手作りで美味しいパーティー料理をHACCP認定工場から全国へ発信~! |
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株式会社富士物産 本社工場 |
関口社長が欧米を訪問した際、「これは!」と感じた工場では必ず見かけた「HACCP」。平成19年5月に竣工されました当工場も、国際的に認められた食品の衛生管理に係るこの認証を取得することを目的として設計・建設されました。取得後はこのシステムを維持・管理するため、社員一丸となって取り組まれています。 今回は、ホテル・レストランはもとより、機内食向け業務用食品の加工販売をされています「株式会社富士物産」の本社工場をお訪ねし、代表取締役社長である関口博様にお話を伺いました。
>>>当地に立地されたきっかけは?

現在の事業を行う前に富士北麓に来る機会があったのですが、ここは東京にも近く、世界に誇る富士山が間近に見えること、また、豊富で良質のわき水もあり、魚の養殖に適した地域でもありました。このように好条件が揃っている場所ということで、昭和54年に操業を始めましたが、当時は知人も少なく、事業用地の確保等には苦労した思い出があります。ただ、一度顔見知りになると、親戚付き合いのような人間関係が築ける土地柄であることは大変気に入っています。
>>>事業を始めるきっかけは?
当職は以前スポーツ記者をやっていまして、世界中の各国を回りました。またその頃、趣味程度ではありますが、自己流で魚のスモークを作っていまして、各国で味わった味覚を再現すべく、製造方法について試行錯誤を繰り返していました。そうした中、東京の大手ホテルのシェフにこのスモークを味わって頂く機会があったのですが、好評でして、それがきっかけとなって大手のホテルを次々と紹介いただき、今日のように事業が広がってきました。 また、こうした都心のホテルには、大規模のパーティーを開催する際、限られた人材や厨房スペースでは徹夜でもしないと対応できないという、共通の課題があることを知りました。日曜日の大安吉日ともなりますと、1回で1000人分のオードブルが必要になることもあります。私どもはこのようなニーズに対し、一流のものを提供することで、皆様に喜んでいただければと考えております。
>>>商品を製造する際の留意点は?
当社は手作りを基本に様々な作業を行っていますが、機械の方が安全で効率的な場合は機械も積極的に導入しています。たとえば、様々な堅さの食材を寄せ集めたものをカットするのは手作業よりも機械(スライサー)の方が優れていますし、ホテルなどで独自にこのような機械を導入することは難しいと思います。ただ、これらの機械も現物をよく確認して、厳選していますので、お客様には満足いただけるものと思います。 また、当社はHACCP(高度化基準認定)を認定取得しております。HACCPは、米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の手法であり、原料の入荷から、出荷までの全ての工程において、あらかじめ危害を予測し、その危害を防止するための重要管理点を特定して、そのポイントを継続的に監視・記録し、異常が認められたら直ぐに対策を取り解決するというもので、不良製品の出荷を未然に防ぐことが出来ます。当工場も三重・四重とした防虫対策や、さらなる安全性を追求した信頼のできる製品づくりに取り組んでいますので、お客様も安心してご利用いただけます。
>>>今後については?
ここ2年位は大震災の影響もあって、当社にとっては大変厳しい事業環境でした。ただ、昨年の秋頃から、業況が上向いてきており、当社がこれまで取り組んできたことと合わせ、今年度は売上げが伸びると予想しています。このため、当工場では現在100名ほどの方が働いていますが、新たに十数名は募集しなければ業務がこなせないだろうと考えています。また、世界中から質の良い食材の情報をいただいていますので、流行や見た目にも美しい料理の提供ができるよう開発部門と一体となって提案させていただきます。
>>>ここがポイント!
工場内には、ホテルの厨房やお客様に料理をお出しするようなテーブルがセッティングされたショールームが二階に設けられており、そこからは森林で囲まれた眺望を背景に、芝生など手入れの行き届いた景色が眺められます。また、関口社長は食材の提供にとどまらず、シェフの確保が困難な地域であれば、その人材不足を埋めるためのアドバイスもされており、いわば食のディレクターといった印象を受けました。
関口社長は若い頃、よく海外に行かれたとのことで、この経験が事業に大変役立っていると言われていました。また、70歳を超えられた現在も海外出張を数多くこなされていますが、全然苦にはならないとのこと。なお、富士山が近くても、当社が良い物を提供できなければ、相乗効果は生まれないとおっしゃっていました。今後もご活躍をお祈りしています。(25.3)
株式会社富士物産 本社工場