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ページID:91262更新日:2019年9月19日

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リニア高架橋などが山梨県にもたらす不利益、損失について

ご質問

7月7日山日紙上でリニア開業追い風の中で、「山梨の魅力は、風景、気候、水」また、「標高差を活かした農業振興」と語られた。
しかし、巨大なリニア事業では地域の田畑を壊し、高架橋27kmが県内を横断して、景観を壊し、清らかな水脈水質を壊すなど地域の平穏な生活環境に悪影響をもたらし、県民に多大な不利益や損失(犠牲や負担)を及ぼす。
環境影響評価書では、高さ30mにもなる高架橋建設による極めて大きい悪影響について詳しい記述が見られなかった。
これは、行政が意見すべきだったが、見落とした失策とも批判されます。
県民には極めて深刻な被害が予見されるので、15点について質問し、県民と問題点を共有し、ともに理解の上で、対応策に取り組まなければと提案致します。
県民や沿線市町に代わり、県の将来を深刻に懸念した上での質問と提案なので真摯にお答えください。
僭越ですが、「測量しないと、予測値が提示できない」という回答は、行政の任務的責任からも許容されません。県は、用地買収業務をJR東海から受託しているので、地図上の予測概略データをもとに条件を付記して、できるだけ具体的に示すよう求めます。
リニア事業による不利益の概要については、概略を定量的に把握して、県民に対して情報を前広に開示すると並行して、建設主体者には、問題点をどのように解消できるのか指示勧告されるよう直言致します。
1.県民が被る犠牲や負担の可能性に対して、県政はどのように、主体的に認識しているのか。
地域の分断や沿線の生活環境などへの影響調査について本来、もっと慎重かつ丁寧に実施するべき責務をJR東海が怠ったと県は、指摘できませんか?
環境影響評価書が短期間に杜撰に行われ、国交大臣も適正な審査を行わずに、認可してしまった。そのために、今、県民から不安や苦痛の訴えが多数あり、既に沿線住民は精神的な被害にも遭っている。
そこで、県は、県民に不利益と損失をもたらす項目を烈挙するよう提案致します。また、県民と県土を守るために、「応答的責任」として、住民目線での対応策について提示していただくよう提案します。

2.明かり部27kmにわたり高架橋が建設され、予測されるコンクリート構造物の表面積は、沿線の市町ごとに、どれほどの規模となるのか?

3.高架橋による悪影響として、騒音公害、日照阻害、景観障害、水資源へ影響などが挙げられる。環境影響評価書では指摘されなかったコンクリ-ト構造物による「温度上昇の悪影響」についても懸念する。
影響についてJR東海または、気象庁など第三者に巨視的な観点について調査されるよう要求し、また、県の「温度上昇への考察」について見解を求める。
尚、7月7日山日「急速に進む温暖化」紙上では、甲府盆地の都市化による温暖化が指摘された。

4.特に日射のはね返りと風通しが悪化する変化について、用地買収幅が21.6mなので、沿線の居宅にどのような悪影響を及ぼすのか、予測できる状況を推察して、回答ください。
尚、山間地にある実験線よりは、それでなくても盆地内の温度は高いので、極めて甚大な悪影響が生じることを認識の上で、対処してください。

5.高架橋の地下基礎杭と、軌道、防音・防災フードを含む予測されるコンクリート重量は、市町ごとに、どれほどの規模となるのか?

6.高架橋桁が約40m間隔で建設され、防音・防災フードの高さは、ビル10階ほどとなり、一般常識として考えられない不条理な構造物が盆地に林立することを県知事は、どのように認識しているか伺う。
盆地内に、一棟の容積がどれほどの桁が、何棟建設されるのか、市町ごとに、棟数を回答ください。

7.高架橋桁を建設するために掘削される土砂量は、市町ごとに、どれほどの規模となるのか?

8.それらの土砂、残土を、搬出する箇所をいつまでに決めるのか、市町ごとに、それぞれ予測量を示せ。

9.10年近くの工事期間中、ダンプ、生コン車など大型車両による、大気質を汚染する二酸化窒素などの発生量は、市町ごとに、どれほどの規模となるのか?

10.農地が用地買収される農業者地主の世帯数と、田畑が消滅する概略面積、及び放棄される残地の予測される面積は、市町ごとに、それぞれどれほどの規模となるのか、お答えください。
「ダイナミック山梨総合計画」では、山梨を支える力の一つとして、「景観、農業力」を挙げ、地域の魅力の源泉となる力としている。地域産業に打撃となり、また、盆地の山紫水明の田園風景が壊され、農業者や家庭菜園までもが犠牲になることを県知事はどのように深刻に認識しているか伺う。

11.新設される駅舎、トンネル、非常口、高架橋、フード、保守基地、変電所、高圧鉄塔などと、県の道路や公共施設の建設のために使用される骨材、生コンの必要量は、どれほどの規模を予測しているか?

12.山梨県生コンクリート工業組合は、12社14工場あるが、現在の供給量を提示の上、巨大な需要量に対して、適正に供給できるのか、お答えください。
また、工場は峡東、峡南地方に少ないが、長期間にわたり、長距離を往復する場合、排気ガス排出予測量を示せないか。県は、関係者に問題点について解決策を既に投げかけているのか、考え方を示せ。

13.早川町の南アルプストンネル工事において、既に生コンクリートが使用されている。この現場に供給されている生コンクリートは、現地にプラントが新設されたのか、既設の工場から搬入されているのか?
骨材の供給元を含めて、実情についてお答えください。

14.県内の河川改良、ダム、橋梁、上下水道、公共施設などの社会資本は老朽化が予想され、優先的に補修、保全、新設するために確保するべき骨材やコンクリートの需要量は年々増加すると思われる。
予測される需要量に対して、リニア事業により影響を受ける事態は考えられないか、それぞれの需要予測量を挙げて、県民に説明されるよう提案致します。

15.リニアトンネルや、中部横断道の工事で、「海砂」を使用していないことを確認してください。
山陽新幹線の高架橋には、海砂を使用し、東名高速道路コンクリートに比べて、6倍の速度で老化している。
尚、日本では、岩石が毎年8億トン消費されている。災害復興、オリンピック需要で急増が見込まれ、県政はどのように予測していますか?

以上、空前絶後のリニア工事が進捗している状況下において、県民におよぼす甚大な影響の可能性が予見されています。県政が、既にこれらの問題点を承知して、適正に対応していればと願いながら、速やかに対応されるよう切に望みます。

回答

いただいた「リニア高架橋などが山梨県にもたらす不利益、損失」につきまして、リニア交通局リニア推進課及び森林環境部大気水質保全課からお答えします。

1.環境影響評価法では、環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業について、事業者自らが環境影響評価(調査・予測・評価)を行うこととなっています。
環境影響評価にあたって事業者は、県民や県等から意見を聴き、これらの意見に配慮して、実施する評価項目や事業計画及び環境保全措置を検討することとされており、当事業についてもこうした手続きを実施しております。(事業が環境に与える影響に係る項目については、別添の評価書P7-2をご参照ください。)
なお、この手続の中で県は生活環境を保全するために、知事意見として、主に次の意見を述べております。
・本県の良好な生活環境と豊かな自然環境が保全されるよう可能な限りの措置の検討
・本県の環境保全に必要な検討事項等の追加や、調査、予測及び評価の再実施など
さらに、工事期間中や工事完了後についても、山梨県環境影響評価条例に基づき県民等から意見を聴く等の手続を行うこととなっておりますので、この手続きを通じ、当該事業がより環境に配慮されたものになるよう、引き続き事業者に対し、指導・助言を実施していきます。(大気水質保全課)

2.JR東海における個別の工事内容の詳細については、把握しておりません。(リニア推進課)

3.4について、併せて回答させていただきます。
現行の環境影響評価法の規定では、高架橋などの構造物による温暖化については、評価項目に含まれておりません。
なお、県は、準備書手続きにおいて、高架橋などの構造物の設置に係る気流・気温の変化について、以下のとおり知事意見を述べております。
「構造物の設置による気流・気温等の変化が想定されるため、調査地域の気象条件を十分把握した上で類似事例を参考に検討し、検討の経緯及び結果を評価書に記載すること。」(評価書P6-3-21)(大気水質保全課)

5.JR東海における個別の工事内容については、把握しておりません。(リニア推進課)

6.JR東海における個別の工事内容については、把握しておりません。(リニア推進課)

7.環境影響評価書に記載されている各市町の建設発生土量の予測結果は、次のとおりです。
上野原市約0.7万m3笛吹市約5.2万m3甲府市約15.2万m3中央市約15.3万m3南アルプス市約16.5万m3富士川町約17.4万m3(リニア推進課)

8.JR東海においては、トンネルや高架橋等の建設工事に伴う発生土について、工事の進捗に合わせ、計画的に発生土置き場を確保することとしております。(リニア推進課)

9.市町ごとでは、把握しておりません。(リニア推進課)(大気水質保全課)

10.農地が用地買収される地権者の世帯数及び田畑が消滅する概略面積は、用地交渉が完了するまで、把握できません。また、放棄される残地の面積については、個々の地権者のお考えによるため、予測はできません。
営農を継続される方については、関係機関と連携しながら、配慮しているところです。
(リニア推進課)

11.JR東海における個別の工事内容については、把握しておりません。(リニア推進課)

12.大量のコンクリートを要する工事については、現場でプラントを設置することもあるため、把握できません。(リニア推進課)

13.JR東海における個別の工事内容については、把握しておりません。(リニア推進課)

14.コンクリートの需要量は、県及び市町村において、様々な公共事業があり、それら全てを確認することは出来ないため、今後の需要予測量の推計は困難です。(リニア推進課)

15.リニアの工事に使用するコンクリートについては、標準示方書に則り、塩化分含有量を測定するなど、品質を確保しているとのことです。
岩石の今後の需要予測は行っておりません。(リニア推進課)

受理日 2018年07月17日
回答日 2018年07月31日

このページに関するお問い合わせ先

山梨県知事政策局リニア・次世代交通推進グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1664   ファクス番号:055(223)1666

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