○山梨県自然環境保全条例

昭和四十六年十月十一日

山梨県条例第三十八号

山梨県自然環境保全条例をここに公布する。

山梨県自然環境保全条例

目次

第一章 総則(第一条―第五条)

第二章 自然環境保全基本方針の策定等(第六条―第九条)

第三章 自然環境保全地区等の指定及び行為の規制等(第十条―第二十二条)

第四章 自然環境保全協定(第二十三条・第二十四条)

第五章 自然監視員(第二十五条・第二十六条)

第六章 削除

第七章 雑則(第三十二条―第三十五条)

第八章 罰則(第三十六条・第三十七条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、山梨県の豊かな自然環境を保存し、これを適正に活用するとともに、県土の緑化を推進することにより、生物の多様性の確保その他の良好な自然環境の保全を図り、もつて県民の福祉の増進に資することを目的とする。

(平二三条例一四・一部改正)

(県の責務)

第二条 県は、自然環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。

(市町村の責務)

第三条 市町村は、県の施策に協力するとともに、地域の特性に応じた自然環境の保全に関する施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。

(県民の責務)

第四条 県民は、県及び市町村の自然環境の保全に関する施策に協力するとともに、すすんで自然環境の保全に努めなければならない。

(定義)

第五条 この条例において「自然環境保全地区」とは、自然保存地区、景観保存地区、歴史景観保全地区、世界遺産景観保全地区、自然活用地区及び自然造成地区をいう。

2 この条例において「自然保存地区」とは、その地域における自然環境が自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)第二十二条第一項に規定する自然環境保全地域に準ずる地域のうち、貴重な自然状態を保ち、又は学術上重要な意義を有するため、現にあるがままの自然状態を将来にわたつて保存(保護を含む。以下同じ。)することが必要な地区であつて、自然環境保全法第四十五条第一項の規定による都道府県自然環境保全地域に該当するものとして知事が指定したものをいう。

3 この条例において「景観保存地区」とは、優れた自然景観を有する地域のうち、その自然景観を保存することが必要な地区であつて知事が指定したものをいう。

4 この条例において「歴史景観保全地区」とは、歴史的又は郷土的に特色のある地域(次項に規定する場所及びその周辺の区域を除く。)のうち、その特色を保持するための自然環境を保全することが必要な地区であつて知事が指定したものをいう。

5 この条例において「世界遺産景観保全地区」とは、世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約第十一条2の世界遺産一覧表に記載されている同条約第一条に規定する文化遺産が所在する場所及びその周辺の区域のうち、当該文化遺産の歴史上、芸術上、民俗学上又は人類学上の顕著な普遍的価値を保持するための自然環境を保全することが必要な地区であつて知事が指定したものをいう。

6 この条例において「自然活用地区」とは、自然環境が良好な地域のうち、その地域の特性に応じて自然環境の保存と活用の調和を図ることが必要な地区であつて知事が指定したものをいう。

7 この条例において「自然造成地区」とは、緑地の造成、沿道の修景その他自然環境の積極的な造成、改善を図ることが必要な地区であつて知事が指定したものをいう。

8 この条例において「自然記念物」とは、動物(生息地を含む。)、植物(生育地を含む。)、地質鉱物(所在地を含む。)等で住民に親しまれているもの、ゆい緒のあるもの又は学術的価値のあるもののうち、将来にわたつて保存する必要があるものであつて知事が指定したものをいう。

(昭四九条例四・平二三条例一四・平二六条例一六・一部改正)

第二章 自然環境保全基本方針の策定等

(昭四九条例四・改称)

(自然環境保全基本方針の策定)

第六条 知事は、第一条の目的を達成するために必要な施策に関する基本方針(以下「自然環境保全基本方針」という。)を策定しなければならない。

2 自然環境保全基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 自然環境の保全に関する基本構想

 自然環境保全地区又は自然記念物(以下「自然環境保全地区等」という。)の指定その他自然環境保全地区等に係る生物の多様性の確保その他の自然環境の保全に必要な施策に関すること。

 県土の利用計画、開発計画等の策定及び実施にあたつて配慮すべき自然環境の保全のために必要な措置に関すること。

 公共事業の実施にあたつて配慮すべき自然環境の保全のために必要な措置に関すること。

 自然環境の保全に関する施設の整備に関すること。

 緑地の造成、沿道の修景その他良好な自然環境の造成に必要な措置に関すること。

 自然環境の保全のための知識の普及及び思想の高揚に関すること。

 県民の行う自然環境の保全のための自主的活動の助長に関すること。

 自然環境の保全のための科学的な調査及び研究の推進に関すること。

(昭四九条例四・平二三条例一四・一部改正)

(自然環境の基準の策定)

第七条 知事は、この条例の目的を達成するため、維持されることが望ましい自然環境の基準を策定することができる。

(策定の手続)

第八条 知事は、自然環境保全基本方針及び前条の基準を策定しようとするときは、山梨県環境保全審議会の意見を聴かなければならない。

2 知事は、自然環境保全基本方針及び前条の基準を策定したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

3 前二項の規定は、自然環境保全基本方針及び前条の基準の変更について準用する。

(昭四九条例四・平一二条例三五・平二三条例一四・一部改正)

(財政上の措置)

第九条 県は、自然環境保全基本方針に基づく施策の実施のために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(昭四九条例四・一部改正)

第三章 自然環境保全地区等の指定及び行為の規制等

(自然環境保全地区等の指定)

第十条 自然環境保全地区等は、知事が指定する。

2 知事は、前項の規定により自然環境保全地区等を指定しようとするときは、あらかじめ関係市町村長及び関係行政機関の長並びに山梨県環境保全審議会の意見を聴かなければならない。

3 知事は、自然環境保全地区等を指定しようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめその旨を公告し、その案を当該公告の日から二週間公衆の縦覧に供しなければならない。

4 前項の規定による公告があつたときは、当該自然環境保全地区等に係る住民及び利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された案について、知事に意見書を提出することができる。

5 知事は、前項の規定により縦覧に供された案について異議がある旨の意見書の提出があつたとき、又は当該自然環境保全地区等の指定に関し広く意見を聴く必要があると認めたときは、公聴会を開催するものとする。

6 知事は、自然環境保全地区等を指定したときは、規則で定めるところによりその概要を告示しなければならない。

7 自然環境保全地区等の指定は、前項の規定による告示によつてその効力を生ずる。

(昭四九条例四・全改、平一二条例三五・平二三条例一四・一部改正)

(区域の変更等)

第十一条 知事は、指定した自然環境保全地区等について必要があると認めるときは、その区域を変更し、又は指定を解除することができる。

2 前条第二項第六項及び第七項の規定は自然環境保全地区等の区域の変更又は指定の解除について、同条第三項から第五項までの規定は自然環境保全地区等の拡張について、それぞれ準用する。

(昭四九条例四・一部改正)

(標識の設置)

第十二条 知事は、自然環境保全地区等(世界遺産景観保全地区を除く。以下この項及び次項において同じ。)を指定したときは、当該自然環境保全地区等にこれを表示する標識を設置するものとする。

2 自然環境保全地区等の土地の所有者又は占用者は、正当な理由がない限り、前項の標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

3 何人も、第一項の標識を汚損し、若しくは損壊し、又は知事の承諾を得ないで移転し、若しくは除去してはならない。

4 知事は、世界遺産景観保全地区を指定したときは、当該世界遺産景観保全地区の境界を明示した地形図をインターネットの利用その他の適切な方法により公表するものとする。

(平二六条例一六・一部改正)

(保全計画の決定)

第十二条の二 知事は、自然保存地区における自然環境の保全のための規制又は事業に関する計画(以下「保全計画」という。)を決定しなければならない。

2 保全計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。

 保全すべき自然環境の特質その他当該自然保存地区における自然環境の保全に関する基本的事項に関すること。

 当該自然保存地区における自然環境の特質に即して、特に保全を図るべき土地の区域(以下「特別地区」という。)の指定に関すること。

 当該自然保存地区における自然環境の保全のための規制に関すること。

 当該自然保存地区における自然環境の保全のための事業に関すること。

3 第十条第二項及び第六項の規定は保全計画の決定、廃止及び変更について、同条第三項から第五項までの規定は保全計画の決定及び変更(前項第二号又は第三号に掲げる事項に係る変更に限る。)について、それぞれ準用する。

(昭四九条例四・追加、平二三条例一四・一部改正)

(保全事業の執行)

第十二条の三 県は、保全計画に基づいて執行する事業であつて、当該自然保存地区における自然環境の保全のための施設で規則で定めるものに関するもの(以下「保全事業」という。)を執行するものとする。

(昭四九条例四・追加、平一二条例四四・一部改正)

(特別地区)

第十三条 知事は、保全計画に基づいて、当該自然保存地区の区域内に特別地区を指定することができる。

2 第十条第六項及び第七項の規定は、特別地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。

3 特別地区内において次に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめ知事の許可を受けなければならない。ただし、当該行為が規制されることとなつた時において既に着手していた行為、非常災害のため必要な応急措置として行う行為又は保全事業の執行として行う行為については、この限りでない。

 建築物その他の工作物の新築、改築又は増築

 宅地の造成、土地の開墾その他土地の形質の変更

 木竹の伐採

 鉱物の掘採又は土石の採取

 知事が指定する区域内において木竹を損傷すること。

 知事が指定する区域内において当該区域が本来の生育地でない植物で、当該区域における自然環境の保全に影響を及ぼすおそれがあるものとして知事が指定するものを植栽し、又は当該植物の種子をまくこと。

 知事が指定する区域内において当該区域が本来の生息地でない動物で、当該区域における自然環境の保全に影響を及ぼすおそれがあるものとして知事が指定するものを放つこと(当該指定する動物が家畜である場合における当該家畜である動物の放牧を含む。)

 前各号に掲げるもののほか、特別地区における自然環境の保全に影響を及ぼすおそれがある行為で規則で定めるもの

4 前項の規定による許可には、当該自然保存地区内の自然環境の保全のため必要な限度において、条件を付することができる。

5 知事は、第三項各号に掲げる行為で規則で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。

6 第三項の規定にかかわらず、国の機関、地方公共団体又は規則で定める公共的団体(以下「国等」という。)が、同項各号に掲げる行為をしようとするときは、同項の規定による許可を受けることを要しない。この場合において、当該国等は、規則で定めるところにより、あらかじめ知事に協議しなければならない。

7 第三項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなつた時において既に当該行為に着手している者は、その規制されることとなつた日から起算して六月間は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該行為をすることができる。

8 前項に規定する者が、同項の期間内に当該行為について知事に届け出たときは、第三項の許可を受けたものとみなす。

9 特別地区内において非常災害のために必要な応急措置として第三項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、規則で定めるところにより知事に届け出なければならない。

10 前二項の規定にかかわらず、国等が行うこれらの規定による届出を要する行為については、これらの規定による届出を要しない。この場合において、当該国等は、これらの規定による届出の例により知事に通知しなければならない。

11 第三項及び第九項の規定は、法令の規定により許可等を受けて行う行為、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて規則で定めるものについては、適用しない。

12 第三項の規定による許可を受けた者(第八項の規定により第三項の規定による許可を受けたものとみなされる者を含む。)は、規則で定めるところにより、当該許可を受けた旨を記載した標識を表示しなければならない。

(昭四九条例四・全改、平一二条例四四・平一七条例一〇六・平二三条例一四・一部改正)

(野生動植物保護地区)

第十四条 知事は、特別地区内における特定の野生動植物の保護のために特に必要があると認めるときは、当該自然保存地区に係る保全計画に基づいてその区域内に、当該保護すべき野生動植物の種類ごとに、野生動植物保護地区を指定することができる。

2 第十条第六項及び第七項の規定は、野生動植物保護地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。

3 野生動植物保護地区内において当該野生動植物保護地区に係る野生動植物(動物の卵を含む。)を捕獲し、又は採取しようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめ知事の許可を受けなければならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為又は保全事業の執行として行う行為については、この限りでない。

4 前条第四項の規定は前項の許可について、同条第六項の規定は前項の許可を要する行為について、それぞれ準用する。

5 第三項の規定は、前条第三項の許可を受けた行為(前項において準用する前条第六項の規定による協議に係る行為を含む。)を行うためにする行為又は法令の規定により許可等を受けて行う行為、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて規則で定めるものについては、適用しない。

(昭四九条例四・全改、平二三条例一四・一部改正)

(普通地区)

第十四条の二 自然保存地区の区域のうち特別地区に含まれない区域(以下「普通地区」という。)内において次に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより知事に届け出なければならない。ただし、当該自然保存地区が指定され、若しくはその区域が拡張された際既に着手している行為、非常災害のために必要な応急措置として行う行為又は保全事業の執行として行う行為については、この限りでない。

 規則で定める基準を超える建築物その他の工作物の新築、改築又は増築(改築又は増築後において、規則で定める基準を超えることとなる場合における改築又は増築を含む。)

 宅地の造成、土地の開墾その他土地の形質の変更

 鉱物の掘採又は土石の採取

2 前項の規定による届出をした者は、その届出をした日から起算して三十日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。

3 知事は、当該自然保存地区における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項の期間を短縮することができる。

4 第一項の規定にかかわらず、国等が同項各号に規定する行為をしようとするときは、同項の規定による届出を要しない。この場合において、当該国等は、同項の規定による届出の例により、あらかじめ知事に通知しなければならない。

5 第一項の規定は、法令の規定により許可等を受けて行う行為、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて規則で定めるものについては、適用しない。

(昭四九条例四・追加、平二三条例一四・一部改正)

(景観保存地区内における行為又は自然記念物に係る行為の届出)

第十五条 景観保存地区内において第十三条第三項第一号から第四号までに掲げる行為をしようとする者又は自然記念物の現状を変更することとなる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。ただし、当該景観保存地区若しくは自然記念物が指定され、若しくはその区域が拡張された際既に着手していた行為又は非常災害のために必要な応急措置として行う行為については、この限りでない。

2 前条第二項から第四項までの規定は、前項の行為について準用する。

3 第一項の規定及び前項において準用する前条第四項の規定は、法令の規定により許可等を受けて行う行為、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて規則で定めるものについては、適用しない。

(昭四九条例四・平二三条例一四・一部改正)

(歴史景観保全地区、世界遺産景観保全地区、自然活用地区又は自然造成地区内における行為の届出)

第十六条 歴史景観保全地区、自然活用地区又は自然造成地区内において第十三条第三項第一号から第四号までに掲げる行為であつて規則で定める基準を超える行為をしようとする者又は世界遺産景観保全地区において同項第一号に掲げる行為であつて規則で定める基準を超える行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。ただし、当該歴史景観保全地区、世界遺産景観保全地区、自然活用地区若しくは自然造成地区が指定され、若しくはこれらの区域が拡張された際既に着手していた行為又は非常災害のために必要な応急措置として行う行為については、この限りでない。

2 第十四条の二第二項から第四項までの規定は、前項の行為について準用する。

3 第一項の規定及び前項において準用する第十四条の二第四項の規定は、法令の規定により許可等を受けて行う行為、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて規則で定めるものについては、適用しない。

(昭四九条例四・平二三条例一四・平二六条例一六・一部改正)

(行為の禁止等)

第十七条 知事は、自然保存地区の普通地区、景観保存地区、歴史景観保全地区、世界遺産景観保全地区又は自然記念物について、自然環境の保全のため必要があると認めるときは、当該地区内において又は当該自然記念物について届出を要する行為をしようとする者又はした者に対して、自然環境の保全のため必要な限度において、当該行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

2 前項に規定する処分は、第十四条の二第一項第十五条第一項又は前条第一項の規定による届出をした者に対しては、その届出があつた日から起算して三十日以内に限り、することができる。

3 知事は、第十四条の二第一項第十五条第一項又は前条第一項の規定による届出があつた場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他前項の期間内に第一項の処分をすることができない合理的な理由があるときは、その理由が存続する間、前項の期間を延長することができる。この場合においては、同項の期間内に、第十四条の二第一項第十五条第一項又は前条第一項の規定による届出をした者に対して、その旨及び期間を延長する理由を通知しなければならない。

4 知事は、第十四条の二第一項第十五条第一項又は前条第一項の規定による届出があつた場合において、第一項に規定する処分をしようとするときは、山梨県環境保全審議会の意見を聴くことができる。

(昭四九条例四・平二三条例一四・平二六条例一六・一部改正)

(行為の停止命令)

第十八条 知事は、第十三条第三項若しくは第十四条第三項の規定、第十三条第四項(第十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により許可に付された条件又は前条第一項の規定による処分に違反して行為をしている者に対して当該行為の停止を命ずることができる。

(昭四九条例四・平二三条例一四・一部改正)

(原状回復命令)

第十九条 知事は、自然環境の保全のため必要があると認めるときは、第十三条第三項若しくは第十四条第三項の規定、第十三条第四項(第十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により許可に付された条件又は第十七条第一項の規定による処分に違反した者に対して、自然環境の保全のために必要な限度において、原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合には、これに代わるべき必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

(昭四九条例四・平二三条例一四・一部改正)

(助言又は勧告)

第二十条 知事は、自然環境の保全のため必要があると認めるときは、自然環境保全地区等内において事業を行う者その他当該自然環境保全地区等に係る関係者に対して、必要な助言又は勧告をすることができる。

2 知事は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その旨及びその勧告の内容を公表することができる。

3 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、第一項の規定による勧告を受けた者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

4 第十七条第四項の規定は、第一項の規定による助言又は勧告をしようとする場合について準用する。

(昭四九条例四・平二三条例一四・平二六条例一六・一部改正)

(自然環境の保全のための協議)

第二十一条 知事は、第十四条の二第四項(第十五条第二項又は第十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定により国等から通知があつた場合において自然環境の保全のため必要があると認めるときは、当該国等に対し、自然環境の保全のために執るべき措置について当該国等が知事に協議することを求めることができる。

(昭四九条例四・平二三条例一四・一部改正)

(行為の規制)

第二十二条 何人も、自然環境保全地区内においては、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。

 ごみその他の汚物又は廃物を捨て、又は放置すること。

 著しく悪臭を発散させ、著しく水質を汚濁させ、又は拡声機、ラジオ等により著しく騒音を発すること。

2 何人もみだりに自然記念物を捕獲し、採取し、汚損し、損壊し、又は滅失させてはならない。

(平二三条例一四・一部改正)

第四章 自然環境保全協定

(自然環境保全協定の締結)

第二十三条 景観保存地区、歴史景観保全地区、世界遺産景観保全地区、自然活用地区又は自然造成地区内において届出を要する行為であつて規則で定める基準を超える行為をしようとする者は、あらかじめ知事と自然環境の破壊の防止、植生の回復その他自然環境の保全のために必要な事項についての協定(次項及び次条において「自然環境保全協定」という。)を締結するものとする。ただし、国等が行う行為については、この限りでない。

2 第十七条第四項の規定は、前項の規定による自然環境保全協定の締結をしようとする場合について準用する。

(昭四九条例四・平二三条例一四・平二六条例一六・一部改正)

(自然環境保全協定の履行の確保)

第二十四条 知事は、自然環境保全協定を締結したときは、これに違反する行為をしようとし、又はしたと認められる者に対して、その履行の確保について必要な措置を執らなければならない。

(平二三条例一四・一部改正)

第五章 自然監視員

(設置)

第二十五条 この条例による規制に違反する行為の監視等自然環境の保全状況を監視させるため自然監視員を置く。

(任命等)

第二十六条 自然監視員は、規則で定めるところにより、知事が任命し、又は委嘱する。

第六章 削除

(昭四八条例四一)

第二十七条から第三十一条まで 削除

(昭四八条例四一)

第七章 雑則

(立入調査)

第三十二条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、職員をして自然環境保全地区等内の土地に立ち入り、当該土地若しくは当該土地にある物件又は当該土地において行われている行為若しくは行われた行為の状況を調査させることができる。

2 前項の場合において、職員は、その身分を証する証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

(平二三条例一四・一部改正)

(土地又は立木竹の買取り)

第三十三条 知事は、自然保存地区内の自然環境の保全又は自然記念物の保存のため、特に必要があると認めるときは、当該自然保存地区内の土地若しくは立木竹又は当該自然記念物を買い取るように努めるものとする。

(損失補償)

第三十四条 県は、第十三条第三項若しくは第十四条第三項の許可を得ることができないため、第十三条第四項(第十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により許可に条件を付されたため、又は第十七条第一項の規定による処分を受けるため損失を受けた者及び第三十二条第一項の規定による職員の行為によつて損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。

2 前項の補償を受けようとする者は、規則で定めるところにより知事にこれを請求しなければならない。

3 知事は、前項の規定による請求を受けたときは、補償すべき金額を決定し、当該請求者にこれを通知しなければならない。

(昭四九条例四・全改、平二三条例一四・一部改正)

(規則への委任)

第三十五条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第八章 罰則

(罰則)

第三十六条 第十九条の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

2 第十三条第三項若しくは第十四条第三項の規定に違反した者又は第十三条第四項(第十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定により許可に付された条件に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

3 第十七条第一項の規定による処分に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。

4 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 第十二条第三項の規定に違反した者

 第十四条の二第一項第十五条第一項又は第十六条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 第十四条の二第二項の規定に違反した者

 第三十二条第一項の規定による立入調査を拒み、妨げ、又は忌避した者

(平四条例二三・平二三条例一四・一部改正)

(両罰規定)

第三十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人、その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、前条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第三章から第五章まで、第七章及び第八章の規定は、公布の日から起算して一年をこえない範囲内において規則で定める日から施行する。

(昭和四七年規則第六号で昭和四七年四月一日から施行)

(附属機関の委員等の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 附属機関の委員等の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和四十年山梨県条例第七号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(昭和四八年条例第四一号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(昭和四九年条例第四号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。

(経過措置)

2 この条例施行の際現にこの条例による改正前の山梨県自然環境保全条例(以下「旧条例」という。)の規定により指定されている自然環境保全地区等は、この条例による改正後の山梨県自然環境保全条例(以下「新条例」という。)の規定により指定されたものとみなす。

3 前項の規定により新条例により指定されたものとみなされた自然環境保全地区等のうち、自然保存地区の区域内における建築物の建築その他の行為の規制については、新条例第十四条の二の規定にかかわらず、規則で定める日までの間は、なお従前の例による。

(昭和四九年規則第三二号で昭和五〇年三月三一日から施行)

4 前項の自然保存地区に係る保全計画の決定、廃止及び変更については、前項の規則で定める日までの間は、新条例第十二条の二第三項において準用する新条例第十条第二項(山梨県自然環境保全審議会に係る部分を除く。)から第五項までの規定は、適用しない。

5 この条例施行の際現に旧条例第十五条第一項及び第十六条第一項の規定による届出をしている行為については、新条例第十五条第二項及び第十六条第二項において準用する新条例第十四条の二第二項の規定は、適用しない。

6 この条例施行の際現に旧条例第十五条第一項の規定による自然記念物に係る届出をしている行為については、新条例第十七条の規定は、適用しない。

(平成四年条例第二三号)

(施行期日)

1 この条例は、平成四年五月一日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(平成一二年条例第三五号)

(施行期日)

1 この条例は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第三条並びに附則第三項及び附則第七項から第九項までの規定 平成十二年十月一日

(平成一二年条例第四四号)

(施行期日)

1 この条例は、平成十二年四月一日から施行する。

(山梨県自然環境保全条例の一部改正に伴う経過措置)

3 この条例の施行の際現に第三条の規定による改正前の山梨県自然環境保全条例第十二条の三第二項の承認を受けて執行している保全事業については、なお従前の例による。

(平成一七年条例第一〇六号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成二三年条例第一四号)

(施行期日)

1 この条例は、平成二十三年七月一日から施行する。

(平成二六年条例第一六号)

この条例は、公布の日から施行する。

山梨県自然環境保全条例

昭和46年10月11日 条例第38号

(平成26年3月12日施行)

体系情報
第6編の2 境/第3章 自然環境
沿革情報
昭和46年10月11日 条例第38号
昭和48年7月9日 条例第41号
昭和49年3月6日 条例第4号
平成4年3月24日 条例第23号
平成12年3月29日 条例第35号
平成12年3月29日 条例第44号
平成17年12月22日 条例第106号
平成23年3月28日 条例第14号
平成26年3月12日 条例第16号