場で来年度予算について大幅な減収が見込まれるとおっしゃったのですが、現時点で来年度当初予算でどの程度の減収が見込まれているのか、試算していらっしゃればその点をお願いします。

(知事)おっしゃるように景気が急速に落ち込んできておりますから、来年の税収にかなり大きな影響が出るであろうと懸念しているところであります。今の段階ではごく大雑把な試算しかできないわけでありますが、過日、新聞でも報道されましたように、ファナックが130数億円(160数億円)の減収(減益)だということがありました。それから、東京エレクトロンも大幅な減収だといういう報道がありました。
本県の場合には、法人2税が税収の約5割(約4割)を占めています。大宗を占めているわけでありますが、その中の主要企業がそういうふうに減収になるということは、当然の事ながら法人2税が大幅に落ち込むということでありまして、今のところ50億円程度の落ち込み、あるいはそれ以上の落ち込みが生じるのではないかと思っております。
それ以外にも、当然の事ながら給料が減りますから、個人県民税も減収になりますし、それから自動車も最近は購入が減ってきておりますから自動車税も減収になる。さらには、その他、例えば個人事業税なども景気が悪いわけですから当然減収になりまして、全体として来年度は100億円、あるいはそれ以上の税の減収が生じるのではないかと思っておりまして、これは財政的には大変に厳しい状況だと思っております。

(記者)もし今おっしゃられた個人県民税とか自動車関係の税でどの程度の落ち込みがあるのかということと、仮に100億円以上の減収となれば、本年度当初では1,140億円程度の税収を見込んでいたわけですけれど、1千億円という一つの目安を割り込む可能性があるとお考えなのか、その辺をお願いします。

(知事)今のところ、法人2税が、現時点での主要な法人の業績が、収益が落ちるということに伴う減として、50億円以上減収になるのではないかと思います。
個人県民税は、給与所得が減るとか、あるいは株価が下落いたしましたから当然の事ながら信託配当が減ってくるということがありまして、それだけで16億円減になるのではないかと思います。個人事業税は当然景気が悪くなるに伴いまして減になりますが、1億円程度の減。自動車税も5億円程度の減を見込んでおります。
それだけの数字を合計しますと70億円位の減となりますけれど、今後更にその他の法人の減収も予想されるわけでありますし、そういうことを考えると、全体としては100億円を超える減収になっていくのではないかと懸念をしているところです。県税収入はご承知のとおり1,140億円でありますが、その1割近い減収になるのではないかと思います。
1千億円を割り込むかどうかというところですけれど、そこまではいかないのではないかと思っておりますけれど、今の段階ではまだ大丈夫だということは申し上げられないということです。

(記者)かねて会見の場で知事がおっしゃられたのですが、この減収分に見合う地方交付税が増額されないのではないかとおっしゃったのですが、いわゆる地方交付税で補填される見通しはやはりないという認識をまだお持ちなのかということと、これだけの減収になると、今後予定されている大型事業の見直しを迫られる可能性があるかと思いますが、見直し等のお考えがあるのかということと、本年度の税収についても中間決算等が出てくると減収も見込まれると思いますけれど、本年度税収はどうなのかということの、3点をお願いします。

(知事)来年度の交付税は、国全体の税収が減るものですから、減額になるのではないかと前に申し上げたわけですけれど、まだ今の段階では、減額になるのかわかりません。むしろ、例えば多少増額にはなるけれど、いわゆる臨時財政対策債、あれが大幅に増えるということは大いにあり得ると思います。
交付税がどうなるかちょっとわからないですが、ご指摘のように仮に100億円の減収といっても、そのうちの相当部分は交付税で手当てされますから、もうネットで本県の予算額がそれだけ減ってしまうということではないわけです。減った分のある部分は交付税で、基準財政収入額が減った分だけ手当てされるということがありますから、100億円がネットで減るということではない。ただ、どの程度が補填されてくるかということについては、今の段階では確たるところは数字は言えない、わからないという状況です。
予定されている事業の見直しが必要になるのではないかということでありますけれど、今の時点で考えているスケジュールを変更するということは考えておりません。まだ、そこまで考えなければならないような状況ではないと思っております。将来についてどうなるかについては、今の段階では申し上げられないということであります。
それから本年度の税収は、予算においても、税収の見積もりは、前年に対してマイナスで見積もっているわけです。この1,140億円という数字は。1.5%程度のマイナスで見込んでおります。確かに減収でありますけれど、しかし、大体今のところ1.5%減収の枠の中に収まっているということでありますので、今年度の当初予算で当初見積もった以上に税収が減額になるということにはおそらくならないのではないかと思っております。

●「森林環境税の導入について」

(記者)環境やまなし創造会議の方で、環境面のものとして森林環境税を含む検討をすべきという形で中間報告をまとめられて知事に報告があったと思いますけれど、それに関しまして知事のお考えをお聞かせください。

(知事)森林環境税は、確かに森林の整備を進めることによって地球温暖化対策を推進していく、あるいは水源を整備していくという意味で、それを県民の一定のご負担をいただいた上で進めていくということで、既に30いくつの県でやっていることでありますし、本県にとっても十分に検討に値するものだと思っております。
今の段階で、まだ、それをやるということは申し上げておりませんけれど、環境やまなし創造会議の方でも前向きに検討しろという意見もありますので、今後、検討してみたいと思っております。
ただ、前から申し上げておりますように、本県の場合は上流県でありますから、本県の森林整備によって、下流で水を使っている下流県に一定の受益も生じるわけでして、どういうかたちでというところまで、今、具体に考えているわけではありませんが、下流県においても一定の協力といいましょうか本県の森林整備に対して何らかの協力をいただいてもいいのではないかと、そういう考え方というのは県民感情にも合致するのではないかと思っておりまして、そういうことも含めて、今、検討しているという状況であります。

(記者)検討しているということなのですが、検討する組織等を作ったかということがまず1点、それから上流県、下流県という話をしていると時間がかかりすぎて、今現在、他県では30県位やっている中で、3億~4億円は必ず税収がある中で、森林の整備費というのは今年は161億円だと思うのですけれど、来年度予算においてそれを削らなければならないとう状況になるかもしれないということについて、その辺はどのようにお考えでしょうか。

(知事)まだ検討組織を作っているわけではありませんが、ある段階では検討組織を作って、より具体的な検討をする必要があるかもしれないとは思っております。
しかし、仮に検討するにしても、来年の4月からそういう制度を発足するというのは時期的に無理がありまして、仮にやるとしても1年、あるいはそれに近い検討をした上で、県民の理解を得た上で実施をしていくということになりますから、来年の4月からすぐ来年度当初予算にその税収入を計上するというような、そういうスケジュールで進めていくということはちょっと無理だと思います。
とりわけ、県民の皆さんの理解を求めていかなければいけないという意味で、一定の時間はかかると思っております。仮に実施するにしてもです。


●「『山梨勝沼』の中国での商標登録について」

(記者)先日中国の商標登録で「山梨勝沼」という商標が、上海市に住む個人から申請されているということが、知財センターへの取材でわかりました。知事は県産品、中国台湾をはじめ海外への輸出には力を入れられてトップセールスにも行かれていると思うのですけれども、一方で担当課でチェックされているのに、それ以外の施設でわかってしまったという事実があると思うのですが、今後例えば、このような体制について、現在商品毎にバラバラになっている担当課を一元化する、担当部署を作るというお考えはお有りでしょうか。

(知事)そういった知的所有権の問題については、山梨県知的所有権センターというものが、工業技術センターの中にあります。世界百何十カ国ありますから、そのうちの中国はじめ、主要国における工業所有権の申請の状況とかは、常時チェックはしているわけです。申請がなされると、それに疑義がある時には、異議申し立てをしなくてはならないわけですが、そういう体制は整えているわけです。中国における、たとえば山梨の利益を害するような申請があった時には、それに対してただちに「それは困る」という異議申し立てをする体制は整えているわけです。「山梨勝沼」がいつ頃申請登録があったかはわからないのですが、そういう意味で洩れがあったといえばそう言えるかも知れませんが、そういう体制は整えてあります。
従って何か特別な組織を作るという必要性は、今の段階では感じていない訳なのですが、しかし知的所有権の問題というのは、本当に厄介な問題でありますけれども、重要な問題ですので、従来そこに十分な認識がなかったという批判もあるいはあるかも知れませんが、従来以上にこの問題については、県庁組織を挙げて取り組んでいかなくてはならないと思っております。

(記者)体制は出来ているというお話しだったのですが、先日知的所有権センターに伺ったら県の依頼が終わった後に、自主的に調べる中で出てきたということをおっしゃっていたので、その方がもし自主的にやらなかったならば、今回の件は発覚しなかったということがあるのですが、それについてどうお考えかということと、異議申し立てですけれども、この「山梨勝沼」については、県として公告され次第異議申し立てするという方針でいらっしゃいますでしょうか。

(知事)おっしゃる意味がどういう意味かわからないのですが、知的所有権センターというところは、中国なら中国において、(商標の)申請がなされ、(それに対して中国商標局の)公告がされるわけですが、(その)公告に対して、たとえば「山梨」という申請がされたら、それに対して異議申し立てをしなければならないのですが、そういう異議申し立てをする体制は組んでいるということです。おっしゃる点はどういう意味なのでしょうか?県が頼む前に自主的に調べたらそうなっていたということですか?

(記者)県から依頼があって、最初は出てこないうちに終わってしまった。その方が県の職員ではないので、あくまで個人的、自主的に調べたら出てきたというお話しでした。

(知事)県としては知的所有権センターに依頼をしているわけです。依頼をしていたけれどもチェックに洩れがあって行ってしまったということでしょうか。その後自主的にもう1回調べてみたら出てきたということでしょうか?そこに洩れがあったということは、もしあったとしたら遺憾なことだと思います。
(知事政策局長に対して)もう公告が行われている段階ですか?もう登録が終わっているんでしょうか?

知事政策局長「山梨勝沼」で申請が行われています。(中国商標局の)公告を待っている状況です。

(知事)「山梨勝沼」をどうするか、検討したいと思います。いずれにしても仮に洩れがあったとしたら、今後そういうことがないように、知的所有権センターも我々も十分慎重な対応をしたいと思います。

(記者)これの関連なのですけれども、例えば青森県では、チェックしてはまた出てきてイタチごっこで仕方がないので、県として商標を取ってしまえということを推奨していると思います。青森県では今年中に青森県の商標を県として取って、それを県から海外輸出するものにつけるということを表明しているのですけれども、山梨県として、桃であるとかワインとか輸出を考えているものについて、県が統一規格のものを作成して商標登録を中国、台湾とするということはお考えでしょうか。

(知事)それは可能性としてはあると思います。山梨独特の商標というか、ロゴマークというものを作って、それを世界百数十カ国ありますが、主要な国についてそれをとって、山梨から出るものについてはそれをつけるという考え方は確かにこれからの検討課題としてあると思います。

●「県職員によるひき逃げ事案について」

(記者)県総合農業技術センター職員によるひき逃げ事案がありまして、昨日、ひき逃げとしても追起訴されたという件がありまして、一方で県職員の間からは事情聴取にも応じていたということで(処分が)きついのではないかという話もあり、公務中の事故ということで知事はどのようにお考えでしょうか。

(知事)追起訴をされたということでありまして、本人は否定しているわけですから事実関係はともかくとして、県職員が追起訴された、そのことだけでも県民の信頼を損なうものでありますから、大変遺憾だと思います。
あとは、本人は否認していることでありますから、これは捜査機関が引き続き真実を究明していくしかないわけであって、我々としてはそれを待つということであります。

●「森林環境税の導入について」

(記者)森林環境の面で、公共事業の4%、8%という削減をかけずに今年の予算で額を確保したというかたちですが、この厳しい財政事情の折、その辺というのは公共事業のカット幅をかけずにいけそう(予算額を確保できそう)ですか。

(知事)それは、まだ今の段階ではどうするか、どうなるのか、予算編成の始まったばかりですので、今の段階ではどちらにするということは決めてもおりませんし、ご返事もできないということです。

(記者)30県目が来年の4月から始まるというかたちでやっている中で、47都道府県のうちほとんどが森林環境に関する税をもっているという中で、山梨県が遅れたというのは、やはりミネラルウォーター税を目指していて、(横内)知事になってそれを諦めたというかたちになったのですが、そういうことが影響しているとお考えでしょうか。

(知事)それは影響したと思います。ミネラルウォーター税をやるということで議論をしてきたということは、他の県のように森林環境税とは別の行き方をしようと思ったわけですから。ミネラルウォーター税についても学識経験者による会議を作って議論してもらった結果、税として必ずしも適切でないという結論が出たということがありますので、ミネラルウォーター税という構想については、これはそうしないと決めたわけでありますから、森林環境税というものの検討が遅れたというのは、そのことは当然影響していると思います。
同時に、さっきも申し上げたとおり上流県というのはなかなか難しくて、例えば一番最初に始めたのは高知県ですけれど、高知県の河川の水はよその県に流れているわけではない、従ってやりやすいものがあります。大体そのようなところから始まっているのだろうと思います。
しかし最近では、例えば栃木県あたりは、栃木県の川の水は下流で東京都とかみんな使っているわけでありますけれど、下流の負担とかそういうことを言ってもこれはなかなか現実問題として難しいという判断があったのでしょうか、栃木県としても森林環境税をお願いするという決定をいたしました。
しかし、当然栃木県でも、議論の過程では下流の問題というのはあっただろうと思います。

●「国の追加経済対策(高速道路料金割引)について」

(記者)高速道路の1,000円で乗り放題の話ですが、山梨は距離的には東京から片道2,000円程度ですから、1,000円というのは、長野とかもう少し遠いところに比べると、効果というのはそれほど出てこないのではないかということと、今でも休日、土日のETC割引というのがあるので、そんなに恩恵というのは出ないのではないかという見方もあるのですが、知事は1,000円乗り放題ということについて、県に与える影響をどのように考えていますか。

(知事)確かに青森とかであれば、それは1,000円で行けると、万単位で料金がかかるところを1,000円で行けるということになれば、これは利用者にとってメリットがあるわけで、それに比べて大都市に近い本県の場合には、その制度ができたとした場合のメリットは、遠隔の県に比べれば少ないというのはおっしゃるとおりであります。しかし、本来であれば、料金を割り引くという場合には、ETC制度を使って、例えば比較的空いている時間帯だとか、そういうところで割り引いたりとか、あるいは比較的重要なトラックとかそういうものについて割り引いたりとか、そういうことも出来るわけで、そういうものを、既にやっているわけでありますが、拡充をする方が良いと思いますけれども、しかしそれは政府の方針として、単純明快、わかりやすさということも当然あるのでしょうから、そういうことで麻生さんが判断、決断をしたということでしょうから、それはそれで、私どもとしてはそれに対して異論を唱えるつもりはないわけです。
しかし一方で、観光対策として、我々の方は中日本高速道路株式会社と組んで、いろいろな、あれは何と言いましたっけ、「速旅・・・」(「めぐる!山梨『速旅』キャンペーン」)、中日本高速道路株式会社と県が組んで観光客について(高速道路料金を)割り引く制度があるのです。そういう制度を最大限使ったりとか、そういうことを通じてできるだけ観光客の確保をするようにやっていきたいと思っております。

●「県立中央病院の経営形態の見直しについて」

(記者)県立中央病院の経営形態について、知事は今までの議論を踏まえてどのようにお考えでしょうか。

(知事)今の段階では、従来から申し上げている考え方を変えているわけではありませんので、手順を踏んでタウンミーティングをやったり、県民への説得の努力というようなこともやって参りました。県議会の特別委員会の議論もあって、県議会の考え方というのも大体わかってきたところです。そういうものを踏まえて、決断をしていかなければならないと思っておりまして、やはり常識的には12月議会の前に一定の方向を出して、議会でその辺の説明を十分し、議論をしてもらいたいと思っております。


(記者)地方独立行政法人の中で、公務員型という、実際には使えないのだけれども、現実には傾いているという報道もあるのですが、県の考えがですね。その辺は県として使えないという話だったのですが、どう考えていらっしゃるのでしょうか。

(知事)制度としては、独立行政法人の中に公務員型の独法というものも、非公務員型、一般型の独法と並んであるわけです。ただ議会でも申し上げましたけれども、総務省はどちらかというと一般型の(地方)独立行政法人を推奨しております。この問題については、確か地方公営企業法上(地方独立行政法人法上)、総務省の認可を取る必要のあるものだろうと思いますから、総務省をクリアできるかどうかというところが、仮に公務員型をやるということになると課題になってくるだろうと思います。そういうことも含めて現在いろいろな検討をしているということです。

●「国の追加経済対策(定額給付金)について」

(記者)10月末に政府の方で追加経済対策というものを打ち出したわけですが、それについての知事の評価、特にあの中で定額給付金についてどのようにお考えなのか。今まで政府の方針がはっきり決まっていないわけですが、所得制限するのか、一律にするのか。先日全国市長会の会長は、所得制限を設けることは業務が煩雑になるから反対だということをおっしゃったわけですが、その点についてどのようにお考えなのかお願いします。

(知事)まず定額給付金の所得制限の問題については、私は詳細なところまで承知しておりませんけれども、現実市町村がこの仕事をやっていくうえにおいては、なかなかこれは所得制限ということがあると、実際問題運用が出来ない、極めて煩雑になってですね。一方において景気対策ですから、スピーディにやっていかなくてはいけないわけですけれども、現実問題、実務的に無理だという議論はかなりあるようです。理屈を言えば、確かに高額所得者についてまでそういうものを出すのはおかしいということは、理屈としてはあるわけですが、実務として出来ないと。仮にやるとすれば、相当多額のお金と人員と時間がかかって、結果的に短期の景気対策にならないということになるとすれば、これはいたしかたないのではという気もいたします。ただ詳細について私は承知しているわけではありませんから、それ以上のことはちょっと申し上げられません。第2次の景気対策は、1次の景気対策に比べてかなりいろいろなものが盛り込まれていまして、我々としては評価しております。ただ中味が今ひとつわからないところがありまして、例えば道路特定財源の一般財源化に伴って、1兆円を地方自治体に交付をすると。大変結構なことだと思うのですが、既にある地方道路整備臨時交付金7,000億円、それにプラス3,000億円という意味なのか、交付金の7,000億円とは別枠で1兆円、従って1兆7,000億円くれるということになるのか、というところも大臣によってかなり言っていることが違う、あるいは自民党の幹部によって言っていることが違うようでありまして、どうもそこのところがはっきりしないものですから不安に思っているところなのです。
いずれにしてもかなり前向きに、地方公共団体の財政状況というものに対して、前向きの対応をしようとしているという姿勢は見られますので、その点は評価をしております。


(以上)

リリース日:2008年11月12日

添付ファイル

知事政策局広聴広報課

甲府市丸の内1-6-1本館2F
TEL:055(223)1336
FAX:055(223)1525

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