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知事記者会見(平成16年5月12日)

詳細内容

写真:記者会見の様子(JPG:202KB)知事定例記者会見
平成16年5月12日(水曜日)11時30分から
本館2階特別会議室

<発表事項>
○「平成17年度国の施策及び予算に関する提案・要望」について

(知事)ご苦労様でございます。
「平成17年度国の施策及び予算に関する提案・要望」につきましては、先ほどの庁議におきまして、33項目の提案・要望項目を決定しました。
また、市町村直結の県政を進める観点から、市町村からの提案・要望につきましても、併せて、国に要請していくこととし、20項目を提案・要望して参ります。
「平成17年度の提案・要望」に当たりましては、地方主権の確立という観点から、本県独自の施策提案や、基盤整備等において重要な大規模プロジェクトなどに重点をおいて、提案・要望をして参ります。
主な項目と致しまして。
まず、地方主権の確立ということであります。
地方公共団体が、自主的・主体的な行財政運営を進めるためには、地方財源の充実強化が不可欠であります。
現在、国において、「国庫補助負担金の廃止縮減、国から地方への税源移譲、地方交付税の改革」を三位一体として改革するため、活発な論議が行われているところであります。
それぞれの立場から、様々な意見があることは承知しておるわけでございますが、少なくとも、国の歳出削減のみを目的とした、単なる地方への負担転嫁となるような改革は避けなければならないと思います。
地方分権の理念と目的に基づき、「三位一体」の改革が実施されるよう改革の全体像の提示と地方の意見の反映を強く要望して参ります。
また、国家的施策として実施されている直轄事業の負担金につきましては、事業の箇所付けの必要性や財政負担について地方の判断の余地が確保されていない中で、個別に財政的負担を課せられており、不合理であることから、これを廃止することを要望致します。
次に、義務教育費国庫負担制度でございますが、金額が大きく、県財政への影響が大きいものであります。教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るための財政面での国の責務は明確であり、必要な経費は国が財源保障する義務教育費国庫負担制度の堅持を強く要望して参ります。
また、今年度導入された「総額裁量制」については、地方主権を推進する観点からの運用を要望して参ります。
次に、観光振興の観点からは、観光による地域の活性化を図るため、国の体制整備や地方が行う国際観光施策に対する支援体制の強化、外国人観光客の誘致促進などを要望して参ります。
次に、富士山関係でございますが、国民共有の財産として、富士山の総合的な環境保全策を講ずるため、山小屋のトイレ整備や富士スバルラインに環境保全対策が可能な維持管理有料道路制度の導入などの支援を要望していきます。また、富士山火山や大規模地震の防災対策を強化するため、富士山の研究に関する総合的な推進と本県が行う研究への支援・協力、防災対策の推進、観測体制の強化など、国の積極的な取り組みを要望して参ります。
農業では、本県の中山間地域における農業生産の維持や耕作放棄地の増加の抑制に大きな効果を上げている中山間地域等直接支払制度が今年度をもって終了となることから、翌年度以降の制度の継続とその拡充を要望して参ります。次に、治安につきましては、安全で平穏な県民生活を将来にわたり確保し、質の高い「安全」と「安心」を提供していくため、警察官の定員基準の改善等を引き続き要望して参ります。
次に、基盤整備の関係では、中部横断自動車道の早期実現や中央自動車道の整備等の促進、地域高規格道路の整備推進などを要望して参ります。
また、リニア中央エクスプレスの早期実現と山梨リニア実験線全線の早期建設についても、沿線9都府県の期成同盟会やリニア国会議員連盟、県選出国会議員などと連携して引き続き、要望する考えであります。
次に、市町村から国への提案・要望としては、財政基盤の充実強化、介護保険制度の円滑な実施やごみの減量化・資源化の促進などであります。
いずれも、県民生活に直結する重要なものであり、市町村に代わって、国に提案・要望をして参ります。
今後、県関係国会議員の方々への協力要請や各省庁の概算要求に合わせ提案・要望活動を展開して参ります。
以上です。

<質疑応答>
○「平成17年度国の施策及び予算に関する提案・要望について」

(記者)県の要望項目の中で特に知事の思い入れというか、「これは」というものがあれば教えてください。

(知事)三位一体改革の中の財源問題ですが、これは「麻生プラン」(麻生太郎総務相の「国から地方への3兆円の税源移譲をまず先行させる」という案)というものも出ていますが、平成17年度予算については、地方へのしっかりとした税源移譲を図って頂き、地方財源について少なくとも平成16年度を下回らない対応を図って頂くということを第一にやって頂かなくてはならないことだと思っています。

(記者)今、話に出ました「麻生プラン」に対する知事の評価はいかがですか。

(知事)「麻生プラン」については、総務省と財務省との調整も必要であり、まだ確定したものではないですが、プランは「地方への税源移譲3兆円を事前にしっかりと確保しておこう」ということですから、私どもとすれば来年度予算に向けては、非常に力強いことであると考えています。

(記者)財務省との調整という話も出ましたが、あのままいくとは思えないという感じがします。ちょっと地方に譲り過ぎているかなと思うのですがいかがですか。

(知事)国の財政というものも非常に厳しいものがありますから、財務省サイドからするとそうでしょうね。
しかし、国家財政というものを立て直していくために地方を犠牲にしていいならば、それも(財務省サイドの考えも)いいのでしょうが、地方を犠牲にしての国家財政の立て直しはできないのではないかと私は思います。
やはり、地方あっての国だということを是非理解して頂いて、麻生プランに財務省も対応すべきだと思います。

(記者)三位一体改革の財源問題の他に力が入っているところはありますか。

(知事)観光政策についてです。地域再生計画に基づく申請もしてきていますが、それもしっかり取り上げて頂くことが大事でありますので、その点もよく要望していきたいと思っています。
それから、市町村の問題ですが、介護保険制度の円滑な実施やごみの減量化・資源化の促進などです。
どちらかというと、施設整備に対する国の支援が薄いのですが、市町村任せという中で住民には一番関心が高い、切迫した問題です。国がこの点に力を入れて頂かないことには、これらの問題を円滑に進めることが難しい状況にあるということです。この辺について力を入れていきたいなと思います。
それにあと、義務教育費の問題です。
これも義務教育費の国庫負担金が一般財源化されると、大都市圏と地方との格差というものが段々出てくる可能性が十分にあるということですから、義務教育費の国庫負担制度ということは堅持して頂くことが地方の自治体の考え方だと思います。これは、他の県とも共同して頑張っていきたいと思っています。

(記者)義務教育費の国庫負担制度については、全国知事会の要望としては出ていないですよね。

(知事)義務教育費の国庫負担金については、当面は退職金とか施設整備に対しては一般財源化していこうということですが、その部分はごくわずかですからやむを得ないということになっています。

(記者)そうしますと、義務教育費の国庫負担制度の堅持という要望は山梨県独自の要望ということになりますか。

(知事)山梨県ばかりでなく、他県でも小さい県は声を大にして言っております。

(記者)そうしますと知事としては、これは大きな問題であるととらえているということですか。

(知事)そうです。

○「国民年金の未加入について」

(記者)昨日の発表ですと知事は、「サラリーマンを辞め自営業に携わることになった昭和34年10月から昭和42年3月までの4年半の間、国民年金に加入していなかった。当時は国民年金の制度発足間もない頃であり、制度への理解不足であった」とのことですが、私どもで社会保険事務所へ聞いたところ、(知事が未加入だった当時は)「国民年金への加入が義務化される前の話ですが、自営業者の加入は制度上義務化されていた」とのことでした。その辺のご理解はいかがですか。

(知事)そうですね。サラリーマン当時は厚生年金に入っており、辞めて自営業に携わることになった時は国民年金に未加入であったわけですが、国民年金制度の発足当初でそうしたことに対する指導とかはなかったと記憶しています。

(記者)「指導とかはなかった」というのはどういうことですか。

(知事)「(自営業者の加入は制度上義務化されているので)強制加入するものである」というような指導はなかったということです。何しろ40年近くも前の話なのであまり記憶も定かではないのですが、制度発足当初のことで国民年金に対する認識が全く不足していたというふうに思います。

(記者)これだけ問題になっている時期ですが、当時は若かったということでしょうか。

(知事)そうですね。20代から30代の年のことですから、まだ年金というものに対する意識というものが低かったということですね。

(記者)(昭和34年10月から昭和42年3月までは未加入でしたが)昭和42年の4月に国民年金に加入されたとのことですが、どういう理由からこの時に気付かれて加入したのかということと、国会議員とか閣僚の方の未加入が1か月前くらいから叫ばれていましたが、どうして今の時期になっての公表だったのか、公表が遅れたのではとも思うのですがいかがですか。

(知事)一律強制加入となったのは昭和61年以降ということで、昭和61年当時は既に年金に加入していましたし、それ以降も市長職、知事職と共済年金に加入しています。
ですから明確に年金に加入し、納付していたということですから、私には未払いはないなという認識でおりました。
何人かの記者には(年金加入について)聞かれたこともありますので、そういう認識でお答えをしていたのですが、最近は年金制度が出来た40年、30年前の話も世間ではされていますので、私もしっかりと調べてみようということで調べたところ、そういう結果が出てきたということです。

(記者)もう一点、昭和42年の4月に国民年金に加入されたとのことですが、どういう理由からこの時に気付かれて加入したのか、ということについてはいかがですか。

(知事)当時、私の住んでいる所には(国民年金に入ると自治会に奨励金が交付されるという)奨励金制度があったのです。町内で一括して集金して納めるということで、町内に保険委員さん、年金委員さんという方がいまして、そういう人たちが徴収して、徴収額に応じて奨励金が町に戻って来て、自治会の運営費に充てられていたという時代があったのですよ。
ですから、年金委員という人たちが年金に入っていない人たちを加入させていたというのが、私が加入した時の頃のことだと思います。

(記者)先ほど、「一律強制加入となった昭和61年以降のことだと思って」というお話がありましたが、これは国会議員の方なんかが強制適用されて、未納、未加入という議員が多数出てきたので、昭和61年というのが世間に流布されていると思うのですが、昭和61年以降の一律強制加入というのは、議員年金を払っていても国民年金加入は強制適用されるということで、一般の人はあまり関係ないのではないか、昭和61年以前の自営業をしていたころのことは知らないというのは少しおかしい気がするのですがいかがですか。

(知事)新聞など報道されていたことを見ると、当初は、みんな昭和61年以降のことを問われていたのですよね。
ですから、昭和61年以降は先ほどお話ししたように、問題ないなという認識だったのです。

(記者)昭和61年以降は、国民年金への加入は国会議員も強制適用にもかかわらず、未納、未加入という議員が多数出てきたという報道によって、知事がそういうふうに思ってしまったということも理解できないのではないですが、そうしますとやはり年金制度への理解不足というのがあるのかなと思うのですがいかがですか。

(知事)制度への理解不足というのは(私が未加入だった)昭和37年当時、40年くらい前のことですが、先般からの報道では昭和61年、61年ということが盛んに出ていましたので、昭和61年以降は問題はないなという認識の中で対応したということです。

(記者)未加入を公表した時には、「昭和61年以前は、議員とかサラリーマンの(専業主婦である)妻とかいう人たちだけが年金を払わなくても良い」ということは認識していたのでしょうか。

(知事)全然知らなかったです。

(記者)未加入を公表する時に、いかにも自営業だったら払わなくてもいいというような公表のされ方をしているように思えたのですがいかがですか。

(知事)自営業だったら払わなくてもいいということではなく、昭和36年に国民年金制度というものが出来上がって、国民皆年金というような時代だったんですね。「国民年金にみんな入りましょう」というようなことが言われ始めていた時だということです。
しかし、それが強制加入であるのか、そうでないのかという理解は当時なかったということだと思います。

(記者)今、出ました昭和36年から国民皆年金という話ですが、今はもちろんご存じでしょうが、当時はそれを知らなかったということですか。

(知事)知らなかったです。最近そういうことが言われますから「そう(昭和36年に国民皆年金の制度が出来たんだな)なんだな」ということです。

(記者)知事は家業を継がれたわけですが、知事の前の代から国民年金に入っていれば、知事が家業を継がれた時に自然に知事も入ることになったかと思うのです。しかし、そうではなかったということは、代々国民年金を払っていなかったのではないかと思うのですがいかがですか。

(知事)私の先代は昭和37年に亡くなり、そういう関係で私が家業を継いだのですが、私が家業を継いだ昭和37年は、国民年金の制度が出来てわずか1年後ですから、代々と言われても、私の先代も入っていなかったと思います。
正に年金なんていうものはなかった時代ですよね。

(記者)年金の未払い金額はどのくらいになるのでしょうか。

(知事)調べましたら当時の納付すべきだった保険料は、「34歳以下は月100円、35歳以上が月150円」です。それが昭和42年1月からは、「34歳以下は月200円、35歳以上が月250円」ということでした。
ですから、100円の時が51か月で5,100円、200円になってからが3か月ですから600円、トータルで4年半で5,700円ということです。

(記者)社会保険事務所に問い合わせたのですか。

(知事)そうです。

(記者)県民の中の国民年金に対する不信感とか、若い人の無関心とかが問題になっています。
知事の場合はずいぶん古い話ではありますが、現在の場合とどこかで重なっているような気もするのですが、今の状況に戻って県民に対して何かおっしゃりたい事とかお考えはありますか。

(知事)確かに私自身も今現在、どういう形で保険料の金額が決められ、また受給する時にはどういう金額で受給できるのかということが全く分からない状況です。
ですからこういう制度を変えないと、ますます分からない状況の中で政府の試算とかがなかなか一般の人には理解できないと思います。
ですから、もう少し分かりやすい制度にしていかないといけないと同時に、少なくとも、私は、今ある年金を一元化するということが大事だと思います。そうしないと、より複雑なものが解決できないということだと思います。
年金の一元化ということは、私は以前から考えていたのですが、年金の一元化は是が非でも早急に、2007年といわずにもっと以前に一元化への対応を国にお願いしたいなと思っています。
そして同時に、加入をして納付して頂けるような分かりやすい制度を作っていくことが大事だと思います。
こういうことが出たことをきっかけに、正に「災い転じて福となす」ようなことを考えて頂きたいなと思います。

(記者)若い人たちに「大臣とか知事、市長なんかも払っていない時期があったのだから払わなくてもいいや」というような論調が広がることも懸念されますがいかがですか。

(知事)そういうことも懸念されることの一つであると思います。ですから、それだけに仕組みというものをしっかりと組み立てて頂くことが大事だと思います。
このままいったのでは、私は同じような事が繰り返されていくのではないかと思います。

(記者)今、一元化というお話しがでましたが、一元化というと民主党案に賛成ということなのでしょうか。

(知事)厚生年金と国民年金は、まだ共通した部分があると思います。
しかし、国家公務員と地方公務員の共済年金は、人を減らすという行政改革の部分にも関係し、人を減らすと共済年金を掛ける人が減るので共済年金の存続も危ぶまれるということにつながってしまうこともあるのですね。
ですから、全ての年金を一本化してしまえば採用枠をある程度抑えることもでき、幅広く公平に年金を受給できるという制度になっていくわけですから、民主党、自民党が考えている一本化と私の考えているものとはまた別のものだと思いますが、そんな感じを私は持っているということです。

(記者)一本化ということになると、基礎年金の部分の財源をどうするかということにもなってきますが、財源としては消費税増税もやむを得ないということでしょうか。

(知事)財源まではちょっと考えてはいません。

(記者)昨日、衆議院を通過した年金法案に対する見解についてお聞かせください。

(知事)なかなか難しい部分もありますが、最終的に一本化していく過程だとするならば、是とします

(記者)県民への謝罪のような言葉というものはありますか。

(知事)若い時のこととはいえ、制度に対する認識が足りず、理解も出来なかったということで、今にして思えば、もう少し勉強しておくべきだったと反省しています。

(以上)

リリース日:2004年5月13日

知事政策局広聴広報課

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