○山梨県立自然公園条例

昭和三十二年十二月二十六日

山梨県条例第七十四号

山梨県立自然公園条例の全部を改正する条例を次のように公布する。

山梨県立自然公園条例の全部を改正する条例

山梨県立自然公園条例(昭和二十九年八月山梨県条例第五十九号)の全部を次のように改正する。

山梨県立自然公園条例

目次

第一章 総則(第一条―第四条)

第二章 指定、公園計画及び公園事業(第五条―第十九条)

第三章 保護及び利用(第二十条―第二十六条)

第三章の二 質の高い自然体験活動の促進のための措置(第二十六条の二―第二十六条の六)

第四章 風景地保護協定(第二十七条―第三十二条)

第五章 公園管理団体(第三十三条―第三十八条)

第六章 雑則(第三十九条―第四十一条)

第七章 罰則(第四十二条―第四十七条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、県内の優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、県民の保健、休養及び教化に資するとともに、生物の多様性の確保に寄与することを目的とする。

(平一四条例五四・平二三条例一四・一部改正)

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 県立自然公園 県内にある優れた自然の風景地(国立公園又は国定公園の区域を除く。)であつて、知事が第五条の規定により指定するものをいう。

 公園計画 県立自然公園(以下「自然公園」という。)の保護又は利用のための規制又は事業に関する計画をいう。

 公園事業 公園計画に基づいて執行する事業であつて、自然公園の保護又は利用のための施設で知事が定めるものに関するものをいう。

(平一四条例五四・平二三条例一四・一部改正)

(県等の責務)

第三条 県、市町村、事業者及び自然公園の利用者は、環境基本法(平成五年法律第九十一号)第三条から第五条までに定める環境の保全についての基本理念にのつとり、優れた自然の風景地の保護とその適正な利用が図られるように、それぞれの立場において努めるとともに、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない。

2 県及び市町村は、自然公園に生息し、又は生育する動植物の保護が自然公園の風景の保護に重要であることにかんがみ、自然公園における生態系の多様性の確保その他の生物の多様性の確保を旨として、自然公園の風景の保護に関する施策を講ずるものとする。

(平一四条例五四・追加、令四条例四一・一部改正)

(財産権の尊重及び他の公益との調整)

第四条 この条例の適用に当つては、関係者の所有権、鉱業権その他の財産権を尊重するとともに、自然公園の保護及び利用と国土の開発その他の公益との調整に留意しなければならない。

(平一四条例五四・旧第三条繰下)

第二章 指定、公園計画及び公園事業

(平一四条例五四・旧第三章繰上)

(指定)

第五条 自然公園は、知事が、関係市町村及び山梨県恩賜県有財産管理条例(昭和二十四年山梨県条例第四十八号)第一条の恩賜県有財産について保護の責任を有する保護団体並びに山梨県環境保全審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴き、区域を定めて指定する。

2 知事は、自然公園を指定する場合には、その旨及びその区域を県公報で公示しなければならない。

3 自然公園の指定は、前項の公示によつてその効力を生ずる。

(昭四八条例四一・平一二条例三五・一部改正、平一四条例五四・旧第八条繰上・一部改正)

(指定の解除及び区域の変更)

第六条 知事は、自然公園の指定を解除し、又はその区域を変更しようとするときは、関係市町村及び審議会の意見を聴かなければならない。

2 前条第二項及び第三項の規定は、自然公園の指定の解除及びその区域の変更について準用する。

(平一四条例五四・旧第九条繰上・一部改正)

(公園計画)

第七条 公園計画は、知事が、関係市町村及び審議会の意見を聴いて決定する。

2 公園計画は、自然公園ごとに、当該自然公園内の自然の風景地の保護とその適正な利用を図るための規制に関する事項、公園事業に関する事項その他必要な事項について定めるものとする。

3 知事は、必要があると認めるときは、公園計画において、質の高い自然体験活動の促進に関する基本的な事項を定めることができる。

4 知事は、公園計画を決定したときは、その概要を公示し、かつ、その公園計画を一般の閲覧に供しなければならない。

(平一二条例四四・一部改正、平一四条例五四・旧第十条繰上、平二三条例一四・令四条例四一・一部改正)

(公園計画の廃止及び変更)

第八条 知事は、公園計画を廃止し、又は変更しようとするときは、関係市町村及び審議会の意見を聴かなければならない。

2 前条第四項の規定は、公園計画を廃止し、又は変更したときについて準用する。

(平一二条例四四・一部改正、平一四条例五四・旧第十一条繰上、平二三条例一四・令四条例四一・一部改正)

(協議会による公園計画の変更の提案)

第八条の二 第十五条の二第一項に規定する協議会は第十五条の三第一項に規定する利用拠点整備改善計画について、第二十六条の二第一項に規定する協議会は第二十六条の三第一項に規定する自然体験活動促進計画について、知事に対し、その作成のために必要な自然公園に関する公園計画の変更をすることを提案することができる。この場合においては、当該提案に係る公園計画の素案その他規則で定める書類を添付しなければならない。

2 知事は、前項の規定による提案を踏まえた公園計画の変更をする必要がないと判断したときは、その旨及びその理由を当該提案をした協議会に通知しなければならない。

(令四条例四一・追加)

(公園事業の決定)

第九条 自然公園に関する公園事業(以下「公園事業」という。)は、知事が、審議会の意見を聴いて決定する。この場合において、審議会が軽微な事項と認めるものについては、審議会の意見を聴くことを要しない。

2 知事は、公園事業を決定したときは、その概要を公示しなければならない。

3 前二項の規定は、公園事業の廃止又は変更について準用する。

(平二三条例一四・追加、令四条例四一・一部改正)

(協議会による公園事業の決定等の提案)

第九条の二 第十五条の二第一項に規定する協議会は、知事に対し、第十五条の三第一項に規定する利用拠点整備改善計画の作成のために必要な公園事業の決定又は変更をすることを提案することができる。この場合においては、当該提案に係る公園事業の素案その他規則で定める書類を添付しなければならない。

2 知事は、前項の規定による提案を踏まえた公園事業の決定又は変更をする必要がないと判断したときは、その旨及びその理由を当該提案をした協議会に通知しなければならない。

(令四条例四一・追加)

(公園事業の執行)

第十条 公園事業は、県が執行する。

2 市町村及び知事が定めるその他の公共団体(以下「公共団体」という。)は、規則で定めるところにより、知事に協議して、公園事業の一部を執行することができる。

3 県及び公共団体以外の者は、規則で定めるところにより、知事の認可を受けて、公園事業の一部を執行することができる。

4 第二項の協議をしようとする者又は前項の認可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した協議書又は申請書を知事に提出しなければならない。

 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 第二条第三号に規定する知事が定める施設(以下この条において「公園施設」という。)の種類

 公園施設の位置

 公園施設の規模

 公園施設の管理又は経営の方法

 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項

5 前項の協議書又は申請書には、公園施設の位置を示す図面その他の規則で定める書類を添付しなければならない。

6 第二項の協議をした者又は第三項の認可を受けた者(以下「公園事業者」という。)は、第四項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、公共団体にあつては知事に協議しなければならず、県及び公共団体以外の者にあつては知事の認可を受けなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更については、この限りでない。

7 前項の協議をしようとする者又は同項の認可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、変更に係る事項を記載した協議書又は申請書を知事に提出しなければならない。

8 第五項の規定は、前項の協議書又は申請書について準用する。

9 公園事業者は、第六項ただし書の規則で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。

10 第三項又は第六項の認可には、自然公園の保護又は利用のために必要な限度において、条件を付することができる。

(平一二条例四四・一部改正、平一四条例五四・旧第十二条繰上、平二三条例一四・旧第九条繰下・一部改正、平二四条例三三・一部改正)

(改善命令)

第十一条 知事は、公園事業の適正な執行を確保するため必要があると認めるときは、第十条第三項の認可を受けた者に対し、当該公園事業に係る施設の改善その他の当該公園事業の執行を改善するために必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

(平二三条例一四・追加)

(承継)

第十二条 公園事業者(第十条第三項の認可を受けた者に限る。)が県及び公共団体以外の者にその公園事業の全部を譲渡する場合において、譲渡人及び譲受人があらかじめその譲渡及び譲受けについて知事の承認を受けたときは、譲受人は、譲渡人に係る公園事業者の地位を承継する。

2 公園事業者である法人が合併(公園事業者である法人と公園事業者でない法人の合併であつて、公園事業者である法人が存続するものを除く。)又は分割(その公園事業の全部を承継させるものに限る。)をした場合において、合併後存続する法人若しくは合併により設立される法人又は分割によりその公園事業の全部を承継する法人(以下この項において「合併法人等」という。)が公共団体である場合にあつては知事に協議したとき、合併法人等が県及び公共団体以外の法人である場合にあつては知事の承認を受けたときは、当該合併法人等は、当該公園事業者の地位を承継する。

3 公園事業者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意によりその公園事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下この条において同じ。)がその公園事業を引き続き行おうとするときは、その相続人は、被相続人の死亡後六十日以内に知事に申請して、その承認を受けなければならない。

4 相続人が前項の承認の申請をした場合においては、被相続人の死亡の日からその承認を受ける日又は承認をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした第十条第三項の認可は、その相続人に対してしたものとみなす。

5 第三項の承認を受けた相続人は、被相続人に係る公園事業者の地位を承継する。

(平二三条例一四・追加、平二四条例三三・令四条例四一・一部改正)

(公園事業の休廃止)

第十三条 公園事業者は、公園事業の全部若しくは一部を休止し、又は廃止しようとするときは、規則で定めるところにより、あらかじめ、その旨を知事に届け出なければならない。

(平二三条例一四・追加)

(認可の失効及び取消し等)

第十四条 公園事業として行う事業が他の法令の規定により行政庁の許可、認可その他の処分を必要とするものである場合において、その処分が取り消されたとき、その他その効力が失われたときは、当該事業に係る第十条第三項の認可は、その効力を失う。

2 前項の規定により第十条第三項の認可が失効したときは、当該認可が失効した者は、その日から三十日以内に、その旨を知事に届け出なければならない。

3 知事は、第十条第三項の認可を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の認可を取り消すことができる。

 第十条第六項若しくは第九項又は前条の規定に違反したとき。

 第十条第十項の規定により同条第三項又は第六項の認可に付された条件に違反したとき。

 第十一条の規定による命令に違反したとき。

 偽りその他不正の手段により第十条第三項又は第六項の認可を受けたとき。

(平二三条例一四・追加、平二四条例三三・一部改正)

(原状回復命令等)

第十五条 知事は、第十条第三項の認可を受けた者がその公園事業を廃止した場合、同項の認可が失効した場合又は同項の認可を取り消した場合において、自然公園の保護のために必要があると認めるときは、当該廃止した者、当該認可が失効した者又は当該認可を取り消された者に対して、相当の期限を定めて、その保護のために必要な限度において、原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

2 前項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置(以下この条において「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、知事は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、知事又はその命じた者若しくは委任した者が当該原状回復等を行う旨をあらかじめ県公報で公示しなければならない。

3 前項の規定により原状回復等を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

(平二三条例一四・追加)

(自然公園における協議会)

第十五条の二 自然公園の区域をその区域に含む市町村は、単独で又は共同して、当該自然公園の区域内における第二十五条第一項に規定する集団施設地区その他の公園の利用のための拠点(以下「利用拠点」という。)となる区域(以下「利用拠点区域」という。)について、公園事業に係る施設の整備改善を中心とした当該利用拠点の質の向上のための整備改善に関し必要な協議を行うための協議会を組織することができる。

2 前項に規定する協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。

 当該市町村

 当該利用拠点区域内において公園事業を執行し、又は執行すると見込まれる者

 当該利用拠点区域内の施設、土地又は木竹であつて利用拠点の整備改善に関する事業(以下「利用拠点整備改善事業」という。)に係るものの所有者又は使用及び収益を目的とする権利を有する者

 その他当該市町村が必要と認める者

3 当該自然公園の区域内において公園事業を執行し、又は執行しようとする者は、当該公園事業に係る施設の整備改善を含む地域における利用拠点の質の向上のための整備改善に関して協議を行う協議会が組織されていない場合にあつては、市町村に対して、第一項に規定する協議会を組織するよう要請することができる。

4 市町村は、第一項の規定により協議会を組織したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、その旨を公表しなければならない。

5 当該利用拠点区域内において公園事業を執行し、又は執行しようとする者及び第二項第三号に掲げる者であつて第一項に規定する協議会の構成員でないものは、同項の規定により協議会を組織する市町村に対して、自己を当該協議会の構成員として加えるよう申し出ることができる。

6 前項の規定による申出を受けた市町村は、正当な理由がない限り、当該申出に応じなければならない。

7 第一項に規定する協議会は、必要があると認めるときは、関係行政機関に対して、資料の提供、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。

8 第一項に規定する協議会において協議が調つた事項については、当該協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。

9 前各項に定めるもののほか、第一項に規定する協議会の運営に関し必要な事項は、当該協議会が定める。

(令四条例四一・追加)

(利用拠点整備改善計画の認定)

第十五条の三 前条第一項に規定する協議会において、公園計画に基づき、規則で定めるところにより、当該協議会の構成員である市町村の区域内の自然公園の区域内における利用拠点区域について、公園事業に係る施設の整備改善を中心とした利用拠点の質の向上のための整備改善に関する計画(以下「利用拠点整備改善計画」という。)を作成したときは、当該協議会の構成員である市町村及び当該利用拠点整備改善計画に記載された利用拠点整備改善事業を実施しようとする者は、共同で、知事の認定を申請することができる。

2 利用拠点整備改善計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。

 利用拠点整備改善計画の区域(以下この条において「計画区域」という。)

 計画区域における利用拠点の質の向上のための整備改善に関する基本的な方針

 利用拠点整備改善計画の目標

 前号の目標を達成するために行う利用拠点整備改善事業の内容、実施主体及び実施時期

 第十条第二項の協議又は同条第三項の認可を要する利用拠点整備改善事業にあつては、同条第四項各号に掲げる事項

 第十条第六項の協議若しくは認可又は同条第九項の規定による届出を要する利用拠点整備改善事業にあつては、同条第四項各号に掲げる事項のうち変更に係るもの

 計画期間

 その他規則で定める事項

3 利用拠点整備改善計画は、景観法(平成十六年法律第百十号)第八条第一項に規定する景観計画に適合するものでなければならない。

4 知事は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、当該申請に係る利用拠点整備改善計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

 公園計画に照らして適切なものであること。

 当該利用拠点整備改善計画の実施が計画区域における利用拠点の質の向上に寄与するものであると認められること。

 当該自然公園の保護に支障を及ぼすおそれがないものであること。

 円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。

5 知事は、当該自然公園の保護又は利用のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、前項の認定に条件を付し、及びこれを変更することができる。

6 知事は、第四項の認定をしたときは、規則で定めるところにより、当該認定に係る利用拠点整備改善計画の概要を公表しなければならない。

(令四条例四一・追加)

(認定を受けた利用拠点整備改善計画の変更)

第十五条の四 前条第四項の認定を受けた利用拠点整備改善計画の変更をしようとするときは、第十五条の二第一項に規定する協議会において当該変更に係る利用拠点整備改善計画を作成し、当該協議会の構成員である市町村及び当該利用拠点整備改善計画に記載された利用拠点整備改善事業を実施しようとする者は、共同で、知事の認定を受けなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更については、この限りでない。

2 前条第四項の認定(前項の変更の認定を含む。次条第一項及び第十五条の六において同じ。)を受けた者は、前項ただし書の規則で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。

3 前条第四項から第六項までの規定は、第一項の変更の認定について準用する。

(令四条例四一・追加)

(認定の取消し)

第十五条の五 知事は、第十五条の三第四項の認定を受けた利用拠点整備改善計画(変更があつたときは、その変更後のもの。次条において同じ。)同項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

2 知事は、前項の規定により認定を取り消したときは、遅滞なく、その旨を公表するものとする。

(令四条例四一・追加)

(公園事業に関する特例)

第十五条の六 利用拠点整備改善事業を実施しようとする者が、その利用拠点整備改善計画について第十五条の三第四項の認定を受けたときは、当該認定を受けた利用拠点整備改善計画に記載された利用拠点整備改善事業のうち、第十条第二項若しくは第六項の協議をし、同条第三項若しくは第六項の認可を受け、又は同条第九項の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により協議をし、認可を受け、又は届出をしたものとみなす。

(令四条例四一・追加)

(報告徴収及び立入検査)

第十六条 知事は、第十条第三項の認可を受けた者に対し、この章の規定の施行に必要な限度において、その公園事業の執行状況その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、その公園事業に係る施設に立ち入り、設備、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 知事は、この章の規定の施行に必要な限度において、第十五条の三第四項の認定(第十五条の四第一項の変更の認定を含む。)を受けた者に対し、当該認定を受けた利用拠点整備改善計画(変更があつたときは、その変更後のもの。以下「認定利用拠点整備改善計画」という。)の実施状況その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、認定利用拠点整備改善計画に係る土地若しくは建物内に立ち入り、認定利用拠点整備改善計画に係る建物、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

3 前二項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(平二三条例一四・追加、令四条例四一・一部改正)

(公園事業の執行に要する費用)

第十七条 公園事業の執行に要する費用は、その公園事業を執行する者の負担とする。

(平一四条例五四・旧第十三条繰上、平二三条例一四・旧第十条繰下)

(補助)

第十八条 知事は、予算の範囲内において、公園事業を執行する者に対して、その公園事業の執行に要する費用の一部を補助することができる。

(平一四条例五四・旧第十四条繰上、平二三条例一四・旧第十一条繰下)

(適用除外)

第十九条 前二条の規定は、公園事業のうち道路法による道路に係る事業及び他の法律又は条例にその執行に要する費用に関して別段の規定があるその他の事業については、適用しない。

(平一四条例五四・旧第十五条繰上、平二三条例一四・旧第十二条繰下)

第三章 保護及び利用

(平一四条例五四・旧第四章繰上)

(特別地域)

第二十条 知事は、自然公園の風致を維持するため、公園計画に基づいて、その区域内に特別地域を指定することができる。

2 知事は、特別地域を指定し、又はその区域を拡張しようとするときは、国の関係地方行政機関の長に協議するものとする。

3 第五条第二項及び第三項の規定は、特別地域の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。

4 特別地域内においては、次に掲げる行為は、知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為又は第三号に掲げる行為で森林の整備及び保全を図るために行うものは、この限りでない。

 工作物を新築し、改築し、又は増築すること。

 木竹を伐採すること。

 知事が指定する区域内において木竹を損傷すること。

 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。

 河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。

 知事が指定する湖沼又は湿原及びこれらの周辺一キロメートルの区域内において当該湖沼若しくは湿原又はこれらに流水が流入する水域若しくは水路に汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。

 広告物その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。

 屋外において土石その他の知事が指定する物を集積し、又は貯蔵すること。

 水面を埋め立て、又は干拓すること。

 土地を開墾し、その他土地の形状を変更すること。

十一 高山植物その他の植物で知事が指定するものを採取し、又は損傷すること。

十二 知事が指定する区域内において当該区域が本来の生育地でない植物で、当該区域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがあるものとして知事が指定するものを植栽し、又は当該植物の種子をまくこと。

十三 山岳に生息する動物その他の動物で知事が指定するものを捕獲し、若しくは殺傷し、又は当該動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。

十四 知事が指定する区域内において当該区域が本来の生息地でない動物で、当該区域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがあるものとして知事が指定するものを放つこと(当該指定する動物が家畜である場合における当該家畜である動物の放牧を含む。)

十五 屋根、壁面、塀、橋、鉄塔、送水管その他これらに類するものの色彩を変更すること。

十六 湿原その他これに類する地域のうち知事が指定する区域内へ当該区域ごとに指定する期間内に立ち入ること。

十七 道路、広場、田、畑、牧場及び宅地以外の地域のうち知事が指定する区域内において車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。

十八 前各号に掲げるもののほか、特別地域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがある行為で規則で定めるもの

5 知事は、前項各号に掲げる行為で規則で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。

6 第四項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなつた時において既に当該行為に着手している者は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該行為をすることができる。この場合において、その者は、その規制されることとなつた日から起算して三月以内に、知事にその旨を届け出なければならない。

7 特別地域内において非常災害のために必要な応急措置として第四項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に知事にその旨を届け出なければならない。

8 特別地域内において木竹の植栽又は家畜の放牧(第四項第十二号又は第十四号に掲げる行為に該当するものを除く。)をしようとする者は、あらかじめ知事にその旨を届け出なければならない。

9 次に掲げる行為については、第四項及び前三項の規定は、適用しない。

 公園事業の執行又は認定利用拠点整備改善事業(認定利用拠点整備改善計画に係る利用拠点整備改善事業をいう。以下同じ。)として行う行為

 認定自然体験活動促進事業(第二十六条の五第一項に規定する認定自然体験活動促進計画に係る第二十六条の二第二項第二号に規定する自然体験活動促進事業をいう。以下同じ。)として行う行為

 第二十七条第一項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第一号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第二号又は第三号に掲げる事項に従つて行うもの

 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であつて、知事が定めるもの

(昭四九条例五・平三条例二六・平一二条例四四・一部改正、平一四条例五四・旧第十六条繰上・一部改正、平二三条例一四・旧第十三条繰下・一部改正、令四条例四一・一部改正)

(条件)

第二十一条 前条第四項の許可には、自然公園を保護するために必要な限度において、条件を付することができる。

(平一四条例五四・旧第十七条繰上・一部改正、平二三条例一四・旧第十四条繰下)

(普通地域)

第二十二条 自然公園の区域のうち特別地域に含まれない区域(以下「普通地域」という。)内において、次に掲げる行為をしようとする者は、知事にその旨を届け出なければならない。

 その規模が知事が定める基準を超える工作物を新築し、改築し又は増築すること(改築又は増築後において、その規模が知事が定める基準を超えるものとなる場合における改築又は増築を含む。)

 特別地域内の河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。

 広告物その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告その他これに類するものを工作物等に表示すること。

 水面を埋め立て、又は干拓すること。

 鉱物を掘採し、又は土石を採取すること。

 土地の形状を変更すること。

2 知事は、自然公園の風景を保護するために必要があると認めるときは、普通地域内において前項各号に掲げる行為をしようとする者又はした者に対して、その風景を保護するために必要な限度において、当該行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

3 前項の処分は、第一項の届出をした者に対しては、その届出があつた日から起算して三十日以内に限りすることができる。

4 知事は、第一項の届出があつた場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他前項の期間内に第二項の処分をすることができない合理的な理由があるときは、その理由が存続する間、前項の期間を延長することができる。この場合においては、同項の期間内に、第一項の届出をした者に対し、その旨及び延長予定期間をその理由とともに通知しなければならない。

5 第一項の届出をした者は、その届出をした日から起算して三十日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。

6 知事は、自然公園の風景の保護に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項の期間を短縮することができる。

7 次に掲げる行為については、第一項及び第二項の規定は、適用しない。

 公園事業の執行又は認定利用拠点整備改善事業として行う行為

 認定自然体験活動促進事業として行う行為

 第二十七条第一項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第一号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第二号又は第三号に掲げる事項に従つて行うもの

 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為にあつて、知事が定めるもの

 自然公園が指定され、又はその区域が拡張された際、既に着手していた行為

 非常災害のために必要な応急措置として行う行為

(昭四九条例五・一部改正、平一四条例五四・旧第十八条繰上・一部改正、平二三条例一四・旧第十五条繰下・一部改正、令四条例四一・一部改正)

(中止命令等)

第二十三条 知事は、自然公園の保護のために必要があると認めるときは、第二十条第四項の規定、第二十一条の規定により許可に付された条件又は前条第二項の規定による処分に違反した者に対して、その保護のために必要な限度において、その行為の中止を命じ、又はこれらの者若しくはこれらの者から当該土地、建築物その他の工作物若しくは物件についての権利を継承した者に対して、相当の期限を定めて、原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

2 前項の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置(以下この条において「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、知事は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、知事又はその命じた者若しくは委任した者が当該原状回復等を行う旨をあらかじめ県公報で公示しなければならない。

3 前項の規定により原状回復等を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

(昭四九条例五・一部改正、平一四条例五四・旧第十九条繰上・一部改正、平二三条例一四・旧第十六条繰下・一部改正)

(報告徴収及び立入検査)

第二十四条 知事は、自然公園の保護のために必要があると認めるときは、第二十条第四項の規定による許可を受けた者又は第二十二条第二項の規定により行為を制限され、若しくは必要な措置を執るべき旨を命ぜられた者に対して、当該行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

2 知事は、第二十条第四項第二十二条第二項又は前条の規定による処分をするために必要があると認めるときは、その必要な限度において、その職員に、自然公園の区域内の土地若しくは建物内に立ち入らせ、又は第二十条第四項各号若しくは第二十二条第一項各号に掲げる行為の実施状況を検査させ、又はこれらの行為の風景に及ぼす影響を調査させることができる。

3 前項の規定による立入検査又は立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

4 第一項及び第二項の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(平一四条例五四・旧第二十条繰上・一部改正、平二三条例一四・旧第十七条繰下・一部改正)

(集団施設地区)

第二十五条 知事は、自然公園の利用のための施設を集団的に整備するため、公園計画に基づいてその区域内に集団施設地区を指定するものとする。

2 第五条第二項及び第三項の規定は、集団施設地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。

(平一四条例五四・旧第二十一条繰上・一部改正、平二三条例一四・旧第十八繰下)

(利用のための規制)

第二十六条 自然公園の特別地域又は集団施設地区内においては、何人も、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。

 当該自然公園の利用者に著しく不快の念を起こさせるような方法で、ごみその他の汚物又は廃物を捨て、又は放置すること。

 著しく悪臭を発散させ、拡声機、ラジオ等により著しく騒音を発し、展望所、休憩所等をほしいままに占拠し、嫌悪の情を催させるような仕方で客引きをし、その他当該自然公園の利用者に著しく迷惑をかけること。

 野生動物(鳥類又は哺乳類に属するものに限る。以下この号において同じ。)に餌を与えることその他の野生動物の生態に影響を及ぼす行為で規則で定めるものであつて、当該自然公園の利用に支障を及ぼすおそれのあるものを行うこと。

2 県の当該職員は、特別地域又は集団施設地内において前項第二号又は第三号に掲げる行為をしている者があるときは、その行為をやめるべきことを指示することができる。

3 前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

(平一四条例五四・旧第二十二条繰上・一部改正、平二三条例一四・旧第十九条繰下・一部改正、令四条例四一・一部改正)

第三章の二 質の高い自然体験活動の促進のための措置

(令四条例四一・追加)

(協議会)

第二十六条の二 自然公園の区域をその区域に含む市町村は、単独で又は共同して、当該自然公園の区域について、質の高い自然体験活動の促進に関し必要な協議を行うための協議会を組織することができる。

2 前項に規定する協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。

 当該市町村

 当該自然公園の区域内において自然体験活動の促進に関する事業(以下「自然体験活動促進事業」という。)を実施し、又は実施すると見込まれる者

 当該市町村の区域内の施設、土地又は木竹であつて自然体験活動促進事業に係るものの所有者、使用及び収益を目的とする権利を有する者又は管理者

 その他当該市町村が必要と認める者

3 第十五条の二第三項から第九項までの規定は、第一項に規定する協議会について準用する。この場合において、同条第三項中「公園事業を執行し、又は執行しようとする者は、当該公園事業に係る施設の整備改善を含む地域における利用拠点の質の向上のための整備改善」とあるのは「自然体験活動促進事業を実施し、又は実施しようとする者は、当該自然体験活動促進事業を実施し、又は実施しようとする地域における質の高い自然体験活動の促進」と、同条第四項中「第一項」とあるのは「第二十六条の二第一項」と、同条第五項中「当該利用拠点区域内において公園事業を執行し、又は執行しようとする者及び第二項第三号」とあるのは「当該自然公園の区域内において自然体験活動促進事業を実施し、又は実施しようとする者及び第二十六条の二第二項第三号」と読み替えるものとする。

(令四条例四一・追加)

(自然体験活動促進計画の認定)

第二十六条の三 前条第一項に規定する協議会において、公園計画に基づき、規則で定めるところにより、当該協議会の構成員である市町村の区域内の自然公園の区域について、質の高い自然体験活動の促進に関する計画(以下「自然体験活動促進計画」という。)を作成したときは、当該協議会の構成員である市町村及び当該自然体験活動促進計画に記載された自然体験活動促進事業を実施しようとする者は、共同で、知事の認定を申請することができる。

2 自然体験活動促進計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。

 自然体験活動促進計画の区域(以下この条において「計画区域」という。)

 計画区域における質の高い自然体験活動の促進に関する基本的な方針

 自然体験活動促進計画の目標

 前号の目標を達成するために行う自然体験活動促進事業の内容及び実施主体

 計画期間

 その他規則で定める事項

3 知事は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、当該申請に係る自然体験活動促進計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

 公園計画に照らして適切なものであること。

 当該自然体験活動促進計画の実施が計画区域における質の高い自然体験活動の促進に寄与するものであると認められること。

 当該自然公園の保護に支障を及ぼすおそれがないものであること。

 円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。

4 知事は、当該自然公園の保護又は利用のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、前項の認定に条件を付し、及びこれを変更することができる。

5 知事は、第三項の認定をしたときは、規則で定めるところにより、当該認定に係る自然体験活動促進計画の概要を公表しなければならない。

(令四条例四一・追加)

(認定を受けた自然体験活動促進計画の変更)

第二十六条の四 前条第三項の認定を受けた自然体験活動促進計画の変更をしようとするときは、第二十六条の二第一項に規定する協議会において当該変更に係る自然体験活動促進計画を作成し、当該協議会の構成員である市町村及び当該自然体験活動促進計画に記載された自然体験活動促進事業を実施しようとする者は、共同で、知事の認定を受けなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更については、この限りでない。

2 前条第三項の認定(前項の変更の認定を含む。以下同じ。)を受けた者は、前項ただし書の規則で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。

3 前条第三項から第五項までの規定は、第一項の変更の認定について準用する。

(令四条例四一・追加)

(認定の取消し)

第二十六条の五 知事は、第二十六条の三第三項の認定を受けた自然体験活動促進計画(変更があつたときは、その変更後のもの。次条第一項において「認定自然体験活動促進計画」という。)第二十六条の三第三項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

2 知事は、前項の規定により認定を取り消したときは、遅滞なく、その旨を公表するものとする。

(令四条例四一・追加)

(報告徴収及び立入検査)

第二十六条の六 知事は、この章の規定の施行に必要な限度において、第二十六条の三第三項の認定を受けた者に対し、認定自然体験活動促進計画の実施状況その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、認定自然体験活動促進計画に係る土地若しくは建物内に立ち入り、認定自然体験活動促進計画に係る工作物、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(令四条例四一・追加)

第四章 風景地保護協定

(平一四条例五四・追加)

(風景地保護協定の締結等)

第二十七条 知事若しくは市町村又は第三十三条第一項の規定により指定された公園管理団体で第三十四条第一項第一号に掲げる業務のうち風景地保護協定に基づく自然の風景地の管理に関するものを行うものは、自然公園内の自然の風景地の保護のため必要があると認めるときは、当該自然公園の区域内の土地又は木竹の所有者又は使用及び収益を目的とする権利(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者(以下「土地の所有者等」と総称する。)と次に掲げる事項を定めた協定(以下「風景地保護協定」という。)を締結して、当該土地の区域内の自然の風景地の管理を行うことができる。

 風景地保護協定の目的となる土地の区域(以下「風景地保護協定区域」という。)

 風景地保護協定区域内の自然の風景地の管理の方法に関する事項

 風景地保護協定区域内の自然の風景地の保護に関連して必要とされる施設の整備が必要な場合にあつては、当該施設の整備に関する事項

 風景地保護協定の有効期間

 風景地保護協定に違反した場合の措置

2 風景地保護協定については、風景地保護協定区域内の土地の所有者等の全員の合意がなければならない。

3 風景地保護協定の内容は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。

 自然の風景地の保護を図るために有効かつ適切なものであること。

 土地及び木竹の利用を不当に制限するものでないこと。

 第一項各号に掲げる事項について規則で定める基準に適合するものであること。

4 市町村が風景地保護協定を締結しようとするときは、あらかじめ、知事に協議し、同意を得なければならない。

5 第一項の公園管理団体が風景地保護協定を締結しようとするときは、あらかじめ、知事の認可を受けなければならない。

(平一四条例五四・追加、平二三条例一四・旧第二十条繰下・一部改正、令四条例四一・一部改正)

(風景地保護協定の縦覧等)

第二十八条 知事又は市町村は、風景地保護協定を締結しようとするとき、又は前条第五項の規定による風景地保護協定の認可の申請があつたときは、規則で定めるところにより、その旨を公示し、当該風景地保護協定を当該公示の日から二週間関係者の縦覧に供さなければならない。

2 前項の規定による公示があつたときは、関係者は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該風景地保護協定について、知事又は市町村に意見書を提出することができる。

(平一四条例五四・追加、平二三条例一四・旧第二十一条繰下)

(風景地保護協定の認可)

第二十九条 知事は、第二十七条第五項の規定による風景地保護協定の認可の申請が、次の各号のいずれにも該当するときは、当該風景地保護協定を認可しなければならない。

 申請手続が法令に違反しないこと。

 風景地保護協定の内容が、第二十七条第三項各号に掲げる基準に適合するものであること。

(平一四条例五四・追加、平二三条例一四・旧第二十二条繰下・一部改正)

(風景地保護協定の公示等)

第三十条 知事又は市町村は、風景地保護協定を締結し、又は前条の認可をしたときは、規則で定めるところにより、その旨を公示し、かつ、当該風景地保護協定の写しを公衆の縦覧に供するとともに、風景地保護協定区域である旨を当該区域内に明示しなければならない。

(平一四条例五四・追加、平二三条例一四・旧第二十三条繰下)

(風景地保護協定の変更)

第三十一条 第二十七条第二項から第五項まで及び前三条の規定は、風景地保護協定において定めた事項の変更について準用する。

(平一四条例五四・追加、平二三条例一四・旧第二十四条繰下・一部改正)

(風景地保護協定の効力)

第三十二条 第三十条(前条において準用する場合を含む。)の規定による公示のあつた風景地保護協定は、その公示のあつた後において当該風景地保護協定区域内の土地の所有者等となつた者に対しても、その効力があるものとする。

(平一四条例五四・追加、平二三条例一四・旧第二十五条繰下・一部改正)

第五章 公園管理団体

(平一四条例五四・追加)

(指定)

第三十三条 知事は、自然公園内の自然の風景地の保護とその適正な利用を図ることを目的とする一般社団法人又は一般財団法人、特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項の特定非営利活動法人その他規則で定める法人であつて、次条第一項各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、公園管理団体として指定することができる。

2 知事は、前項の規定による指定をしたときは、当該公園管理団体の名称、住所及び事務所の所在地を県公報で公示しなければならない。

3 公園管理団体は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、知事にその旨を届け出なければならない。

4 知事は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を県公報で公示しなければならない。

(平一四条例五四・追加、平二〇条例四一・一部改正、平二三条例一四・旧第二十六条繰下、令四条例四一・一部改正)

(業務)

第三十四条 公園管理団体は、次に掲げる業務を行うものとする。

 風景地保護協定に基づく自然の風景地の管理その他の自然の風景地の保護に資する活動を行うこと。

 自然公園内の施設の補修その他の維持管理を行うこと。

 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

2 公園管理団体は、前項各号に掲げる業務のほか、次に掲げる業務を行うことができる。

 自然公園の保護とその適正な利用の推進に関する情報又は資料を収集し、及び提供すること。

 自然公園の保護とその適正な利用の推進に関し必要な助言及び指導を行うこと。

 自然公園の保護とその適正な利用の推進に関する調査及び研究を行うこと。

 前三号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

(平一四条例五四・追加、平二三条例一四・旧第二十七条繰下、令四条例四一・一部改正)

(連携)

第三十五条 公園管理団体は、知事及び市町村との密接な連携の下に前条第一項第一号に掲げる業務を行わなければならない。

(平一四条例五四・追加、平二三条例一四・旧第二十八条繰下、令四条例四一・一部改正)

(改善命令)

第三十六条 知事は、公園管理団体の業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、公園管理団体に対し、その改善に必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

(平一四条例五四・追加、平二三条例一四・旧第二十九条繰下)

(指定の取消し等)

第三十七条 知事は、公園管理団体が前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。

2 知事は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を県公報で公示しなければならない。

(平一四条例五四・追加、平二三条例一四・旧第三十条繰下)

(情報の提供等)

第三十八条 県及び市町村は、公園管理団体に対し、その業務の実施に関し必要な情報の提供又は助言及び指導を行うものとする。

(平一四条例五四・追加、平二三条例一四・旧第三十一条繰下)

第六章 雑則

(平一四条例五四・旧第五章繰下)

(実地調査)

第三十九条 知事は、自然公園の指定、公園計画の決定又は公園事業の決定若しくは執行に関し、実地調査のため必要があるときは、その必要な限度において、その職員に、他人の土地に立ち入らせ、標識を設置させ、測量させ、又は実地調査の障害となる木竹若しくは垣、さく等を伐採させ、若しくは除去させることができる。ただし、道路法その他他の法律に実地調査に関する規定があるときは、当該規定の定めるところによる。

2 知事は、その職員に、前項の規定による行為をさせようとするときは、あらかじめ土地の所有者(所有者が明らかでないときは、その占有者。この条において以下同じ。)及び占有者並びに木竹又は垣、さく等の所有者にその旨を通知し、意見書を提出する機会を与えなければならない。

3 第一項の職員は、日出前及び日没後においては、宅地又は垣、さく等で囲まれた土地に立ち入つてはならない。

4 第一項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

5 土地の所有者若しくは占有者又は木竹若しくは垣、さく等の所有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入り又は標識の設置その他の行為を拒み、又は妨げてはならない。

(平一四条例五四・旧第二十三条繰下・一部改正、平二三条例一四・旧第三十二条繰下・一部改正)

(損失の補償)

第四十条 県は、第二十条第四項の許可を得ることができないため、第二十一条の規定により許可に条件を付せられたため、又は第二十二条第二項の規定による処分を受けたため損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。

2 県は、自然公園の指定、公園計画若しくは公園事業の決定又は県が行う公園事業の執行に関し前条第一項の規定による当該職員の行為によつて損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。

3 前二項の規定による補償を受けようとする者は、知事にこれを請求しなければならない。

4 知事は、前項の規定による請求を受けたときは、補償すべき金額を決定し、当該請求者にこれを通知しなければならない。

(平一四条例五四・旧第二十四条繰下・一部改正、平二三条例一四・旧第三十三条繰下・一部改正)

(利用の増進のための情報の提供等)

第四十条の二 県は、自然公園の利用の増進に資するため、国内外における自然公園に関する情報の提供及び普及宣伝を行うように努めるものとする。

(令四条例四一・追加)

(委任)

第四十一条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、知事が定める。

(昭四九条例五・追加、平一四条例五四・旧第二十四条の二繰下、平二三条例一四・旧第三十四条繰下)

第七章 罰則

(平一四条例五四・旧第六章繰下)

第四十二条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 第十五条第一項又は第二十三条第一項の規定による命令に違反したとき。

 第二十条第四項の規定に違反したとき。

(平四条例二三・一部改正、平一四条例五四・旧第二十五条繰下・一部改正、平二三条例一四・旧第三十五条繰下・一部改正、令四条例四一・一部改正)

第四十三条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 第十条第三項の認可を受けた者が、同条第六項の規定に違反して、同条第四項各号に掲げる事項を変更したとき。

 第十条第十項の規定により認可に付された条件に違反したとき。

 第二十一条の規定により許可に付された条件に違反したとき。

(平四条例二三・一部改正、平一四条例五四・旧第二十六条繰下・一部改正、平二三条例一四・旧第三十六条繰下・一部改正、令四条例四一・一部改正)

第四十四条 第十一条第二十二条第二項又は第三十六条の規定による命令に違反したときは、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。

(昭四九条例五・追加、平四条例二三・一部改正、平一四条例五四・旧第二十六条の二繰下・一部改正、平二三条例一四・旧第三十七条繰下・一部改正、令四条例四一・一部改正)

第四十五条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

 第十六条第一項若しくは第二項若しくは第二十六条の六第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。

 第二十二条第一項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

 第二十二条第五項の規定に違反したとき。

 第二十四条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

 第二十四条第二項の規定による立入検査又は立入調査を拒み、妨げ又は忌避したとき。

 自然公園の特別地域又は集団施設地区内において、みだりに第二十六条第一項第一号に掲げる行為をしたとき。

 自然公園の特別地域又は集団施設地区内において、第二十六条第二項の規定による当該職員の指示に従わないで、みだりに同条第一項第二号又は第三号に掲げる行為をしたとき。

 第三十九条第五項の規定に違反して、同条第一項の規定による立入り又は標識の設置その他の行為を拒み、又は妨げたとき。

(昭四九条例五・平四条例二三・一部改正、平一四条例五四・旧第二十七条繰下・一部改正、平二三条例一四・旧第三十八条繰下・一部改正、令四条例四一・一部改正)

第四十六条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関して第四十二条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

(昭四九条例五・一部改正、平一四条例五四・旧第二十八条繰下・一部改正、平二三条例一四・旧第三十九条繰下・一部改正)

第四十七条 第十条第九項第十三条又は第十四条第二項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者(第十条第三項の認可を受けた者に限る。)は、五万円以下の過料に処する。

(平二三条例一四・追加)

この条例は、公布の日から施行する。

(昭和四八年条例第四一号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(昭和四九年条例第五号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。

(経過措置)

2 この条例による改正前の山梨県立自然公園条例(以下「旧条例」という。)第十八条第一項の規定による届出を要しなかつた行為で、この条例による改正後の山梨県立自然公園条例(以下「新条例」という。)第十八条第一項の規定による届出を要することとなつたもののうち、この条例施行の際現に着手している行為については、新条例第十八条第一項及び第二項の規定は、適用しない。

3 この条例施行の際現に旧条例第十八条第一項の規定による届出をしている行為については、新条例第十八条第五項の規定は、適用しない。

4 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(平成三年条例第二六号)

この条例は、平成三年十二月一日から施行する。

(平成四年条例第二三号)

(施行期日)

1 この条例は、平成四年五月一日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(平成一二年条例第三五号)

(施行期日)

1 この条例は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第三条並びに附則第三項及び附則第七項から第九項までの規定 平成十二年十月一日

(平成一二年条例第四四号)

(施行期日)

1 この条例は、平成十二年四月一日から施行する。

(山梨県立自然公園条例の一部改正に伴う経過措置)

2 この条例の施行の日前に第一条の規定による改正前の山梨県立自然公園条例第十二条第二項の規定により承認した公園事業は、第一条の規定による改正後の山梨県立自然公園条例第十二条第二項の規定による同意を得た公園事業とみなす。

(平成一四年条例第五四号)

この条例は、自然公園法の一部を改正する法律(平成十四年法律第二十九号)の施行の日から施行する。

(施行の日=平成一五年四月一日)

(平成二〇年条例第四一号)

(施行期日)

1 この条例は、平成二十年十二月一日から施行する。

(山梨県職員定数条例等の一部改正)

2 次に掲げる条例の規定中「公益法人等への山梨県職員の派遣等に関する条例」を「公益的法人等への山梨県職員の派遣等に関する条例」に改める。

 山梨県職員定数条例(昭和二十八年山梨県条例第二十二号)第十条第一項第八号

 山梨県義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例(昭和四十六年山梨県条例第四十七号)第四条第五号

 山梨県教育委員会職員等定数条例(平成十四年山梨県条例第二十二号)第三条第一項第八号

(平成二三年条例第一四号)

(施行期日)

1 この条例は、平成二十三年七月一日から施行する。

(山梨県立自然公園条例の一部改正に伴う経過措置)

2 第一条の規定による改正後の山梨県立自然公園条例第十五条の規定は、この条例の施行の日以後に第一条の規定による改正後の山梨県立自然公園条例第十条第三項の認可に係る公園事業を廃止した者、当該認可が失効した者及び当該認可を取り消された者について適用する。

(山梨県景観条例の一部改正)

3 山梨県景観条例(平成二年山梨県条例第二十四号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(山梨県屋外広告物条例の一部改正)

4 山梨県屋外広告物条例(平成三年山梨県条例第三十五号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成二四年条例第三三号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現にこの条例による改正前の山梨県立自然公園条例第十条第二項の同意を得ようとしている者の申請書及び添付書類は、この条例による改正後の山梨県立自然公園条例第十条第四項の規定による協議書及び同条第五項の規定による添付書類とみなす。

3 この条例の施行の際現にこの条例による改正前の山梨県立自然公園条例第十条第六項の同意を得ようとしている者の申請書及び添付書類は、この条例による改正後の山梨県立自然公園条例第十条第七項の規定による協議書及び同条第八項において準用する同条第五項の規定による添付書類とみなす。

(令和四年条例第四一号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。ただし、第二十六条の改正規定、第四十二条の改正規定、第四十三条の改正規定、第四十四条の改正規定及び第四十五条の改正規定並びに次項の規定は、令和四年十月一日から施行する。

(令和四年規則第二四号で令和四年七月一日から施行)

(経過措置)

2 前項ただし書に規定する規定の施行の日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

山梨県立自然公園条例

昭和32年12月26日 条例第74号

(令和4年10月1日施行)

体系情報
第6編の2 境/第3章 自然環境
沿革情報
昭和32年12月26日 条例第74号
昭和48年7月9日 条例第41号
昭和49年3月28日 条例第5号
平成3年7月16日 条例第26号
平成4年3月24日 条例第23号
平成12年3月29日 条例第35号
平成12年3月29日 条例第44号
平成14年12月25日 条例第54号
平成20年10月17日 条例第41号
平成23年3月28日 条例第14号
平成24年3月30日 条例第33号
令和4年6月24日 条例第41号