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更新日:2012年9月20日

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平成24年9月定例県議会知事説明要旨

平成二十四年九月定例県議会の開会に当たり、提出致しました案件のうち、主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
 天皇皇后両陛下におかれましては、本年十月六日に、地方事情御視察のため御来県され、武田の杜保健休養林を御視察いただくこととなっております。
 この度の御来県を県民挙げて御歓迎申し上げたいと存じます。
 また、ロンドンで開催されたオリンピック及びパラリンピックには、本県から合わせて八名の選手が出場し、大いに活躍されました。
 オリンピックでレスリングに出場した米満達弘選手は、本県勢では初めてとなる個人競技の金メダルをもたらしました。
 また、競泳では、鈴木聡美選手が我が国の女子選手では史上初となる、一つの大会で三つのメダルを獲得されました。
 更に、パラリンピックの走り高跳びでは、鈴木徹選手が、シドニー以来四大会連続の入賞となる四位となるとともに、リレーでも四位に入賞されました。
 選手の方々の活躍が、県民に深い感動と夢や希望を与えてくれたことに、心から敬意を表します。
 さて、私は二月定例県議会において、本年度、特に力を入れるべき三つの課題をお示ししましたが、現在、これに全庁挙げて取り組んでいるところであります。
 第一に、新産業の創出については、「産業振興ビジョン推進ネットワーク」を立ち上げ、産業振興ビジョン推進体制の充実を図っております。
 また、本県中小企業が成長産業に参入するには、企業間連携を進め、共同受注体を形成することが有効であるため、今後成長が期待される、クリーンエネルギー関連や医療機器関連など四つの産業分野において、その取り組みに向けた支援を行うための経費を追加計上しております。
 燃料電池については、大手自動車メーカー等は平成二十七年に燃料電池自動車を国内市場に導入する旨の共同声明を発表し、実用化に向けた段階を迎えていることから、本県では、関連産業の育成と集積に重点的に取り組んでおります。
 山梨大学で進められている世界最先端技術の研究開発の成果と本県中小企業の活動をつなぐ取り組みを更に強化するため、燃料電池関連産業の人材育成と製品化に向けた研究開発を一体的に支援する制度を創設しましたが、過日、山梨大学の研究者、大手自動車メーカーの開発責任者等を構成員とする審査委員会において事業計画を審査し、助成先の企業を選定したところです。
 第二に、定住人口の確保については、プロジェクトチームを中心に対策の検討を進めていますが、三十代の移住希望者の増加を踏まえ、本県に移住している子育て世代の暮らしぶりなどを紹介し、本県での田舎暮らしの魅力を発信する事業に要する経費を追加計上しています。
 また、Uターン・Iターン就職促進のため、先般、本県からの進学者数の多い神奈川大学、帝京大学及び東洋大学と就職促進協定を締結したほか、来月には、首都圏から合同就職面接会への送迎バスの運行や親のための就職セミナーを実施することとしています。
 第三に、甲府市中心部の再整備については、副知事をトップとする「甲府駅南口周辺地域修景計画推進会議」において、甲府市と共同で、駅前広場や平和通りの実施計画の策定を進めており、併せて増加傾向にある自転車の利用状況の実態など、様々な調査を行っているところであります。
 今後、明年度中の工事着手を目指し、地域の皆様や関係団体等と十分に調整を行うとともに、魅力ある地域となるよう、県、市、関係団体で連携して取り組んで参ります。
 なお、先月末、昭和町の大規模商業施設について、店舗面積を増床する計画が県に提出されました。
 これまでの経緯を踏まえると、開業からまだ一年六箇月しか経過していない現時点では、今回の増床は慎重に判断されるべきであると考えております。
 関係市町や住民の御意見を聴きながら、周辺の交通や生活環境に及ぼす影響などを十分考慮した上で、県の大規模集客施設等の立地方針に基づく意見を述べるなど、県として適切に対応して参ります。
 また、防災体制の強化について、本県では、東日本大震災の教訓を踏まえ、県民の安全・安心の確保のため、速やかに防災体制の抜本的な見直しを行い、昨年度、本県防災に関する総合的な計画である山梨県地域防災計画の見直しを行ったところであります。
 本年六月、国は、大震災の課題を受けて災害対策基本法を改正し、大規模広域災害への対応方針を示すとともに、先月、南海トラフの巨大地震に関する被害想定などを公表しました。
 このため、今般の法改正を踏まえた検討を加え、市町村の機能が著しく低下した場合の情報収集や避難所の運営支援等の応急対策などが円滑に行えるよう、年内を目途に、地域防災計画の修正を行って参ります。
 次に、当面する県政の課題について申し上げます。
 先ず、富士山世界文化遺産登録についてであります。
 登録の可否に大きな影響を及ぼすとされるイコモスの現地調査が、過日、カナダ人の調査員リン・ディステファノ氏により実施されました。
 構成資産の価値や保全状況等を丁寧に説明し、一定の理解が得られたものと考えております。
 この際、構成資産の周辺地域では、地域住民の皆様や地元市町村の積極的な清掃活動等により、極めて良好な環境で調査員を迎えることができたことに、御礼申し上げます。
 現地調査では遺漏なく十分な対応ができたと考えていますが、明年六月の世界遺産委員会で、富士山の世界遺産登録が実現されるよう、引き続き全力で取り組んで参ります。
 また、国では、明年一月、ユネスコ本部のあるパリにおいて、富士山展や関係者を招いてのレセプションの開催を計画しており、共催の呼びかけがあることから、国、静岡県とも連携して取り組んで参りたいと考えております。
 次に、リニア中央新幹線の開業に向けた取り組みについてであります。                 
 平成三十九年のリニア中央新幹線の営業運転開始に向けて、本県でそのメリットを最大限活用できるよう取り組みを進めているところであります。
 先ず、リニア開業を見据えた県土づくりの基本的な指針となる「リニア活用基本構想」の骨子案を作成し、先般、リニア中央新幹線建設促進山梨県期成同盟会総会で報告致しました。
 骨子案では、リニア開業のプラス効果を最大限活用した本県の目指すべき将来像を描くとともに、リニア新駅及び駅周辺の整備や駅と県内各地を結ぶアクセスなどの基盤整備等の基本的な考え方を提示したところです。
 中でも、新駅については、本県の新たな玄関口となることから、観光案内施設などに加え、富士山、南アルプス、八ヶ岳など甲府盆地周辺の眺望を楽しむことができる、展望施設の整備を検討して参ります。 
 また、リニア効果を全県下に波及させるためには、新駅と県内交通のハブ機能を担っている甲府駅との間の定時性のある交通基盤の整備が必要であります。
 このため、新たな交通手段としては、導入コストや運営面などから、現在、公共車両優先システムを活用したバス交通が有力であると考えておりますが、荒川堤防をバス専用道として活用する可能性などについても併せて検討して参ります。
 今後、県議会で御議論をいただくほか、地元説明会や県内各地域におけるタウンミーティングなどを通して、幅広く御意見をお伺いし、年内には構想の素案を作成して参ります。
 また、県立リニア見学センターについては、平成二十六年度早々のリニューアルオープンを目指して、施設の展示内容や管理運営の考え方について基本計画を策定致しました。
 全国で唯一、リニアの走行試験を間近で見学できるという立地条件を生かしながら、世界最高速を樹立した実物の車両もシンボルとして展示する新館を整備し、リニアが走る山梨をPRする拠点として整備して参ります。
 次に、エネルギーの地産地消の推進についてであります。
 私は、六月定例県議会において、本県の豊かな自然環境を生かし、クリーンエネルギーの導入促進に取り組むとともに、省エネルギー対策を推進することにより、県内で必要な電力を百パーセント県内で賄っていけるよう、エネルギーの地産地消を目指す旨を申し上げたところであります。
 このため、明年度、森林環境部、企業局などに分散している庁内の関連業務を一元化し、エネルギー施策を強力に推進する部局として「エネルギー局」を新たに設置致します。
 クリーンエネルギーに対する県民の皆様の関心は急速に高まっております。
 住宅用太陽光発電設備の設置に対する助成制度については、当初の見通しを大きく上回る申請があり、来月中旬には予算限度額に達する見込みであることから、申請期限である十二月までの申請に全て応えられるよう予算を追加計上して参ります。
 更に、自然条件によって発電量が大きく変化する再生可能エネルギーを安定的に利用するためには、電力の貯蔵技術が必須ですが、超電導関連技術を利用した電力貯蔵技術の研究が、本年七月に、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業に採択され、総額十億円を超える「次世代フライホイール蓄電システム開発事業」として、当初計画より一年前倒して、本県で実施できる運びとなりました。
 この事業では、鉄道総合技術研究所、民間企業及び本県がそれぞれの役割分担のもとで、最先端の超電導技術を用いた蓄電システムを開発し、新たに米倉山に整備する太陽光発電施設と連系して、実証試験を行うこととしております。
 次に、地下水の保全についてであります。
 本県は豊かな森林に恵まれており、ここで育まれた豊富な地下水は、県民の貴重な財産として将来にわたって保護し、適正な利用を図っていく必要があります。
 このため、昨年度から水資源の利用実態・賦存量などの調査を実施し、有識者等からなる検討委員会において地下水の保護と適正利用に向けた条例の検討を行って参りました。
 この検討を踏まえ、地下水の適正な採取を図る観点から、一定規模以上の揚水設備を設置しようとする者に届出の義務付けと地下水涵養の努力義務を課すこと、また、水源となる森林の存する地域における適正な土地利用の確保を図る観点から、水源地域における土地の所有権移転等について事前の届出を義務付けることなどを内容とする条例の素案をとりまとめました。
 現在、パブリックコメントを実施しておりますが、今後、県議会での御議論や県民の皆様の御意見などを踏まえ、十分に検討した上で、十二月定例県議会に条例案を提出したいと考えております。
 次に、やまなしブランドの確立についてであります。
 ワイン、ジュエリー、織物など、本県が誇る地場産業については、やまなしブランドとして確立させるため、国内外への積極的な情報発信を行っております。
 本県産ワインの品質は飛躍的に向上し、本年、十周年を迎えた国産ワインコンクールで、過去最多の二十二点が金賞を獲得しました。
 中でも、甲州ワインについては、欧州での評価が着実に高まりつつあることから、これを国内消費の拡大と本県のイメージアップにつなげる戦略を展開しております。
 先ず、著名な料理人やゲストを招き、甲州ワインと料理の相性の良さを知ってもらうイベントを都内で開催しており、明年三月までの十一回の開催を通じて、ワイン業界や飲食業界に影響力を持つ方々を対象に、甲州ワインの集中的なPRを行って参ります。 
 また、今秋からは、甲州ワインが得た高い評価やそれを培ってきた本県の魅力を、首都圏の幅広い層にPRするため、全国紙に加え、テレビや雑誌、インターネットなど様々なメディアを活用しながら情報発信する大規模キャンペーンを展開して参ります。
 次に、防災新館一階に整備するジュエリーミュージアムについては、明年秋のオープンに向けて、展示詳細計画等の策定を進めており、今月には、展示設備の製作にも着手したところであります。
 水晶や宝飾品の貴重なコレクションをはじめ、本県が国内最大のジュエリー産地を形成するまでの歴史や文化、卓越した加工技術など、本県の宝飾産業とジュエリーの魅力を発信して参ります。
 更に、織物、和紙などについては、下請け生産から脱却し、オリジナルブランドで海外進出を目指す取り組みに対して支援しております。
 これにより、自社ブランドで海外展開を目指す企業では、トレンド発信地におけるプロモーション活動のため、パリでの新作発表会やヨーロッパ最大級のデザイン展への出展、フランスやイタリアでの商標登録などに取り組んでおります。
 また、自社ブランドの確立を目指す企業の中からは、工業技術センターに招聘した総合プロデューサーの個別指導とミラノのデザイン専門学校での講座の受講などを通じて、ニューヨークの展示会に挑戦する企業が現れるとともに、若手を中心とした十社の織物業者が、今月から、自ら企画した商品を販売するアンテナショップをJR中央線立川駅の駅ビルに出店しております。
 次に、農業の振興についてであります。
 先ず、本県産果実の販路拡大を図るため、先月には、香港で開催されたアジア最大級の国際食品見本市である「フード・エキスポ」に初めて出展し、政府関係機関や現地の果実輸入会社等に直接トップセールスを行いました。
 この機会に、放射性物質に対する不安の払拭と本県産果実の品質の高さを情報発信することができ、今後の輸出拡大に手応えを感じたところであります。
 次に、有機農業の振興については、県内の大手量販店に専用コーナーを設置し、安定的な販路拡大に向けて生産者と販売業者の連携を支援しております。
 来月には、県農政アドバイザーの菅原文太氏やゲストとしてお招きするさだまさし氏の御協力もいただき、全国の有機農業の実践者などが一堂に会する「やまなし発・有機の郷推進交流大会」を開催し、本県を有機農業の全国拠点とすることを目指して参ります。
 次に、新規就農者の確保・育成については、昨年度の新規就農者数は前年度に比べ二十二名増の二百七名となるなど着実に成果が現れてきております。
 本年度も、農業協力隊員に二十名を新たに委嘱するほか、国の新規施策である青年就農給付金の実施により、新規就農者の確保・育成の一層の強化に努めて参ります。
 次に、観光の振興についてであります。
 ご当地グルメが注目される中、本年十一月に「二〇一二関東・東海B―1グランプリ」が開催されます。
 県内外から十万人を超える来場者が見込まれるこの大会は、本県を全国に向けてPRする絶好の機会であり、県庁敷地をメイン会場の一つとして開放するとともに、同時開催される「山梨いいもの・うまいもの市」の支援を行って参ります。
 更に、全県に波及効果を及ぼすため、富士の国やまなし観光ネットや観光キャンペーンにより大会開催情報を発信していくこととしています。
 また、大震災の発生後、県内への修学旅行は著しく減少しましたが、キャンセルのあった全国の学校や大手旅行会社を県職員が直接訪問し、本県の安全性や修学旅行先としての魅力を強力にアピールして参りました。
 今後も、引き続き旅行会社に働きかけるなど、本県への誘致を図って参ります。
 インバウンド観光については、海外からの誘客活動を一層強化するため、観光キャラバン隊をシンガポール、タイ及び中国へ派遣した結果、秋の観光シーズンにタイから百五十人を超える観光客の送客が決定するとともに、冬の観光シーズンに向けて具体的な商談が進行しております。
 また、本年八月一日に、前観光庁長官の溝畑宏氏を、山梨県顧問に委嘱致しました。
 溝畑氏は、観光に関する高い知見と豊富な人脈を有していることから、インバウンド観光の推進や海外における観光プロモーションへの御協力をいただくほか、本県の観光施策全般に対してアドバイスいただきたいと考えております。
 次に、新県立図書館の開館についてであります。
 新県立図書館は、十一月十一日に開館を迎えます。
 開館日には、阿刀田館長による講演会を開催し、十一月中には、絵本作家の講演会や原画展、漫画家の里中満智子氏や直木賞作家の森絵都氏をお招きした館長とのトークショーなどを行う予定であり、今後も多くの県民の期待に応えることのできる魅力ある施設となるよう努めて参ります。
 次に、保健医療の充実についてであります。
 先ず、がん対策については、「がん征圧月間」にあたる今月、国のがん対策推進協議会の会長をお招きし、がんの正しい知識を深めるための県民シンポジウムを開催し、関係団体と連携してがん検診受診を促すキャンペーンを展開して参ります。
 また、県内の約七千人の園児から親に対して、がん検診の受診を呼びかける「子から親へのメッセージ事業」を実施致します。
 また、自殺防止対策については、平成十九年以降、自殺死亡率が全国で最も高いという状況を改善するため、過日、県を挙げて自殺防止対策に取り組むガイドラインとなる「山梨県自殺防止対策行動指針」を策定致しました。
 指針では、県内で芽生え始めている民間団体の活動を支援し、関係機関等の連携を促進するほか、県民一人ひとりが自殺防止対策の主役となり、県民運動として自殺防止対策に取り組む方針を掲げております。
 また、青木ヶ原樹海を舞台とした自殺を助長する恐れのある映画等の撮影については、県有地である樹海の使用を認めないことにしております。
 次に、障害者施策についてであります。
 私は、知事就任以来、障害者の皆様の自立と社会参加の促進を図り、誰もが社会の一員として互いに支え合って暮らす社会の実現に向けて取り組んで参りました。
 本年三月には、「やまなし障害者プラン二〇一二」を策定し、新たな施策展開を進めているところです。
 このうち、身体障害者の方々等が利用する駐車場の適正な利用を確保するパーキングパーミット制度の導入については、現在、利用対象施設の管理者との協定締結を進めており、市町村との協働により、本年十一月から「やまなし思いやりパーキング事業」として、制度をスタートさせることとしております。
 これに加えて、私は、県議会の御議論のほか、障害のあるお子さんの保護者の方々をはじめ、県民の皆様から生の声や要望をお伺いし、特に近年増加している軽度の知的障害のある生徒に対する職業教育の充実の必要性を確信するに至りました。
 そこで、今回、特別支援学校の教室不足の解消を図るだけでなく、軽度の知的障害のある高等部生徒が、必要な知識・技能を習得して、卒業後、充実した職業生活を送ることができるよう、わかば支援学校の改築とともに、旧園芸高校敷地にあるかえで支援学校分教室を発展的に解消し、平成二十七年四月の開校を目指して、職業教育に特化した、全県を通学区域とする新たな高等支援学校を設置して参りたいと考えております。
 一方、重度心身障害者医療費助成事業は、障害者の健康を守り、地域で安心して生活を送るために重要な施策ではありますが、平成二十年四月の窓口無料化により、事業費が約八十四パーセント増加し、県と市町村の負担額は平成二十三年度で四十一億円余、県民一人当たりの負担額は全国最大となっております。
 国は、窓口無料化により医療費が増高し、国民健康保険財政を悪化させるとして、窓口無料を実施している市町村に対し、国民健康保険の国庫負担の減額措置、いわゆるペナルティを課しておりますが、このペナルティに要する経費は、県、市町村合わせて八億七千万円にも達しております。
 本県は、かねてより国にペナルティの廃止を強く要請してきましたが、国がこれに応ずる見通しはありません。
 このペナルティに要する経費は、診療時に窓口での支払いが不要であるという利便のために要しているものではありますが、その金額の大きさ、県や市町村の厳しい財政状況等を考慮すると、県民の皆様の税金の使い方としては、更なる工夫が必要であると思います。
 そこで、今般、重度心身障害者の皆様が負担する医療費を無料にする制度は堅持しつつ、ペナルティに要する県、市町村負担を解消するため、窓口無料方式から自動還付方式に変更したいと考えております。
 自動還付方式は、医療機関の窓口で、受給者の方々に一旦自己負担分の支払いをお願いするものですが、受給者の方々が申請手続きを行わずとも、三箇月程度で御本人の預金口座に自己負担分相当額が自動的に振り込まれる仕組みです。
 しかしながら、一旦は支払いをすることになりますので、低所得者の便宜を図るため、無利子で支払資金を貸し付ける仕組みも同時に創設します。
 今回の見直しは、障害者の皆様の健康と利便性に十分に意を用いつつ、医療費助成の方式に工夫を加えることによって、ペナルティに要している県民の皆様の税金を、障害者施策の更なる充実に活用したいとの考えに基づくものであります。
 県議会の御意見をはじめ、障害者団体や市町村などの御意見も十分お聴きしながら、今後の検討を進め、障害者の皆様が安心して暮らせる社会の実現に向けて鋭意取り組んで参ります。
 次に、土地開発公社が分譲した工業団地への対応についてであります。
 土地開発公社が昨年分譲した市川三郷町大塚地区拠点工業団地内の土地に、造成に適さない転石や廃棄物が混入していた問題については、この土地を取得した企業と協議を重ねながら、掘削・除去等を進めております。
 公社においては、原因究明と責任の所在を明らかにするため、先般、弁護士や設計・施工の専門家等からなる調査委員会を設置するとともに、用地取得、土砂搬入、造成工事、企業との売買契約などに関する様々な項目について、過去の公社職員や請負事業者など百名以上の関係者に対する聞き取り調査を実施しているところです。
 先日開催された調査委員会では、この調査の経過が報告されたところですが、県として、徹底的な原因究明と責任の所在の追及を強く求めているところであり、今後も実態の解明のために全面的に協力して参ります。
 次に、中小企業高度化資金の不良債権についてであります。
 中小企業高度化資金の不良債権については、今後、回収に係る経費を上回る回収額が見込めないことや債権譲渡を行えば中小企業基盤整備機構からの貸付原資や違約金など約八十億円の償還が免除されることなど、将来に向かって県民負担を最小にする観点から、債権を譲渡すべきであるとの考えに至り、手続きを開始したところであります。
 本年五月、甲府地方裁判所において、味のふるさと協業組合の担保物件と身延ショッピングセンター事業協同組合の主な担保物件が競売により売却され、その後、売却代金も納付されたことから、債権回収業者への入札を実施し、先般、落札者と債権譲渡の仮契約を締結したところであります。
 この債権譲渡については、不良債権のうち既に回収の手立てがなく、機構の償還免除要件を備えている甲南食品協業組合の債権放棄とともに、今定例県議会に議案を提出しております。
 また、第三者委員会からいただいた高度化事業の今後の在り方についての御提言を踏まえ、貸付事業の改善に向けて、プロジェクトチームで検討を行い、制度を所管する機構との協議を進めて参りましたが、今般、融資限度額の設定、貸付審査の方法、債権保全の強化などについての改善策を取りまとめましたので、県議会の御意見をお伺いしながら、貸付要領の改正など所要の手続きを進めて参りたいと考えております。
 次に、提出案件の内容につきまして御説明申し上げます。
 今回提出致しました案件は、条例案四件、予算案三件、その他の案件五件となっております。
 条例案のうち、主なるものにつきまして申し上げます。
 山梨県下水道法施行条例の制定、並びに山梨県食品衛生法施行条例及び山梨県鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行条例の改正についてであります。
 これは、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律、いわゆる地域主権改革一括法の施行に鑑み、県が設置する施設の構造や設備の基準等を定めようとするものであります。
 次に、予算案のうち主なるものにつきまして申し上げます。
 県立学校への冷房設備の導入につきましては、生徒に快適な学習環境を提供するため、今後三年間かけて順次、全ての県立学校に整備することとしており、今定例県議会には、第一期十三校分の設置工事費を計上致しております。
 また、国の交付金を財源として創設した基金事業を活用することにより、若年者等の就業機会を創出する事業をはじめ、地域における自殺対策を強化する事業、地域医療再生計画に基づく事業、消費者行政活性化に資する事業などを実施することとし、所要の経費を計上致しております。
 このほか、既に申し上げましたとおり、中小企業等の成長分野への参入を促進する共同受注体形成に向けた支援、本県の定住人口の確保に向けた二地域居住や移住の促進、住宅用太陽光発電設備の設置に対する助成件数の拡大、新しい高等支援学校の設置やわかば支援学校の改築などに要する経費を計上致しております。
 以上の内容をもって編成しました結果、一般会計の補正額は、十八億円余、既定予算と合わせますと四千六百四十三億円余となり、前年度同期予算と比較して、〇・七パーセントの減となっております。
 この財源と致しましては、繰越金四億円余、県債十三億円余などとなっております。
 その他の案件につきましては、いずれも、その末尾に提案理由を付記しておりますので、それによりまして御了承をお願い致します。
 なにとぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。

 平成二十四年九月二十日

 山梨県知事 横内正明

このページに関するお問い合わせ先

山梨県総務部財政課 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1381   ファクス番号:055(223)1385

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