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知事記者会見(平成15年12月26日)

詳細内容

知事定例記者会見
平成15年12月26日(金曜日)11時30分から
本館2階特別会議室

<発表事項>
なし

<その他>
○「平成15年を振り返って」

(知事)ご苦労様でございます。
いよいよ、今年も余すところあとわずかとなりましたが、皆様方には一年間大変お世話になりました。まずもって、御礼申し上げます。
2月17日に第58代の知事に就任いたしました。この間10か月余というところですが、この一年を簡単に振り返りながらお話をさせて頂きたいと思います。
就任以来、私に寄せられました県民の皆様の温かい御支援に対しましてまずもって、改めて御礼を申し上げるところでございます。
就任して10か月余経つわけでありますが、この間、県民の皆様にお約束した公約の中から、いくつかの施策を形にできたのではないかなあと思っています。
このうち、最優先課題として取り組んで参りました山梨版景気対策でありますが、2月の中小企業金融相談窓口や中小企業再生支援協議会の設置に始まりまして、6月には無担保・第三者保証人なしで融資する経営支援緊急融資や資金繰り支援の借換融資を創設しました。さらにその後もこの融資枠を拡大して資金需要に応えて参りました。
この効果か、最近の県内経済状況の指標等も多少改善を見られるようになってきたということは、大変ありがたいことだと思っています。
また、雇用対策につきましても、先般、「雇用創出・就業支援プログラム」を策定しました、全庁的な推進体制をとる中、雇用の場の確保に努めてきたところであります。
景気の方は依然としてなお厳しいものがありますが、引き続き「山梨版景気対策」を着実に実行していきたいと考えております。
また、「地方主権」の確立に向け道筋を付けた一年でもあったと思います。
就任後ただちに、「行政の意識改革」をはじめ、「県民の底力を引き出す県政の推進」、「小さな県庁、大きなサービス」、そして「中央直結から、市町村直結の県政の確立」の四つの改革の断行を表明し、できるものから手をつけるとともに、先頃、委員会報告を基に、行財政改革プログラムを策定をいたしました。
改革は、スピードと成果が重要であります。本年度をスタートに平成17年度までの3年間を集中改革期間として職員一丸となって改革を実行していきたいと考えています。
また、おとといには、1兆円の補助金の削減や4年連続の交付税削減など、三位一体改革の内容を含む平成16年度予算の政府案が決定をされましたが、地方主権の確立に向け、地方が本当に自立し元気になるような分権改革となるよう、市町村や全国の関係地方団体との連携をより一層深めながら働きかけを強めていきたいと考えております。
このほか、富士山の環境保全対策や廃棄物最終処分場についての明野村との話し合いなど「環境立県やまなし」に向けた取り組みや、食の安全・安心対策の推進など「安全・安心日本一」への取り組みも進めて参りました。
また、生涯学習機能を充実した県立博物館の整備や「かがやき30プラン」による少人数教育の推進、さらには、国際ワインコンクールや地産地消、ワイン産業振興特区による産業振興なども図って参りました。
こうした施策のいずれも、県民や企業などの御理解と御協力、県民の皆様の県政への参画がなければ実効性のあるものとはなりえません。
来年は、いよいよ新しい長期計画のスタートの年であります。また現在、観光立県「富士の国やまなし」の確立に向けた観光振興戦略や新たな「やまなしの教育基本計画」をはじめ、さまざまな施策分野について、県民の皆様の御意見を頂きながら計画やビジョンを策定中であり、来年これらを新たにスタートしていきたいと考えております。
行財政改革の断行とあわせまして、「誇れる郷土・活力ある山梨」実現のため、大きな飛躍の年として参りたいと考えています。
「県民挙げて参画する県政」を県政運営の基本と致しまして、県民の皆様の底力と英知を結集する中で、着実な前進を図っていきたいと考えておりますので引き続き県民の皆様の絶大なる御理解と御協力をお願いを致すところであります。
終わりにあたりまして、記者の皆さん方には、一年間本当にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

<質疑応答>
○「明野村最終処分場計画について」

(記者)明野村の最終処分場の問題とか来年に持ち越しとなった課題がありますが、いかがお考えですか。

(知事)今、明野村でも盛んに検討して頂いておりますので、その回答が年明け2月中くらいにはなされるのではないかと思っておりますので、その結果をみてまた対応を図って参りたいと考えています。

(記者)この4月以降の明野村長との対話の成果については、どのように評価されるでしょうか。

(知事)そうですね。今まで産業廃棄物処分場というものについて、県民の皆様方にはあまり深く理解されていなかったのではないでしょうか。説明責任というものを明確に果たすことが大事だったと思います。
今ここにきまして、皆様方にも御協力を頂きながら、産業廃棄物処分場というものがどういうことなのかという理解がだいたい得られるようになってきたということでありますので、そういう意味ではこの間の話し合いの経過というものは決して無駄なことではなかったと思います。
また、これを基にさらに理解を得られる方向で進めたいと思いますし、ゴミ全体の処理についての理解を全ての県民の皆様方に深めて頂くことができた期間だとも思いますので、これからは、(処分場の)施設整備ということについても、そういう観点に基づいて、進めていくことによって、より理解が深まってきて施設整備もできるようになってくるのではないかと期待も致しています。
いずれにしても、行政として説明責任というものをしっかりと果たしていきたいと思っています。

(記者)今、広い意味での成果の御説明があったと思いますが、施設整備という面で見た場合にどのような成果があったとお考えですか。

(知事)施設整備の事業に着手していませんから、そこまではいっていないわけですが、これまで10年近く議論して「明野の処分場ってどういうことなのか」ということが深く理解されていなかったと思いますが、ここへきて、「なるほどそういう施設だったのか」ということが大方の人に理解を頂けるようになってきたということは、私は進歩ではないかと思いますので、これから明野のみならず、ゴミ処理、環境問題全般にわたって、より一層県民の皆様の環境に対する意識の高揚と一つ一つの事業に対する理解度というものを深めて頂くきっかけになったと思っています。

○「三位一体改革と県の自主財源の確保について」

(記者)先ほど予算の話が出ましたが国の三位一体改革が進んで、今後、県としても自主財源の確保ということが求められてくると思いますが、ミネラルウォーター税の導入など自主財源の確保についての知事自身のお考えはいかがですか。

(知事)財源の確保ということで、地方には地方なりの努力目標というものが各県にはあると思いますが、課税対象が豊富にある大都市と(課税対象が少ない)地方の小さな県とでは格差があり違うと思います。
ですから、山梨県の場合非常に難しいものがあります。しかし、それについて具体的なミネラルウォーター税というものについては、業界の皆さんともよく話し合いを持ちながら、どういうような形で、税で還元できるのか他の方法で還元できるのかいろいろな方法があると思いますが、一番分かりやすいのは税で還元してもらうということが良いわけですから、ついては詰めの段階へ来ていますからよく話し合いをしていきたいなと、思っています。

(記者)今のお話で「税で還元」ということが出てきましたが、「還元」というのは山梨の自然を利用した商品なのだからその分を山梨に還元してくれということですか。

(知事)そうですね。地下水、山梨の豊かな地下資源を活用してミネラルウォーターを作っているわけですから、地下資源というものを創り出している所・人が今日までいるわけですよね。環境を保護しているから綺麗な地下水が汲み出せるわけですから、そういうものに対しての何か還元できるものがあるのではないかということです。

(記者)地方独自の税ということでは、今のところはミネラルウォーター税以外は考えていないということでしょうか。

(知事)そうですね。今のところ具体的に検討しているのは、ミネラルウォーター税だけですね。

(記者)ミネラルウォーター税については、業界の人たちは決して反対ではなく、むしろ工業用水に使っている部分があるというところを除外してミネラルウォーターにだけ課税するのはおかしいのではないかと言っていますが、これについてはいかがお考えですか。

(知事)工業用水は、間接的に活用されるわけですね。地下水を使って新たな製品が生み出されて、それが市場に出て販売され利潤が生まれるとそこに課税されるという仕組みになっていますね。
ですから、工業用水は製品として販売される過程で地下水が使われているわけです。地下水を使って工業製品を生み出しているということですね。
しかし、ミネラルウォーターは、地下水が直接製品になっていくということです。

(記者)でも、ミネラルウォーターを販売して利益が上がれば当然課税されますよね。

(知事)ですから、工業用水は地下水を使いながら新しい製品を生んできて課税対象になってくるわけです。ミネラルウォーターは、地下水そのものズバリが製品になっていくということですね。

(記者)「還元」ということですと、税というものが一番分かりやすいけれども他の方法での還元ということをお話になりましたが、他の方法とはどんなことが考えられますか。

(知事)環境保護という立場から、地下水を採取している地域だけに限定されるのか、製品化されたものだから幅広く課税していくのかのどちらかだと思いますので、これからの話し合いの過程の中で方向性を示していくものだと思います。

(記者)幅広く課税ということは、ミネラルウォーターの業者に課税するのか幅広く(地下水に)課税していくのかということですか。
あるいは、先日の早川町の事例のように森林保全基金のようなものをお考えなのでしょうか。
それとも、税以外のものは考えていないということですか。

(知事)簡単に言うと、税として山梨県に幅広く還元するのか、採取している地域に限定して還元していくのかということでしょうね。
そうなると、採取している所だけに還元すべきではないという意見もありますし、その辺はもう少し議論を深めていかなければならないところです。

(記者)例えば、山梨の綺麗な水を使ったゼリーとか、山梨の綺麗な水でなければ作れない半導体とか、ミネラルウォーターだけでなく山梨の水でなければ作れないものに対してもう少し広く課税する考え方というものはないのでしょうか。

(知事)それらは、製品を製造する過程の中で地下水が入ってくるわけですよね。それらの製品は、全体の売り上げの中で課税されてくるわけですよね。直接、地下水でなくても間接的には課税対象になってきているわけですよね。
その過程の中で水も使われているわけですが、ミネラルウォーターは地下水そのものがズバリが使われています。

(記者)それはそうですが、山梨の水でなければ作れないものというものが、ミネラルウォーターだけではなくて、他にもあるのではないでしょうか。
山梨の水に一滴だけレモン果汁を入れて、ミネラルウォーターではない製品だということも考えられるという声がミネラルウォーター業界でも上がっているのですが・・・。

(知事)製品として販売されて課税されていくわけですよね。ですから直接ではなくても間接的にみんな課税されています。

(記者)製品として売り出されてからの課税というのは、消費税のことですか。

(知事)消費税も入るでしょうね。

(記者)ミネラルウォーターにも消費税はありますよね。消費税という税を通して幅広く還元されているという考え方はできないのでしょうか。

(知事)まあ、それはそういうふうに取れる考え方もありますよね。

(記者)であれば、業界からは「何でか」という声が上がるのも分かるのですが、ミネラルウォーターにこだわっているのは県の姿勢ということですか。

(知事)ミネラルウォーターは、水そのものズバリですからそこに課税対象として捕らえることができるということですね。

(記者)水そのものを製品にしているのだから、ミネラルウォーターは課税対象になっていいということがあるのでしょうかね。

(知事)地下資源というものには比較的課税がされるのですよ。ですから石油とかは当然ですが、温泉の入湯税とかですね。
そういうようなものは、ずっと以前から課税されていますね。ですから、そういうことを言っていくと「こちらが正しい」とか「いやこちらだ」とかいろいろな考えがあります。この議論というものは、もう少し交わしていかなければならない部分だと感じています。
ですから、今すぐミネラルウォーターに課税することを決定したわけではありませんから、もう少しそれぞれの立場の方、一般の方からも意見を聞いていこ
うと思っています。

(記者)先ほどの説明責任ということおっしゃっていましが、そういう意味からは、この内容はなかなか議論がかみ合わないと思いますので、まだ県の説明責任というものが足りないのではないでしょうか。

(知事)アンケート調査なんかもしていますが、その結果に時に偏りがあったりしますので、多くの人のパブリックコメントというようなものを実施しながら幅広い意見を聞いていくことが必要だと思っています。

(記者)税の問題というのは急がれるかと思いますが、いつ頃までにというような見通しというようなものはおありですか。

(知事)まだそこまではいっていません。もう少し議論を交わしながら方向性を示したいと思います。

○「この1年で心残りなこと」

(記者)中小企業対策など、いろいろな事で成果は上がっていると思いますが、心残りだったことは何かありますか。

(知事)個々の日常的な事はありますが、政策的な問題では比較的スピーディーに対応できたと思っています。

○「ミネラルウォーター税について」

(記者)ミネラルウォーター税を導入する場合は、最短で平成16年度中にはとのことだったと思いますが、さらに議論を深めないと難しいと考えてよろしいでしょうか。

(知事)今現在継続してやっていますので、これからもう少しスピードを早めて方向性を示していきたいと思っています。

(記者)見通しはいかがですか。

(知事)こういうことは相手あってのことですから、勝手には、しにくい部分はありますね。

○「富士山の世界遺産問題とリニアモーターカーについて」

(記者)富士山が世界遺産に選ばれなかったことと、リニアモーターカーに関する事で残念だったと思いますがいかがですか。

(知事)富士山については、自然遺産での審査でした。現在の富士山の動植物の生態系は他の地域から比べると差を付けられています。ですから、自然遺産としては難しいとのことでした。むしろ文化遺産としての価値は相当高いものがあるとの話も頂きましたので、今後は文化遺産の部分で評価が得られるように努力をするとともに、環境美化にも力を入れていきたいと思っています。
リニアモーターカーは、採算という面でいかにコスト削減を図れるかという研究に突入していくということで、しばらく待って頂きたいということでした。ですから、実験線だけで終わってしまっては何の意味もないので、実験線の延長もお願いしましたが、リニアが実用化される時には実験線が実用線として実用化に向けていくことをお願いしました。回答は得られませんでしたが、せっかくあそこまで投資したものですから、実用化されるときには現在の実験線を実用線として走って頂くことをお願いして、結論の延期もやむを得ないという状況に至ったわけです。


○「知事にとっての今年の3大ニュースについて」

(記者)知事にとっての今年の3大ニュースは何でしょうか。

(知事)知事選挙、統一地方選挙、衆議院総選挙と選挙の年でした。
また、市町村合併が進み、枠組みが決まってスタートしました。南部町、南アルプス市、北杜市、富士河口湖町とスタートし、やがて64市町村が来年あたりには28市町村くらいになるのではないかと思っています。
それから、三位一体改革が行われてきたということです。
後、阪神タイガースの優勝でしょうか。

(記者)阪神ファンなのですか。

(知事)好きですね。今度は(山梨県出身の堀内監督ですから)巨人ですけどね。

○「今年の漢字は」

(記者)知事にとって今年を漢字で表すと何でしょうか。

(知事)そうですね、「礎(いしずえ、そ)」です。
日本のこれからの姿が三位一体改革に基づいて行われる年になりました。それが良いか悪いかはこれからの結果でしょうが、そういう改革の方向に動いてきました。
また、市町村合併ですが新たな枠組みで山梨県の中が動いて来る。やがて日本列島全体へ動いていく。そして、道州制にいくのかいかないのかというようなことが進めれられた年なのかなと思います。
あるいは、総選挙におけるマニフェストという言葉が出てきて、いよいよ二大政党論という方向にも走り始めました。
日本全体、山梨県をみても新たな時代へ動き出したという感じがします。その基礎の年だったという感じがします。

(以上)

リリース日:2003年12月27日

広聴広報課(ホームページ管理者)

山梨県甲府市丸の内1-6-1本館2F
TEL:055(223)1337
FAX:055(223)1525

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