○湯島発電所仙城沢川取水施設管理規程

平成三十年十一月二十九日

山梨県企業局管理規程第九号

湯島発電所仙城沢川取水施設管理規程

目次

第一章 総則(第一条―第五条)

第二章 取水、放流及びゲートの操作に関する事項

第一節 水位(第六条)

第二節 取水及び河川流量(第七条―第十一条)

第三節 放流及びゲートの操作(第十二条―第十六条)

第三章 点検及び整備に関する事項(第十七条―第十九条)

第四章 洪水警戒体制における措置に関する事項(第二十条―第二十一条)

附則

第一章 総則

(趣旨)

第一条 湯島発電所仙城沢川取水施設管理規程(以下「規程」という。)は、水利使用規則(平成二十四年二月六日付け国関整水第百七十九号の三)第八条に基づき、湯島発電所仙城沢川取水施設(以下「取水施設」という。)の管理に関し必要な事項を定めるものとする。

(管理者及び管理主任者)

第二条 取水施設管理者(以下「管理者」という。)は、山梨県公営企業管理者とし、水利使用規則及びこの規程の定めるところにより、取水施設の管理を行うものとする。

2 管理者は、取水施設の管理を適正に行うため、早川水系発電管理事務所に管理主任者を一人おくこと。

3 管理主任者は、部下の職員を指揮監督し、この規程の定めるところにより、取水施設の管理に関する事務を誠実に行わなければならない。

4 管理主任者は、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第四十三条及び電気事業法施行規則(平成七年通商産業省令第七十七号)第五十二条に基づくダム水路主任技術者とし、関東東北産業保安監督部長へ届け出るものとする。

(異例の措置)

第三条 管理主任者は、この規程に定めのない事項を処理しようとするときは、あらかじめ管理者の承認を得なければならない。ただし、異常事態の発生により緊急に処理を要するものについては、この限りでない。

2 管理主任者は、前項ただし書により処理した場合には、事後速やかに管理者に報告するとともに、その後の処理についての指示を受けなければならない。

(取水施設の諸元等)

第四条 取水施設の諸元、その他管理上参考となるべき事項は、次のとおりとする。

 取水施設

 取水堰堤

(1) 高さ 七・〇〇メートル

(2) 長さ 一八・五〇メートル

(3) 越流頂の標高 千十五・五〇メートル

 ゲートの名称及び規模

(1) 取水堰堤排砂門(幅二・五〇メートル 高さ二・五〇メートル)

(2) 取水庭排砂門(幅二・〇〇メートル 高さ一・五〇メートル)

(3) 沈砂池排砂門(幅一・〇〇メートル 高さ一・〇〇メートル)

(4) 隧道入口制水門(幅一・八〇メートル 高さ二・一〇メートル)

 ゲート開閉の速さ 取水堰堤排砂門 〇・三〇メートル毎分

 放流管の名称及び規模

(1) 義務放流量放流管 直径二百ミリメートル

(2) 集水面積 八・四〇平方キロメートル

(3) 計画洪水流量 三百立方メートル毎秒

(4) 計画洪水位 標高千十九・二三メートル

(5) 最大取水量 〇・七二立方メートル毎秒

(6) 取水制限流量 第七条第二項に規定する範囲内の流量

(水位等の算定方法)

第五条 取水施設における河川水位は、取水堰堤排砂門直上流の圧力式水位計の測定値とし、予備として、取水堰排砂門右岸内壁面の量水標の読みとする。

2 取水施設における河川流量は、第十条で測定する取水量と義務放流量及び余水吐越流量並びに前項の測定値から算定する取水堰堤排砂門からの放流量並びに取水堰堤からの越流量を合算して算出するものとする。

第二章 取水、放流及びゲートの操作に関する事項

第一節 水位

(取水位)

第六条 取水施設における最低取水位は、標高千十四・五〇メートルとする。

第二節 取水及び河川流量

(取水)

第七条 取水施設からの最大取水量は、〇・七二立方メートル毎秒とする。

2 取水は、取水施設における流量が第九条第一項で規定する流量を超える場合に限り、その超える部分の範囲内において行うものとする。

(取水時のゲートの操作)

第八条 取水を行うときは、第四条第一号ロ(1)から(3)までの排砂門(以下「排砂門」という。)は全閉、隧道入口制水門は全開とする。

(義務放流量)

第九条 義務放流量は、取水施設地点の河川流量の範囲内において、〇・〇一立方メートル毎秒とする。

2 管理主任者は、前項に規定する義務放流量を厳守して湯島発電所発電用水の取水を行い、かつ、河川の流量を努めて恒常的に維持するものとする。

(取水量の測定)

第十条 取水量の測定は、取水施設沈砂池内の自記水位計を用いる水位法により算定した値から、義務放流量及び余水吐越流量を控除して算出するものとする。

2 前項による算定のほか、発電実績出力から使用水量を定める方法により、前項の算定結果を補完することができるものとする。

(取水量及び河川流量等の報告)

第十一条 管理者は、水利使用規則第九条の規定により、第十条で算出した取水量を月ごとにとりまとめて、翌月の十日までに関東地方整備局長(以下「局長」という。)に報告しなければならない。

2 管理者は、水利使用規則第九条の二に規定する事項について、十年間分をとりまとめ、局長に報告しなければならない。

 河川流量

 取水実績

 義務放流量(維持流量)の放流状況

 河川法許可に関わる手続きの厳守状況

 工作物の工事履歴

 洪水時の対応状況

 異常渇水時の対応状況

 その他必要な事項(特段の許可条件が付されている場合の対応状況等)

第三節 放流及びゲートの操作

(放流の原則)

第十二条 取水施設からの放流は、次の各号の一に該当する場合に限り、行うことができるものとする。

 下流における他の河川の使用のため必要な河川の流量を確保する必要があるとき。

 第九条の放流を行うとき。

 河川流量が最大取水量と義務放流量を加えた量を越えたとき。

 発電用施設及び取水施設の点検又は整備のため必要があるとき。

 その他やむを得ない必要があるとき。

(ゲートの操作)

第十三条 排砂門及び隧道入口制水門の操作は、前条の規定によるほか、第二十条に規定する洪水警戒体制時以外は開閉してはならない。

(放流の際の一般に周知させるための措置)

第十四条 取水施設から放流する際の一般に周知させるための措置として、取水施設左岸の警報器により放流の開始時に警告をしなければならない。

(放流の安全の確認)

第十五条 排砂門を操作して放流を行うときは、あらかじめ下流河川の安全を確認しなければならない。

(ゲートの操作に関する記録の作成)

第十六条 排砂門及び隧道入口制水門を操作した場合においては、次の各号に掲げる事項を記録しておかなければならない。

 操作の理由

 開閉したゲートの名称、開閉を始めた時刻及びこれを終えた時刻

 開閉を始めたとき及びこれを終えたときにおける取水施設の河川水位

 その他参考となるべき事項

第三章 点検及び整備に関する事項

(点検及び整備)

第十七条 管理主任者は、取水施設を操作するために必要な機械器具の整備を行わなければならない。この場合において、大雨、洪水、地震その他これらに類する異常な現象で、その影響が取水施設に及ぶものが発生したときは、その発生後、速やかに取水施設の点検を行い、取水施設に関する異常な状態が早期に発見されるようにしなければならない。

(監視)

第十八条 管理主任者は、取水施設及びその周辺について常に監視を行い、その維持管理及び保全に支障を及ぼす行為の取締り並びに危険防止に努めなければならない。

(異常かつ重大な状態に関する報告)

第十九条 管理主任者は、大雨、洪水、地震その他の原因により、取水施設に関する異常かつ重大な状態が発見されたときは、直ちに応急の措置をとるとともに、甲府河川国道事務所長及び峡南建設事務所長に対しその旨を報告しなければならない。

第四章 洪水警戒体制における措置に関する事項

(洪水警戒体制)

第二十条 この規程における洪水警戒体制とは、山梨県南巨摩郡早川町を対象として大雨警報又は洪水警報が発令されたときから、これらの警報が解除され、又は切り替えられるまでの間をいう。

(洪水警戒体制における措置)

第二十一条 管理主任者は、前条の規定により洪水警戒体制をとったときは、職員を呼集し、次の各号に掲げる措置をとらなければならない。

 取水施設を操作するために必要な機械、器具の点検整備、その他取水施設の管理のため必要な措置

 関係地方気象台及び関係機関が発信する気象及び水象に関する情報の収集を行うこと。

 第十六条の規定によるゲートの操作に関する記録その他次に掲げる事項について、記録の作成をしなければならない。

 気象

 水象

 取水量

 点検及び整備に関すること。

 その他取水施設の管理に関すること。

この規程は、公布の日から施行する。

湯島発電所仙城沢川取水施設管理規程

平成30年11月29日 企業局管理規程第9号

(平成30年11月29日施行)