富士の麓で50年の時を刻む「セイミツさん」 |
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シチズンセイミツ株式会社 |
今年、平成22年に創立50周年を迎える「シチズンセイミツ株式会社」をお訪ねし、代表取締役社長 小佐野 勝重様にお話を伺いました。
>>>主な事業内容は?

部品製造の分野と製品製造の分野とがあります。まず、部品製造の分野では、腕時計用のムーブメント部品、エコドライブウォッチ用の文字板、自動車のABS部品のほか、携帯用音楽プレーヤーやノートパソコンに搭載される小径サイズのHDD用ガラス基板の製造を行っています。いずれも生産量は世界のトップシェアを占めており、特にエコドライブ用文字板につきましては、ほぼ独占的な生産状況にあります。 さらに、光散乱型液晶は、一眼レフカメラ用に国内の全カメラメーカーに採用され、また、電子ペーパーは、携帯電話のディスプレイとして、高い評価をいただいています。 一方、製品製造の分野では、シチズンの精密技術を集約した精密計測機器、業務用ミニプリンタなどがあり、精密計測機器については製造から販売まで一貫した事業展開を行っています。
>>>山梨に立地した「きっかけ」は?

日本一の富士山の麓にある河口湖町(現 富士河口湖町)の誘致を受け、シチズン時計株式会社の子会社である「河口湖精密株式会社」として、機械式腕時計の耐震装置や、「香箱車(こうばこぐるま)」と呼ばれるゼンマイを収めた動力装置などの製造を目的に、1960年7月に誕生しました。今年で創立50周年の節目を迎えます。 この場所は、富士の麓の豊かな自然に囲まれ、きれいな空気、豊富な地下水が得られるとともに、地盤が強固であるなど、精密工場には最適の地であると言えます。立地に当たっては、そうしたことも判断の材料となったのではないでしょうか。 ちなみに、山梨県内には、本社工場のほか、富士吉田市内に「富士工場」と「富士吉田工場」の2つの生産拠点を設けています。
>>>ここがポイント!
本社工場は、四季折々に姿を変える富士山や河口湖という雄大な自然環境に恵まれた立地であり、富士山の世界遺産登録時には、その環境を保護するための緩衝地帯に含まれる位置にあります。 澄んだ空気、きれいな水、豊かな緑に溢れた自然環境との共生を図りながら、単なる物づくりにとどまることなく、省資源・廃棄物削減やCO2排出量削減等の実現、周辺環境にマッチした公園工場づくり、社会・地域への貢献など、環境に積極的に配慮した事業活動に取り組んでいます。
シチズンセイミツ株式会社は、採用意欲があり、かつ製品やサービス、人材方針に優れる企業として、経済産業省がこのほど公表した「雇用創出企業」に選ばれています。社員の方々は、地域の皆さんから親しみをこめて「セイミツさん」「セイミツさん」と呼ばれているとのこと。世界をリードする技術開発もさることながら、創立50年の間に地域の中で培ってきた信頼感が、今回の選定にもつながったのでしょう。(22.1)
シチズンセイミツ株式会社