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知事記者会見(平成20年2月8日)

詳細内容

平成20年2月8日知事記者会見の様子(JPG:22KB)知事記者会見
平成20年2月8日(金曜日)11時30分~
本館2階特別会議室

●発表事項
・「平成20年2月定例県議会提出予定案件について」
・「県と甲府市幹部職員による意見交換会の開催について」

<発表事項>

○「平成20年2月定例県議会提出予定案件について」

(知事)平成20年2月定例県議会提出予定案件につきまして発表いたします。
2月定例県議会は、2月18日に招集することといたしまして、本日、招集告示を行ったところであります。
提出案件は、平成20年度当初予算、平成19年度2月補正予算を合わせまして、条例案23件、予算案28件、その他の議決案件17件、報告事項14件の予定であります。
このうち、まず、平成20年度当初予算につきましてご説明申し上げます。
予算の規模、一般会計でありますが、4,353億1,103万3千円でありまして、前年度の6月補正予算、ご案内のように6月補正予算で政策予算になったわけでありますから、前年度の6月補正予算と比較をするわけでありますが、4,386億1,500万5千円と比べまして、0.8%の減となっております。
本県の財政状況につきましては、歳入面では、引き続き、県税収入に一定の増加が見込まれ、また地方再生対策費というものが国において創設されたことに伴いまして、臨時財政対策債を含む実質交付税が増加をいたしますけれども、基金の取り崩し額を減額いたしますために、一般財源総額では、平成19年度と同程度を見込んでおります。
一方、歳出面では、乳幼児医療費等の窓口無料化の実施や後期高齢者医療制度の全国的な導入に伴う社会保障関係費などの増加に加えまして、公債費も増加をすることから、引き続き厳しい財政運営を強いられることとなります。
次に予算編成の基本的な考え方につきましてご説明いたします。
平成20年度当初予算編成に当たりましては、厳しい財政状況を踏まえまして、行政改革大綱を着実に実施し、歳入の確保と歳出の抑制に努めるとともに、限られた財源の重点的かつ効率的な配分に努めることといたしました。
全体といたしましては、人件費につきましては、定員適正化計画に基づきまして職員数を削減するとともに、特別職及び管理職の給料の特例減額を実施いたしまして、抑制を図ったところであります。
また、公共事業費及び県単独公共事業費につきましては、段階的な縮減を行うこととしておりますが、地域経済への影響を十分配慮しなければなりませんので、明年度におきましても、国の地域自立・活性化交付金を活用することによりまして、事業費の最大限の確保に努めたところであります。
県債につきましては、臨時財政対策債が地方再生対策費の財源とされたために増加をいたしました。しかしながら、行政改革大綱の削減計画の対象となっております県債等残高、これは通常の県債と、企業債及び出資法人に対する債務保証を合わせたものでありますが、その発行額の減額に努めたことによりまして、計画を68億円程度上回る削減となる見込みであります。県債等残高の削減のペースが早まることになるわけであります。
これによりまして、臨時財政対策債等を含む債務残高全体、これは平成19年度末で1兆228億円でありますけれども、それでみましても、平成20年度末から初めて減少に転じる見込みであります。
また、明年度は、「チャレンジ山梨行動計画」の本格的な実施の初年度となりますので、「暮らしやすさ日本一」の山梨づくりに向けた施策を着実に実施するための、必要な予算を積極的に計上したところであります。
次に主要な施策についてご説明いたします。
まず、産業の活性化についてであります。
このうち、やまなしブランドの確立と産業集積の促進につきましては、果物やワイン、ジュエリーなどの販路拡大に向けた戦略的なトップセールスの実施、地場中小企業者等の産地ブランド確立に向けた取り組みに対する支援、「産業集積促進助成金制度」の拡充やIT関連産業の立地に対する助成制度の創設など企業誘致対策等の一層の推進、山梨大学が行う燃料電池技術の実用化に向けた研究開発事業に対する支援といった本県経済を支える産業施策を積極的に推進いたします。
農業の振興につきましては、担い手の確保・育成、「フードタイペイ」という展覧会がありますが、そこへの出展など県産果物の輸出拡大、果樹園の団地化、耕作放棄地の解消など、「やまなし農業ルネサンス大綱」に掲げる施策を推進いたします。
観光の振興につきましては、「山梨デスティネーションキャンペーン」の実施、中国におけるトップセールスや北海道・東北などへの誘客宣伝といった国内外への誘客活動の強化など、観光振興に向けた施策を積極的に展開いたします。
次に、安全・安心な県民生活の確保についてであります。
このうち、保健医療の充実につきましては、医師修学資金貸与制度やドクタープール制度などの活用による医師の確保、助産師外来の導入に向けた検討や妊婦さんが、身近な病院で健診が受けられる相談体制の整備など、地域の医療サービス体制の確保に向けた取り組みを推進いたします。
また防災対策につきましては、木造住宅の耐震改修に対する支援の拡充や県立学校をはじめとする県有施設の計画的な耐震改修、耐震化が必要な県庁舎4棟の集約建替えに向けた基本計画の策定や新庁舎に整備すべき防災拠点機能の調査など、大地震の発生に備えた取り組みを積極的に推進いたします。また、倒壊のおそれのある信号柱及び道路標識に対して、3年間の緊急かつ集中的な更新を行ってまいります。
次に環境政策の推進につきましては、本県の総合的な環境のあり方を検討する有識者会議の設置や地球温暖化対策をより一層推進するための「地球温暖化対策条例」の制定に向けた検討など、本県の環境施策の充実に向けた取り組みを展開いたします。
更に、教育の振興につきましては、中学校1年生への35人学級の導入、峡東地域への総合制高校の設置、魅力ある高校づくりに向けた新たな高等学校整備構想の検討など、将来の山梨を担う人づくりのための施策を推進いたします。
この他、北口県有地の利活用のための調査とか、富士山世界文化遺産登録に向けた取り組み、宝石美術専門学校の移転整備など甲府市中心市街地活性化対策、小瀬陸上競技場への大型映像装置の設置をはじめとして、小瀬体育館への空調設備の整備とか、小瀬陸上競技場のグラウンド改修、境川自転車競技場の改修などスポーツ施設の整備、新山梨環状道路・南部区間の全線開通や西関東連絡道路の山梨市万力以北への延伸などに向けた道路網の整備などに要する経費について計上いたしております。
次に平成19年度2月補正予算についてご説明いたします。
補正予算の主な内容といたしましては、県内に立地して事業を開始した製造業者4社に対し、産業集積促進助成金を交付するため、必要な予算を計上いたしました。
また、財政調整基金などの主要基金につきまして、今年度の状況を説明いたしますと、法人二税の増収などによりまして、県税収入が34億円増加するとともに、地方交付税11億円及び平成18年度決算による実質収支(繰越金)30億円が、それぞれ予算額を上回ったことなどによりまして、一般財源が増加したことから、基金の取り崩し額をできるだけ減額をいたしました結果、平成19年度の基金取り崩し額は、当初140億円予定しておりましたが、20億円ですむ見込みであります。
このため、この20億円につきましては、県債管理基金及び公共施設整備等事業基金で、それぞれ10億円を取り崩すことといたしました。
なお、財政調整基金につきましては、2月補正予算におきまして、中部横断自動車道の新直轄区間に係る交付税の特例措置額10億円、国から交付税がきておりますので、これについて後年度の負担の増加に対応するため、積み立てを行うこととしております。
以上が主な提出予定案件であります。
なお、詳細につきましては財政課長から説明いたさせます。

<質疑応答>

(記者)今回、当初予算としては、初めての政策予算となるわけでありますが、産業振興対策事業費で、総事業費が昨年度比で倍増しているなど知事が掲げる地域経済活性化とか、安全安心分野に重点的に予算をかけたかと思うのですが、この予算にかける知事の思いを改めてお願いします。

(知事)昨年、チャレンジ山梨行動計画を策定して、任期4年間において行うべき施策を具体的にお示ししたわけでありますから、この予算においては、それを着実に実施をするために必要な経費を計上することが一番のポイントであります。
同時にそれと重複するわけでありますが、本県にとって今何が必要なのか、また県民が何を求めておられるのか、それを的確に把握して施策が遅れることがないように、前向きに、迅速な対応ができるように、必要な施策について対応したということであります。

(記者)産業振興の中でも特にIT、ICT系とか、燃料電池とかいわゆる新産業の誘致に非常にはっきりと重点的に予算を配分しているようですが、それについての知事のお考えをお伺いしたいと思います。

(知事)現在、我が国の設備投資意欲が依然として活発で、一時期の空洞化と言われるように、我が国の産業が後進国へ移転していくという事態よりむしろ、先端的な分野については、国内に立地をする設備投資が活発に行われているわけです。そういう中で、先端的なものについては、本県にできるだけ立地を促進したいと。都道府県の間で非常に活発な企業誘致競争が行われているわけでありますが、そういうものに本県が立ち後れることがあってはならないという思いがあります。同時に、産業構造が変わっていく中で、情報通信産業というものが非常に大きく成長し、かつ情報通信産業というものは、クリーンな産業であり、若い人の雇用吸収力が高いという意味で、東京に近い本県は立地の優位性が高いと思いますから、そういうものについてもできるだけ本県に誘致をしていきたい、産業を活性化する、経済を活性化する一環として、企業誘致を促進したいという思いで、予算に必要なものを計上しました。
しかし、いわゆる地場産業についても、よくご覧いただければわかりますように、ワイン、ジュエリー、織物そういったものについて、例えば海外展開を大いにバックアップするとか、ここで長期低落傾向に歯止めをかけて、新しい展望を開いていくために、積極的な予算編成をしているつもりです。

(記者)ITを中心とした企業誘致、産業立地という意味で、今回の予算は知事として満足のいく予算措置ができたとお考えでしょうか。

(知事)そうですね。必要な予算はつけることができたと思っています。先ほども申し上げましたが、非常に経済が大きく変わっている中で、本県がそういうものに立ち後れることがあってはならないと、スピード感を持って対応をしなければならない分野ですから、IT産業の振興についても前向きに取り組むということで、必要な予算を計上したということであります。

(記者)知事が、知事選の時に公約されました、「県の借金1兆円ほっとけない」ということがありますけれども、それが20年度末には20億円程度減りまして、公約がひとつの目処が付いたという印象を受けるのですが、ただご案内のとおり、県債というのは、90年代にバブル崩壊以降の景気対策で、90年代だけで大雑把に計算して4,000億円程度積み増している現実があると思うのですが、それに対してまず20億円の減額ということで、ややペースとしては緩やかなのかなという印象を受けるのですが、こうしたペースを選んだ理由を教えてください。

(知事)借金、いわゆる実質交付税である臨時財政対策債というものを含めた借金の額が、平成19年度末で1兆228億円であります。それを削減していかなければならないわけでありますが、再三申し上げておりますように、臨時財政対策債というものは、国から地方に義務として交付される、地方交付税と同じものであって、ただ国の交付税特別会計にお金がないから、国が全部後で支払いますから地方で借金しておいてくださいという、言ってみれば地方交付税を現金ではなく、手形で渡しているものであって実質上の地方交付税です。
この臨時財政対策債というのは、山梨県がどうするというコントロールができないものであって、国の事情で、今年は交付税をこれだけ出さなければいけないけれども、交付税特別会計にお金がないから臨時財政対策債でこれだけやってもらおうとか、国の方の方針で決まるものであって、山梨県でコントロールすることができないわけです。したがって行政改革大綱においては、臨時財政対策債を除くそれ以外の県債残高、いわゆる通常の県債と言われるものと企業債とそれから県の出資法人に対する債務保証、これを削減対象の県債残高として、それを計画的に削減をしていこうとしたわけであります。そして、年平均100億円弱の削減をしていくことにしたわけでありますが、昨年末に出した行政改革大綱のペースよりも、20年度においては更に早い、68億円分だけ更に早いペースで削減を早めることができたと思っております。
臨時財政対策債を含む全体の借金については、先ほど言ったように臨時財政対策債というのは、山梨県がコントロールすることができない、国の方で決めてくるものでコントロールできないのですが、そうやって削減をした結果として、臨時財政対策債は皆さんご案内のように来年度地方再生対策費というものを国がつくる、その財源として臨時財政対策債を地方において出してくれということになったものですから、本県の場合にも大幅に増えるわけでありますけれども、大幅に増えても臨時財政対策債を含む借金残高全体が、今まではずっと増えてきましたけれども、20年度から初めて20億円という少しの額ですが減額されることになったということであります。
もちろんこれは減額幅が大きければ大きいほど良いに決まっていますけれども、借金の額を減額するということは一方において、例えば公共事業をさらに大幅に抑制をするとかということが必要になるわけであります。公共事業の抑制は当然のことながら県の経済に影響してくるわけでありますから、あまり著しい大幅な抑制をすると、経済そのものが痛んでしまうという心配がある。その辺の兼ね合いの中で公共事業は抑制をする。しかし、段階的な抑制をしながら、県債残高の削減を図るという方針で臨んで、今回こういう予算を編成したということであります。

(記者)敬老祝い金について、来年度から対象を縮小するという決定をされたと思うのですが、どのような理由で縮小となったのかお伺いします。

(知事)本県の場合には、他の県に比べてもかなり手厚い敬老祝い金をお出ししてきたわけであります。しかしながら、高齢化が非常に進んできているということに加えまして、様々な行政需要が増加をしてきているということ。それから他県の状況というものも、この施策については見ていかなければならない、そういうことを判断をして、敬老祝い金については、かなりの見直しをしたということであります。
例えば現行においては、77歳になった時に3千円、88歳になった時に5千円を差し上げるということにしたわけでありますが、現在はご承知のように男性の平均寿命は79歳であり、女性の平均寿命は86歳となっておりますから、77歳、88歳におなりになるというのは普通と言っても良い状態でありますから、そういう方々についてまで祝い金というのも、お出しできればもちろん良いわけですが、お金があればお出ししたいわけですけれども、どうだろうかということで、これは廃止をさせていただくということにいたしました。また、現行では、100歳以上の方については、毎年5万円ずつ差し上げていたわけでありますけれども、これを見直しをさせていただいて、100歳になった時点で5万円、それから本県最高齢の方は5万円ということにさせていただきました。もちろん毎年お出しできればそれが一番良いわけでありますけれども、高齢化の中で100歳の方も非常に数も増加をしているものですから、全体として予算が厳しいという中で見直しをさせていただいたという点については、ご理解をいただきたいと思っております。

(記者)知事就任以来、医師の確保を重点的にやってこられたと思いますが、なかなか現状としては確保がうまくいっていないと思うのですが、そんな中で今回の助産師外来の導入ですとか、「妊婦の安全・安心ネットワーク事業」など新しい事業が盛り込まれていますけれど、こういう新しい事業に対する期待といいますか、どれほどの効果、自信がおありなのか、その辺のところをお聞かせいただけますでしょうか。

(知事)平成19年度に実施した医師修学資金貸与事業というのが、奨学金ですね、これが予想以上に大勢の学生さんに使われるということになりまして、この点は非常に大きな効果を上げつつあるなと思っております。それだけでは医師の確保は困難なわけで、新しい施策をいくつか打ち出しているわけであります。
なんと言っても産婦人科のお医者さんが不足しており、特に妊婦さんにとっては非常に不安の種になっているわけであり、我々も大変心を痛めているところであります。全国的に産婦人科のお医者さんを確保すべく、水面下で非常に努力をしているんですけれど、産婦人科の医師の確保は極めて困難な状況でありまして、大都市地域においても産婦人科のお医者さんが足りないという状況になってきていて、なかなか本県において産婦人科のお医者さんを確保していくことが難しい状況になってきている中で、なんとか妊婦さんの安全・安心を確保したいという思いで、今回新しい施策として、「妊婦の安全・安心ネットワーク事業」という、身近な病院で婦人科のお医者さんが健診は常時して、いざ出産ということになったら、あらかじめ決めてある病院に行って出産をすると。いわゆるカルテ的な物は共同化していくという仕組みであります。そうやって妊婦さんの安全と安心を是非確保したいと。妊婦の方から見れば、これでは不十分じゃないかというご意見もあるかと思いますが、産婦人科のお医者さんの確保がなんとしても難しいという中で、次善の策としてご理解いただきたいと思っております。
また、助産師外来をやれば助産師さんが妊婦さんを診断する、あるいは出産のお手伝いをするということも十分あり得るわけでありますが、相当助産師さんを育成しなければならないものですから、そのために山梨大学に依頼して、助産師外来の促進のために必要な助産師さんの研修等を、助産師さんの資質向上を図っていくというようなことを始めることといたしました。そういう新しい施策で何とか産婦人科医の不足を補って、妊婦さん、それから県民の皆さんの安全・安心を確保したいと思っております。

(記者)主な施策の一覧を拝見しますと、「トップセールス」という言葉が何カ所か並んでいるんですけれど、この1年を振り返りまして、横内知事のトップセールスで一番の成果、果実いうものはどういったものでしょうか。

(知事)やはり、中部横断道の新直轄の負担金の軽減ですね。これについては私が直接、(当時の)菅総務大臣とか、あるいは総務省の事務次官をはじめ幹部に直接要請をして、実現をすることができた。なかなか事務ベースでは難しい話だったろうと思います。成果と言えば、それが一番大きいかと思います。

(記者)事務レベルの話し合いとトップセールスでは、違うと思うんですが、知事さんの中で、トップセールスというものの定義といいますか、ここから先はトップセールスの話だなという線引きというのは、どういったあたりにあるんでしょうか。

(知事)それはその状況、その状況で、そろそろ私が出るべき状況になっているかどうかという判断をすることであって、なかなか一律的な定義というのは難しいと思います。
やはり、実務ベース、事務ベースで県庁の職員が行くよりも、私が行く方がはるかに効果が高いと判断したときには、積極的にやっていくということだと思います。例えば、大田市場で果物のPRとか、あるいは花のPRをしましたけれども、やはり私が行って、大勢の業者さんが競りをしているその場でお願いをすれば、確かに競りの価格が通常の場合に比べれば大きく上がると。業者さんも知事が直接来て、ああやって努力しているということを見て、競り価格は上がるわけでして、行けば行っただけの効果は確かに間違いなくあると。それから海外に行っても、海外の旅行社、中国、韓国もそうですけれど、旅行社の皆さんに集まってもらった場で、職員が話すよりも、私が直接話しをする方がアピールする効果は全く違うと思います。これからもそういうことで努力したいと思います。

(記者)タレント出身の知事のトップセールスが、テレビなどで取りざたされていますけれど、知事としてそういったタレント知事とどうやって差別化を図っていくといいますか、トップセールスをする上で、私にはできて、タレント知事にはできない、そういったものはありますでしょうか。

(知事)タレントではありませんから、なかなかそういう方々のような高いPR効果というものは確かに難しいと思います。特にテレビなどでの露出度の点では、とてもかなうものではないと思っております。
しかし、いろいろな場で直接、大田市場の業者の皆さんとか、あるいは旅行社の皆さんとか、そういう方々に山梨の良さとか、そういうものを正確に分かりやすく訴えるという点においては、かなり効果の高いPRをしていると思っておりますが、テレビの露出度という点ではとてもかないませんね。

(記者)乳幼児医療費の窓口無料化と富士山世界遺産登録に向けた支援ということでお伺いしたいんですが、この二点はいずれも良いことだとは思いますけれども、一方で、乳幼児医療費の窓口無料化をやることで、医療費の増大につながったり、富士山の遺産の登録に向けて、本来は市町村が出すべきものを、県が市町村分までも負担するという点。これをあえてしたという理由についてお願いできますでしょうか。

(知事)確かに、乳幼児医療費の窓口無料化をすれば、今までは(病院に)行かなかったであろう患者さんが行ったりとか、そういうことで結果的に無駄な診療も行われたりとか、あるいは小児科医さんが非常に忙しくなったりとかというマイナスの面はありますね。
しかし、子育てをしておられるお母さん方と接触をしておりまして、やはりこの窓口無料化は必要じゃないかなと。今のように、一回はそこでお金を払って、後で市町村の窓口とかにもらいに行くというようなことになると、ついつい忘れてしまったり、そういうこともあるし、子育てをしているお母さん方の立場になれば、医療費を無料化している以上は窓口で対応するというのが、一番自然な姿だし、それは非常に強いニーズとしてあります。やはり、問題はあっても、子育てをしている母親のニーズにはきちっと対応すべきだと思います。それから、富士山の世界文化遺産登録についての市町村の経費を軽減したわけでありますが、これは再々お話をしているように、平成23年度に富士山世界文化遺産登録を果たしたいと。そうなりますと、平成20年度に6割ぐらいの作業が一挙に出てくるわけです。各市町村において相当膨大な作業をお願いしなければなりません。経費の負担も一挙に20年度に出てくるわけです。そうすると、それぞれ財政状況がそんなに良くはない市町村でありますから、20年度に事務作業の大部分をお願いする以上は、財政負担について一定の軽減措置を取るということは必要ではないかと思って、そのような措置をしたということであります。

(記者)市街地活性化についてなんですけれど、甲府市中心街について知事はずっと力を入れてやっていらっしゃいまして、今回も宝石美術学校とか、ヴァンフォーレ広場とか、それなりに施策がきちんと表れているんですけれど、ただ今年、甲府市が市街地活性化基本計画を固めつつあるという背景も考えると、それから知事も再三おっしゃっている昭和の問題を絡めて、今、変わらなければいけないというタイミングを考えると、もう少し目玉になるような事業があっても良かったんではないかなという気もするんですけれど、それについてのお考えはどうでしょうか。

(知事)いろいろな施策をとっているつもりなんですけれども、例えば北口の県有地の活用策の検討、これも当然、甲府市の市街地活性化の一環でありますし、それから県庁の耐震改修をして、防災庁舎を建てていくということについても、その1階部分については街の方に開かれる形にして、そこで例えば県産品の販売だとか、そういう商業施設的なものを造って、市街地の活性化に貢献するようにするとか、あるいは既に決めたことですけれども、今回の予算に計上しておりますが、宝石美術学校を紅梅再開発ビルに移転をするということもあります。
それから更に、例えば「やまなし若者地域活性化プロジェクト推進事業費240万円」などというのがありますけれども、これは県内の大学生に柔軟な発想で魅力ある街作りを推進するためのアイデアを多いに出してもらい、同時にまたそのアイデアに基づいて行動してもらうという事業でありますが、これは甲府の街を対象にすることを考えていますし、「ヴァンフォーレ広場運営事業費」いうのも甲府の中心市街地でイベントを計画しておりますし、それから「やまなしヌーボー推進事業費」というのがありますが、11月3日を「やまなしヌーボー」解禁日として、県産ワインのPRをすると。これも従来、日比谷公園とか小瀬(スポーツ公園)とか、そういった所でやって参りましたけれども、それはそれでやるわけですが、同時に甲府の中心街でもヌーボーフェスティバルというようなものをやってみたらどうかとか、そんなこともありまして、いろいろな施策があると思っております。

(記者)知事は就任以来、開かれた県政、情報公開の推進とか、あるいは県民との対話ということで、知事の交際費の公開だとか、あるいはクイックアンサー制度、ひざづめ談議の導入なんかを実践されていますけれども、今回示された事業、予算案、もしくは来年度以降の施策の中で、そういった方向での新たな目玉というか、推進している項目があればお聞かせください。

(知事)開かれた県政という関係では、19年度予算において執るべきものは直ちに執ったものですから、20年度においてはそれを引き続き実施をしていくということになります。継続ということですね。

(記者)知事の公約で、財政の健全化と様々な政策の実行があると思うんですが、知事は増税の方針を示していないので、経済活性化に基づく増収はもちろんお考えですけれども、その効果が現れるのはもう少し先になると思いますので、そうすると歳入がある程度固定される中で、財政健全化と様々な政策の実行というのは、なかなか両立することは難しいと思いますが、行動計画と財政健全化を求める行革大綱ができた後の初年度の当初予算として、知事は財政健全化と様々な政策の実行のどちらに、より比重を置いたかということと、知事の理想とする姿からすると、今回の当初予算はどの程度の満足度、月並みですが何点ぐらいでしょうか。

(知事)財政再建ということと、必要な事業に対する十分な予算付けということ。これは両方でして、どちらかに重点を置いたということではないんです。財政の健全化を図りながら、できるだけ効率的かつ重点的に予算の配分をやることによって、必要な経費、とりわけ「チャレンジ山梨行動計画」に計上されている事業については、重点的に予算を計上したということでありまして、どっちかに力を入れたということではない。両方に力を入れたと言うしかないんです。それと点数はなかなか付けられませんが、自分としては最大限の知恵を絞って、これしかないという良い予算を作ったというつもりです。点数については、人に評価していただくしかありません。

(記者)二点お伺いしたいのですが、先程、昨年を振り返ると目玉は中部横断自動車道というお答えがあったのですが、例えば来年度の予算では県債残高を減らしたとか、経済活性化とかいろいろありますが、あえて一つ、これは一番大きな横内カラーの目玉だというものがあれば挙げていただきたいのと、あと、昨日財政課のほうから中期的な見通しというものをいただいたのですが、知事としては中・長期的に見て財政状況をどのようにご覧になっているかお聞かせください。

(知事)中部横断道の負担の話はトップセールスとしてどういう成果があったかと聞かれたから、それは例えば中部横断道の負担軽減がありますと申し上げたわけで、別に19年度の目玉というわけではなく、トップセールスで何をやったかということです。
今年の予算の目玉ということですが、これは一つ挙げろと言われても難しくて、なかなか一つというわけにはいきませんね。ここに書いてあるものは全部必要なものだということでやっているものですから、一つ挙げろと言われてもなかなか難しいと思います。それはちょっと不可能ですね。
それから中期的な財政、それから特に県の借金の減額については、先程申し上げましたように、臨時財政対策債というもは国が決めるものだから県としてはコントロールできない。しかし、臨時財政対策債を除いた県債残高については着実に削減をしていきますし、必ずこれはそうなると思っております。
ただ、極端に言うと、臨時財政対策債を除いた県債残高、県がコントロールできる県債残高については、着実に年100億円とかそれに近いものを減らしていきますけれど、ただ、国が例えば来年度何か特別なことがあって、臨財債(臨時財政対策債)を今の3倍持ってくれと言われたら、臨財債を含む借金残高というものは増えざるを得ないということになります。これは県としてコントロールできない話ですから、これはやむを得ないわけですが、臨財債を除いた分に関しては着実に減らしていき、着実に財政は改善されていきます。

(記者)今、質問で出た中期見通しについて、財政課が作成の中期見通しによりますと平成24年度には県の基金が250億円ということで半減すると推計されているわけですが、この推計についての感想と、この推計の基になっているのは知事が作成された行政改革大綱に基づく縮減を行った上での推計ですが、行政改革を行った上でもこういった厳しい財政状況になるという推計なんですが、どのように解釈されているのか、その2点についてお聞かせください。

(知事)一つは、税収の伸びをゼロに見ているんですよね。だから、これは、産業・経済の活性化を通じて税収が増加するように努力をしていくということが一つあると思います。
それからもう一つは、この中期見通しでも執行段階節減努力といって、毎年100億円ずつ節減していくという努力を組み込んでいるわけです。
しかし、この100億円ではまだ足りないわけで、100億円をさらに120億円とか130億円とか、さらに節減を強化していくと、この二つに尽きると思います。

(記者)こういう結果が出たという感想についてはどうでしょうか。

(知事)これはこういう前提で計算すればこうなるということでして、要するに“県税の伸びは横這いです”と、それから“臨時財政対策債は来年度以降は150億円のまま、国の方から150億円という数字が来る”と仮定しますと、そういった一定の仮定をおいているわけですから、仮定をおいて計算をすればこういう結果になりますと、こういうことでありまして、それ以上のものは、感想はありません。

(記者)道路の関係なんですけれども、新山梨環状道路や西関東連絡道路が記されていますけれども、道路の関係で、今、国の方でもかなり議論になっておりまして、県としては優先順位を付けて、これが必要だ、これはちょっと優先度は落ちるとか、もう少し精査するということなどは考えておられないでしょうか。

(知事)道路だけでなくて公共事業費は、本県の場合もピークの時に比べれば4割程度減っておりまして、半分近い減額になっているわけです。
したがって、かつて非常に公共事業が景気対策等で大幅に付いた時には、あるいはその中にはどうかなというようなものがあったかもしれませんが、なにしろピークに比べて5割近い、半分ぐらいの状態になっていると。
他方で、県民の皆さん、各市町村長のニーズというものは道路を中心として依然として強いものがあるわけですから、そういう中で精査に精査を重ねて優先順位を付けて事業計画を作っているわけであって、今のこの状況のもとにおいては、無駄なものは絶対にないと、優先順位も十分に検討した上で付けていて、更に、これは無駄だとか、これはいらないんじゃないかというものは私は無いと思っております。

<発表事項>

○「県と甲府市幹部職員による意見交換会の開催について」

(知事)県と甲府市の幹部職員の意見交換会というものを開催することになりました。
甲府市の中心市街地の活性化は、甲府市だけではなくて、県にとっても重要な課題の一つであります。
現在、甲府市で中心市街地活性化基本計画の策定作業を進めているところでもありますし、また県、また市も、北口県有地の問題だとか、あるいは県庁舎や市庁舎の耐震化の整備の問題だとか、舞鶴城公園の整備だとか、都市計画街路の整備とか様々な事業を予定しております。それ以外にも、ソフト面でも、いろいろな事業の展開が必要とされているわけであります。
そこで、県と甲府市が一体となってこうした活性化に取り組んでいくことが必要だと判断しまして、そこで今回、県と市の幹部職員相互が定期的に意見交換を行う場を設けるということといたしまして、第1回目を2月13日水曜日に開催する予定であります。
メンバーは県が副知事と6人の関係部長、市側は2人の副市長と5人の部長ないしは部長職の方々であります。
今後、こうした意見交換の場を通じて、県と市の間で情報や問題意識を共有し、県都甲府市にふさわしい活性化を図っていきたいと思っております。このことを報告させていただきます。

<質疑応答>

(記者)定期的にと言われましたが、これは1ヶ月に1回とかでしょうか。

(知事)特にまだ、どのくらいという頻度は決めていないのですが、2月13日にその会合をやれば、「じゃあどれくらいの頻度でやろうか」とか、そんな話も出てくるのじゃないかと思います。今のところはまだ決めておりません。

(記者)このような会を設けるのは初めてですか。

(知事)無かったんですね。こういうものは。

(記者)今回の意見交換会はどちら側の呼びかけで行うことになったのか、これには知事・市長は出席する予定はないのか、甲府市の幹部職員とだけとやるというのは甲府市が県都であるからということなのか、この3点についてお聞かせください。

(知事)どちらが先にということはないのですが、(甲府市との関係で)非常にいろいろな事業がここに来て出てきているものですから、やはりこれは、十分、県と市の間で調整をして進めていかないと、これは齟齬(そご)が生じる恐れがあるんじゃないかという思いが両方にあって、従来はそれぞれ(県の)土木部は市の都市建設部と、(県の)商工労働部は向こう(甲府市)の経済部とばらばらにやってきたわけですが、やはりこれはひとつ統一した場で意見交換する機会を作った方がいいと。これはどっちがどっちというのではなくて、お互いそうしたらどうかという話が出てきて始まったということであります。
知事・市長は当面は出席しないということで、やや実務的な意見交換ということでありますので、それぞれの事業の進度調整の問題とか、お互いの協力関係の問題だとか、かなり実務にわたる意見交換になってくると思いますから、知事・市長は入らないで、副知事と副市長レベル以下ということにしております。もう一つはなんでしたか。

(記者)他の市町村についてはどうでしょうか。

(知事)甲府市については先程申しましたとおり、ここに来て非常にいろいろな事業が重なってくるものですから、中心市街地活性化計画というものも作りつつあるということですから、甲府市とこういう意見交換会を設けたということであります。他の市町村については、これは随時、市町村長さん等と話し合う機会はありますし、今のところ特にこういった事務的な意見交換会というものを作る必要性は感じておりません。
十分、意思疎通は今の段階でできていると思っております。

(記者)県の6部はどこになりますか。

(知事)知事政策室長、企画部長、総務部長、商工労働部長、観光部長、土木部長、甲府市が副市長が二人と総務部長、企画部長、産業部長、都市建設部長、庁舎建設計画監というのがあるんですね、そういうメンバーです。

(記者)甲府市と県との意見調整という面でいうと、両者の意見で隔たりが大きかったのが北口県有地の利活用策だと思いますが、以前、甲府市は新学習拠点の建設を求めていましたし、知事はそれを白紙撤回という形になったのですが、今回の幹部の意見交換会でも北口県有地の利活用策についても協議していくことになるんでしょうか。

(知事)そうですね。こういうことについては協議しないとか、そんなことはないわけであって、何でもざっくばらんに相談したらいいと思います。

(以上)

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リリース日:2008年2月12日

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