ページID:103273更新日:2022年7月18日

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原始古代の技に学ぶ第5回「青銅鏡作り」

県立考古博物館では月に1回程度、16歳以上の大人の方を対象としたものづくり教室「原始古代の技に学ぶ」を開催しております。

今年度第5回のものづくり教室は、青銅鏡作りを開催いたします。

画像:位至三公鏡の制作例
青銅鏡(位至三公鏡)の制作例(直径:約9cm)
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今回のものづくり教室で作成する位至三公銘帯双雲紋鏡(いしさんこうめいたいそううんもんきょう)は、後漢(2世紀前半から3世紀初頭)にみられる双頭龍文鏡の一種です。鈕(ちゅう─中央の紐を通す部分)を挟んで縦方向に「位至三公」の銘帯を入れ、その左右に配された逆S字状の平彫りされた龍文が特徴です。「位至三公」とは「皇帝に次ぐ位(三公)になることができる」という意味で、男性の出世を願う銘文であると考えられています。

画像:長田口遺跡出土・垂飾
長田口遺跡(南アルプス市)出土・垂飾(鏡片)
弥生時代・当館所蔵

山梨県内では南アルプス市の長田口(おさだぐち)遺跡から、位至三公鏡と推定される鏡片が出土しています。

鏡片の残存状況が外区周縁のみであるため、鏡の種類を断定するのは難しいですが、縁部の傾斜や大きさ(復元時の鏡の径:11.4cm)、わずかに残存する内区の文様(櫛歯文)などの特徴から、後漢鏡の双頭龍文鏡(位至三公鏡)と推定されています。また、鏡片の両端は穿孔してあり、孔に紐を通して垂飾(ペンダント)として用いられていたと考えられています。

今回のものづくり教室では、長田口遺跡出土品をモデルとした青銅鏡作りを通して、青銅器作りの一連の工程を見学・体験していただきます。この機会にぜひ、古代より受け継がれてきた金工技術に触れてみませんか?

皆様のご参加をお待ちしております。

青銅鏡作りの工程について

今回のものづくり教室では、鋳込み後の研磨の工程に重点を置いて青銅鏡作りを体験していただきます。鋳型作りと溶けた青銅を鋳型に流し込む鋳込みの工程は、職員が実施する様子を見学していただきます。あらかじめご了承ください。

画像:鋳型作りの様子
鋳型作りの様子
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ガス硬化砂を原型に押し詰めて型取り、炭酸ガスを注入して固め、青銅器の鋳型とします。

画像:炉内のるつぼ
炉で熱したるつぼ
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高温をおこした炉の中で銅と錫を入れたるつぼを熱し、青銅(銅と錫の合金)を作ります。

画像:鋳込みの様子
鋳込みの様子
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溶けた青銅を鋳型に流し込みます。危険な作業ですが、青銅は急速に冷え固まるため、早さと正確さが要求されます。

画像:研磨の様子
研磨の様子
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鋳型から取り外した青銅器のバリ(余計な部分)を取り除き、形を整えたら、光沢が出るまでヤスリ等で研磨します。

参加者(来館者)の皆様へ

新型コロナウイルスの感染防止のため、入館時の検温や体調確認等、感染防止対策へのご協力をお願いしております。ご来館前に必ず次のページをご確認いただくとともに、感染予防にご理解・ご協力くださいますようお願いいたします。

ものづくり教室のご案内

開催日時

令和4年8月20日(土曜日)
午前9時30~午後4時(午後0時~1時の間はお昼休みです)

新型コロナウイルス感染症の影響により、予定が変更となる場合がございます。

会場

風土記の丘研修センター(甲府市下向山町1271)

会場は考古博物館ではありません。会場への経路は地図(GoogleMap)を参考にご来場ください。なお、考古博物館と風土記の丘研修センターを結ぶ曽根丘陵公園内の道路は管理道につき、一般の車両は通行できません。(徒歩での通行は可能です)

対象・定員

16歳以上の方・8名

参加費

6,000円
教材費およびイベント保険料です。参加時にお支払いください。

持ち物・服装

筆記用具、昼食
活動しやすく汚れてもよい服装(エプロン等着用)でご参加ください。

新型コロナウイルスの感染防止のため、必ずマスクを着用の上、ご参加くださいますようお願いいたします。

お申込み方法

参加には事前にお申込みが必要です。

風土記の丘研修センターへお電話またはご来館の上、お申込みください。

令和4年7月20日(水曜日)~8月3日(水曜日)の間、お申込みを承ります。

お申込みが定員を超えた場合、抽選にて参加者を決定いたします。なお、抽選結果の通知は、当選者へのご連絡をもって代えさせていただきます。あらかじめご了承ください。(お申込みが定員に満たなかった場合、先着順にて再度募集いたします)

お申込み後、キャンセルまたはご欠席される場合はお早めにご連絡くださいますようお願いいたします。

お申込み・お問合せ

風土記の丘研修センター(考古博物館付属施設)

電話:055-266-5286
FAX:055-266-5287

受付時間:午前8時30分~午後5時
休館日:毎週月曜日(8月15日は開館)

このページに関するお問い合わせ先

山梨県観光文化・スポーツ部考古博物館 
住所:〒400-1508 甲府市下曽根町923
電話番号:055(266)3881   ファクス番号:055(266)3882

ものづくり教室の詳細は、考古博物館付属施設・風土記の丘研修センター(電話:055-266-5286)までお問い合わせください。

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