山梨で紡ぐ化合物半導体デバイスの新たな歴史 |
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住友電工デバイス・イノベーション株式会社 山梨事業所 |
2009年8月に発足したばかりの「住友電工デバイス・イノベーション株式会社 山梨事業所」をお訪ねし、代表取締役社長 高田寿士様にお話を伺いました。
>>>設立の経緯は?
住友電工デバイス・イノベーション株式会社は、住友電気工業と富士通の折半出資会社のユーディナデバイス社を前身としており、2009年4月の住友電気工業による完全子会社化を経て、同社の光伝送デバイス事業を統合再編し、この8月に社名も新たに発足したものです。 光・電子デバイス事業の分野で、両社がこれまで蓄積してきた技術と経験を統合し、そのシナジー効果を活かすことで、総合力としては何倍にもなるものと期待しています。
>>>主な事業内容は?

化合物半導体を材料とするデバイス、また、その応用製品の開発・製造・販売を行っています。大きく分けますと、光通信網に用いられる光素子などのデバイスや光トランシーバなどのモジュールに関わる事業と、移動体通信、衛星通信、車載レーダなどに用いられるHEMT や MMICなどの無線通信デバイスに関わる事業の2つの分野があり、それぞれグローバルマーケットで1、2位を争うシェアを占めています。
化合物半導体には、ガリウム砒素、インジウムリン、窒化ガリウムなどの素材を使っていますが、シリコン等と比べて、高速動作、受発光機能、熱や放射線に強い、などの特性があり、大容量かつ高速の情報処理が可能で、消費電力も少なく、小型化も容易ですので、今後、情報通信関連分野にとどまらず、自動車関連や民生エレクトロニクスなど、より幅広い産業分野での利用が進んでいくものと見込んでいます。
>>>山梨に立地して良かったことは?
首都圏に近いということが言えます。売上高ベースで国内向けは1/4程度ですが、その取引先の多くが首都圏に立地していますので、中央自動車道やJR中央線でスッと行けるのは大変に便利です。 山梨事業所は、国内3箇所、海外1箇所にある生産拠点の中で最も大きな規模であり、首都圏からのアクセスが良いところでこれだけの広い工場用地が確保できたのは、恵まれていたと言えるでしょう。
>>>ここがポイント!
光通信コンポーネントにつきましては、開発から製造、サポートまで一貫した体制で事業展開しており、40G/100Gbps伝送用CFPモジュールや波長可変トランシーバをはじめとした、幅広い製品群を供給し、ますます発展する世界の光通信システムを支えて行きたいと考えています。
高田社長様は、これまであまり山梨には縁がなく、山梨事業所での業務のため、週に1~2日は山梨を訪れるようになったとのことですが、観光地に足を伸ばすほどの余裕は未だ見つけにくいようです。そもそも「観光」とは、中国の古典『易経』の一節「国の光を観る」が原義。光を伝えるプロの目に、今後、山梨の「光」はどのように映ることになるのでしょうか。(H21.12)
住友電工デバイス・イノベーション株式会社 山梨事業所