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知事記者会見(平成19年5月22日)

詳細内容

平成19年5月22日知事記者会見(JPG:22KB)知事記者会見
平成19年5月22日(火曜日)11時10分~
本館2階特別会議室

<発表事項>

○「昭和町常永地区の都市計画変更に関する対応について」

(知事)昭和町常永地区の大規模商業施設の問題につきまして、ご説明させていただきたいと思います。
この大規模商業施設の問題につきましては、本県にかつて例のない大規模なものであるということから、私が知事に就任した直後に、この立地による影響調査を関係部局に指示をしたところであります。その調査結果がこの度まとまりましたので、この場で公表させていただくと同時に、それに基づく今後の県の対応策について、ご説明させていただきたいと思います。
調査につきましては二種類ありまして、一種類は土木部が調査をした、この大規模商業施設が周辺の交通量など都市計画に及ぼす影響の調査であります。この大規模商業施設の建設にあたっては、都市計画法上の手続きが必要となってくるわけであります。具体的には、市街化調整区域から市街化区域へ変更するということ、それから土地区画整理事業区域の決定という、これは県知事の権限でありますが、県知事の都市計画の手続きが必要になってくるわけであります。従いまして、そういう都市計画の手続きをやるかどうかについては、この土木部が行った都市計画影響調査に則って判断することになるわけであります。
もう一つの調査は、商工労働部が行った調査でございまして、この大規模商業施設が甲府市中心商店街等の既存商業に及ぼす影響を調査したものであります。しかしながら、現在の大店法(大規模小売店舗立地法)では、新しい商業施設が既存の商業にいかに大きな影響があっても、そのことによる立地規制をするということは、現在の大店法上はできない、商業調整は権限としてできないということになっております。従いまして、この商工労働部の調査は参考として公表するということでありまして、商工労働部の調査に基づいて、なにか大店法上の規制措置を講ずるとか、そういうことではありません。
そこでお手元にお渡しした資料でありますが、「昭和町常永地区の都市計画変更に関する対応について」というものであります。これの最初の5行に結論が書いてあります。これまで進めてきた調査の結果、昭和町から申し出のあった昭和町常永地区の都市計画変更案については、この昭和町から申し出があったというのは、平成18年1月11日付けで昭和町から県に対しまして、先ほど申し上げました市街化区域への編入ということと、土地区画整理事業区域の決定という、二つの都市計画変更の決定をしてくれという、そういう申し出があったわけですが、その都市計画変更案については、協議の課程で明らかになった同地区への大規模商業施設が、計画案のとおり立地すると都市計画に広域的な影響を及ぼすことが予測されたことから、大規模商業施設については再度検討すべきと判断して、本日5月22日でございますが、昭和町長に通知をしたところである、というのが結論であります。
そこで調査結果の概要であります。別の資料がございますが、調査方法はここにありますように、シミュレーションモデルを作成いたしまして、この商業施設が立地したことに伴う、周辺の道路等への交通の変化を予測しているわけであります。
この大規模商業施設影響調査概要をお開けいただきたいと思います。これにつきましては、後で土木部の方で概要の詳しい説明をいたしますので、私の方からはごく簡単に説明をさせていただきます。2ページをお開けいただきたいと思います。昭和町ショッピングセンターの開業後の周辺交通への影響については、この地図の赤い線で示している道路の路線、これにどういう影響があるかという調査をいたしました。真ん中よりやや下に計画地がございますが、その周辺の道路ということでありまして、国道20号線、1で示されております。アルプス通り2、昭和通り3、甲府市川三郷線4、甲斐中央線5、町道378号線6と、六つの路線について影響を調査したところであります。
そして、次のページに結果が書いてあるわけであります。まず、主要道路の交通量及び混雑度について(1)があります。これの見方ということでありますけれど、混雑度というのはご承知のように、実際の交通量をその道路の交通容量で割ったものでありまして、混雑の程度を表しております。この表の見方として、交通量、混雑度、交通容量とありますが、混雑度というところを見ていただきまして、平日、休日とありまして、現況、開業後とあります。国道20号線は平日は現況が1.18という混雑度でありますが、この大規模施設が開業しますと1.22に上がると。多少混雑度が高まるということであります。休日は1.04から1.10に高まると。従って20号線については、そう大きな影響はないということが言えるわけであります。2のアルプス通りにつきましても、そう大きな影響がないと言えるわけでありますが、3の昭和通りにつきましては、大きな影響が出て参ります。なお、この混雑度は1.25を越えると渋滞という状況になります。そして、1.75を越えると恒常的な渋滞が発生している状況になって参ります。そこで3の昭和通りを見ていただくと、混雑度は現在が1.35ですから既に渋滞の状態でありますが、開業後は2.00ということになりまして、恒常的な渋滞という状態になって参ります。休日も同様に2.00と恒常的な渋滞の状態になって参ります。4の甲府市川三郷線につきましても、混雑度は開業後は1.35(平日)、1.40(休日)と渋滞が起こるということであります。5の甲斐中央線は、休日で1.31ということで渋滞が発生いたします。次のページに参りまして、町道378号線の混雑度は、開業後は平日が1.35、休日が1.40と渋滞という状況になって参ります。
次に上から7,8行目に平均旅行速度というのがあります。これは調査対象となった六つの路線全体について、そこを通行する車の平均時速を表しています。そしてこの指標は、平均時速が20キロだとそう問題はないという状態なのですが、15キロを切ると、恒常的な渋滞という状況になって参ります。それで現況は平日が24.7ですから、そう問題はない、車がスムーズに流れている状況でありますが、開業後は15.5ということで、かなりの渋滞の状況が出て参ります。とりわけ休日は現況が26.9でありますが、開業後は14.9と15キロを切りますので、恒常的な渋滞がこの6路線全体に起きてくるということであります。
(3)が交差点飽和度ということであります。これは、それぞれの交差点において、交通の容量に対して、実際の交通量がどのくらいになるかという数字でありまして、0.9を越えると、その交差点が交通をさばききれない状態になるということであります。これを見て参りますと、平日では0.9を越えているところは、医大入口交差点0.98、昭和水源入口交差点1.10、休日では、竜王西小北交差点1.00、昭和水源入口交差点1.30というところで交差点の渋滞が生ずるということであります。なお、今非常に渋滞しております国母交差点につきましては、そういう数字がないわけでありますが、これは今、交差点の改良を行っております。来年完成をいたします。その完成した後の状態からどうなるかという見方をしておりますから、今よりも良くなった状態からそれがどうなっていくかを見ているわけであります。
そして4ページの下から2行目、中心市街地の来街者数への影響予測というものがあります。これは自動車の交通と違いまして、人の流れ、人流であります。甲府の中心市街地に来る人が、どのように影響してくるかということでありまして、大規模商業施設の立地によって、年間160万人、6.6%減少するということになります。
そして次のページに図がございますけれど、これは今の6路線について、渋滞がどう生ずるかというところを見ております。現況はここにありますように、国母交差点周辺で渋滞が生じているわけでありますが、開業後はかなりこの赤い線が6路線全体に広がってくるということで、渋滞の影響が広域に及んでくるということであります。次の6ページになりますと、現況はほとんど渋滞がないわけでありますけれど、休日でありますが、開業後はかなり広く渋滞が及んでくるということにになります。
そこで7ページに参りまして、こういう結果の評価についてであります。まず一点目として、甲府都市計画区域マスタープラン等との整合という問題があります。現在の甲府都市計画区域マスタープランにおきましては、この昭和町常永地区は商業等の拠点地区としては位置づけられておりません。従って、そこに県下最大というような大きな商業施設が立地するということは、都市機能の拡散を助長して、目指している都市構造に反して好ましくないということがまずあります。
また、先日発表いたしましたけれども、人口減少や超高齢社会の到来など社会情勢の変化、それから「まちづくり3法」が変わりまして、都市計画法が変わりました。従来の郊外拡散型の都市計画から、できるだけ集約型の都市計画へ都市計画の基本的な考え方が変わった。そのことに伴って、本県では「やまなし都市づくりの基本方針」というものを先週、5月15日に発表したわけです。その「やまなし都市づくりの基本方針」における都市機能の配置方針とも適合せず、目指している都市づくりに支障があるというのが第一点であります。
二点目として、計画地周辺道路への影響ということでありまして、今数字を見て参りましたように、かなり広い範囲に渡って旅行速度が著しく低下し、都市基盤の根幹である道路の機能低下が明らかになっている。そして、この道路の機能低下、混雑を解消するためには、昭和通りなど整備済み道路への巨額の再投資が必要となり、甲府都市圏の計画的な基盤整備を阻害する要因となる。また三点目といたしまして、中心市街地への集客数、人流への影響でありますが、減少傾向が続いている県都甲府市の中心市街地を訪れる人が更に減少するということで、甲府都市計画区域マスタープランでは甲府駅中心は商業業務の拠点地域と位置づけられているわけですが、その機能低下が予想される。そして今後展開していくこととしている甲府市の中心市街地再生施策の効果を損なうことが懸念されるという結論であります。
次に、商工労働部の、大規模商業施設の立地が甲府市中心商店街に与える影響調査ということであります。
その前に、最初の1枚紙をご覧いただきたいと思います。今、申し上げたのが、2番目のマルの調査結果の概要の1.調査方法と、2.評価の概要の二つのことを申し上げたわけであります。そこで3番目のマルがありますが、評価結果に基づく県の判断ということですが、「上記の結果から、昭和町常永地区への大規模商業施設の立地は、都市計画上大きな影響があることから、評価に示した問題点に留意して再度検討するよう昭和町に要請した。これまで進めてきた都市計画決定事項に関する協議結果については尊重する。」としておりまして、これまで昭和町と県との間で都市計画の協議をして参りました。それはこの地域で区画整理を行うということであります。その区画整理を行うということについては、県としてもこれを尊重すると。従って、この区画整理までやめろということを申し上げるわけではないということであります。三番目に「昭和町の再検討に係る協議については、迅速に対応する。」とありまして、昭和町が県からの再検討の要請を受けて、検討をしていただけると思いますけれども、その際、昭和町から色々な相談、協議があると思います。それに対しては迅速に対応をしていきたいと。決して先延ばしをするということは考えておりません。
いずれにしましても、この問題は地元の地権者も二百数十人おり、地権者の皆さんも不安に思っていることでありますので、関係者が協力して早期に問題解決が図れるように、努力をして参りたいと思っております。
なお、先ほど参考資料ということで申し上げました、商工労働部の調査について簡単にご説明させていただきます。大規模商業施設の立地が甲府市中心商店街に与える影響調査結果というものであります。大規模商業施設というもののとらえ方が問題になるわけでありますが、ここでは商圏の範囲が10キロを超えるようなものということで、昭和町のショッピングセンター、それから甲斐市の、過日、規模縮小をした大型のショッピングセンター、この二つを対象といたしました。下の表にありますように、昭和町の常永地区のものは、店舗面積が4.8万平方メートル、甲斐市の下今井地区については、これは4分の1に縮小しましたから3.2万平方メートルであります。合計が8万平方メートルということになって、これらの商圏の中の全体の店舗の面積が49万2千平方メートルということですから、その全体の店舗面積の16.3%にこの二つだけで相当するということであります。
次の2ページに参りまして、問題の甲府市中心商店街に与える影響についてでありますけれども、その2というのをご覧いただきたいと思います。太線で書いてありますように、これもモデルを使いまして推計いたしました。そのモデルは、下から小さい字で書いてありますが、旧通商産業省が導入した「修正ハフモデル」というものであります。これによって推計した結果が上の表に出ております。この二つの立地によって、中心商店街の売上高の減少額は46億3千万円となり、その減少率は9.2%の売り上げの減少となるというのが、このハフモデルによる推計で出ております。
次の3ページに参りまして、甲府市中心商店街への影響ということでありますが、全国の小売業の損益分岐点比率を見ると、業種平均で94.1%ということでありますので、5.9%の利益が全国マクロの小売店の平均的な利益であると考えられます。そこで、これはごくラフな目安でありますけれども、小売業者は5.9%の売り上げ減では耐えることはできるけれども、それ以上になった場合には閉店などが現実的な選択になるということであります。そこで太線のところに書いてありますけれども、先ほど言いましたように、この二つの大規模施設の立地によって、9.2%の売り上げの減少ということになるとすれば、閉店を選択する店舗を増加させることが見込まれ、店舗数の減少に拍車をかけることになると。かなり閉店する店舗は出てくるだろうということであります。歩行量は更に減少するし、甲府市中心商店街に大きな影響を与えることが予想される、という調査でございます。これについても商工労働部の方で後ほど詳しい説明があると思います。
私からは以上であります。

<質疑応答>

(記者)率直な感想として、都市計画上の手続きがあることは、十分承知をしていますが、これをもって中心市街地への深刻な打撃と、かねがね知事がおっしゃっていたところへ結びつけるのは、ある意味で厳しいかという気もしています。今後、これを武器にイオン側との交渉を、県がしていくことになろうかと思うのですが、その辺りの戦術、作戦をどのように考えられているのかということが一点。
それと、やはり大型ショッピングセンターが出てくる地域においては、非常に高い目的を掲げて、例えば中心市街地の検討だとか、条例化をして大型店の規制をしている地域もあるように聞いていますが、その辺り県として今後どのように対応していくのか、二点教えていただけますか。

(知事)調査の見方なのですが、先ほど申しましたように、県としては、都市計画上の権限を持っているわけでありますから、この大規模店舗が立地することに伴う都市計画への影響というものを判断して、都市計画上支障があれば、都市計画の権限に則って、修正、再検討をお願いするということになるわけであります。その際に、商工労働部が行った中心商店街への影響というものも、参考資料として念頭におくということになると思います。
そう大した影響はないのではないかというご指摘かもしれません。そこのところは、いろいろな見方があると思います。まず交通量について言いますと、やはりあの周辺のほとんどの道路に相当な渋滞が生じてくるということでありまして、この渋滞を解消するために、再度投資をするということになりますと、かなり巨額の道路投資が必要になるということであり、これは都市計画上大きな支障が生じることになると判断しております。
中心商店街の影響については、正直言って損益分岐点が6%というのは、全国平均のものであって、甲府の中心商店街がどれくらいなのか、個々の店舗がどれくらいなのかわからないわけでありますから、率直に言ってラフな推計にならざるを得ないわけであります。しかし、甲府の中心商店街の売り上げの減が9%になるというのは、かなり大きなものではないかと考えております。
もう一つ、条例等で郊外の立地を規制をするという話でありますが、これは以前発表させていただいたように、条例というかたちにはならないと思いますが、郊外での大規模な商業施設の立地につきましては、あらかじめ県に届けさせて、そして県庁内で関係機関で審査をするという仕組みをつくりたいと思っております。従来は都市計画とか、あるいは農転という手続きが先行して、最後になってイオンが出店したとかユニーが出店したとかなるものですから、もう手続きがかなり進んだ段階で、そういう具体的な商業計画が明らかになるということがあって、手戻りが生ずるということがありました。そういうものについては、早い段階でそういう計画があるならば、きちんと出していただいて、早い時期から検討ができるようにしたいと思いまして、条例ではなく要綱的なものをつくる準備をしております。

(記者)今後、具体的に知事自らが署名を提出された設立準備会の皆さんとお会いをする機会であるとか、場合によってはイオンの上層部との会談を持つという計画などはありますか。

(知事)それはありません。将来全くないということは、先のことですからわかりませんが、今のところ、その考え方はありません。昭和町長に再検討をお願いし、当面昭和町長が設立準備会の皆さん、あるいは(株)ダイヤモンドシティと協議をしながら、再検討をしていただけるものと思っております。

(記者)今日の(土木部が昭和町長に渡した)通知の内容の中で、例えば具体的に面積の縮小ですとか、具体的な見直しの方向性というのは、盛り込まれたのかどうか。それから今回の通知は町に対してだけであって、例えば組合とか事業者への、県としての接触はあったのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

(知事)通知の内容は、今回調査を行ったところ、「別添のような調査概要であって、都市計画上大きな影響があると判断し、当面手続きを保留することとしたので、評価に示した問題点に十分留意のうえ、立地計画の再検討をお願いします。なお、都市計画決定にいたるこれまでの協議結果については、尊重していく方針であり、再検討にかかる協議については迅速に対応することを申し添えます。」と、先ほど私が申し上げた趣旨のことを言っております。具体的にどれだけカットしろということは、言っておりません。(組合や事業者への接触については)今回は昭和町長あてに土木部の方からこういう要請文を持って、説明をし要請をしたということであります。

(記者)今までの知事のお話を聞いていますと、昭和町のショッピングセンターについて昭和町に見直しを求める根拠というのが、中心市街地への影響を非常に強調されていた気がするのですが、今回を見る限り、都市計画上の大きな影響というのが、交通渋滞が生じるという一点だけという気がするのです。
まず一つお伺いしたいのが、今まで中心市街地への影響を強調されていたのに、今回なぜそれが都市計画上の問題というようにポイントが移ったのかというのが一点。それからもうひとつは、極端に言えば、この交通渋滞が生じるということだけで、今回の計画を見直せということで、町、組合、事業者を説得できるとお考えかどうか、その二点をお伺いします。

(知事)中心商店街への影響も非常に大きいものがあるということは、先ほどの商工労働部の調査からも明らかだと思っておりまして、これは見方がいろいろあるかもしれませんが、非常に大きな影響だと思います。ただ現在の大規模小売店舗立地法では、このことを持って大型ショッピングセンターを規制するという権限は、県にはありません。
従って、そういう中心商店街への影響ということも念頭におきながら、都市計画の手続きをやっていくわけですから、やはり直接的には都市計画にどういう影響があるかという判断をして、大きな影響があると判断される時には、都市計画上の手続きをストップするなり、見直しをするなりということをするということであります。
そこで、都市計画の方の影響を見ていくと、かなり広域に大規模な交通渋滞が広がるということでありまして、それを解消するためには、県民の税金によって相当な道路の再投資を、これは交通渋滞が慢性的に生じますと、必ず県民から道路を直してほしいという要請がくるわけでありますから、今までそこのところは道路ができていて、改修の計画はないけれども、しかし常時渋滞となれば改修をもう一回計画せざるを得ません。そういうことで再度、本来であれば必要のなかった再投資をせまられることになる。これはやはり大きな影響だと思います。
それから、都市計画の調査でも甲府の中心市街地への人流の調査をやっております。これが6.6%の減少ということになっております。この6.6%の減少をどう評価するをのかということですが、この施設だけによって6.6%減少するというのは、かなり大きな影響だと思いまして、甲府市の中心部への人の流れが6.6%減るということは、中心商店街へも相当な影響があると判断されると思っております。
交通渋滞が慢性的におきると、県の責任として道路改修をしなければならない。道路改修は、既に、ここは一回してありますから、道路改修をする計画はない道路でありますけれども、しかしこういう慢性的な渋滞がおこったとなると道路改修をしなければならない。こういう市街地の街路について、道路改修をするというのは、相当巨額な投資を要します。県民の税金負担がそれだけかかるわけでありますから、そのことをもって十分説得できるのではないかと思っております。

(記者)今回、町に示した通知の中で、特にこれはショッピングセンターが計画どおりできればという仮定の話でつくられているのですが、どのくらいを見直せということを示さなかったのかというのが一点と、県として何割見直せばどれくらい渋滞が緩和できるのかというシミュレーションを、今後つくっていく予定があるのかということをお伺いします。

(知事)何割減らすかというのは、県としてそこまではお示しするべきではない。それは、昭和町と事業主体がお考えいただいて、県と相談をしていただくことになると思っております。一方的に、強権的に何割減らせということは言うべきではない。しかしながら、昭和町なり事業主体の方から、例えばこれくらいカットしたときに交通への影響はどうでしょうかというご質問があれば、シミュレーションモデルを使って、この時はこういう状況になりますとか、そういう相談には、いかようにでも応じたいと思っております。

(記者)先ほどの質問に関連してなのですが、今回元々の出発点は、中心商店街への影響というところがあったと思うのですが、現行法では商業調整はできないと、だから都市計画上の問題として見直しを要請したということだと思うのですが、こういった手法について、結論ありきの強引な手法ではないかという声もあると思うのですが、この辺はどのように思われますでしょうか。

(知事)結論ありきの強引な手法と私どもは思っておりません。常識的に考えて、確かに私もそう思いましたし、多くの人がそう思ったわけでありますが、甲府の中心街から6.5キロというところの比較的近くに、4万8千平方メートルという床面積の、岡島の一倍半の大規模なショッピングセンターができれば、中心商店街にはかなりの影響があるであろうというのは、誰しも常識として判断できることであって、同時に交通量とか都市計画に影響があるということであれば、それに対して、県として取りうる権限を使いながら、できるだけ問題が生じないような解決策を探っていくというのは、県の責任だと思っておりますので、決して強引な、またはじめから結論が決まったものだとは思っておりません。

(記者)今回の見直しに対して、もし従わない場合、県はどのような判断をされるのかという点と、こうした見直しの要請で事業者側が難色を示せば、計画自体も白紙になる可能性もあると思うのですが、既に地権者側もかなりの投資をされているようですが、そうした地権者の方に損害が出た場合、県としてはどのようにお考えかということをお願いします。

(知事)従わない場合には、県としては再検討と言っているわけですから、再検討ができないということになると、手続きが進められないと。市街化区域の編入とか、あるいは土地区画整理事業区域の決定とか、そういう都市計画が、県としては、再検討をお願いしたけれどもしないということになると、その手続きができないということになります。
それと、確かに事業主体はかなりのお金を使っているとか、話としては聞いております。それはしかし、県としてはやむを得ないと言ったらおかしいですが、だからと言って、県がまだ許可をしていないわけですから、その前の段階にお金を使って、お金を使ってしまったから許可してくれないと困ると言われても、そういう理屈だとあらゆる許可というのはしなければいけないということになりますので、それは少し筋が違うのではないかと。そのことについて、既にお金を使ってしまった、(株)ダイヤモンドシティが使ってしまったとすれば、そしてその結果駄目になったとすれば、それは大変遺憾なことではあるけれども、だからと言って、(株)ダイヤモンドシティがかなりお金を使ってしまったから、もう許可してやらなければいけないという理屈にはならないのではないかと思います。

(記者)事業者もそうかもしれませんが、今回の場合、地権者の方々も自らかなり投資をされ、環境アセスの作成などに相当額投資されているようですが、地権者の方に対してはいかがでしょうか。

(知事)先ほども申しましたように、地権者にもそういうことがあって不安に思っておられますから、できるだけ早く問題を解決するように、県も関係者も努力をしなければならないと思っています。

(記者)計画が白紙になった場合に、この計画のために環境アセスの作成とか、地権者の方が投資されたお金があると思うのですが、その辺りの損害についてというのは、どのようにお考えでしょうか。

(知事)基本的には、先ほど申し上げていることでありまして、どういう許認可でもそれをやる人は予めお金をかけて色々な調査をして、そして出してくるわけです。しかし、その許認可がある事情で駄目だということはあるわけです。その結果として損害ということは出てくるわけです。だから繰り返しになりますが、そういうお金をかけてしまったから、許可してやらなければいけないのではないかという理屈はないと思います。しかしながら、(地権者は)普通の農家の方々ですから、そういう方々がかなりの負担をしてしてしまっているとすれば、そういう損害が生じないように、できるだけ県としては、早く良い結論が出るように努力をしていかなければならないと思っています。

(記者)県としては「交通量調査を基にして」というかたちで言われているんですけれども、この数字がどの辺りだったら、混雑度は許容できるとお考えなんでしょうか。

(知事)それは、先ほどいくつか評価の数字を示しました。交差点飽和度であれば、0.9以上になれば交差点が渋滞状況になると。
そうしたいくつかの基準の数字があります。そういうものを判断しながら決めていく、判断していくということになると思います。

(記者)今後、展開していく予定の中心市街地再生の施策を、いつ頃お示しになるのか、具体的にお考えがあればお教えいただきたい。
といいますのも、都市計画上は、郊外のこの施設が都市計画には適合しないとおっしゃいますが、現状の県民の消費生活を考えると、中心市街地が商業の中心とは県民が求めていないという現状があると思います。人が歩いている交通量だとかを見ますと、県民の支持が得られていないと。中心市街地に。
そうした中で、なぜ、中心市街地を守らなければいけないのかという、守るべき価値を県として示していかないと、今回の郊外について規制するだけでは説得力をもたないと思います。中心市街地をどうして守らなければならなのかというセット論でいかないと、どうも説得力がないように思えるのですが。
その点についてはいかがでしょうか。

(知事)2つのことを申し上げたいと思います。
一つは、現在、甲府で、中心市街地活性化計画を作るということで、具体的な協議会ができ、検討が始まっております。確か、本年度中ぐらいに策定して、国の認可を得るということで進んでいると思います。県としても、これについては最大限、協力をしていきたいと思っております。
もう一つは、確かに中心市街地が停滞する、衰退をするというのは、消費者から受け入れられてないからではないかということはあるのですが、確かに消費者の利益だけから判断すれば、それは、郊外の大型店舗の方が良いという考えが出てくるかもしれない。
しかし、甲府の中心市街地というのは、長い歴史の中で県民の中で築かれ、支えられたものであり、そうした歴史と伝統を持ち、過去、多くの社会資本の蓄積も行われてきている。しかも県の顔であるということで。これは、我々でなくて、都市計画の考え方がそう変わったんです。国の判断もそう変わったんです。
都市計画法上、これは先週ご説明しましたように、中心を大事にする、既存の商店街を大事にする、このコンパクトな集約的な都市計画に、郊外に広がっていく形ではなくて、そういう形に都市計画を変えていかなければならないということで「新まちづくり3法」ができてきたわけですから。これは、私たちだけの考え方だけはなくて、国全体の都市計画の考え方としても、こういう、既存の中心市街地を大事にしていかなければならないと。大きな方向として、法律によって認められてきているということだと思います。

(記者)先程、知事は昭和町のショッピングセンターについては迅速に対応するとおっしゃっていましたけれども、そもそも組合は(株)ダイヤモンドシティに、売り場面積の縮小について、内々に打診しています。
それで、今までの話を総合すると、大規模商業施設について、ある程度縮小することが最終的な結論になると推測できるのですけれども、知事は先程、どれぐらい削減するかこちらから示さないと言うんですが、案というものを出さないと、相手から新しい数字を出してくるたびに、「これは入りませんね、もっと下げてください」とやっていたのでは、いつまで経っても進まないと思います。
だから、ある程度、県側でこの位は許容できるというものを出さないと、迅速な対応をするということはそもそも達成できないし、知事の公約でスピーディな行政というのをあげているので、その辺はある程度歩み寄りが必要だと思いますが、そのあたりはどのようにお考えになりますか。

(知事)それは、迅速にやりたいと、調整したいと思っておりますが、具体的に、こういう公文書の中で、例えば何割カットしろということをはっきり言うことが良いのかどうなのか。
やっぱり、昭和町は昭和町で、事業者は事業者でいろいろな事情があるでしょうから、それは、お互いの協議の中で、我々としての考え方があれば申し上げ、また彼らの考え方があれば聴き、調整していく話であって、今ここで何割カットしろと言って、そのために協議が硬直的になってしまうというのは、かえって迅速な解決を妨げるんじゃないかと思います。
だから、決して示さないということではありません。協議の中で、色々な議論は、我々の考え方とか、そういうことは申し上げるということです。

(記者)許容範囲とか、そうした話については、協議の中でですか。

(知事)それは、そういうこともあると思います。

<質疑応答>

○「リニアモーターカーの試乗会について」

(記者)リニアの試乗会の関係で、県としては4月16日の期成同盟会幹事会の中で、JR東海側の説明で、一般の試乗会については、今後の実験に支障があるということで、一般の試乗会は今後行わないということの説明を受けたということですけれども、そういう状況の中で、JR東海が関係者と称する特別な枠に関しては、今後2年程度続けるという話が出てきているのですが、それについて県としてどのようにお考えですか。

(知事)私も、新聞は読みました。これは、JR東海でその辺の詳しい意図とか、正確な事情を聴いてみたいと思っています。そのことを担当者に指示してあります。
新聞報道の書き方だと、地元の人間は駄目で、中央の方の斡旋のあった人はいいと。もしそういう差別的なことをするなら、それはとんでもないことで、それは困りますと申し上げざるを得ないと思います。
聴いてみて、なるほど合理的な理由で、そうだな、というであればやむを得ないですが、そういう差別的な、不公平な取り扱いということは、あってはならない思っていますから、そうであれば申し入れたい思います。

(記者)JR東海の方に、県の説明としては、4月の幹事会の中でそういう説明を受けているにもかかわらず、試乗会については続けるという話をされているので、説明を求めていくというかたちでよろしいでしょうか。

(知事)そうです。

○「元秘書の公職選挙法違反について」

(記者)知事選の選挙違反事件を巡って、知事の元秘書の方が、各報道社のインタビューに答えておられます。当時、私が知事にお伺いした時に、本人が行方不明になっているから事実関係がわからないけれども、やっていないと信じているとおっしゃっていたのですが、ご本人が実家の方に戻っているということで、知事の方から何かしらの接触をするなり、人づてでも結構ですが、事実関係を確認したかどうか。また、改めて事件について知事の見解をお伺いしたのですが。

(知事)その当時、コメントした考え方は変わっておりません。本人と直接会っておりませんけれども、そういうことはなかったのだろうと、私は信じております。あの人間の性格からして、そういうことはなかったのだろうと私は思っております。

(以上)

リリース日:2007年5月23日

添付ファイル

知事政策局広聴広報課

甲府市丸の内1-6-1本館2F
TEL:055(223)1336
FAX:055(223)1525

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