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更新日:2021年9月12日
「七宝 -彩りの世界-」
会 期:~2021年10月25日(月)
休館日:火曜日
展示室:山梨ジュエリーの今
賛助出品者:梶 光夫(アンティーク作品)
出 品 者 :岩田 広己、小野 純子、梶 光夫、
河野 裕治、中嶋 邦夫、中村 佳世、
西田 幸子、前田 恭兵、村松 司 敬称略・五十音順
七宝とは、金属の素地の上に色鮮やかなガラス質の釉薬を施したものを指します。身近で釉薬を施したものと言えば、陶器(素焼きした焼き物に釉(うわぐすり))や琺瑯(ほうろう)(鉄やアルミニウムに釉)などがあげられます。
七宝の歴史は古く、東ローマ帝国では有線七宝が見られ、12世紀以降フランス・リモージュやパリ、ドイツ・ケルンなどで多くの技法が使われていました。
日本においても、奈良時代にシルクロードを経て大陸から伝わったと言われ、室町時代から安土桃山時代の頃までには、日本各地で七宝が制作されはじめ、江戸後期には「七宝焼」の名称も広まっていったと考えられています。
日本における七宝の黄金期は明治13年(1880)から明治43年(1910)の30年間で、製品としての輸出が盛んでしたが、大正から昭和にかけての2度に渡る世界大戦の余波は大きく、やがて輸出は衰退していきました。それでも輸出とは別に、工芸作品としての七宝を制作する流れは続き、現在では宝石では出せない色や質感、形を表現できる可能性に富んだ技術としてジュエリーにも取り入れられています。
ものづくりに高度な機械加工が次々と導入される現在、七宝は手作業で作り上げる美の結晶とも言え、作者の感性や精神性をダイレクトに反映することができる稀有な表現ではないでしょうか。
伝統技法を用いながら、現代における新たな価値を生み出している七宝作品の数々をご覧いただき、宝飾の可能性を感じていただければと思います。
青薔薇
デザイン・制作:村松 司
葉っぱのピアス / ピアスホルダー
デザイン・制作:河野 裕治
華
デザイン・制作:小野 純子
Brooch 1 / Brooch 2
デザイン・制作:中村 佳世