ページID:17046更新日:2019年2月1日

ここから本文です。

知事記者会見(平成19年12月28日)

詳細内容

平成19年12月28日知事記者会見の様子(JPG:30KB)知事記者会見
平成19年12月28日(金曜日)11時30分から
本館2階特別会議室

●発表事項
・なし

●質疑応答
・「平成19年を振り返って」
・「今年の漢字について」
・「知事のトップセールスについて」
・「今年の県政の自己採点、実績、課題について」
・「山梨園芸高校と石和高校の統廃合について」
・「道路特定財源の見直し(暫定税率の撤廃)について」
・「新県立図書館について」
・「年末年始の予定について」


<発表事項>
なし

<その他>
●「平成19年を振り返って」

(知事)いよいよ、今年も残り僅かとなりましたが、皆様方にはこの一年間大変お世話になりました。
今年を振り返ってみますと、2月17日に知事に就任して以来10カ月余りが経過したわけであります。私は県民の皆さんにお約束をした「山梨をかえる」
「山梨を元気にする」この思い一筋で全力投球をして参りました。山梨を元気にするという点では、未だ道遠しでありますけれども、この間県民の皆様方から大変に暖かいご理解とご支援を賜りました。ここであらためてお礼を申し上げたいと思います。
今年の山梨一年を振り返りまして、一番大きい話題は、大河ドラマ「風林火山」の放映であろうと思います。例年の大河ドラマにはない、高い視聴率をあげたこの番組の効果によりまして、今年は多くの観光客の皆様方に山梨を訪れていただきました。来年以降このブームが一過性のものとならないように頑張っていきたいと思っております。
そしてもう一つ、本県にとりまして何といっても大きな出来事は、リニア中央エクスプレスの具体化が進んだということであります。今年の春4月にJR東海が2025年、18年後に東京名古屋間を営業運転を開始するという発表をし、過日12月25日には建設費用の全額をJR東海が自己負担をして建設をするということが発表されました。このことによりまして、いよいよ夢であったリニア中央新幹線が、もはや夢でなくて現実のものになるということが明らかになったわけであります。かつて400年前に富士川舟運が開削されたりとか、あるいは30年前に中央道が開通をして、山梨が大きく発展したように、山梨にとって大きな交通革命が起こり、山梨発展の起爆剤になることが期待されるわけであります。
一方で、今年私にとって一番頭の痛い問題は、医師不足の問題でありました。とりわけ、産婦人科、小児科といった科で医師不足が深刻になっておりまして、妊婦さんや子育てをしておられる若いお母さん方に大きな不安を与えておりますことは、大変に心が痛むわけであります。何とかしたいという思いで、県としても様々な対策を講じて参りましたが、医師不足の状態は解消するにいたっておりません。来年には是非とも改善を図り、県民の安全安心の確保に努力をしていきたいと考えております。
安全安心と言いますと、今年の3月に能登半島沖地震、7月には中越沖地震と大きな地震が相次いで発生いたしました。幸い本県は、こうした大きな地震が近年起きてはおりませんが、災害は忘れた頃にやってくると言われるように、油断をしないで災害に対する備えを万全にしていかなくてはなりません。したがって住宅とか、学校をはじめとする建築物の耐震化をすることはもちろんのこと、災害対策の充実ということが来年に向けての大きな課題であります。

もう一つ残念なニュースでありましたが、ヴァンフォーレ甲府のJ2への降格ということがありました。来シーズンには、また再びJ1に復帰を果たしてもらいたい、そんな思いで県民の皆さんと一緒に従来以上に一生懸命応援をしていきたいと思っております。
私は、県政を担うに当たりまして、県民の皆さんにたくさんの公約をしたところであります。今年はその中でも、ともかくすぐにできるものをやりたいということで、トップセールスを進めたり、あるいは企業誘致の強化を図ったり、県職員の意識改革に取り組んだりして参りました。また公約の一つでありました中部横断自動車道新直轄区間の県民負担額の軽減だとか、あるいは県立図書館の建設の問題、昭和ショッピングセンターの問題などについて一定の前進を図ることができたのではないかと思っておりますが、もちろんまだ道半ばであります。今年はチャレンジ山梨行動計画とか、行政改革大綱とか、農業ルネサンス大綱といった、具体的プランを決定し、公表させていただきましたので、来年以降こうしたプランに沿って着実かつスピード感をもって公約の具体化を図り、「暮らしやすさ日本一」の山梨づくりを推進して参りますので、県民の皆様の一層の御支援、御協力をお願い申し上げます。
改めまして、一年間本当にありがとうございました。皆様にはどうか良いお年をお迎えください。

<質疑応答>

●「平成19年を振り返って」

(記者)冒頭で、元気にするという点で未だ道遠し、というところがありましたが、来年に向けてということもあると思うのですが、元気にするというところの課題、心残りのことと今後の課題について教えてください。

(知事)心残りということはなくて、一生懸命やってそれなりの成果をあげましたけれども、しかし山梨が活性化をして元気になったという状態には、まだなっていない、道半ばであるということ具体的には方向は定まっておりまして、企業誘致をさらに促進をすると。その条件整備として、技術系人材の確保の新しい方策を打ちたてるということがありますし、あるいは情報産業を含めて幅広い企業立地の促進を図っていかなければならないということもあります。
それから本県は、ワイン、ジュエリー、織物あるいは和紙とか、全国の中でも地場産業が高い技術を持ってしっかりと息づいている、地場産業が多い県であります。そういう地場産業が高い技術力を持ち、大変に一生懸命努力をしていながら、長期低落傾向にあるという状況にありまして、こういう地場産業で努力をしておられる皆様方が、努力に応じた付加価値を得ることができるように、県として販路の拡大その他に応援をしていくことも活性化の大きな課題だと思いますし、また農業については、農業ルネサンス大綱に基づいて、新しい日本のモデルになるような、新しい農業を展開をしていくということも課題であります。そんなことを来年は一生懸命やっていきたいと思っております。


●「今年の漢字について」

(記者)今年一年を振り返って、漢字一文字で表すとすればどういう漢字になるのか、また、その理由を教えてください。

(知事)私は、「変」という、変わるという字ですね。「変」という字が今年を一番よく表しているのではないかと思います。国民、県民の間に流れを変えたいという思いが強いのではないかという感じがしています。それは選挙の結果にも表れているのではないかと。まずは1月の私の選挙の時に、山梨を変えようといった私が当選したことがそうでありますし、その後の市町村長選挙などにおきましても、従来の常識では組織だとか、知名度だとかいって勝つはずであった候補者が負けると、流れを変えようと直接有権者に訴えた方が当選をするということがいくつもありました。そういう意味で国民、県民は流れを変えたいという思いを強く持っておられるのではないかと思います。夏の参議院選挙の結果もそういうことではないかと思います。それは背景としては、経済とか社会とか環境とかに変調が表れてきて、国民の皆さんがそれを不安感とか、あるいは閉塞感とか、そういうものを持っておられるわけです。それを打開してもらいたいという思いが強いからではないかと思うわけであります。
具体的には経済の面では、世界経済でも日本経済でも、いわゆるサブプライム問題とか、石油をはじめとする価格の高騰等ですね。ここ5年間くらい比較的順調であった経済が変調をきたしていることがありますし、世界経済も混乱をしている、変調をきたしているわけであります。また社会の面では、モラルの低下、いわゆる偽装問題をはじめとするモラルの低下とか、子供達の犯罪の凶悪化というような、いわゆる規範意識の低下というものがあって、社会も変調をきたしているということもあります。それから今年の夏は非常に暑い日が続いたわけでありますけれども、猛暑日なんて新しい言葉もできましたが、地球環境も明らかに変調をきたしているということもあります。そういうものに対する不安感というようなものが、国民、県民の皆さんに今の状況を変えたいという思いがあるのではないかと思っていますので、「変」という言葉が一番適当ではないかと思います。

(記者)県民の変えたいという気持ちが、今年の1月の知事選での県政転換につながったということですが、そのうえで今年一年間やられてきて、県庁もしくは県政を変えることができたとお思いでしょうか、またこれから変えて行かなくてはならないと思っている部分はどの辺か教えてください。

(知事)県庁の職員も私の意を解してくれて、かなり意識を変えて前向きに創意工夫を凝らして、新しいことにチャレンジしていこうという思いを持ってくれていると思います。なかなか人間の意識というのは簡単に変わらないものでありますから、一遍にというわけにはいきませんが、かなりそのように変わってきております。
例えば提案制度なんかについても、去年に比べると数倍多い新しい提案をしてくれたりとか、そういう意識改革が表れていると思います。
経済界、産業界においてもワインだとかジュエリーだとか繊維とか、そういう地場産業の皆さんもそれぞれ新しいチャレンジをしていこうという意欲は強く持っていただいていると思っております。それが具体的に例えば県民所得とかに表れているかといえば、そこまではいかないわけでありますけれども、そういう前向きにチャレンジしていこうという新しい流れというものは少しずつ出来つつあるのではないかと思っています。


●「知事のトップセールスについて」

(記者)ちょうど10ヶ月前ですが、宮崎県の東国原知事と同じく当選されて、同様にトップセールスということを言われてきたわけでありますけれど、宮崎県の東国原知事との比較で、山梨県ではどのようにトップセールスを進めてきて、どのような違いがあるかという点をお話願えますか。

(知事)東国原さんは知事会などで話をしたこともありますけれど、従来のタレント知事とはまた違う、もちろんタレント性は持ちながらも、大変によく勉強もしているし、政治・経済の面についても高い見識を持っていると、私は評価をしております。
しかし、トップセールスと言っても、そうは言っても東国原さんはタレントでありますから、私に同じようにやれと言ってもなかなかそうはいかないわけでありまして、私は私なりのやり方でトップセールスをしていくしかないと思っておりまして、地道ではありますけれど、コツコツとできるだけ体を動かして必要な人に会い、必要なところへ行くという努力をしているということであります。


●「今年の県政の自己採点、実績、課題について」

(記者)今年の自分の県政を自分自身で採点すると何点ぐらいかということと、今年のご自身の実績の中で最も県民に対しても誇れると思うこと、もう一つは後悔まではいかないまでももうちょっと頑張らなければいけなかったな思うこと、その3点をお願いします。

(知事)点数はなかなかつけにくい。それは皆様がむしろ評価をされることであり、私が自分のことについて点数をつけるのはなかなか難しいと思います。
誇れる事というのは、いくつか公約に基づいて、公約実現のために誠心誠意努力をし、その成果が得られたということ。
例えば、中部横断自動車道の県民負担の軽減の問題だとか、あるいは行動計画を策定して具体的に数値目標を掲げて今後4年間実施すべき事を県民の皆様に明らかにしたとか、そういうことについては自分なりに誇りに思っております。
もっと頑張りたい、しかしできなかったと、最大限の努力をしたのですができなかった事は、やはり医師不足の問題でありまして、水面下でアヒルの水かき的な努力は福祉保健部ももちろんやりましたし、副知事も、また私自身もかなりのお医者さん、大学教授、そういう方々にお会いしましたけれども、何にしても、大変な医師不足の状況だということを改めて認識するだけで、なかなか具体的な成果が現れてこないということでありました。
ご承知のように、いわゆる奨学金制度についてはかなりの希望者がいて、したがって3年、5年、10年と期間が経てば医師不足の問題は解決していくものと思っておりますけれど、当面の非常に緊急に不足している状況に対して何とか対処したいという想いで努力をしておりますが、なかなか成果が上がってこないという焦燥感を持っております。


●「山梨園芸高校と石和高校の統廃合について」

(記者)昨日(12月26日)、山梨園芸高校と石和高校の統合・改編問題に関して、園芸高校の同窓会の皆様が知事に陳情に来られたと思いますが、それに関してあの時、園芸科と食品化学科の2学科の存続を知事は十分理解されたとおっしゃられておりまたけれど、改めて園芸と石和の統合についてのお考えと、今、高校を中心とした工業教育が盛んに言われておりますけれども、今後の高校の農業教育のあり方についてお伺いしたいと思います。この2点についてお願いします。

(知事)石和高校と園芸高校の統合問題については、昨日、園芸高校の同窓会の皆さんをはじめ、多くの方々がおいでになって、要望をしておいでになった。お一人お一人のお話を聞いて、誠に切実なものを感じたところであります。
皆さんが共通しておっしゃっているのは、長い農業教育の歴史が峡東地域にはあると、そして峡東地域で果樹を担っている農家の多くはこの園芸高校の卒業生であると。これから後継者不足というものが言われている中で、かなり高い技術を要するこの園芸というものを、山梨が継続し、発展させていくためには、やはりこういう農業教育というものがどうしても必要であるということを切実に訴えておりまして、私も山梨のこの果樹農業を何としても振興したいと思っておりますので、このことを十分に理解をしたと、そしてその想いを教育委員会、これは教育委員会が決めることでありますから、私がこうすると言えないわけでありますが、そのことを教育委員会に良く伝えますということを申し上げたわけです。
農業教育のあり方ということについては、今、申し上げましたように、特に果樹農業の場合には高い農業技術が必要であると思います。稲作ももちろん大変に技術が必要ですけれど、それ以上に(果樹農業は)農家・農業者の技術というものに依存している程度が高い農業であります。
今、従事をしておられる農家の方というのは、もう65歳とか高齢化をして、あと10年、15年経つとそういう方がリタイヤせざるを得ない。そういう時に後継者が、今、非常に少ないわけでありますから、果樹農家が崩壊していく恐れがあるのではないかと。その結果として山梨の独特の景観である、この果樹園地帯が、この耕作放棄地に変わっていく恐れがある。そのことを私は非常に心配していて、そのために農業ルネッサンスということを言って、新しい農政を展開したいと思っております。
そういう中で、やはり農業技術者の育成というのは大変重要な課題であって、そういう意味では高等学校もそうでありますけれども、同時に農業大学校、これを充実していかなければならないと思って、農業大学校については新しいカリキュラムを設けたり、充実を図っております。
農業大学校の皆さんには、千客万来と、いろいろな人が農業大学校に来て、そこで農業技術を学ぶというように、できるだけ人々が集まりやすいカリキュラムを組んでもらえるように良く頼んでいるところであります。
そういう農業大学校と、その前提として、この農業教育をする高校というものが連携を取って、連携を取りながら山梨の農業技術を担っていくというかたちにしていきたいと思っているところであります。


●「道路特定財源の見直し(暫定税率の撤廃)について」

(記者)ガソリン税についてお伺いします。今、与野党が揮発油税等の暫定税率についてどうしようかという議論をしていると思います。ガソリン代が安くなれば県民は喜びますが、一方で道路特定財源の全体のパイが減ってしまうということにもなろうかと思います。そこで、地方の視点から、知事がガソリン税の暫定税率の撤廃議論、これをどのように見ていらっしゃるかお聞かせください。

(知事)私は暫定税率の撤廃には反対であり、特定財源制度は暫定税率で維持すべきだと思っております。
確かに石油が非常に高くなっておりますから、ガソリン税について本則税率に戻れば25円(近く)安くなると、それは特にガソリンを使う皆さん方にとっては非常にありがたいことだいうことになるかもしれませんが、一方でまだまだ山梨をはじめ日本の道路整備というものはやらなければいけないことがたくさんあるわけでありまして、暫定税率が無くなるということになれば、国税で約1兆7千億円、地方税で約1兆円の道路財源が失われる。国税の方は半分以上ですか、地方税は半分近い財源が失われるわけであって、そういうことに一挙になったとしたならば、これは大変なことになるなと思います。
まだまだ本県の場合は、特に周りが山に囲まれているがために、外との交通のパイプというものは非常に大事でありまして、高速道路をはじめとする道路整備を進めていかなければならないという中で、暫定税率を維持すべきものだと思っております。


●「新県立図書館について」

(記者)甲府駅北口の図書館の問題について、改めて委員会が(建設場所について)結論を出したと同時に、議会が委員会を作ったということについて、ご所見をお伺いします。

(知事)図書館検討委員会においては、先日、委員会を開かれて、12名の委員さん全員が北口が建設場所としては適当であるという意見を表明していただいたということであります。
私も図書館検討委員会の毎回の議事録をずっと読んでおりましたから、建設場所の議論はそれまで無かったのですけれども、言外に委員さん、想いは、皆、北口が良という想いをお持ちなんだなということはだいたいわかっておりましたけれど、予想通り、全員の先生方が北口が適当だという判断をしていただいたという事であります。
県議会は県議会として、この重要な問題について特別委員会を作って議論をするということでありますから、両方の委員会で十分議論をしていただいて、年度内にこの整備計画を作っていくということにしたいと思っております。


●「年末年始の予定について」

(記者)今日で仕事納めになると思いますが、年末年始の知事のご予定を差し支えない範囲でお教えください。

(知事)今日、ちょっと東京に行って、今日明日、場合によっては明後日になるかもしれませんが、2~3の、何人かの方に会うということがあります。あとは30日・31日・1日・2日・3日、山梨にずっとおります。

(記者)公務については明日まで?

(知事)人と会う話ですので公務とは必ずしも言えないかもしれません。

(記者)年末年始は自宅でゆっくりと?

(知事)そうですね。28日・29日・30日と東京に行っていると思いますが、30日・31日・1日・2日・3日と山梨の自宅におります。


●「最後に」

(知事)皆さん、どうぞよいお年をお迎えください。

(以上)

リリース日:2007年12月28日

知事政策局広聴広報課

甲府市丸の内1-6-1本館2F
TEL:055(223)1336
FAX:055(223)1525

このページを見た人はこんなページも見ています

県の取り組み

pagetop