○山梨県富士山における登山の適正化に関する条例
令和六年三月十五日
山梨県条例第一号
山梨県富士山における登山の適正化に関する条例をここに公布する。
山梨県富士山における登山の適正化に関する条例
(目的)
第一条 この条例は、富士登山の適正化に関し、県及び登山者の責務を明らかにするとともに、市町村等との連携協力、富士登山の適正化のための措置その他必要な事項を定めることにより、山梨県登山の安全の確保に関する条例(平成二十九年山梨県条例第三十号)と相まって、富士登山の安全の確保に寄与することを目的とする。
一 富士山 山梨県世界遺産富士山基本条例(平成二十七年山梨県条例第三号)第二条第四号に規定する富士山をいう。
二 富士登山 山梨県世界遺産富士山基本条例第二条第四号に規定する富士登山をいう。
三 登山者 富士登山をする者で山梨県登山の安全の確保に関する条例第二条各号に掲げるもの以外のものをいう。
四 登山道 富士山に存する道路その他これに類するもののうち富士登山のために利用されるものをいう。
(県の責務)
第三条 県は、登山道における登山者の過度の集中及びこれにより生ずる危険を防止し、並びに登山道における登山者の生命又は身体に危険が生ずるおそれのある行為を防止するため、登山者(富士登山をしようとする者を含む。)に対し、必要な情報の提供、助言その他の支援を行うものとする。
2 前項及び山梨県登山の安全の確保に関する条例第三条に定めるもののほか、県は、富士登山の適正化に関する総合的な施策を策定し、及び実施するものとする。
(登山者の責務)
第四条 登山者は、安全な富士登山に関する知識及び経験の重要性を認識するよう努めるとともに、登山道における登山者の過度の集中により生ずる危険を回避し、及び登山道における自己又は他の登山者の生命又は身体に危険が生ずるおそれのある行為を行わないよう努めるものとする。
2 前項及び山梨県登山の安全の確保に関する条例第四条に定めるもののほか、登山者は、県が実施する富士登山の適正化に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(市町村等との連携協力)
第五条 県は、市町村、富士登山の適正化を図るための活動を行う団体その他の関係者と緊密に連携し、及び協力して第三条第二項の施策を実施するものとする。
(登山者に対する要請等)
第六条 県は、富士登山の安全の確保に資するため、安全な富士登山に関する知識及び経験を必要とする登山者に対し、富士登山に際し当該知識及び経験を有する者を同行させるよう求めることができる。
(富士登山の適正化のための措置)
第七条 知事は、登山道における登山者の過度の集中及びこれにより生ずる危険を防止し、並びに登山道における登山者の生命又は身体に危険が生ずるおそれのある行為を防止するために必要があると認めるときは、山梨県富士山吉田口県有登下山道設置及び管理条例(令和六年山梨県条例第二号)第十一条第一項に規定する措置のほか、次に掲げる措置を講ずることができる。
一 登山道及びその周辺における巡視及び監視を行うこと。
二 自己又は他の登山者の生命又は身体に危険が生ずるおそれのある行為をし、又はしようとしている登山者に対し、当該行為をしないよう指導すること。
(富士登山適正化指導員)
第八条 知事は、前条各号に掲げる措置に係る業務及び山梨県富士山吉田口県有登下山道設置及び管理条例第十一条第一項に規定する措置を補助する業務に従事させるため、富士登山適正化指導員を委嘱することができる。
2 知事は、富士登山適正化指導員に対し、前項に規定する業務の適確な実施に資するよう、研修の実施その他の措置を講ずるものとする。
(委任)
第九条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。