• ｜
• ENGLISH
• ｜
• ホーム
• ｜

 

当社は、中央道が大月まで開通していた昭和43年頃、府中市で操業していましたが、この周辺は土地代が高い上、3k職場ということで東京近辺では労働者の確保も満足にはいかない状況でした。また、社員が土地価格の高い東京の近郊にあって、家を持つことなどできない状況であったため、何とかしたいと思っていました。こうした中、不動産業者からの紹介もあり、富士山が見える当地に移転することに決めました。移転にあたっては、人材不足の中、社員の確保が見込めたことや、社員の持ち家について、50歳までには購入資金のﾛｰﾝが終えられ、貯えが残せる環境にあったこと、また、精密機器が集積している諏訪地区を経由し、近々中央道が名古屋まで繋がることが明らかであり、関西方面にもアクセスしやすく、広い敷地の確保と坪単価が1万円という安い価格であったことなどが決め手となりました。今は周辺もだいぶ整備され、住宅も建てられてきましたが、当時は何もなく、いい環境でした。なお、当初は敷地が1,000坪程度であったのですが、徐々に土地・施設とも拡張し、現在5,000坪を超えるまでになりました。

 

全体の90%がコレットチャックで、あとは自動旋盤の工具の一種であるカムと切削工具の再研磨などです。もともとは東京のカムのメーカーとして知られており、自動車や時計など、当社のカムによって作られた部品が入っていないものはないくらい、エーワンという企業は知られていました。このカムが電子化されようとする中、旋盤工作で材料を固定するために必要なコレットチャックに重点を移し、その後、切削工具も始めました。その日のうちに納品できる体制づくりは、中小企業が親会社からの急な発注等において、求められるのは「正確・早さ・安さ」であり、これらの対応でお客様が困っているのを見るに付け、これを解決することに生きる道があると思ったからです。当社はその中でも特に「早さ」に拘ってきました。カムの売上は5%位ですが、市場はほぼ独占しており、コレットチャックについても、小型自動旋盤の範囲ではありますが、市場で64%位のシェアを誇っています。なお、当社は困っている所を埋めるサービス業だと思っています。こうしてエーワンはメーカーでありながら独自の販売網を持ち、下請けではない「生・販」一体の体制を構築することができました。今やその販売先は14,000社にも及び、エーワンというブランドだけで注文を集められる状況になりましたが、当社は常にこれらの会社に支えていただいていると感じています。

 

製造業であるためには、まず販売先の確保が何よりも大切です。取引先が中国などにあれば考える必要もありますが、当社の取引先は国内が主で、「多品種・少量」の受注が多く、工場が国外にある必要性は感じていません。市場が大きければ、コスト等の課題も重くなってきますが、今や中国も人件費が安価とは言い難く、製品も少量であることから、現状では考えていません。

 

このまま続けていけたらと思っています。現在、日本のものづくりの元気がないと言われておりますが、世代交代の中、自信をなくしている後継者に、一本筋の通った経営をすればこういう会社になりますよ、という思いで工場を見てもらっており、上場したのもそういった思いです。講演についてもボランティアとして、自分を育てていただいた恩返しのつもりで行っています。

 

 

当社のモットーは「その日、その日に処理できることはやる」ということです。 これこそ、「短納期」が実現できる所以です。

 

• 立地企業の声一覧